少年実話 13

2008/03/17 15:28 登録: えっちな名無しさん

もう、彼女には2度も裏切られていました。でも、
裏切られる事には馴れています。だから、大して気にも留めていませんでした。
約束を守れない本当の理由など、俺にとっては重要ではありません。
が、さすがに苛立ちは隠せず、ブッキラボウに「ナンや!」と携帯にでました。
彼女は例の如く「ごめんね。連絡しないで、お金借りっぱなしで、…。」
「別にエエよ。所で何の用?」と冷たい対応を続けると、彼女は
「今週中にお金、全額返すから…。もう一回貸して!!!」と
凄まじい図々しさで、もう、笑うしかありませんでした。
俺が笑った途端に、「まだ、前の所に住んでんの?今から行くね。」と
有無を言わさず、先手必勝とばかりに、たたみかけて来ました。
「誰から?」一緒にいた姉さんが聞くので「貧乏神。」と答えると、
笑って「アンタ、そういう子と関るのやめなよぉー。」と忠告してくれました。
1時間後、マンションにやって来た彼女は、姉さんが居る事に驚き
「マズかった?出直すよ。」と言うので、「イイよ。上がれよ。」と彼女を
招きいれました。「こんにちわ。」姉さんの挨拶には既に脅しが入っていました。
「私、やっぱ、悪いから、帰るね。」彼女はスゴスゴと帰ろうとしました。
お茶を出しながら姉さんが「あたしの事は気にしないで。」と威嚇する様に
俺の横に座りました。「2人で話したいんです。」と彼女は反撃しました。
「あっそ、じゃ、ごゆっくり〜。」と姉さんは犬を連れて散歩に出かけました。

「怖いね、あの人。付き合ってるの?」と聞かれたので、頷いて
意思表示しました。早速とばかりに、「何も言わずに、60万貸して!」と
彼女の必殺技”お願いポーズ”で近寄ってきました。
「来週のいつ返すんだ?」と事務的に聞くと、「火曜日に絶対返すから!!」
と言うので、60万を渡しました。
受け取ると彼女は「サンキュウ。サンキュウ。大助かり。」と急に軽いノリになり
とっとと帰っていきました。40分後、買い物袋を下げた姉さんが帰って来て、
「アンタ、お人好しな所、治しなよ!!」とトマトをぶつけられました。
翌週の火曜日になりました。日付が水曜日に変わるまで待ちましたが
彼女からの連絡はありませんでした。携帯もご丁寧に着信拒否でした。
予想できた結末なので別に、特別な感情は沸いてきませんでした。
しかし、再会は予想外に早く、その週の金曜日に訪れました。
「見つけたよ、アンタの貧乏神。」と姉さんから明け方4時に電話があり
眠い目をこすりながら、指定されたホストクラブに行きました。
「放せよ!ババア!別に逃げね〜よ!!」と彼女は暴れていました。
姉さんはその横でどっしりと座り、凄い貫禄で店長もホストもタジタジでした。
「お疲れさん。」俺が声を掛けると、彼女は直ぐに近寄ってきて
「違うの!違うの!」と「聞いて!聞いて!」を連発し、
大袈裟な身振り、手振りで必死に訴えてきました。


「早く、お金をこの人に返しなよ!」と姉さんが少しキレ気味に言うと
「来週、全額お返しします。ゴメンナサイ。」と居直った彼女が答えました。
すると彼氏らしき男が「借用書あんのかよ!!」と割り込んできました。
姉さんは「僕チャン。この子は今、金銭借用の事実を自分で認めたよ。」と
一蹴しました。「ナニ、この状況、楽しんでのよ!」と半笑いの俺に
姉さんは言いました。店の注目を浴びながら、仕方なく俺は
「別にエエよ。自分の非を認めるなら。でも、恍けるなら話は別や。」
彼女は知らん顔で子供のような”膨れ面”をしていました。
「しかも、約束を反故にした君の”来週”って期限を誰が聞くねん?」
「今、お金持ってないもん!お店に迷惑かかるから、止めてよココで!」と
彼女の一言で、俺は本性を取り戻しました。
「そうか・・・、この後に及んで、お店の心配するんか・・・」と言い、
ホストを捕まえ「僕チャン!この女のケツ持つ気あるんか?」と聞きました。
「この子に手は出させない!」ホストは、みんなと彼女の手前、大見得を
切ってしまいました。彼女は「コウちゃん!!」と目をウルウルさせ
安モンの昼のメロドラマ状態でした。「よっしゃ!男に二言はないな?」と
聞き直し、電話をかけました。勿論、街金です。
「もしもし?すぐに新宿の○○○ってトコに来てくれる?」
暫くすると「毎度!○○さん!」と趣味の悪いシャツを着て街金が来ました。

「お幾ら?用立てましょう?」と聞かれ「3本、彼女に貸してやって。」と
彼女の前に現金が積み上げられ、借用書が出されました。
「私、そんな借りてないじゃない!」と彼女は青ざめ、叫びました。
「ナニ言ってんの?今日の飲み代分も借りてあげたんだよ。」と
店長にお会計させて、伝票を持ってこさせました。
ホストのコウちゃんに「君、連帯保証人になってやれ。」と言うと
「え、ちょっと、待ってくださいよ!」と言うので、「男に二言はないよねぇ。」と
煽りました。借貸の説明を受け、2人は渋々サインしました。
その時、先輩ホスト連中が3人ほど、「許してやってくれ。」と来ましたが、
悪人モードに切り替わった俺は「ほんなら、君等が保証人になってくれる?」と
彼等に言いました。全員、ひいていました。しかし、後輩思いの
その内の一人が「調子に乗るなよ!知合い、呼んだからよ!」と息巻いて
突っかかって来ました。893が登場しましたが、街金とお友達なので
「そら、借りた金は返さないと、君達!」と5分で帰っていきました。
更に、2人にトドメを刺す為に、終始、知らん顔だった店長に
「店長、こんな、ややこしい従業員は、いらんやろ?」と言うと店長は、
「お前はクビ!今日のお客さんの分も、お前に払ってもらう。」と
3本では足りずに6本になりました。帰りがけ姉さんから、
「アンタ、マジ、怖いよ。アソコまで追い込まなくても…。」と
お褒めの言葉を頂戴して、戻ってこない筈のお金だったので、姉さんに
「旅行にでも行く?」と聞くと「遠慮しときます。」と嫌そうな顔で断られました。
その後、2人が未だに完済できていないのは予測できます。


出典:?
リンク:?

(・∀・): 69 | (・A・): 24

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