新しい地で生活
2008/06/11 14:55 登録: えっちな名無しさん
Kと別れ,次に付き合った人とも長続きはしなかった。
その人に心底惚れ込んでいた私は,あまりのショックで
2週間で8キロ痩せた。
その彼と別れて1月後。
吹っ切る為にも私は引っ越しをし,新しい地で生活を始めた。
彼のそばで暮らしたい。
そう思っていた私は,元いた職場もすでに辞めていて,無職だった。
本当に1からのスタートだった。
新しく暮らし始めた町には,当然友達もいない。
自分で何かを始めなければと思っていた私は,
引っ越して3日目にして仕事を見つけた。
家から歩いて5分の飲み屋。
そこが新しい私の仕事場になった。
そこはとても小さなお店で,社員が3人。
その3人と,日替わりで1人。バイトの女の子が入る。
私の出勤日は,週に3回ほどだった。
それでも,常連さんが多いその店は,
私にとっては,とても居心地が良く,何より彼の事を忘れさせてくれた。
しかし,その頃の私はメチャメチャであった。
出会い系サイト。新聞の勧誘員。ナンパ。
誘われれば誰にでも付いていっていた。
どの人も,私と寝た後に,『付き合おう』と言った。
それでも私はそれに応じなかった。
男の人が信じられなくなっていたのだ。
もう,どうでも良かった。
こんな私が飲み屋で働く。
私がお客さんに誘われるまで,時間はかからなかった。
その店は,50代の女店長と,20代の男性二人が社員だった。
日替わりで入る女の子は,10代〜20代前半。
つまり,バイトの女の子は客寄せのホステスもどきだったのだった。
そして,この男性社員の一人Aが,後に修羅場の中心人物となる人間だった。
自暴自棄になっていた私は,
仕事が終わってから毎日のように酒を飲んでいた。
その日も,私は仕事を終え,
いつものように客にお酒を飲ませてもらっていた。
常連のその人は,どの女の子も均等に扱い,
恋愛感情はなかったが,いい人だな,と思っていた。
気が付くと,店は閉店の時間になっていて,
店に残っているのは私とお客さん。そして,Aの3人だった。
しばらく3人で飲み,その後「まだ飲み足りない」という
結論に達した私達は,近くの居酒屋に移動した。
3人で楽しく過ごし,解散した。
その直後。
私の携帯が鳴った。
Aからの電話であった。
そして,その日Aは私の家に泊まっていった。
さすがに飲み過ぎていた事もあり,
また,仕事上の上司と言う事もあり,その日は何もなかった。
それに,私は前の彼の事を忘れていなかった。
それからAは,何回も私の家に泊まりに来た。
でも何も無い。
何度も会ううちに,色んな話をした。
そして気を許してしまった私は,
とうとう前の彼氏の話を泣きながらAにしてしまったのだ。
その話をずっと聞いていてくれたAに,私は少しずつ惹かれて行き,
そして関係を持った。
それが,Aのやり方だとは,その時は全く気付いていなかった。
始めから,話は少しおかしかった。
その時から,Aには私の他に3人女がいた。
それは,Aが自分で話した事だ。
私も特にAと付き合いたいと思っていた訳ではなかったので,気にならなかった。
私はそれまでと同じように,誰かれ構わず付いて行く癖があったし,
そういうものなのかな,と思っていたから。
しかし,しばらくしてAは私を束縛し始めた。
男と遊ぶ事は許されなくなった。
それが例え友達であっても。
私は納得がいかず反発した。
「何で彼氏でもないあんたにそんな事言われなきゃなんない訳!?」と。
すると,Aは私とちゃんと付き合いたいと言い,
他の3人の女とは手を切ると約束した。
お互い納得しあい,私達は付き合う事になった。
仕事場ではもちろん立場上秘密ではあったものの,
それからは普通に幸せだった。
Aは私の家に転がり込むようになり,荷物もだんだんと増えていった。
そしてそれから2月後。
新しいアルバイトの女の子が入って来た。
彼女はたまたま私と同じ歳の大学生。
先輩として私が彼女(B)に仕事を教える事になった。
同じ歳という事もあり,私達は自然と仲良くなっていった。
Bから深夜電話があり,仕事の事で質問があれば何でも答えた。
彼氏と上手くいっていないと言えば,相談にものった。
新しい生活を始め,近くに友達がいなかった私にとって,
Bと仲良くなれる事は,とても嬉しい事だったから。
その頃は丁度夏で,Aは友達と海に行っていたりしていたが,
私はもともと肌が弱い体質の為,一緒に行く事はなかった。
そして,9月。
私の誕生日があり,Aは一緒に祝ってくれた。
そして,私の誕生日の2日後。
バイト先のメンバー,バイト3人(私,B,もう1人)と
男性社員(A,同僚Cさん)の5人で焼肉に行く事になった。
一次回の焼肉を終え,私とBはカラオケに行きたいとだだをこねた。
しかし,私達以外は誰も乗って来る事はなく,
私とBの二人でカラオケに行く事になった。
1次回焼肉。
2次回カラオケ。
そして私達は意気投合し,3次回で再び居酒屋に行った。
すでに腹も割れていた事もあり,私はAとの関係を
Bになら言っても良いかも知れないと思っていた。
そして,それをBに告げた時。
Bが言った言葉,それは,
「え…?!最近ウチに来てるよ…」
だったのだ。
その時全てが繋がった。
Bが入るずっと前。私と入れ代わりで辞めて行った女の子がいた。
その子と私もとても仲が良かった。
そして,私はその子にもAとの話をした。
彼女は笑って聞いていたが,それから連絡が付かなくなっていたのだ。
それと,とても可愛いのに,彼氏がいないという先に帰ったバイトの女の子。
なぜ彼女がいつもクールで,そしてAが彼女の家の場所を知っていたのかも。
Aはそうやって,バイトに来る女の子全てに手を出している男だったのだ。
そして,私達バイトが男性客寄せだったように,
Aは,女性客に対して色恋営業をしていたのだ。
私は一瞬にして頭の中がパニックになっていた。
冷静でいようと思っても,そうはいかない。
Bに1万円を渡し,居酒屋をでた。
そして,すぐにAに電話をかけた。
電話は繋がったが,Aは今出かけていて,私と会う事は出来ないと言った。
しかし,私とBが一緒にいた事は解っていたためか,
何が起きているのかについては察知しているようだった。
「明日の昼に行くよ」
そうAに言われ,私は号泣しながら家に帰った。
その時,Kの事が頭をよぎった。
私は簡単に人を捨てた。その報いなのかもしれない。
その日はもちろん眠る事など出来なかった。
深夜,私の携帯が鳴った。
Bからであった。
そして私達は駅前のベンチで再会した。
前にも書いたように,Bには彼氏がいた。
Bにとっては彼氏と上手くいっていなかった事での
単なる浮気という気持ちだったそうだ。
そこで私は知ったのだが,Aが友達と行くと言っていた海。
一緒に行ったのはBだったのだ。
そして,夕べ私の家に来なかったAは,Bと過ごしていたのだということも。
私の誕生日の翌日だったにも関わらず。
ひとしきり話し,Bはずっと私に謝っていてくれた。
そして3時間程話した後,私達は解散した。
そして一睡もせずに,私はAが尋ねて来るのをまっていた。
その間,溜まりつつあったAの荷物を全てまとめた。
昼過ぎ。Aは家にやってきた。
私は荷物を差し出し,
「どうするのか決めて」と言う事しかできなかった。
Aは全てを白状した。
私とB。実はその他にも一人いたことを。
その女性は,お客さんの一人だった。
Aは,「1週間時間が欲しい」と言い,仕事に行く為に出ていった。
その日,バイトに入るのはBだった。
もちろん私は気が気ではない。
仕事が終わる頃,Aから電話があった。
「Bとも話をしなきゃならないから,話をしてくる。終わったら連絡する」
と。
私は気が狂いそうにないながらも,ずっとまっていた。
しかし,明け方6時になっても連絡は無い。
Aに電話しても,Bに電話しても出ない。
たまらず,Bの家の近くの駅のベンチの所へ行った。
その時,私の携帯はもう電池がほとんど無かった。
2回程Bに電話をかけた時,Bは出た。
私「どうなったの?話したの?」
B「何か途中まで話したんだけど,疲れたとか言って寝ちゃった…」
私もそれまでは,Bが悪い訳じゃ無いと思って我慢していた。
しかし,その一言でブチ切れた。
私の気持ちを察したのか,Bは私がいる所まで一人でやって来た。
私は既にその時,丸二日以上寝ていなかった事もあり,
かなり殺気だっていた。
「信じられない!どういうつもりなの?!
もし私がBの立場だったらぶん殴っても起こして帰らせるよ!!」
するとBは,
「ごめん。言いたい事は解る。
でも,私ももうAのことが好きになってたのかもしれない」と言った。
でも,もうそんなの許せなかった。
Bは,起こしてすぐに帰るように言うよ,と言ってくれた。
私は,
「じゃあ,駅前で私がまってるから,出たら電話するように言って」
と伝言してもらう事にした。
それから30分待っても,連絡は無かった。
私はもう何が何だか解らなくなり,一人で家に帰る事にした。
呆然としながら家に付いたその時。
私は家のカギを紛失している事に気が付いた。
私は財布にカギを付けていて,その財布ごと無い。
Bを駅前で待つ間,私はお茶を買っていた。
そこで置いて来てしまったのだ。
だるい身体を必死に動かし,履いていたミュールを脱ぎ
駅への道を走った。
時間的に,もうあたりは出勤するサラリーマンやら学生やらが歩いている商店街をである。
さぞかし恐ろしい絵であったろうに。
着いた時。
もうそこに私の財布は無かった。
そして携帯の電源は今にも切れそうな状態だ。
必死に電話をした。
Aも,Bも出ない。
Aは合鍵を持っていた。Aにあえない限り,私は家に入る事も出来ない。
体力的にも精神的にももう限界だ。
その時Bから電話があった。
「今,話が終わったよ。電話するって言ってた」
Bがそう言った瞬間,電源が落ちた。
そして,呆然とする私の前にAが立っていた。
憎らしくて,言いたい事も沢山あったはずなのに,
それまで我慢してきたものが抑え切れ無くなり,
私は
「どうしよう,お財布も,カギも,全部なくなっちゃったの
どうしたらいいのか解らない。あたしは,どうしたらいいの??!」
と,号泣してすがるばかりしかできなかった。
Aは,私の手を引き,交番に連れて行った。
そこで全ての手続きをしたあと,カギを渡し,先に帰るよう言った。
家に入る事が出来た私は,携帯の電源を入れ,
銀行でキャッシュカードを止めてもらう手続きをした。
その30分後,近辺を捜しまわったAが家に帰って来た。
私はもう3日近く食べず寝ずの生活だったため,
Aは御飯を買ってきてくれて,泣きじゃくる私を抱き締め
眠るように言った。
勝手なことかもしれないけれど,
その時の私には,情けない事にAしか頼る人がいなかったのだ。
その後。
私達はきちんと話し合いをした。
そして,Aも改め,今度こそきちんと精算すると言い,私もそれを信じる事にした。
Bとは,もう仲良くは出来なかった。
後日談。
それからは,Aは毎日私の家に帰って来るようになり,
仲良く生活を始めるようになった。
でも,今思えば私は弱かったのだと思うし,
人間そんなに簡単に変わるはずないのだろう。
それを理解するのはもう少し後の事です。
とりあえずおしまい。
K以外のチンコが見たかったの続編でした。
出典:K以外のチンコが見たかった
リンク:http://moemoe.mydns.jp/view.php/12385

(・∀・): 40 | (・A・): 54
TOP