Ａと委員長

おれが大学で女友達に聞いた話
彼女が中学生の頃の修学旅行で、喫煙を見つかって一人だけ旅行に来れなくなってしまっ
たバカなクラスメートＣがいた。
そこで、頭が良いのに普段はお調子者であるＡが、みんなでお金を出し合って、Ｃにお土
産を買っていってやろうと言い出した。

ところがそのアイディアに委員長(女)が猛反対した。
委員長は本当にマジメな性格だが、女子たちからはとても頼りにされていた。大人びた
容姿をして、理不尽なことは相手が教師であっても毅然とした態度をとるからだ。
Ａは旅館の委員長たちの部屋まで説得に来た。
Ａ「なぁ、Ｃは修学旅行に来れないことで十分に罰は受けてる。」
Ａ「友だちとして何かして上げてもいいんじゃないか？」
委員長「そのＣのおかげで、旅行先の自由行動が制限されることになったのよ！」
委員長「無責任な行動を取って、周りに迷惑をかける人なんて許せないわ！」
ＣはDQNではないが興奮すると羽目を外してしまうタイプで、よりにもよって旅行前日に
校内でタバコを吸って火災報知器を作動させてしまった。

Ａ「Ｃも悪いやつじゃないし、反省していると思うんだ。」
Ａ「旅行に行けなかったことで、俺たちとギクシャクしないようにしたいんだ。」
委員長「何と言われようと絶対イヤ！！」
Ａ「わかったよ。とりあえず、お前抜きでお土産買っていくことにするよ。」
委員長「…」
Ａ「まったく、可愛げのない女だぜ。」
委員長「えっ」
Ａが部屋を出た後の気まずい雰囲気の中、委員長に声をかけようとすると、委員長は
ポロポロ泣いていたそうだ。
この瞬間、同室のみんなは委員長の気持ちに気づいて、何かと委員長とＡの仲をとりもつ
ようになった。
その後、二人は仲良く同じ高校に進学したそうである。


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