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が、本当に幸せな日々でした。
 平成11年4月14日 別れ
 この日、私は残業を終え22時頃に帰宅しました。いつもなら鍵がかかっている玄関のドアが開いており、不思議に思いました。家の中は、異様な雰囲気でした。居間の机や座椅子の位置が煩雑で、台所には洗い物が積まれた状態でした。何より、妻と娘の姿がありません。
 お風呂、トイレなど家中を探しましたが見当たりません。家の周辺も探し回りましたが見当たりません。私は妻が外出する時にいつも使っていた鞄と抱っこひもを確認するため押入れを開けました。押入れには、複数の座布団が不自然に並べられていて、座布団の隙間から人の足が見えました。私は、慌てて座布団を払い退けました。
 そこには、服を剥ぎ取られ、顔と手首にガムテープを巻かれた妻が横たわっていました。
 私は妻の体を手で揺さぶり妻の名前を叫びました。手に伝わる感触は冷たく、妻の温もりを感じることができませんでした。私はそっと手を離し、ただそこに呆然と立っていました。
 私は、妻を抱きしめてあげることもできず、視線を逸らすこともできず、姿の見えない娘を捜してあげることもできませんでした。どのくらい押入れの前に立っていたのか分かりませんが、私は最後の気力を振り絞って警察に通報しました。蚊の泣くような声で、「妻が殺されています」と。
 翌日の早朝。娘も自宅から遺体で発見されたことを警察の方から教えていただきました。
 妻は23歳で人生を終えました。
 娘は11カ月で人生を終えました。
 家族で暮らしたのは、たった9カ月間でした。父親らしいことを何一つしてあげることができず、妻には苦労ばかりをかけました。「もっと妻と会話をすれば良かった」「もっと娘と遊んであげれば良かった」「もっと家族を大切にすれば良かった」「もっと…」後悔ばかりが募ります。
 そして、事件発生から4日後、近所に住む18歳の少年が逮捕されました。
出典:犯人に死刑を望む人はイイに投票、
リンク:そうでない人はイクナイに投票してください。ここの住人の意見比率を確認したいので。
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