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えっちゃん
登録者:えっちな名無しさん
作者:名無しの作者
(・∀・)226(・A・)63

マンガとかドラマで見る「記憶が急に甦ってきて」を、リアルで経験したこと。
大学生の時、親戚の法事で久しぶりに会った伯母(母の姉)と、お寺の小部屋でたまたま二人きりになった時、
「去年ね、あの人が亡くなったのよ。・・・えっちゃん。覚えてる?」と言われ、「誰?」と答えた。
すると「ああーいいの。何でもないの忘れてちょうだい」と伯母が言った。何だかなと思った。
その夜寝てて、切れぎれの夢を見た。朱色の玉のれん、袖を切ったトレーナー、きしむ板廊下、
くせ毛の髪をポニーテールの人。
それから飛び起きて、その時にはバーーーっと思い出してた。
せっちゃんは、私が幼稚園に入るまで育ててくれた人だった。
朝を待って伯母に電話すると、伯母は朝から長電話に付き合ってくれて、色々話を聞いた。
私が1歳の時、母が父の浮気にキレて、私を置いて家出したという。
父は浮気相手を家に上げ、子供は不要なので預け先を探してた。
その預け先が「えっちゃん」だった。
えっちゃんは父の知り合いの妹で、一人暮らししてるけど、軽い知的障害があって、
昼間の短い時間工場で軽作業をし、あとは障害者手当で暮らしてた人だったらしい。
父はその人に白羽の矢を立て、まとまったお金を渡して無期限で私を預けたのだという。
その4年後正式に離婚しようと母が戻ってきて、私が父の養育でなく知的障害者に預けられてる
と知って、父とえっっちゃんに憤慨し、すぐ私を引き取ったという。
その後間もなく幼稚園に入れられ、今まで私の人生の記憶はそこからしかなかった。
伯母は子供を残した母の家出に怒り、定期的に父に連絡してたが、私が手元にいないこと
を知らされず、会う機会も作れず、母と一緒に事態を知ったのだという。
母と一緒にえっちゃんの家に行った伯母は、袖を短く切った大人のトレーナーを着た
私に会ったのだという(子供の服を着せるという発想がなかったらしい)。
私を病院に連れて行ったが、予防注射などを打ってなかったり、歩きが年齢相応でない(外で遊ばせた
ことがなかった)以外、健康状態は普通だったらしい。
伯母は母が私を引き取った後も時々えっちゃんの元を訪れ、お歳暮やらお中元やらと届けてたという。
去年訪れた時に、えっちゃんの訃報を知ったのだという。
電話を切った後、昔年疑問に思ってたこと(離婚してるとはいえ父に会ったことすらないこと、

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