生きたくとも生きられない人もいるのに

2008/08/08 16:16 登録: えっちな名無しさん

もう30年も前のこと。
雑誌だったか新聞だったかも忘れてしまったが、不治の病で亡くなった少女の
日記を抜粋した記事が載っていた。

「私のように
 生きたくとも生きられない人もいるのに
 なぜ
 自殺する人がいるのだろう
 なぜ
 せっかく生きることを許されているのに
 自ら命を絶つのだろう
 私は
 生きていたい
 どんなに辛いことがあっても
 どんなに苦しいことがあっても

 でも
 私には生きていくことが許されていない」

少女の言葉は、確かにこういう内容であったと記憶している。

私は、中学校の同級生をひとり、高校の同級生をふたり、自殺で失っている。

ひとりは、結婚をし、奥さんと子供、同居のおかあさんがいて、自宅近くで
焼身自殺だったという。理由は、詳しく聞くことも出来ないでいる。
高校の時から、普段はあまり冴えない奴だったが、ギターを持たせると人が
変わる奴だった。
結婚式にも招待されたが、バンド仲間と一緒に素晴らしい演奏を披露して
くれたものである。

ひとりは、高校2年生の時にお父さんが亡くなり、それから精神的に病んで
いた。
修学旅行のとき行方不明になり、宿泊していた旅館の屋上で発見されたらば、
何事かを大声で叫んでいたりしたっけ。
卒業して間もなくのこと。
家を出たきり戻らず、警察に捜索願を出し、既に身投げしていた遺体がを発見
されたという。
葬儀のときの、寂しそうなお母さんの涙が忘れられない。

ひとりは、高校卒業後に勤めていた会社の上司に厳しく叱られて、その上司に
嫌がらせの意味を込めた恨みの書を遺して、お姉さんの嫁ぎ先の傍の林の中で
首を吊っていたという。
その中学校の同級生と最も仲の良かった友人が、そのショックで欝病を発症
してしまい。その友人のご両親は既に他界し、実家は廃墟になってしまった。

自殺はいけない。
人の命を奪うことは、勿論いかな理由があろうと許されることではないが、
自らの命を絶つこともまた、命の尊さをないがしろにする行為である。

今、閉塞感の漂う日本の社会で、自殺者は年を追うごとに増え続けているが、
どうか、苦しいとき、辛いときに、冒頭の少女の言葉を思い出して欲しい。
軽々に「死にたい」などと言わないで欲しい。
生きたくとも生きる希望を絶たれてしまう幼い命もまた、少なくないのである。

出典:新聞か雑誌
リンク:なし

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