真説？犬の十戒

▽私に妙な服を着せないでください
私は皆に誇れる立派な毛皮を持ち、それで体温を調節しています。
体毛を好き勝手に刈られるのも、布を巻かれるのも、苦痛なだけです。

▽私の声を奪わないでください
威嚇の声も遠吠えも、私の本能です。もちろん飼い主に空腹を訴えるのも。
無理に声帯を取り去ると、数少ない意思伝達手段が奪われるのです。

▽私が噛むのを妨げないでください
縄張りに侵入する者は、誰であれ攻撃するのが私の使命です。
たとえそれが泥棒でも、郵便配達員でも、あなたの客であっても…です。

▽余計な消臭や消毒はやめてください
目が悪い私たちは、鼻を頼りに生きています。
不快な臭いだからといって消されるのは、目を潰されるようなものです。

▽私を外に連れ出してください
私たちは本来、屋内に住む生き物ではありません。
散歩に連れ出してくれるのが雇い人なら、私は飼い主以上に好意を寄せます。

▽私に妙な餌を与えないでください
私たちは何万年もの間、ドッグフードや缶詰ではなく生肉を食べてきたのです。
得体の知れないサプリメントより、必要なのは新鮮な肉です。

▽私を去勢したり交尾を妨げたりしないでください
生きることと子を産むことは、私やすべての生物にとって大切な本能です。
飼い主の都合で妨害するのは、私の半分を殺すのと同じことです。

▽「純血」への迷信を捨ててください
あらゆる犬種は、品種改良を重ねた末に生まれた雑種です。
血統が遠い相手との交雑は、むしろ遺伝子を強くすると分かってください。

▽葬儀は無意味だと知ってください
豪華な葬式や墓に金を掛けるのは、人間の自己満足でしかありません。
その余力があるなら、私が天寿を全うできるよう面倒を見てください。

▽そして…決して忘れないでください。私とあなたは別の種であることを。
あなたは「敵」ではありませんが、「仲間」でもありません。
生きていくためには尻尾も振りますが、あなたとは立場が違うのです。
私があなたを理解できないように、あなたも私を理解できません。
それを踏まえてお付き合いしてください。


※作者不詳（原文英語）。「愛犬家のつもり」って連中には評判が悪いみたい。

２番目と３番目は、あらかじめ手術で声帯を取り去ったり、
外に出すとき口にカバーをつけたりする飼い主を指すらしい。

出典：人間本位の十戒
リンク：http://moemoe.mydns.jp/view.php/1780