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して稼いだお金を私の塾や予備校の費用に充てようと言い出した。
この時、初めて私はお金の使い道で、母に文句を言った。
「馬鹿にしないでよ!私をなんだと思っているの!」
受験のために高いお金を払って塾に行くなんて
私に頭の悪い人達と同じことをしろって言うの!
大好きな母に馬鹿にされたように感じて、無性に腹が立った。
結局、私は、塾など一切行かずに、現役で東京大学へ入学することができた。
この時、
人間は育ちではなく、”頭の良さ”が一番なんだとシミジミ思ったものだ。
そして、その”頭の良さ”をたった一言で推測することができる非常に簡単な
指標が”学歴”なんだと。
大学へ入学すると様々な人間と出会う機会が増えた。
大学生活が2年も過ぎた頃、高校時代の同級生から突然連絡がきた。
実力もないくせに何かと私に対抗心を持った人で、とても嫌な女だったが
信じられないくらい低姿勢で会いたいと言うので会ってみることにした。
彼女、cafeで会って早々
「どうしても会って貰いたい人が居るの!」と言い出した。
とてもお世話になってる人に私のことを話したら、どうしても会いたいと言われたとかで
いつもプライドの高かった彼女が必死に頭を下げてくる。
あっさり断ろうと思ったが、よほど切羽詰まっているのが丸分かりだった。
「じゃあ、その人に会ってあげるから、今まで私にしてきたことを、そこで土下座して償ってよ」
「え?」そう声を漏らしてから、彼女の顔はみるみる青ざめていった。
冗談だよw
と言おうと思ったのだけど、残念なことに彼女の方が素早かった。
彼女は有名ブランドのスカートが床に付くのを気にしながら、
ゆっくりと私の足元に跪いた。
後で分かったことだが、彼女はその人に多額の借金をしていたのだ。
いずれにしろ、散々嫌がらせをされた憎らしい女に衆人の前で土下座をさせたのだ。
そうまでされたら、溜飲も下がるし、私だって知らんぷりはできない。
その翌日、さっそく彼女に促されて
IT企業を経営しているという小洒落た男と会った。
彼女の顔を立てた訳ではないが、
その後、その男こそが、この私の”初めて付き合う彼氏”という名誉を得ることになる。
付き合いだしてから分かったことだが、彼氏は大卒ではなかった。
地方の高等専門学校を卒業後、IT企業に数年勤めてから会社を興して、成功したそうだ。
そのせいか分から
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