SHERRY DARLING

俺が大学生の時、つき合っていた同級生の彼女の話なんだけど。
自分で言うのも何だが、かなりの美人。スタイルもよかったし、なにより話が合った。
好きな映画や絵画、本や音楽まで、二人で話していると、あっという間に何時間も過ぎていたもんだ。
ちょっとしたきっかけで、彼女と知り合い、意気投合して、つきあい始めぐらいの時に、友人にちらりと聞いた事がある。
彼女には、何故かつき合う彼とは長く続かない、という噂もあったんだ。
でもまあ、当時盛り上がっていた俺にはあまり関係のないことだったね。
だが、何回めかのデートの時、彼女は俺にこういった。
「お母さんが、明日一緒にデートに来たいっていってるけどいい？」
はい？お母さんですか？ちょっと驚いたが、ま、いいや…と俺もそこで深く考えず「いいけど」と答えた。
で、そのデートで彼女は母親同伴でやって来た。いつもこの子がお世話になっております、いやいやこちらこそ…
なんて型どおりの挨拶。でも、彼女の母親と三人でどこいきゃいいんだ？
そのうち、夕食なら家にいらっしゃい、とかいわれて俺もノコノコと付いていった。
親が離婚して母と二人暮らし、ってのは彼女に聞いていた。離婚の原因は父親の浮気。
会社の社長で、かなりの慰謝料が支払われたらしい。お袋さんは手芸教室かなんかやってる。
マンションだったが、4LDKで、ダイニングは20畳くらいあり、部屋も10畳とか8畳あって、二人で住むには広すぎる部屋だったね。
地方から出てきて、独り暮らし。コンビニ弁当とか吉野家ばっかりだった俺には久しぶりの手料理だった。
その日は泊まっていけとかいわれて、さすがに断ろうとしたんだけど、
お袋さんの強引さとテンションの高さに押されて、その日は泊まってしまった。部屋が4つもあるからね。
ま、彼女と一緒の部屋だったとしても一つ屋根の下にお袋さんが寝てる状況で、何かする気にはとてもなれなかったけどさ。
自分の旦那が浮気するような男（かなりの浮気性だったらしい）で苦労したから、娘が同じ目に遭わないように、
つき合う相手はチェックしておきたい、というんだけど。だったら一回だけでいいだろ、と思うんだけどその後も、何度か彼女とのデートにお袋さんは同伴してきた。
さすがに閉口して、彼女に、お袋さんを連れてこないよう頼んだんだけど、「お母さんは心配してくれてるの。あ、でもＫ君のことはすごく気に入ってるみたいだよ」
彼女も、お袋さんが同伴してくることに何の疑問も抱いてないらしくてさ…
彼女はすごくいい子だったし、本当に俺も好きだったから、なんとかうまくやっていけるように俺も努力はしたんだけどね。
やっぱしね、駄目だったわ。20歳過ぎた娘のデートに、同伴してくる母親と、それに疑問を持たない娘じゃあねえ…男と長続きしないってのも…そういうことだったんか。
別れる時も一悶着あったけど、割愛します。

卒業して、彼女のその後は知らない。結構いい会社に就職したらしいけど。
今もデートにお袋さんは同伴しているんだろうか…

出典：2ちゃんのどっかのスレで拾った
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