新聞紙

2007/12/26 18:18 登録: えっちな名無しさん

2年程前の話

ある日曜日にパチンコに行き、帰りに商店街の惣菜屋で買い物をした。
その店では商品を古新聞に包んでから袋に入れて渡してくれる昔ながらの店。男の一人暮らしだと定食屋か惣菜屋ぐらいしか煮物なんか食べる機会があまり無い。

家に帰ってビールと惣菜で晩酌しようとした時、包みの新聞に目が止まった。
その記事は交通死亡事故が書かれてあった。被害者の名前は元カノと同じ。
同姓同名か?と一瞬思ったけどかなり変わった苗字だったので間違いないと俺は確信した。

慌てた俺は彼女の家ではなく携帯に電話をしていた。
呼出音もしないうちに応答があった。

俺:「新聞見たんだけど」
女:「憶えてたんだ」
俺:「て言うか大丈夫だったの?」
女:「ううん。ダメだった」
俺:「じゃあ、今電話に出てるお前は誰なんだ!」
女:「そんな事どうでもいいじゃん」
俺:「ホントに○○か?」
女:「そうだよ。サヨナラが言いたくてね…。それと新聞、電話を切ったら直ぐに燃やしてね」
俺:「なんでだよ!」
女:「でないと一緒に連れて行きたくなるから… それじゃ、サヨナラ」プープー
って一方的に電話が切れた。

俺は無性に怖くなり言われた通りに新聞をベランダで燃やした。
その後、身体が震えて布団の中に潜り込んだ。

その後2時間ほど経ってからもう一度携帯に電話をしてみたが「お掛けになった電話は…」のアナウンスが流れた。
もちろんリダイアル発信したのに…

翌日、俺は実家に電話をしてみた。
電話に出たのは彼女の姉だった。
昨日の出来事を話すと姉は涙ながらに「昨日が49日法要だったの」と答えた。
翌週、俺は彼女の墓前に行き冥福を祈った。

姉の話では別れた後も彼女は俺のことを引き摺っていたらしい。

出典:本当の
リンク:恐怖

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