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20190829蜘蛛の糸
登録者:えっちな名無しさん
作者:あでゅー
(・∀・)7(・A・)70

20190829蜘蛛の糸 41枚
●登場人物
井上修斗しゅうと 高校生、パンの専門学校、パン屋でバイト、パン工房
南条聡子さとこ  高校の同級生、一橋大学法科
梶田 不良    高校の同級生、警察官
日向千鶴ひなた・ちづる パン屋のバイト仲間、結婚
●プロット
高校2年出会い。聡子はブランコで泣いていた
教室の黒板に二人の相合傘が。突然、聡子がキス
不良に拉致される
聡子の告白。6歳年上の従兄とセックス。ロリコン
体育の時間にサッカーボールをぶつけられる。聡子が泣き叫ぶ
聡子の従兄が幼女とレストランで食事
その後、何者かにチンポを切り取られる
聡子の猛アタック
聡子に童貞を奪ってもらう
猛勉強するが成績は上がらなかった
卒業後、パンの専門学校へ、夜はパン屋でバイト
聡子は、一橋大学法科へ
パン屋でバイトの子、千鶴に慕われる
聡子と別れ、千鶴と付き合う。二年後に、パン工房をはじめる
聡子は、女の子を産み、その何年かあとに、自殺する
女の子を引き取り、千鶴と育てる
(一)
 彼女は、聡子と書いて、サトコと言った。
 とびきり美人ではないが、さめた表情がひそかに人気を集めた。いつも一人で、頬杖をついて小説を読んでいるさまは、誰もが意識せずにはいられない。そして、成績が学年で四百人中、十位以内……。できすぎている。そんな彼女を遠目に眺めて、思春期によくあるような妄想にもんもんとふけっていたのである。
 五月の冷たい雨が、ようやくあがった休日の午後。友だちの家に遊びに行った帰り道、傘をぶらさげて小さな公園を通りかかると、聡子は泣いていた。普段着でブランコに腰かけて、一人大粒の涙を流している姿は、同級生としては放っておけない――という言い訳を用意して、隣りのブランコに腰かけて、キーキー音をたてた。
 砂場で小さな男の子が、よほど砂いじりが好きなのか、湿った砂で一生懸命トンネルを作っている。それを、優しそうなお母さんが、見守っている。その親子は、しばらくすると僕たちに温かい缶コーヒーを渡して、立ち去る。
「ありがとうございます」
「ぼく、ありがとう」
 親子の背中に、二人してお礼を言った。男の子は、顔をくしゃくしゃにして喜んで、お母さんのエプロンを右手で引っ張った。お母さんは、男の子の頭を優しくなでると、細い車道に出て視界から消えた。
 聡子は、その光景をほほ笑みながら見送る
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