妻の親友

2008/07/24 23:51 登録: えっちな名無しさん

夏だから怖い話シリーズです。
相当怖いので覚悟を。今晩眠れなくなるかもしれません。
怖いのが嫌な人はここで読むのをやめることをお勧めします。


幸せな夫婦が居ました
男は、とても妻を愛しており
またこの先ずっと愛していくだろうと
確信と誓いがありました
妻が病死するまでは

それから、5年が経ちました
夫婦には妻の同級生で共通の友達が居ました。
夫婦が結婚する以前からの長い付き合いで
妻の一番の親友でした。
二人が結婚の報告をした時は涙を流して喜んでくれました。
彼女は妻の死後
時々、男の様子を見に来ては
いろいろ世話を焼いてきました。
彼女の器量も人格も決して悪くなかったのですが、
なぜかずっと独身でした。

男は彼女が自分に
同情以上、友達以上の
感情を抱いていることに気づいていました
また自分がそれに傾きつつあることを知りながらも
それを自分自身で受け入れまいとしてきました。
死んだ妻に対して何らかの後ろめたさがあったのです

しかし、もう5年も経っています
周りの人間も再婚するように勧め
また、妻の両親も
「私たちのことは気兼ねせず再婚してください」
などと言う様になりました。
男はついに決意しました。

男はカメラをいじっています。
今日買ったばかりの新製品のデジカメです。
1月前、妻の友達が様子を見に来たとき
男は彼女に旅行に行こうと誘いました。
彼女は快くOKしました。
旅行は明日からです。
男はふと手をカメラから離し
仏壇のほうに近づきました。
「俺は5年お前の死に向き合ってきた
そして、ようやく死んだ人間に対して
やれることは何一つないんだって事に気づいた
頭ではなく、心でだ
俺はこれから幸せになろうと思う
許してくれ」
男が手を合わせたそのとき

 パシャ!

勝手に、カメラのシャッターが切られました
男は不思議に思い、カメラを手に取り
今撮れた画像を確認したのですが
部屋が写し出されてるだけで
変わったところは何もありせんでした
しかし
男は罪悪感が薄れ
心が軽くなるのを感じました

なぜなら、その時、デジカメは
笑顔を検知すると自動的にシャッターを切るモードだったのです。

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