爺さんの疑問
2007/12/20 20:39 登録: えっちな名無しさん
【東京都在住、80代男性の話】
前から気になっとったことがあるんじゃが、聞いてくれんかのう。
雑誌やらに載っとる「近頃の子供は早熟で」という調査のことじゃ。
わしの実感じゃが、どうも信用できん気がするのう。
わしらの頃より、今の若いもんは精神的に未熟じゃ…などと言うつもりはないぞ。
人にもよるしのう。心じゃのうて体、それもシモの発育具合のことじゃ。
性教育学会とやらが調べたそうじゃが、15歳なり18歳なりで、
接吻だの性交だのを経験しとる子供の割合が増えとるそうじゃ。
わしに言わせれば、昔と変わっとらんか、むしろ減っとるように思うんじゃがのう。
そもそも、その手の調査はどれだけ正確なんじゃ?
直接聞くわけにもいかんし、おおかた学校なんぞで紙に書かせとるんじゃろう。
じゃがの、皆の子供時代を思い出してほしいんじゃが、
性交だの自慰だのの経験を真面目に書く奴がどれだけおるかのう。
初心を装うか、見栄を張るかは人それぞれじゃろうが、まあ正直には書くまいて。
まあ、これを言い出せば調査が成り立たんじゃろうし、
その辺は学会も目を瞑らざるを得んのかも知れんがの。
それでもじゃ、接吻はともかく性交を経験するのは、
わしらの時代の方がずっと早かったのは確かじゃと思うぞ。
明治、大正生まれが子供の頃じゃが、田舎の村には夜這いの風習が残っとった。
村にもよるんじゃが、数えで12なり15なりになった男は
若者組だの若衆組だのに入れられての、
村の奥さんや後家さんに一から女を教わったもんじゃ。
今で言うなら小学5年から中学2年くらいかの。
聞けば「夜這いなどなかった」という村もあるそうじゃが、
なあに、記録に残っとらんだけじゃよ。この手の話は、どこも隠したがるからのう。
第一、村の爺婆に「夜這いしとったか?」と聞いて、正直に答えるわけなかろうて。
子も孫もおるじゃろうしな。
まあ、夜這いの形じゃのうても、大人の女が男どもの筆下ろしをしてやるのが、
どこの村にもあった仕組みじゃった。
わしの頃じゃが、村の若者組は「青年団」に衣替えしておったが、
やっとることは同じじゃ。大人になるための修行じゃよ。
もちろん、筆下ろしを済ませた男は、一人前の労働力と見なされるんじゃ。
戸主じゃのうても、それなりの責任は負わされるわけじゃな。
おなごにしても同じじゃ。
数え12や13で娘が初潮を迎えるのは、今も昔も変わらんぞ。
赤飯を炊けば娘は一人前じゃ。
「ねえや〜は15で嫁に行き〜」という歌、皆も聞いたことがあるじゃろ?
昔は17や18で嫁に行くおなごも多かったが、それまでに床の作法を仕込むのも、
村の大人の男の役目じゃったんじゃ。
昔は破瓜なんぞと言ったもんじゃが、
わしの村では最初の相手は30ぐらいの男にさせとったのう。
瓜が無事割れれば、晴れて村の若いもんが夜這いを掛けてくるわけじゃ。
若い娘は、若者組でも年長の連中が、じっくり男の味を仕込んだもんじゃ。
12や13の男と娘が、森だの納屋だので秘め事に精を出してもじゃ、
別に気にする村人はおらんかったと思うがのう。
もちろん中には悪戯好きがおっての、藪でまぐわっとる知り合いを見つけて
桶で水をぶっ掛けたり悪さすることはあったのう。
農家の次男や三男には、10歳やそこらで奉公に出される子も多かったがの、
町へ働きに出ても事情は変わらなんだぞ。
店でも工場でも、年長の女中さんや女工さんがおっての、
女を知らん新入りには手ほどきしたもんじゃ。
商家じゃと、おかみさんが筆下ろしをしてやったりのう。
奉公の仕事に得意先回りがあるんじゃが、そこも勉強の機会じゃった。
新しい奉公の子が来るとのう、得意先のおかみさんや女中が手を出したもんじゃ。
得意先回りをさせる店の側も、その辺は重々承知しとったし、
得意先の主人も薄々分かっとったじゃろうて。
おなごが奉公に出ても同じじゃ。
新入りが未通女(おぼこ)で、初潮が済んどる子じゃったら、
雇う側がちゃんと男を教えたもんじゃ。
大抵は店の主人か番頭が瓜を割るんじゃが、
不器量な娘じゃと若い者に任せることも多かったらしいのう。
性交の味を覚えた奉公人同士が楽しむのは、村の子らと同じじゃ。
もっとも、店によっては上下関係が厳しゅうて、
下っ端の奉公人には醜女しか回って来んということもあったようじゃが。
昔のことは知らんが、江戸時代までも似たようなもんじゃったろう。
男も女も十分経験を積んでから嫁に行ったり、嫁を貰ったりしたもんじゃ。
武家だの公家だのも、よく知らんが、数え12くらいで元服して
女を宛がわれるか、嫁に行くかしとったと思うぞ。
戦時中、徴兵検査が厳しくなってからは、夜這いも目立たなくなったがのう。
それでも男と女じゃ。そう簡単に変わる風習でないぞ。
何しろ役人も官憲も、若い時分にそうして女を教わった連中じゃ。
まともに取り締まるわけにもいくまいて。
戦後もしばらく事情は同じじゃった。
終戦直後は戦地で良人を亡くした「戦争未亡人」というのが大勢おってのう、
村の若いもんが随分世話になったもんじゃ。
昭和40年代くらいまでは、村の奥さんや後家さんが女を教えたもんじゃし、
わしも村の娘どもを随分仕込んだのう。
高度成長期の後くらいかのう、都会へ出る住民が増えて、
村の仕組みが立ち行かんようになったのは。村落共同体の崩壊というやつじゃ。
田舎には、かなり後まで残っとったんじゃが。
それで思い出したぞ。「田舎の子供は純朴で晩生」というのをよく聞くんじゃが、
わしに言わせれば神話というより嘘っぱちじゃ。
田舎の子は小中学生の時分、村の大人にたっぷり性交を仕込まれとったぞ。
覚えてからは子供同士、山でも川でもまぐわったもんじゃ。
都会の子と違って娯楽もなければテレビも少ないからのう、
他にやることがないんじゃ。今ではどうか知らんがの、
40年代くらいまでは田舎の子の方がずっと性交経験は多かったはずじゃ。
じゃからの、雑誌で「小中学生の性事情」なんぞ見ても、
わしの時代と変わっとらんか、むしろ晩生になっとるように思えるんじゃ。
昔は数え16で性交を知らんのは、男も女も不具者ぐらいじゃなかったかのう。
わしらの時代まで何百年、何千年もの間、
人間は初潮なり精通なりを迎えたら、さっさと性交しとったんじゃ。
今の子供が同じことをして、何の不思議があるというのじゃ?
そもそもじゃ、今の親の世代だけ初体験年齢が高いというのも、
随分おかしな話と思うんじゃがのう。
わしらの世代から見れば、猫を被っとるようにしか見えんのじゃが。
一体、何を隠したがっとるのかのう。
出典:
リンク:

(・∀・): 115 | (・A・): 34
TOP