ミロ

2008/01/24 19:22 登録: えっちな名無しさん

211 :おさかなくわえた名無しさん:2008/01/22(火) 16:22:45 ID:8GToMFwQ
小学校3年生のとき、クラスの女子の家に遊びに行った。
その子の家の庭にはジャングルジムみたいなのが置いてあって、二人でそれで遊んでた。

ある時、彼女の服がジャングルジム?の隙間に引っかかってしまった。
どうしても取れないので一度服を脱いで脱出するということになり、彼女は俺に「あっち向いてて」と言った。
俺は言いつけを守って背を向けてたんだが、悲鳴が聞こえたの振り返ってしまった。
服から脱出した途端に落ちてしまったのか、上半身裸でしりもちをついている彼女の姿があった。

彼女は落ちた痛みよりも恥ずかしさが勝っていたのか、俺に激しく抗議をしてきたが、
俺は何故か「別に胸膨らんでないんだし見られても良くない?」というようなことを言ってしまった。

そこまでははっきり覚えてるんだが、その後の記憶が全く無い。
どんな反応をされたのか、脱出した後はどうしたのか、遊び続けたのか帰ったのか。


212 :おさかなくわえた名無しさん:2008/01/22(火) 16:24:16 ID:d0QkhNHz
ちょっとミステリー小説買ってくる


213 :211:2008/01/22(火) 16:33:38 ID:wMSxWdd9
そしてその後目が覚めると、知らない人が私を見ていた。
その人はヘルメットをかぶっていてえりあしに布がひらひらしてて、
緑色の作業服のような格好で、足にはほうたいが巻かれていた。
小学生になってわかったが、まさに兵隊の格好だった。

その兵隊さんは私が1人で遊んでいる時だけでなく、校庭で遊んでいる時や
母と買い物でスーパーに行った時、いつでも現れた。
少し離れたところで立って、私を見つめている。
自分以外には見えていないし、いつもいつの間にか消えている。
私も少しはこわがってもよさそうなものだったが、何せ物心ついた時から
そばにいるし、何よりその人から恐怖心を感じるようなことは全くなかった。
きりっとしてて優しげで、古き良き日本人の顔って感じだった。


214 :211:2008/01/22(火) 16:33:57 ID:wMSxWdd9
やがて中学生になった。ある日いつもと違うことが起きた。
テストを控えた寒い日、夜遅くに私は台所でミロを作っていた。
ふと人の気配がしたので横を見ると、兵隊さんがいた。
けれどその日は手を伸ばせば触れるくらいそばにいた。
ぼけた私が思ったことは「意外と背低いんだな」くらいだった。
―それは何でしょうか?
体の中に声が響いたような感じだった。兵隊さんを見るとまじまじとミロの入った鍋を見ている。
ミロって言ってもわかんないよね・・・と思った私は「半分こしよう」と言って
ミロを半分にわけて、カップを兵隊さんに渡した。
―失礼します。
そう声が響いて、両手にカップを持ってふうふうしながら兵隊さんはゆっくり飲んでいた。
その時の兵隊さんの顔は、柔らかくてすごくうれしそうだった。
飲み終わって、また声が響いた。
―こんなにうまいものがあるんですね。
少なくて悪いかな、と思った私は「おかわりする?」と聞いたが、
兵隊さんはカップを私に手渡して、敬礼してふっと消えてしまった。


215 :211:2008/01/22(火) 16:34:06 ID:wMSxWdd9
別の日に1人で家にいる時、クッキーを作っていた。
焼きあがり、冷まそうとお皿に並べていたら、人の気配がしたので窓を見ると、
庭先に兵隊さんがいた。
私はおいでよ、と手招きをしたが、兵隊さんはにこっとして首を横に振った。
あれ?と思っていたら兵隊さんは敬礼して、ふわっと消えた。
ヘルメットから出てる布がふわりとしたことを覚えてる。
それきり、兵隊さんは私の前には現れなくなった。

今でも兵隊さんのことを思い出す。
美味しいものを食べた時や料理が美味しく出来た時、
兵隊さん、どこかで美味しいもの味わえているかなあと。

出典:最近
リンク:見ないな

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