冒険の書が消えてしまった
2008/08/04 08:46 登録: えっちな名無しさん
俺には、姉ちゃんがいた。 3つ年上の姉ちゃんは、弟想いでやさしかった。
ドラクエ3を姉ちゃんと一緒にやってた。(俺は見てるだけ。。)
勇者が姉ちゃん、僧侶が俺、遊び人はペットの鶏の名前にしてた。
バランスの悪い3人パーティ。苦労しながらコツコツすすめた。見てるだけだったけどおもしろかった。
たしか、砂漠でピラミッドがあった場所だったと思う。とても強かったので、大苦戦してた。
ある日、姉ちゃんが友達とプールにいくときに、俺に言った。
「レベル上げだけならやってみられ。でも先には進めるんじゃなかとよ。」
俺はいつもみてるだけでよくわからなかったけど、すごくうれしかった。
だけどそれが姉ちゃんの最後の言葉になった。スピード違反・信号無視の車にはねられてしまった。
葬式の日、父ちゃんは姉ちゃんの大事にしてたものを棺おけにいれてった。
お気に入りの服、水着、アクセサリー、電動こけし、そして、ドラクエ3。
でも、俺はドラクエ3は入れないように言った。
姉ちゃんからレベル上げを頼まれてたから。それが最後の言葉だったから。
俺は毎日毎日時間があれば砂漠でレベル上げをした。ドラクエ3の中には姉ちゃんが生きてたから。
レベル100になったら、もしかすると姉ちゃんが生き返って帰ってくるような気がしたから。
ゲームの中の姉ちゃんは強くなった。強力な魔法ですべての敵を一撃で倒せるようになった。
『冒険の書が消えました』
ある日ドラクエ3の冒険の書が消えてしまった。
姉ちゃんが現実からもゲームの世界からも消えてしまった。
すごく悲しくて、ずっとずっと母ちゃんの股間に頭をうずめて泣いてた。
出典:2ch
リンク:2ch
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