パチ屋で起こった不思議な体験 2
2008/08/02 12:43 登録: えっちな名無しさん
前編:パチ屋で起こった不思議な体験
http://moemoe.mydns.jp/i/index.php?ac=view&aid=13072
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22 :スペース :05/02/28 08:01:10 ID:svJUgNcZ
どもです。あれから事が急激に進行しました。忘れないウチに投下します。
恐らくこれが最後になります。
シモさんが霊媒師を捜してきた。候補は二人。一人はいかにもという変な名前の女性の霊媒師Rさん。
もう一人は普通の名前の普通の男性の三家さん(仮名)。店長にどちらが良いか決めてもらう事になったようで店長は悩んでいた。ある日店長に事務所に呼ばれた私はこう相談された。
「なあ、どっちがいいと思う。このおばはんの方は何やら実績豊富なようだしな。
除霊料は別途応談つーのがきにいらねえけどな。でこっちの男は全然霊媒師に見えない。
どっちかというと昼にウチに来ているサボりのリーマンみたいだしな。ただ除霊料は安いよな。
5万円〜10万円って。なあ、どうお前どう思う?」
「その女性の霊媒師に金額を問い合わせてみてはいかがでしょうか」
「・・・・お・・俺がか?お前頼むわ。なっ聞いてみてくれ」
渋々了承した私は女性の方に連絡する事になった。しかしここでピンと来たので再び店長も元へ向かった。
「店長。連絡するのはいいのですが、例えばですね、連絡したら金額をはじく為にいろいろ聞いてくると思うんです。何があったのか?どこでどういう事があったのか?
するとある程度言う事を決めてやってくるんじゃないでしょうか。あそこにいますね、とかここが怪しいとか私が言った事の復唱をして除霊のまねごとをして帰るだけとかありえないでしょうか」
「・・・まあ、ありえるだろうな。実際目に見えないもんだしな」
「で、こういう連絡の取り方はいかがでしょう。除霊に来ていただき失敗したら金額はお支払いしませんというのは。詐欺まがいだったらその時点で断ると思いますので」
「おおっ!それだそれ。それで行こう。じゃあ宜しく頼むわ」店長はガハガハ笑っていた。
二人とも断られた場合はどうするのか聞く気もしない高笑いだった。
そして正直また私が連絡するのかとも思った。
23 :スペース :05/02/28 08:02:09 ID:svJUgNcZ
女性の方に連絡すると代理の方がそのようなシステムでは除霊は行っておりませんと言われた。
あっさりと断られた。しかし裏を返せば自信がないという事だ。きっと詐欺まがいなのだろう。
すぐに男性の方へ連絡してみた。
「あの、すいません三家さんでいらっしゃいますか?私○○さんのご紹介でお電話差し上げているのですが、実は除霊の事についてお伺いしたいのです」
「はい、どうぞお話ください」結構すっとした落ち着いた声だ。
「実はウチのホール・・あっすいません。私スロットマシンの遊技場で働いているのですが、ウチの職場でいろいろと怪現象が起きるんです。一度来てみてもらえないでしょうか」
「分かりました。では場所と連絡先を教えてください。行くことが可能な日が決まりましたらご連絡しますので」
「それでですね・・・除霊に失敗したりしたら料金は発生しないようにしろと上のものから言われてまして・・」私は店長のせいにした。
「構いませんよ」
なんと簡単に了承してくれた。電話を切り三家さんからの連絡を待つ事になった。
24 :スペース :05/02/28 08:02:49 ID:svJUgNcZ
私の携帯が鳴ったのはそれから2日後だった。
「三家です。明後日お伺いします。お時間は何時頃がよろしいでしょうか」
「あれから店長と話しまして、店が閉店してからの方がいいのではないかとの事でした。
夜の11時には店は閉店します。それから掃除などもろもろで2時間ぐらいはホールはゴタゴタしてますがその後の方がよろしいですか」
「分かりました。とりあえず夜10時頃に伺います。そして少し現場を見せてください。何時に除霊を開始するかはこちらで決めますが宜しいですか」
「はい。構いません。では当日お待ちしております」
電話が切れた後、三家さんの声のトーンに少し気が重くなった気がした。
25 :スペース :05/02/28 08:03:28 ID:svJUgNcZ
除霊当日。三家さんがホールにやって来た。身長は175センチぐらいでキチッとしたグレーのスーツを着込んでいた。ピカピカの革靴と腕にかけたコートがさらにサラリーマンに見えた。
私は事務所で三家さんにお茶を出し、話しかけた。
「あの、今日は遠い所有り難うございます。あれから店長と話したんですが隣の県から来て頂いて報酬なしはいかがなもんかという事になりまして。先にこれをお渡ししておきます」
と言って私は店長から預かった3万円入りの封筒を差し出した。
「有り難うございます」そう言うと三家さんはスッと封筒を内ポケットに入れた。何とも無駄のない動作だなと思った。格好良くも見えた。
「で・・・三家さん・・・何か感じますか?こう・・得体のしれないなにかというか何というか・・」
「感じませんね。恐らく現場はこの事務所ではないのでしょう。少し遊技場を一緒に見て回ってもらっていいですか」
「はい、分かりました。では一緒に行きましょう」
我々はホールに向かった。
26 :スペース :05/02/28 08:04:10 ID:svJUgNcZ
「しかしうるさい所ですね。耳が痛いです」三家さんが言った。
「すいません。集中できませんよね。やっぱり閉店後の方が良かったですかね」
と私が三家さんに言った時、彼は急に止まった。そして北斗のシマを凝視している。
「・・・何かありましたか・・・」私は聞いてみた。
「・・・いえ、別に」そう言うと三家さんは再び歩き出した。
3分ぐらい歩いたでしょうか、三家さんは時折止まり凝視するという行動を繰り返していた時
一人の若者がドル箱を2箱かかえて前から歩いてきた。私は通行の邪魔だろうと横に避けた。三家さんはその場に止まっている。
若者が通過すると同時に私はお辞儀をした。店員の普通のマナーである。
「・・・・・・・・・・」三家さんは歩いていく若者の背中をずっと見ていた。
「・・・どうしたんですか?」
「・・・・今の彼です。いや正確には彼が今憑かれています。ちょっと追っていきましょう」
約10メートルぐらい離れて歩いているとその若者はコインを流しカウンターで景品をもらい、換金窓口のある出口の方へ向かった。
「あっ今抜けましたよ。彼から離れました」
若者は普通に出ていった。
「さて、どこに行ったのか・・・少し一人で歩いて来ますね。ここにおられますか?」
「今日は三家さんの接客をしろと店長に言われてますので、この格好でここに居たら仕事をしなければならない状況になります。私は先程の事務所にいますので、終わられたら来て下さい」
「分かりました。では後ほど」そう言って三家さんは一人で歩き出した。
27 :スペース :05/02/28 08:04:53 ID:svJUgNcZ
事務所に戻ると店長が戻って来ていた。何でも急用が出来たらしく夕方から外出していたのだ。
「おう、どうだ。来たか、霊媒師」
「はい、先程来られまして今ホールを一人で見て回っておられます」
「どうだ?本物っぽいか?」店長は何故か子供のような顔をしていた。
「分かりません。ただホールにいた若者に憑いていると言ってまして・・」
「ホントか?でどうなった?」なんかこの顔がむかついてきたのが正直な気持ちだった。
「すぐに抜けたとだけ。で、恐らく今探しているんじゃないでしょうか」
「ケッ信用できねえな」何か少し不愉快になった。
20分ぐらいして事務所のドアがノックされて三家さんが戻ってきた。
「あっどうも。こちらは当店の店長です」私は店長を紹介した。
二人とも名刺交換した。
「で、どうなのよ。何かいた?」なんとも失礼な発言を店長がした。
「その前にどうでしょう。シモさんもいろいろ関わってる事だし呼ばれてみては」
私が提案すると「おう、そうだそうだ」といって店長はシモさんを呼んだ。
28 :スペース :05/02/28 08:07:19 ID:svJUgNcZ
再びドアがノックされシモさんが入ってきた。
そして4人でソファに座った。言葉を切りだしたのは三家さんだった。
「只今いろいろと拝見させていただきました。結論から申します。危険ではありません。
恐らく商売に何の影響もないでしょう。除霊しろと仰るのであれば閉店後すぐに致します。
そうですね30分ぐらいで終わるでしょうか」
「あの・・やっぱり何かいるんですか?」私は聞いた。
「はい。4人の霊がこの店に憑いています。一人はあのうるさい機械の通路。
たまに椅子に座っているようです。これは赤いチェックの服を着た若い男性です。
もう一人は奥の自動販売機の横。男性です。もう一人は女子トイレ。中年の女性の霊です。
最後がカウンターの下。横になってます。初老の男性です。」
「何かうそっぽいな。証拠がない」店長が言った。
「いや、例の自動販売機の事を仰いましたよ。おい、あの自販機の事この人に話たか?」
シモさんが私に言うので私は首を横に振った。
「でさあ、危険じゃないってどういう事な訳よ。分かりやすく教えてくれ」店長が言った。
「そうですね、しいて言うならこの場所が好き。もしくはあのスロットマシンというゲームが好きな霊が憑いているだけです。深い怨念はないようですし、土地にいる地縛霊でもありません。しかしですね・・」
三家さんが続けた。
「恐らく一人だけ成長している霊がいます。自販機の所の男性です。彼はスロットマシンがやりたくてやりたくてしょうがないのです」
29 :スペース :05/02/28 08:09:21 ID:svJUgNcZ
私は以前から起こった事すべてを話した。何故か信用おけそうな人に感じたからだ。
北斗が夜中に動いた事。霊に追っかけられた事。霊と話す青年がいた事。
一通り聞き終え三家さんはこう話した。
「先程も申しました通り、店には害はありません。
その北斗の拳という機械が勝手に動いたのは間違いなく彼の仕業です。追っかけたのも彼です。
でも店内からは出れないはずなのでその後は錯覚でしょう。青年と話したというのは少し違います。
正確には青年に取り憑いたのです。彼は北斗の拳が突然動き出した頃からホールの中の人に取り憑く事を憶えました。先程の成長とはそういう事です。でこれからもっと成長します」
「その成長ってヤツをしたら店にやばいんじゃないのか?」店長が言った。
「いえ、それはないです。被害がでるのはお客様の方です。
このまま成長を続けると憑いたまま外に出れるようになるのです。
すると憑かれた人の家にまで行く。生活全体を支配しだします。体調も悪くなるでしょう。
元々スロットマシンがしたくてたまらない霊だから、毎日スロットマシンをやりにその人を連れて行きます。サラリーマンに憑いたらそれこそ大変です。恐らく仕事は無気力になり朝から店に行く。
生活は破綻しやがて職も失うでしょう」
「そんなリーマンいっぱい今でもいるじゃねーか」店長がケラケラ笑った。不謹慎だと思った。
「そして恐らくその人間にスロットをする経済力がなくなれば別の人間に憑く。
その繰り返しを行うでしょう」
「じゃあ、何か、ウチにとってはスロ中毒の客を作ってくれるいいヤツってとこか?」
店長がまた笑った。私はむかついた。
「ええ、そうです。ですから被害はないと申したわけです。さていかが致しますか?
除霊しますか?恐らく取り憑く事を憶えたので以前みたいに不可思議な現象を店に起こす事はありません」
「ならいいじゃん」
「いえ駄目です。三家さん。除霊してください」私は言った。
30 :スペース :05/02/28 08:10:23 ID:svJUgNcZ
「おいおい、何でだよ。除霊必要ないじゃん。いい霊だし。守り神かな」また笑ってる。
「店長・・・・こう何て言っていいのか・・・大事な事お忘れです。もっと落ち着いてください」
「何だお前、偉そうに」店長が凄んだ。
「あっ・・・いえですね。大事な事お忘れなんですよ店長が。いいですか、去年の年末なにがありました?」
「あのヒョロメガネの事か。アイツは出禁にしたからな。問題ない」
「いえ・・・そうじゃなくて」私は店長の鈍さに呆れた。
「店長、私は先程三家さんに過去の事を話しましたがあの青年が霊と話しが出来たと言っただけで馬鹿出ししたとは言ってません。三家さんは事情を知らないで被害がでないと言ったんです。
いいですか?あの霊は出る台が分かるんですよ。前はその後の客が入れてくれたから良かったもののこのまま成長したらもっと凄い事になるんじゃないですか?」
「・・・・・・・・・おお・・そうだった。」店長は少し恥じた。
「三家さん。恐らくこれからあの霊が成長してサラリーマンに取り憑いても、
そのサラリーマンは生活は破綻しても金銭的に苦しくなる事はありません。
あの霊出る台が分かるみたいなんです。先程の青年もそうでした。
どうでしょう、人に憑いて外に出られるようになったら他の店にも被害が及びます。
今日除霊してはいただけないでしょうか。いいですね、店長」店長は頭を掻いて肯いた。
「分かりました。では閉店後すぐに」
31 :スペース :05/02/28 08:13:49 ID:svJUgNcZ
閉店後除霊が4箇所で行われた。
店長のみ同行させられたので除霊の様子は店長からしか聞けませんでした。あのボキャブラリーです。
うまく伝わりません。
「なんかこうな、手をシュシュシュとしてな。結界つーのかな?何かいろいろやってたぞ」
こんな感じです。訳が分かりません。
帰り際に三家さんがホテルに泊まるというので送って行きました。いろんな話を聞かせてくれました。
自分達はよく詐欺師まがいだと言われるし実際詐欺行為をしている人もいる。しかし本物も確実にいること。
三家さんは子供の頃事故に遭い瀕死の重傷から生還した時からいろんなものが見えるようになったらしい。
驚いたことに霊は日常、そして昼間もうろうろしているらしく横断歩道を渡っていたり喫茶店に座っていたりしているそうだ。
そんなものが日常見えていたら疲れるでしょうと私が言うと最初はとても疲れたが今はもう気にしないようにしているとの事。自分の家は完璧に結界を貼っているので霊は居なくて
快適に眠れると笑って言っていたのが印象的でした。
そして大半の霊は無害で未練があるだけらしい。時がくれば霊界に行くらしい。
その時間はまちまちで入り口はいつも開いているそうだ。
たまたまそこに家が建ったりすると霊の通り道になるので霊障害が起きやすいそうです。
ただその未練が断ち切れずにいると霊は悪い方向へ成長するらしい。いろいろ勉強になりました。
ホテルに着くと三家さんが「店長に有り難うございましたと伝えてください」と言った。
「はい伝えておきます。で、何のお礼でしょうか」
そういうと三家さんは内ポケットから分厚い封筒を取り出した。
「こんな高額を頂いたのは初めてです。お礼を言っておいてください」
後日店長は100万円を支払っていた事が分かりました。もの凄く店長を見直しました。もの凄く。
さて、もうこれでウチのホールは大丈夫なようです。今日から名無しに戻ります。
しかしもし・・・もし何か起きたらまた報告致しますね。
出典:バチ屋で体験した修羅場を語れpart44
リンク:http://money3.2ch.net/test/read.cgi/slot/1109531953/l50

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