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レントゲンの番号
登録者:えっちな名無しさん
作者:271:名無しさん@ピンキー
(・∀・)21(・A・)5

162名無しさん@ピンキー2019/06/06(木) 12:04:32.01ID:kVjnn0pd0
朝起きたら胸のあたりが痛かった。
息をする度に、上半身を動かす度に痛い。
「どうしたの、変な顔して」
朝ご飯を食べながら聞いてくるお母さんに説明すると、
「一応病院に行ったら?」と言われた。
「いいよ。めんどくさい」
「なんかの病気だったらイヤでしょ」
「そりゃイヤだけど、そんなに痛くないよ」
お母さんは「日曜も診療やってるところ、近くにあったかしら」
なんて電話帳をめくり始めている。
「自転車で10分以内のところにあるなら行こう」と思った。
7分で着いた。
こんなに近いのに、今まで知らなかった。
小さな診療所だ。
近くで日曜も開いているのはここしかなかった。
外は古びていたけど、中に入ると案外綺麗だった。
受付にいたおばさんに保険証を渡して、来るのは初めてだと言う。
「じゃあ、この紙の太い枠の中を書いて持って来てね。あと一応、熱も測って」
プリントを埋め、体温計を返して、待合室の空いている席に座ると、
受付の左側に廊下が伸びているのがわかる。
この奥に診察室やトイレがあるんだろう。
廊下の方にあまり人の気配はない。
大して広くない待合室の中に2〜3人、おじいちゃんおばあちゃんがいるだけだ。
これならすぐに終わりそうだ。
案の定、15分ほどで名前を呼ばれた。
163名無しさん@ピンキー2019/06/06(木) 12:05:02.46ID:kVjnn0pd0
僕の後には母親に連れられた同い年くらいの女の子が入ってきただけだった。
診察室に入ると、お医者さんが聴診器で呼吸の音を聞いたり、
痛むあたりをさすりながら質問をしたりして、最終的に聞かされた診断は、
「寝違えたんじゃないかな。他はどこも悪くないようだし」
そんなことだろうとは思っていたけど、それでも少し安心した。
「でも一応、レントゲン撮っとこうか。
 この部屋を出て左の部屋に入って。サワイさん、よろしく」
僕は言われた通りに隣の部屋に入った。
診察室と待合室の間の部屋で、ドアには「放射線管理区域」と書いてある。
サワイさんという看護師のおばさんが部屋に入って来た。
受付のおばさんとは違い、動きがいちいち早い。
「ハイ、じゃ、この機械の前に立って。違う、こっちにお腹向けて」
かなり強い力で肩を掴まれ、強引に体勢を変えられる。
「じゃ、上の服、脱いで。そこのカゴに入れといて」
怒っているわ
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