TOP
3次ページ→

歩兵義昭
登録者:えっちな名無しさん
作者:名無しの作者
(・∀・)2(・A・)3

 栄興3年、世界各地で紛争が起き経済は混乱、また異常気象が重なり、日本も無事ではすまなかった。
 二つの勢力の対立により、日本も内戦状態に突入し、中部地方を中心に激しい戦いが続いた。
 義昭は東日本共和国の兵士として、愛知県の前線にいた。一週間前に行われた真日本独立国との戦いで勝利したが、以前敵兵士も残っており、敗残兵狩りの作戦に参加していた。
 それにしても疲れた、義昭は思った。二日は寝てないだろうか。約20キロの装備と小銃を持ち、道なき道を歩いていた。
 6人の遊撃隊の仲間もおそらく同じで、必要以外なことは口にしなくなった。
 義昭たちは小さな町にたどり着いた。この民家の何処かに敵兵が潜んでいると思うと、義昭は疲労も忘れ緊張した。
 少しずつ散策しながら進むが、幸い敵はおろか民間人の気配もなかった。ここは先の戦いから数キロしかないので、おそらく民間人は西へ避難したのだろう。義昭たちは散策を続けた。
 一人の隊員がサインを送った。何かいるようだ。皆に緊張が走る。義昭は小銃のセーフティを解除した。
 目標の建物は民家ではなく、老人ホームであった。確かに窓越しに人影が確認できた。民間人か?それとも敵か?
 義昭は隊長の命令でドアを開けた。鍵はかかってなかった。
 「わ、わっ!びっくりしたっ!」とそこには若い女性が一人立っていた。義昭は小銃を上にあげた。どうやら民間人のようだ。
 「こんにちは。あの、お一人ですか?」
 「いえ、中に10人のお年寄りがいますが。」
 やはりここは老人ホームで、彼女は介護員であった。中を確認すると、確かに寝たきりの老人がいた。
 戦いが近づき、避難指示があったが寝たきりの老人がいるので、彼女は一人残ったそうだ。
 「兵隊は見ませんでしたか?」
 「前は見ましたが、最近は見てません。それより食料を分けてもらえませんか?配給が滞ってまして。備蓄も少なくなってきたので。」
 話を聞いてた隊長は、彼女の身体を見ながら何かを思いついたようだ。
 「食料なら少ないですが、少し置いていきます。」
 「あっ、ありがとうございます。」
 「その代わり………、あなたにも協力をお願いしたいのですが。」
 「協力、ですか?」
 「我々隊員は戦い続きで疲れていまして、それをあなたで慰労したいのだか。」
 隊長は小銃の先端で、彼女の胸をつついた。
 彼女は何も答えないが、そ
3次ページ→
TOP