2008/05/09 19:02 登録: えっちな名無しさん

昔、俺が住んでいた家は呪われていた
その時の体験談
元々母子家庭だったのだが、俺が小学校五年生の時に再婚した
そして中学生になると同時に義父の家に引っ越して一家全員で住むようになった
その家はよく分からん宗教(確か霊派の光とかそんな名前だった)が大好きで家には不気味な仏壇があった
そして俺の部屋には訳分からんお経の書いたデカい紙が貼ってあった
流石に気味が悪く、引っ越しの際にそれははがした
その家では亡くなった義父の母と父が息を引き取った家で、その後義父の兄が事故死、妹が変死した家だった
ちなみにその妹は亡くなる一週間前にお墓付近を帰宅途中に誰かに肩を叩かれたと騒いでいたらしい
その後、部屋でもがき苦しむような表情で死んでいたとか
そんな話を聞いた時は「貞子かよ…」と思ったのを覚えてる
とりあえずそんな呪われた家だった
引っ越しをして1ヶ月
早くも異変が現れた
夜中寝てると屋根裏から音がする
最初はネズミかなんかだと思ったのだが足音が全く聞こえない
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……ガリ…とまるで爪で引っかくような音が聞こえる
それも決まって二時から三時まで
でも実害はなくただ音がするだけだった
そのほかにも音はしていたし気にならなかった
二階にいれば一階でドアを開ける音や足音、人の笑い声
一階にいれば二階から音が聞こえた
最初は不気味だったが半年も住めば慣れてしまった
そんなある日、俺は学校が終わり二階にある自室でゲームをしていた
母と父は仕事、姉は高校とバイトで帰りが遅かった
夕方五時くらいだっただろうか
夕日もおちかけた頃に突如階段を上る足音がしだした
トン……トン………ガリ………トン……トン……トン……

住んで半年経ったが今まで階段で音が聞こえた事はなく一瞬で異様な雰囲気を感じ取った
ゲームとテレビを消して布団に潜りこむ
トン……トン………トン………ガリ………トン
!!!!ドアの前だ!!!
俺の部屋のドアの前で足音は止まった
恐怖のあまり体が震え、息が荒くなる、喉もカラカラだった
ガリ……ガリ………
夜中聞こえるよりも近い音がする
怖い
と、「ぷっ…あははははは!!!バカじゃん○○(俺の名前)何びびってんの?」
一気に体の力が抜ける
姉の声だった
ドアにかけより「何してんだよ姉ちゃん!」と怒鳴りながらドアを開けた

そこには誰もいなかった
そもそもバイトが10時まであるのにこんな時間に姉がいるわけがない!
なぜ開けたんだ俺は!
「うわぁぁあああぁぁぁあああぁぁぁぁああぁぁぁ!!!!!!!」
誰もいない家からとにかく逃げたくて半狂乱になりながら涙目になり階段を転げ落ちるように降りて裸足で家を飛び出し近所の知り合いの家に逃げ込んだ
近所のオバチャンに事実を話して家族が帰宅するまで家にいさせてもらった
結局その日はそれまでで何もなかった
そしてその日から夜中に音が聞こえる事もなくなったのだが夜中悪夢を見るようになった
途中で目覚める悪夢ではなく夜中から朝方まで続く悪夢
どれも同じ夢で枕元にあるスリガラスに人影が立つ夢
俺の部屋は窓の外に屋根があるので(ドラえもんののび太の家のような作り)人が立てる
そこに誰かはわからない人影が立つ夢だった
3ヶ月は続いただろうか
寝る場所を変えても見る悪夢に心身共に疲れ果てていた
そんなある日、また同じように夢を見ていたのだが何故かその日はハッと目が覚めた
何故目が覚めたのかはわからない
とにかく目が覚めてしまった
そしてスリガラスを見ると…人影がいた
スリガラス越しなので誰なのかも分からないが視線は確実に俺に向けられている
恐怖が俺を襲い体が動かない
助けを呼ぼうと思い叫ぼうとするも「っ……あ……う………」と声も出せない
あまりにも怖すぎる
この家に来て約10ヶ月にして初めて見るこの世の者ではないソレは予想以上に俺を恐怖で締め付けた
何故か目も離せない
本当に貞子を見た時のような人間の反応をする俺
と、影がゆっくりと動いた
なんと窓を開けようとしている
窓を開けられたら俺はどうなる!
そう考えただけで一気に体に力が戻った
ガバッと立ち上がり窓を抑える
すると陰が窓に顔…いや正確には顔らしき部分を押し付けてきた
スリガラス越しなのに何故か目だけがハッキリと見える
「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」と叫び涙目になりながら必死に窓を抑える
影はその声に驚いたのか窓から手を離すとベランダ側に移動する
バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ!!!!!とけたたましい足音を立てながら
ベランダ側の窓は壊れていて影の姿を確認した
白い服を着ていて…髪は長い
まさに貞子のような姿だった
ベランダは隣の部屋に繋がっている
そして隣の部屋には義父が寝ている
まさか
ベッドから飛び降り隣の部屋のドアを開ける
するとそこにはさっきの貞子みたいな奴が
義父に覆い被さるようにいる
貞子は俺を見るとニヤリと口元を歪め姿を消した
義父をすぐに起こしたが何もなかったように「どうした?」と言ってきた
あんなに騒いだはずが何も聞こえなかったのか…
次の日確認したが母も姉も何も聞いてないという
俺の声も足音も
そしてその騒ぎからは家は静かになった
すぐに引っ越したがそれから半年後、義父の胃ガンが発覚
義父はその二年後に亡くなった
あの家は今もそのまま残っているらしい…

出典:ノンフィクション
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