正当防衛?
2008/04/16 15:24 登録: えっちな名無しさん
俺が小学生の頃、近所に凶暴な小型の室内犬を買っている家があった。
その家の住人が玄関のドアを開けると、その瞬間に隙間から飛び出してきて
誰彼構わず吠えまくるといった感じの犬で、俺も一度腕に噛み付かれ怪我をした
ことがあって、それ以来その家の前を通る時はそいつが飛び出してこないかと
ビクビクしていた。
で、ある日曜日に俺と姉が駄菓子屋に買い物に行った帰り(自転車で)、
その家の前を通ると玄関のドアが開き、隙間から例の犬が飛び出してきた。
当然俺と姉はダッシュで自宅まで逃げたんだが、犬は狂ったように俺達を
追いかけてきた。
姉より一足先に自宅に着いた俺は、何か武器を振り回せば犬も逃げるかも
と思い、玄関に置いてあった金属バットを持って自転車置き場に向かった。
そして俺が自転車置き場に着くと、姉が大泣きしながら家のブロック塀の上に
登っていて、その下で犬がギャンギャン吠えながら何とか姉に噛み付こうとしていた。
それを見た瞬間に俺の中で何かが切れて、ただ威嚇するだけのつもりだった
金属バットで思い切り犬を殴りつけてしまった。
すると、打ち所が悪かったのか、その犬は地面に横たわりピクリとも動かなく
なってしまった。
俺と姉が緊張感から解放されてボーっとしていると、姉の泣き声を聞きつけて
家から母が出てきた。現状を見て何があったか察したらしい母は、何も言わず
横たわる犬に近づき、色々と調べたあと、
「あー、こりゃ死んでるね」
と言った。
それまで虫を殺オたことはあっても、犬や猫のようなはっきりとした「動物」を
死なせたことは無かったため、俺は非常に動揺していた。
そのとき、間の悪いことに死んでしまった犬の飼い主(先程家から出ようと玄関を
開けたおばさん)が、飛び出していった愛犬を追いかけて俺の家にやってきて、
死んだ犬を見つけるなり半狂乱になって俺達を罵倒してきた。
騒ぎを聞いて父も家から出てきて、母と二人でおばさんを宥めようとしていたが、
おばさんは聞く耳持たず、「責任取れ」とか「訴える」とか喚いていた。
そうするうちにおばさんは犬を殺したのが金属バットを持っている俺だと気付いた
らしく、俺一人に向かって怒鳴りつけてきた。
俺は、ついさっき犬を殺してしまったことの罪悪感と、そのおばさんのあまりの剣幕に
大声で「ごめんなさい」と叫びながら泣き出してしまった。
で、俺が泣き出した途端、先程までおばさんを宥めようと頭を下げていた父が、
突然右手でおばさんの胸倉を掴み、左手で俺の左腕を掴んで言った。
「この傷を見ろ! テメエのところのバカ犬が噛み付いて出来た傷だ! 息子の腕に
消えない傷跡をつけておいて何様のつもりだ!」
普段温厚な父が怒鳴りつけるシーンを見て泣いていた俺含め家族一同ポカーン。
しかし父の怒りはまだ収まらなかったらしく、
「この上息子の心まで傷つけるようならテメエら一家皆殺しにすんぞ!」
それを聞いておばさん&俺達家族一同ガクブル。今度は必死で父を宥めることに(w
結局おばさんの旦那さんが来て、話し合いで解決したが、父があんなに怒ったのを
見たのは後にも先にもこれっきりだった。後で聞いたら、
「お前が泣いてるのを見たら頭に血が上って我を忘れてしまった」
とのこと。俺が姉の泣いている姿を見て切れてしまったように、父も俺の泣いている
姿を見て切れてしまったらしい。
やっぱり親子なんだなあ、と実感した俺でした。
出典:?
リンク:?

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