ふりかけ論
2008/07/22 22:56 登録: えっちな名無しさん
今日もタクヤとアヤは体育倉庫に消えていく。
というか毎日毎日、いい加減にしてほしいのだが。
いつも体育倉庫はチーズ臭が充満している。
それで誰も気付かないというのもどうかと思うのだが。
それ以前によくあんなに続くもんだ。
今日もそんな事を考えていたら、またタクヤとアヤが俺の所に慌てた様子で駆けつけてきた。
アヤ 「ちょっと!」
俺 「何だよ」
タクヤ「お前、本当に誰にも俺達の事、言ってないのか!?」
俺 「言ってないって言ってるだろ」
アヤ 「今日も志村と石嶋が体育倉庫に来たんだけど!しかも最中にだよ!?」
俺 「だから知らんて。というか毎日毎日、いつかバレるぞ」
タクヤ「本当か?つうかあいつら知ってて来てるんじゃないか?」
俺 「だったらやめればいいだろ」
そんな会話をしていると、教室に志村と石嶋が入ってきた。
そしてまた西尾と三沢とのくだらない世間話が始まった。
石嶋「うええ、気持ち悪い・・・」
西尾「どうしたんだ?」
志村「さっき体育倉庫に行ったんだが、またチーズの臭いが充満してたんだよ」
西尾「またか。というかお前ら、いつも体育倉庫に何しに行ってるんだ」
三沢「ふむ、アイツはよほどチーズ味のガムが気に入ったらしいな」
石嶋「マジか?勘弁してくれ、イカれてる」
志村「あんなのどこがいいんだよ、こっちは想像しただけで気持ち悪くなるっていうのに」
西尾「いや、まだチーズ味のガムとは決まってないだろ」
石嶋「あんなのどこがいい?理解できんぜ」
志村「理解したいとも思わん」
西尾「聞けよ!」
石嶋「ああ、また気持ち悪くなってきた」
西尾「想像しなかったらいいだろ」
三沢「まあ待て。そうやって一方的に否定するのもどうかと思うぞ」
石嶋「何だって?」
三沢「アイツにとってはこれ以上ないごちそうなのかもしれんしな」
西尾「それはないだろ・・・」
三沢「まあ確かに理解に苦しむ所もあるかもしれん
だが、自分達も人の事はいえないんじゃないのか?」
志村「どういうこった?」
三沢「日本にはタコの踊り食いする奴がいる。俺達にとっては別に変な事ではないだろ。
でも他の国の人間からしたら、それはグロい事なんだ」
西尾「ああ、そんな事言ってたな」
三沢「寿司すらも、生で食う事自体おかしい事なんだ。他の国からしたらな」
志村「寿司なんて贅沢なモンだぞ?」
三沢「でも外人にとってはそれは理解できん事なのさ、どんなに高級なものでもな」
石嶋「まあ・・・それもそうだけどなぁ」
三沢「ちなみにベトナムでは何が食われてるか知ってるか?」
西尾「ベトナム・・・知らんなぁ」
三沢「猿の脳みそだ」
石嶋「おい!もうやめろって!」
三沢「ベトナム人にとっては高級料理らしいぞ、
他にも目玉スープやカブト虫・・・」
石嶋「分かった!分かったからやめんか!アイツにとってはごちそうなのは
よく分かったからやめろ!というかいつもゲテモノ系の話ふってくるなよ!」
三沢「少し耐性つけとけ。話にならん」
石嶋「ふざけんな!しまいにゃ吐くぞここで」
志村「やめんか」
三沢「まあそういう事だ。何でもかんでも頭ごなしに否定するなって事さ」
西尾「でもいくら好きとはいえ、いつもチーズ味というのはどうなんだよ」
志村「そうだよなぁ。たまには味変えればいいのにな」
石嶋「フルーツ味とかか?」
三沢「それだとありきたりすぎる。奴は寄食家だ、そんなんじゃ満足はしない」
志村「うーん、めずらしい味ねぇ・・・
例えば、たらこや、おかか、たまごにかつお、しそとかなんかどうだ?」
西尾「それ・・・フリカケだろ・・・」
石嶋「それはなかなか奇抜でいいな!」
三沢「ふむ、中々いい案だ、いちいち作らず味の無いガムに
ふりかけをかければいいだけだしな」
西尾「あのなぁ、いちいちそんな事せずに、普通にご飯食えばいいだろ、
というかなんだよしそ味って!のどの奥あたりがスースーして
逆に気持ちわるくなりそうだぞ!」
志村「いいじゃないか、目覚ましになりそうだ」
西尾「いや、そっちのスースーじゃなくて」
石嶋「でもガムにフリカケをかけるってのは・・・ふりかけがかかってない部分が
味わえないって事も起こるだろうから個人的にはちゃんと練り込んでほしい」
西尾「そっちかい、というかご飯じゃないんだから」
石嶋「たまにいるが、付属のふりかけを一箇所だけにドバーっとかける奴いるよな。
あれじゃあフリカケの意味がないっつーの。本当に許せん」
西尾「どーでもいい」
石嶋「第一、付属のフリカケの量が少なすぎるッ!!しっかりしろ業者っ!!」
西尾「やかましい!」
三沢「なるほど、それだと全体的に味が広がるしな」
西尾「なあ、思ったんだが、もしガムにフリカケをかけるんだとしたら、
ご飯味のガムもあってもいいんじゃないか?」
石嶋「バカじゃねえのかお前」
志村「イカれてるぞこいつ」
三沢「お前は本当にアホだな。どうしたらそんな馬鹿丸出しの発想が出来るんだ、
いちいちそこまでするのなら、普通に飯を食えばいいだけの話だろう」
西尾「だからそれはさっき俺が言っただろうがっ!!
つうか何で俺だけこんなに言われなくちゃならないんだよ!」
志村「落ち着けって」
西尾「お前だって言ってただろっ!」
志村「でもよ、全体に混ぜ込んだら、おかずの方が味わえなくだろ」
西尾「お前、ガムと一緒におかずを食うつもりか?」
石嶋「じゃあご飯でもフリカケをかけるな、と言いたいのか?
それだとフリカケの意味がないだろ。第一フリカケはご飯に味をつけるためのものだ。」
志村「じゃあおかずはどうやって味わう?フリカケなんかかけたら、
本来のおかずの味がかき消されてしまうだろ」
石嶋「じゃあフリカケが付属しててもおかずだけで食えってのか?
それだとフリカケの存在意義はどうなる?」
志村「それなら逆に訊くが、フリカケを使ったとして、おかずはどうする?
それこそおかずの存在意義が無くなってしまうだろう」
三沢「中々難しい所だな。どちらか片方だけしか使えない。
もし片方だけを使えば、使われなかった方は存在する意味が無い、という事だからな」
西尾「も、もうどこからツッコめばいいんだ・・・!」
いつものごとく、詰まってしまったようだ。
そういえばもうすぐ昼食だが、生徒会長のミカが友達と昼食は何を食べるか相談している。
アユミ「ねえミカ、昼食何にする?」
ミカ 「うーん、いつも和食だからなぁ」
アユミ「どこかお店に食べに行く?」
ミカ 「いいね!どこにしよう・・・」
アユミ「あたし、ハンバーガーが食べたいな」
ミカ 「あ、それいいね!あたしもそうしようかな」
その会話を聞いていた三沢。
すると三沢が何かをひらめいた。
三沢「・・・そうか。いい方法を思いついたぞ。我ながらいい案だ。ミカ、お前達のおかげだ」
ミカ 「へ?」
アユミ「はぁ?」
志村「ど、とうした?何か思いついたのか?」
三沢「ああ、素晴らしい事を思いついたんだ。
フリカケとおかずの存在意義を損なわずに、食事を終えさせる方法をな」
石嶋「な、なにぃ!?」
志村「なんとっ!!」
西尾「・・・アホか」
三沢「それはだな、まずごはんに隙間無くフリカケをかける」
志村「何?待て、それじゃあおかずはどうなる」
三沢「最後まで聞くんだ。フリカケをかけたら、真ん中を横に切るんだ。
上段と下段を分けて、上をフリカケ、下をおかずで味わえばいいのさ」
西尾「面倒くさすぎる!」
石嶋「なるほど!それならどちらも味わう事が出来るな!」
志村「どちらも公平に扱う事ができるしな!冴えてるなお前!」
三沢「いい案だろう?ハンバーガーからヒントを得たのさ。
うまくやれば、間におかずを挟んで、ハンバーガーみたいに味わえるしな」
西尾「そ、それはないだろ・・・」
長い討論の末、ようやく完結?したようだ。
それを唖然として見ていたミカがふと我に返り、四人に近づき、
ミカ「あのさぁ、そこまでしなくても右半分をフリカケ、
左半分をおかずと分けて味わえばいいんじゃないの?」
石嶋「!!」
志村「!!」
西尾「・・・ごもっとも」
三沢「何だと?それだと俺のハンバーガーの案はどうなる」
西尾「もうええわ」
志村「一つ聞きたい。何でおかずが左半分なんじゃいっ!」
西尾「どうでもいいだろ!!」
こんな感じで今日も無駄すぎる世間会話を交わしている。
ちなみに、タクヤとアヤの関係はまだバレてはいない。
アヤ「というかさ、あたし達の事が話題の中心なるはずなんじゃないの?」
俺 「お前らの関係は周りに秘密なんじゃないのか」
出典:オジリナル
リンク:オジリナル

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