アメジョ;規律を重んずる男
2008/07/02 15:31 登録: えっちな名無しさん
766 :水先案名無い人:2008/06/22(日) 19:08:55 ID:NH5TOVeQ0
スミス氏は妻殺しで起訴された。
弁護側の唯一の申し立ては、被告が一時的に心神喪失に陥っていたということで、
それを説明するため、スミス氏自身が証人席に立った。
「裁判長閣下」
彼は語り始めた。
「私は静かで平穏な生活を愛し規律を重んずる男であります。
他人に迷惑をかけることなどまったくしたことがありません。
私は、毎朝七時に起き、七時半に朝食をとり、九時に会社に出ます。
午後五時に会社を出、六時に帰宅、夕食のテーブルにつき、それを食べ、
そのあと新聞を読んだり、テレビを見たりして寝る、これが毎日の私の変わらぬ日課であります」
スミス氏は話し続けた。
「七時起床、七時半朝食、九時出社、五時退社、六時帰宅して夕食、読んで見て、寝る、
これが私の毎日なのでありました。問題のその日までは……」
スミス氏は激情にかられ、声をのんだ。
弁護士が優しく言った。
「さあ、続けなさい、スミスさん。
その問題の日にどういうことがあったのですか」
「その問題の日」
スミス氏は続けた。
「私は七時に起き、七時半に朝食をとりました。
九時に会社に行き午後五時に会社を出、六時に家に帰りました。
するとテーブルの上には夕食が用意されておらず、妻の伝言もないのです。
私は家中を探し回り、彼女が見知らぬ男と寝室のベッドにいるのを見つけたのであります。
それで……それで私は彼女を殺しました」
「彼女を殺したときのあなたの精神状態はどういうものでしたか」
弁護人が書類をめくりながら尋ねた。
「私は怒り狂っておりました」
被告が答えた。
「怒りのあまり狂乱していました。
他のことは考えられず、私自身をコントロールすることも出来ませんでした」
彼は陪審員席を見回して、証人席の椅子を叩いて叫んだ。
「皆さん、私が六時に帰ってきたとき、夕食の用意は全然してなかったのですぞ!」
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