逆転ホームラン
2007/12/23 03:01 登録: えっちな名無しさん
この夏、行きつけの店のバイト「アヤ」に恋をした。短大生で20歳。俺より一回りも年下だ。
「別嬪さん」ってわけでもないが愛嬌のある可愛らしい、人懐っこい娘さんで「守ってあげなきゃ」ってタイプ。
そしてある日、俺は彼女とデートの約束をした。
その日は仕事も適当に切り上げ、食事&バーに行き楽しい時間を過ごした。彼女もとても喜んでくれた。
帰り際、勢いで半ば強引にキスしてみた。意外なことに彼女は拒否するどころか応戦してくれた。
その勢いで付き合って欲しいと告白してみた。彼女の口からは「今はそんな時期じゃないので…… ゴメンなさい……」の言葉と共に頬を涙が伝っていた。
俺はふられた為なのか、急激に酔いがまわりその後のことはほとんど記憶に無い。しかしアヤの涙だけは強烈に脳裏に刻まれていた。
その後も何度か店で顔を会わせたが彼女の態度は妙によそよそしかった。
胸が張り裂けそうなくらい辛くて、もうこの店には行かないと心に決めたこともあった。
しかし、友人からの誘いなどもあり店に顔を出すと、そこにあるはずのアヤの姿は見えなかった。妙に安心するチキンな俺。
その後も何度か店に通うがアヤの姿はいつも無かった。いつしか俺は以前のように「常連」に戻っていた。
そして、つい数時間前のこと!
店に顔を出すとアヤの姿が…。若干、緊張するやっぱりチキンな俺。しかし、アヤの表情が妙に明るい。
忙しい時間帯が過ぎ落ち着く店内。するとアヤは俺の横にやってきて「就職 無事に決まりました」と耳元で囁き満面の笑み^^。
「おめでとう」としか言えない気の利かないやっぱりダメな俺。
その後、バイト上がりの時間になりアヤは「ご馳走して下さい」と横に座った。複雑な心境で変なテンションになる。
店の人間と共に就職祝いと称してシャンパンで乾杯した。
他愛も無い会話でそれなりに盛り上がった後、アヤは時間を確認して「これ飲み終わったら、ぼちぼち帰りますね」と一旦席を立ちトイレに向かった。
トイレから戻ると「途中まで一緒に帰りませんか?」と他の人に気付かれないようこっそり呟いた。
俺は無言で頷き、トイレと会計を済ませて最大限の勇気と少しばかりのジョークのつもりで「これからデートに行って来ます」と言いアヤと共に店を出た。
横に並びながら歩いていると突然アヤが立ち止まり「あの〜 この前のことなんですけど…」と言い出した。
硬直する俺に「就職も決まってやっと時間が出来たというか……」と続けた。
尚も緊張している俺に「今も気持ちが変わっていなかったらなんですけど… こんな私で良かったら宜しくお願いします」とアヤは右手を差し出した。
もう感極まって返事するどころじゃなくなって両手で彼女の右手を握り締めるので精一杯!訳もわからず大粒の涙が溢れ、声を上げて泣いてしまいました。
彼女を自宅まで送り、別れ際「私も大事な時期だったのでスイマセンでした。一時の感情で後悔したくないって思ってたので…。自分でも失礼なことしたと思っています。あの時、「好き」って言ってくれて凄く嬉しかったです」と言うとキスをして家に入っていきました。
その後姿を見てまた涙が溢れてしまった。
やっと掴んだ大事なものを無くさないように大切にしたいとココロに決めた日となりました。
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