隣人叩きと民族劣化

2008/06/29 13:41 登録: えっちな名無しさん

アメリカにある某地方紙の投稿欄より。原文英語。
投稿者は地方紙の地元出身で東京在住のアメリカ人(非日系、非韓国系)らしい。

《転載開始》

日本で近年、保守的な若者を中心に、韓国に対する批判が勢いづいている。
東京では、新聞やテレビは比較的抑制しているものの、
書店やウェブサイトに膨大な「韓国バッシング」を見ることができる。
私はこれを注目すべきユニークな現象と考える。

彼らは、韓国の政府や国民の悪口を言うだけでなく、
韓国の価値や影響を極力小さく評価しようと努めている。
例えば、古代の日本文明は中国大陸から大きな影響を受けたが、
他国の民族主義者と同様、日本独自文明の水準を誇張して解釈する人々もいる。
現代の日本の若者はそれに加えて、
日本文明に対する朝鮮半島の影響をできるだけ小さく見積もろうとしている。

ライバル国とりわけ近隣国の間で、政府同士の対立以上に
国民同士がいがみ合う例を我々は数多く知っている。

それは過去に冷戦や熱戦を繰り広げたか(米ソ、仏独、印パのように)、
同等の力を持ち市場で競合しているか(ブラジルとアルゼンチンのように)、
国力に差があっても互いを安全保障上の深刻な脅威と見なしているか
(アメリカとキューバ・イランのように)いずれかの場合が多い。

その意味で、日本人が中国人を嫌悪するのは理にかなっている。
日中両国は20世紀まで幾度となく戦火を交えてきたし、
革命後の中国は価値観を共有できない圧制国家のように見える。
巨大な潜在力を持つ現在の中国を
安全保障、市場、環境の各分野における大きな脅威と考える日本人は多い。

しかし、日本と韓国に関しては事情が異なる。
まず、両国が最後に戦火を交えてから数世紀が過ぎた。
日韓は小さな領土紛争を抱えるが、隣接する「ならず者国家」北朝鮮と違い
互いを安全保障上の脅威と見なす国民は極めて少数だ。

何より両国には、ライバルと呼ぶには大きすぎる力の差がある。
1990年代初めまでなら、
急成長する韓国を潜在的ライバルと考える日本人もいたかもしれないが、
現在の韓国が市場で日本を脅かし得るという見方はほぼ皆無だろう。

直接の利害対立がなくても、小国は発展した大国を嫌いがちだということを
多くのアメリカ人は経験を通じ学んできた。

ただ同時に、嫌われた大国の側は、戸惑うことはあっても、
国の立場に関する重大な違いがなければ、
比較的抑制した対応を見せることも知っている。
サダム(=フセイン)やウサマ(=ビンラディン)がいなければ、
我々は「フリーダムフライ」を楽しむことはなかっただろう。(※)

日韓両国間には、そうした立場の違いが見当たらない。
日本人は伝統的に韓国人に対し差別感情を抱いているが、
それは19世紀から変わらない。日本人は第2次世界大戦後、
他の国に対するのと同様、韓国人にも抑制的な態度で接してきた。
韓国人批判がここまで激化したのは、最近10年ほどだ。

変化の一つは、韓国の若い世代の感情表現が辛らつになったことだ。
韓国の前政権を支えた層は1980年代の民主化運動で主役を務め、
政治意識が強い上、ネットなど多くの表現手段を持つ。
上の世代が我慢するか適切に表現できなかった日本への反感が、
挑発的な形で東京へ伝わり、日本の若者がそれに過剰反応した可能性はある。

日本側の変化では、外国人の増加に伴って若い日本人の間に
排外主義が急速に広まってきたのは確かなように思える。
もっとも、外国人犯罪の急増と治安悪化に貢献しているのは、
韓国人というよりむしろ中国人、イラン人、ブラジル人だが。

もう一つの変化で、私がより重視しているのは日本人の「劣化」だ。
かつて日本人は、完成された教育システムのおかげで
世界で最も知性があり、勤勉で、礼儀正しい民族の一つとして知られた。
今も中年以上には、感情表現は上手ではないが優秀な人材が多く、
日本が世界市場で競争力を保てるだけの技術力を支えている。

しかし若い世代は質の低下が著しく、私や他国にいる同僚に言わせれば、
都市部の平均的な10代、20代の若者同士を比較すると、
日本人は韓国人を含む他のアジア人と同水準か、より劣っている。
青少年を対象とした国別学力調査でも、かつて世界最上位クラスだった日本は、
今や他のアジア新興国に追い上げられ、部分的には追い抜かれた。

興味深いことに、青少年の体力や運動能力に関する日本政府の調査でも、
現代の平均的若者は、10年前、20年前と比べ明白に劣っている。
さらに、第2次大戦後の栄養状態改善で向上していた日本人の体格は、
しばらく前から頭打ちとなり、わずかに退化し始めたとの統計もある。

すなわち日本の若者は、
昔と比べて知的水準が後退し新興国に追いつかれただけでなく、
運動能力も落ち、唯一伸びていた体格すら後退局面に入った可能性がある。
多くの年配の日本人も、若年層の質の低下を嘆いている。
そして、この若い世代こそが韓国バッシングを主導しているのだ。

我々から見れば、日本人は明らかに国力で韓国を上回っているのだから、
韓国人が攻撃してくるとか態度が不愉快だからといって、
感情的になったり手ひどく反撃したりする十分な理由は見つからない。
政府同士がいがみ合っているわけではないのだから、なおさらだ。

しかし、民族的水準を長期的に見れば、
日本の若者の韓国叩きは将来を先取りした行動と言えるかもしれない。
今から20年後、韓国が今の日本の水準に到達するのは困難だが、
日本が韓国などと同じ水準に転落するのは、十分ありそうな話だからだ。

ここ数年、韓国のハンサムな俳優たちが日本女性の間で人気を得たが、
これに反発するような形で韓国バッシングが激化したように思える。
異文化流入への抵抗という見方もできるかもしれないが、
むしろ、自分たちの生物としての劣化を自覚ないし無自覚に感じたオスたちが、
外部のオスに縄張りを荒らされる危険が高まったと本能的に察知し、
それを防ごうと躍起になっているようにも見える。

《転載終了》

※フリーダムフライ:アメリカ人がイラク戦争をめぐるフランスとの対立を受け、
「フレンチフライ」を「フリーダムフライ」と呼ぶようになったことを指す。

出典:サイト上には不在
リンク:訳文下手でスマソ

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