TOP
3次ページ→

交換日記
登録者:えっちな名無しさん
作者:名無しの作者
(・∀・)23(・A・)6

「あー!全然駄目だ!」 原稿をくしゃくしゃっと丸めて捨て、村上拓弥(むらかみたくや)は吐きすてる様に言った。 
拓弥は小説家を目指す27歳。大学を出て一度は就職をしてみたが、幼い頃から小説家を目指していた拓弥にサラリーマンの風は肌に合わず2年ほど働いたが結局辞めてしまった。幸いほとんどお金を使う機会もなく給料も良い会社だったから貯蓄は十分にあった。 
今はフリーターをしながら次回の賞に向け小説を書いているのだが、どうもスムーズにいかない。 
拓弥「今日は駄目だな・・少し外の風でも吸いがてら散歩するか・・。」 
今日は土曜日。秋にしてはまだまだ夏日の太陽が容赦なく照り付けてくる中、拓弥は玄関の扉を開けた・・ 
散歩といっても拓弥の行く場所は決まっていた。いつも行く近くの公園。 
この公園はこの近辺では大きい方で子供の遊び場やランニングをしている人達等で休みの日なんかは結構にぎわっている。 
少し歩いていると今日はいつもと違う光景が拓弥の目に入って来た。 
拓弥「バザー? か。そういえば今日は土曜日だったな」 
この公園では土日祝には定期的にバザーが行われていて丁度今日がその日だった。いつもはバザーになんか興味は無いんだが、なんとなく今日は見てみようという気になって拓弥はバザー会場をブラブラと歩きだした。 
古着やまだ一度も着られていない服。懐かしのレコード・CD。 たこ焼き等の屋台など結構な店の数と人で会場内はごった返していた。 
興味も無く見回っていると文房具を販売している店に出くわした。 
そういえばもう少しで原稿用紙が無くなるところだったな・・。 
拓弥は売り物を見てみたが原稿用紙が見当たらない。 
拓弥「すいません。原稿用紙っておいてませんか?」と店番をしていた若い子に聞いてみた。 
「え?原稿用紙ですか?えーと、、、」と売り物の中を探しだしたがどうやら見つからないみたいだ。 
そんな中一冊の日記帳が拓弥の目に止まった。淡い赤い表紙の日記帳。表紙には「DIARY BOOK」とだけ書かれている。 
拓弥「あ。原稿用紙はいいです。この日記帳っていくらですか?」 
「え、えーと実は私、今だけ店番頼まれていて料金とか全く分からないんです。ごめんなさい!」 
なるほど。原稿用紙があるのか無いのかも分からない訳だ。 
「でも、多分200円ぐらいじゃないかな?」 
拓弥「え?そんなに安くして大丈
3次ページ→
TOP