番外編「魔王の願いと奴隷の望み」
2008/06/28 02:19 登録: えっちな名無しさん
939 : ◆.H42NtoyGg :2008/04/27(日) 16:21:08.60 ID:efAnomjm0
番外編「魔王の願いと奴隷の望み」
魔「なー男、お前ここに来る前はなにやってたの?」
男「孤児院でひたすら下働きです。魔王さんに拉致されたときは隣村まで買い物にいかされてました」
魔「え、あの辺りって近くに二つも村あったっけ?」
男「まぁ、そういう所でしたから」
魔「なるほどー男がやたらと奴隷に向いてる理由がわかったにゃー」
男「結果的にここで役に立ったんだから、よかったと思いますよ」
魔「そこを出て行こうとか、そういうのはなかったの?」
男「特にありませんでしたね。生きるだけなら困らなかったし、したいこともありませんでしたから」
魔「夢がないねー」
男「僕じゃ現実で手一杯でしたからね。魔王さんは何かあるんですか? 夢」
魔「私?」
941 : ◆.H42NtoyGg :2008/04/27(日) 16:21:53.23 ID:efAnomjm0
男「ええ。戦争に勝って、魔物たちが住める場所を広げるとか」
魔「いやーそういうのはあんま興味ない。戦争なんかしなくても魔物が平和にくらせる場所があればそれでいいよ」
男「難しいですね。人間がいると」
魔「まぁね。だからこそ夢になるのさ。魔王やってるとね、夢や希望見てないとやってらんなくなるんだよー」
男「でも、それは、夢で終わらせたくないですよね。ここに来て知りましたけど、魔物でも好んで戦う方はめったにいません。みんな出来ることなら戦いたくないんですね」
魔「そりゃね、痛いのはやだもん。そこならのんびりくらせそうだけどねー」
男「僕はその楽園みたいな所に入れないのが残念ですけど」
魔「なんで?」
男「え、僕人間じゃないですか」
魔「? じゃあ何で今ここにいるのさ」
男「あ、そうか」
魔「そうだよ。それよりも、楽園かーいいなーそれ。『魔物の楽園』。作りたいなー」
男「そのときは僕も頑張りますよ。できることはいつもどおりですけど」
魔「男はそれでいいのさ。そこに行っても私といっしょにいるのが仕事みたいなもんだろうから」
男「メイド長には怒られそうですけどね」
魔「そのときはいっしょに巻き込んでやる。そうすりゃ強く言えないでしょ」
男「あきれる顔が目に浮かびますね」
魔「ま、その顔を拝むのは『楽園』ができてからのお楽しみってことで」
男「ええ、そうですね」
番外編「魔王の願いと奴隷の望み」 終幕
出典:魔王「今日からお前奴隷ね」
リンク:番外編

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