アンパンマン

2008/02/21 15:39 登録: えっちな名無しさん

681 :1/2:2008/02/07(木) 13:50:31 ID:gPCGbT/x
その日はいつもと違っていた。いつものように迷子を助け、永遠のライバルを倒し家へ帰る。笑顔のジャムおじさんとバタ子さん、チーズに迎えられ、新しい顔を付けてもらう。そんな一日になるハズだった。
アンパンマンがバイキンマンを見つけたのは10分程前の事だった。いつものようにアンパンチを繰り出す。握りしめた拳に鈍い衝撃。
アンパンマン「どうだっ……ハッ!!??」
確かにバイキンマンの顎を捉えていたハズの右手は、バイキンマンの左手の中にあった。
バイキンマン「いつもの俺様じゃないぞ。」
小さく呟いたバイキンマンの大きな瞳の奥が怪しく光っていた。

アンパンマン「グフッッッ!!?」
腹部に強い衝撃を受け、アンパンマンは現実に引き戻された。


682 :2/2:2008/02/07(木) 13:51:13 ID:gPCGbT/x
どうやらファーストアタックの後、すぐに気を失っていたらしい。周りにはおびただしい量のアンコが飛び散っていた。バイキンマンの瞳に映る自分を見て、どれだけダメージを受けたのか分かった。顔はすでに原型を留めておらず、それがパンだったと気付く人は少ないだろう。
アンパンマン「もう…ダメなのかな」
バイキンマンの攻撃は弱まる気配をみせなかった。
バイキンマン「ハッ!ヒッ!フッ!ヘッ!ホッ!」
吐く息に合わせて、バイキンマンの拳がアンパンマンに吸い込まれていく。アンパンマンは自分の最期が近いことを悟った。しかし
アンパンマン「あれ…は!?」
空を見上げたアンパンマンの瞳に、見覚えのある姿が映る。
アンパンマン「カレー…パンマン!」
希望が見えた。薄れゆく意識の中、アンパンマンは残る全ての気力を集め、叫んだ。
アンパンマン「カレーパンマン!!!手を貸してっっ!」
しかし返って来た言葉は、アンパンマンに死を覚悟させるのに充分だった。

カレーパンマン「弱いのにヒーロー気取ってっからやられんだよ。バカが。」

次の一撃で死ぬ。その瞬間を待ちながらアンパンマンは呟いた。


アンパンマン「アイツ…激辛……」







出典:684 :おさかなくわえた名無しさん:2008/02/07(木) 23:11:05 ID:+bGsYX6E
リンク:>>682 愛と勇気「だけ」が友達だからか。

(・∀・): 158 | (・A・): 159

TOP