やる夫が徳川家康になるようです 23
2008/08/23 13:18 登録: えっちな名無しさん
やる夫が徳川家康になるようです 22
http://moemoe.mydns.jp/view.php/13476
★この物語は1の創作であり、一部の登場人物(真田十勇士など)は、
史実では実在かどうか確認できない人物も登場しております。
その点をふまえて楽しんでいただければ幸いです。
★mixiで「やる夫が徳川家康になるようです」のコミュニティが
開催されています。ありがとうございます。
875 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:38:10.82 ID:JT6EEns0
第23話「壮烈! 三河武士」
この物語は、東照大権現、徳川家康が天下を取るまでの、
苦難の物語である。
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\ 大納言(前田利家)。まずやる夫達がやるべきことは、
/ ⌒(__人__)⌒ \ 朝鮮にいる諸大名を、安全に日本へ、
| |r┬-| | 引き上げさせることだお。
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
l´`、''‐=_‐-:、_
i'r"`、 __ヽ、 ヽ、 `:、
!.i r'"_,,,.';', i_ '; その通りだ。
|.i、'、. rti-|i, ,'-`i | ……太閤殿下の死が、外にばれてはまずい。
!'`;| _ ノ ! ./!) ノ./ 日本軍は士気を失い、明と朝鮮が勢いづく。
.!-‐- ,'ノ /'く,/ あくまで内密に行おう。
ヽ'' _,,. :' _,. '、_
フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
,:;':' | |''_ -',/. ', `'''ー--;;、
1598年9月(旧暦8月)、豊臣秀吉は死んだ。
やる夫と前田利家は、その死を隠し、朝鮮にいる諸大名を、
無事に日本へ帰さなければならないと判断した。
879 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:41:15.30 ID:JT6EEns0
iv'ヘ | |:|l==|
| ;`;| | |:|》: ::::| i'1
| ;'l:| i'`'i 、 /| |:|\ : | . |;'| ,、
!:`l'| ζ\ |;`;| ‖ 〕 .| |:| || | ./\ _.|;'| /.:〉
-、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> r┘.:| |:| ||::| | ‖‐┘ .:|';|──へ./.:/_r‐
ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// /| ̄\:| |:|  ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|/\/\ 《// ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/ 〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n::::::::::::::::::::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
-|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!___;!__;|_;_;:::.:/ : :| |: : : |:|::::::::| | : :
~゛'' ┘⊥ 」_ | |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:| .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::. ∠二
` , ' . ` ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」_;!__;!__;!__;!_;ト、 r─‐-、 ...:.:.:.::.:
, ~゛ ┴ ⊥. .,_..:::| ::/ ̄. ̄'"ヽ┴-、_;_;_;_;_;_;_
,, ` ~゛'' ‐-|\___ト--/.. ...:::::::./|
` ., ` ,. ' \|__;_;_;_;_;!─l二二二l/
朝鮮の戦況は、実にまずい。
前回でも触れたが、日本軍の士気は非常に低かった。
時期は既に夏であったが、明も本腰を入れて、兵の数を増やしてきており、
日本軍は、北上することがなかなかできなかったし、その意思も薄かった。
885 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:43:04.00 ID:JT6EEns0
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';';,..
';;';';;,.,
''';;';';;'';;;,., ザッ
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy ザッ
ザッ n_n,n_n、n_n,n_n、n_n,n_n、
∩_∩^−^∩_∩^−^∩_∩^−
ザッ ∩__∩ ∩__∩ ∩__∩ ∩__∩
∩_ ∩__∩ ∩__∩ _∩ ∩_ ザッ
∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩
| ノ ヽ | ノ ヽ | ノ ヽノ ヽ
/ ● ● | / ● ● | ● ● | ● ● |
| ( _●_) ミ | ( _●_) ミ ( _●_) ミ ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、` 彡、 |∪| 、`\ |∪| 、`\ |∪| 、`\
/ __ ヽノ / / __ ヽノ /´> ) ヽノ / ノ //ヽノ /´> )
(___) / (___) / (_/_) / (_/ / (_/
9月に入ると、明軍は攻勢に入った。
李氏朝鮮首都、ソウルに集結させていた十万を超える軍を三つに分け、
蔚山、泗川、順天の、日本軍がいる三拠点に向けて進撃を開始した。
891 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:44:53.89 ID:JT6EEns0
/ ヽ
| 明 な 闘 i
ゝ 軍 き わ ノ
/ と ゃ イ
| ゜ i
\___ _ ,,-'
――--、.., ∨
::::,-ー、,-、ヽ
::_|/ 。|。ヽ|i、
/.` ´● ' ニ、
ニ__l___ノ
/ ̄ _ | i
|( ̄`' )/ / ,..
`ー---―' / (__ )
====( i)==::::/
:/ ヽ:::i
蔚山にいたのは加藤清正である。
清正は明と朝鮮の連合軍を、迎え撃ち、これを撃退した。
/ レ----.、/ フ
_| / !l_
 ̄| l,、------'.l`
/_,,、..---.、,」
. /::r" ̄``'ー‐''"`ヽ
l::/ --、 ,、-- !
l;;l. こ0_> ,イ_0ア |
. l l | l
ヽl -┘ !
ヽ ,ィソ-―-ヾ、/
>,lリ′ ‐‐ ソ \
r'" ヾt、.,.iiii;.,/  ̄``
. ,、r''"´ ヾiリソ
董一元
そして泗川には、董一元率いる明と朝鮮の連合軍が攻めてきた。
その人数については、よく解っていない。
一番少ない説で16000、多い説では20万にもなる。
泗川は確かに重要な拠点である。
西には日本軍のいる順天があり、東には港町の釜山がある。
即ち泗川が落ちることは、泗川よりも西の日本軍と、
釜山などにいる日本軍の連結が断たれることである。
こうなると、作戦、補給、撤退など、日本軍の行動、全ての面に支障が出てくる。
重要な拠点なので、数は不明でも、
かなりの大軍が送り込まれたことは、確かである。
895 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:47:19.77 ID:JT6EEns0
三三三三三三 ミ 三三三三
三三三三三三 ミ 三三三三三三
三三三三三三 ミ _ 三三三三三三
三三三三三三 〔|ミlm|___,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-__二二-―−´lミ ミミミミミ彡
三三三 /,,/ ̄ ̄ ̄) .、テ‐,- ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/ (,,ヽ/ i ~`` ヽミ lSl |ミミミ彡
三三 /^ヽヽノ lヽ) _ ` | _/彡ミ彡<やれやれだぜ・・・
三 / \ ソ. / }‐- 、 l ヽ彡ミミ
三 l、 \ )( ノ ノ⌒ / | ヽミミ \
三 l\ソ、 _/ ヽ__ _ / | /三三\
三 \ _/i |‐、三三三三\ / /三三三
三三lミ / (三三三三三. ) ∩ /三三三
三∠|ミ/ / .|三三三三l ̄ ̄l l ̄三三三
島津 義弘
泗川を守るのは、島津義弘以下、7000人の島津兵である。
明軍の数が、最も少ない説の16000人だったとしても、
倍以上の兵力差があった。
|:::::::::::::::::::::::___::リ,
r| ::::::::::::::( )|'爪|::jリ
/``======_‐ラ(6,′数が多ければいいってもんじゃあねーぜ……
,>‐'つ__... =-〒rtッテ|h′ むしろ少数精鋭……島津家だけで戦ったほうが、
/.ノ (:{,|| i i l゙`~.jl|リ うまくいくってことも……あるんだぜ……。
! }/゙ヽl.l ', ヾツ |l!|) _
{ (´/ヽ.):ヽ r=- l/l:}/,r=,ヽ.._
ヽ( イ- ) ̄l|、|!゙¨´ / l:八.>=iこ⊂⊃
\ `ヽ:::::lドミ==‐' レ____l[二´__
 ̄:¨"7゙<〉 )::¨o7 /  ̄ フ 7ー-、:_:: ̄
朝鮮南部に展開していた他の大名も、泗川の重要さは理解していたので、
援軍を派遣しようかと申し出た。しかし、義弘はこれを拒否した。
904 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:50:22.49 ID:JT6EEns0
/ レ----.、/ フ
_| / !l_
 ̄| l,、------'.l`
/_,,、..---.、,」 日本軍の連結を断つのだ!
. /::r" ̄``'ー‐''"`ヽ
l::/ --、 ,、-- ! かかれっ!!
l;;l. こ0_> ,イ_0ア |
. l l | l
ヽl -┘ !
ヽ ,ィソ-―-ヾ、/
>,lリ′ ‐‐ ソ \
r'" ヾt、.,.iiii;.,/  ̄``
. ,、r''"´ ヾiリソ
おチンチンびろーん!!
∩___∩
| ノ ヽ/⌒)
/⌒) (゚) (゚) | .|
/ / ( _●_) ミ/
.( ヽ |∪| /
\ ヽノ /
/ /
| _つ /
| /UJ\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
おチンチンびろーん びろろ〜ん べろーん びろんぬ
∩___∩ ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩
| ノ ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒) ヽ/⌒)
/⌒) (゚) (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .| (゚) | .|
/ / ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/ ( _●_) ミ/
.( ヽ |∪| / |∪| / |∪| / |∪| /
\ ヽノ / ヽノ ./ ヽノ / ヽノ /
/ / ./ / ./ / ./ /
| _つ / | _つ / | _つ / | _つ /
| /UJ\ \.| /UJ\ \| /UJ\ \.| /UJ\ \
| / ) )| / ) )| / ) )| / ) )
∪ ( \ ( \ ( \ ( \
\_) \_) \_) \_)
明の大軍は、一気に島津勢に襲いかかった。
917 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:53:12.62 ID:JT6EEns0
(ヾミ.ニヾ={ { (( {/(::::::_... --―==ニニニニコ′
{ミ ヾ ニ =ヾ、ヾ、ヾ、(○)ニニ二二 _ ̄ ¨ └- .._
j ヾ ミヾ = ヾミ、ヾ 二 ノ― - ..._  ̄ フTi┬- 二 _‐- 、
)ミ ヾミ二 ==ヾミ ニ/―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ  ̄ )′
{二 ニ = ヾ ミ 二 ニ〉 <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ__.. -‐ "´
゙i二 ニ = ,≡三二.ニ{ `冖' ´ "´ ',¨゙|
lニ -‐.二f r、ヽミ二} ',│ てめーは俺を怒らせた
l,ニ-‐フ| | | \`Y´ '" / |
l// l l l l ( |
l/ リ 八 ヾ、_ ] _.. ニ=ニ、 |
彡イ } }`ヽ、 o ノ <..__.ノ |
l l ノノ ノ  ̄ ', |
l l レ /l `丶、 __ l ,r‐- 、
リハイ l__... -‐ '' "´ ̄ ̄ ̄ ̄l| ´三/ / /"ヽ_ヽ_
928 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:55:44.80 ID:JT6EEns0
ミ\\\\ \川ミミ\ミ .. ・ ┃ ・ ,.,┏┓┏┓ ┏┓┓フ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━
ミミ\/二l'二\ミ┏┏┏┏┓ミ\・ ・┏ ,./l┃┃┃┃ ┃┛┛ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓
\ミミ/◯ミミlミミミl ┃○○○ ノミ\┗・┃┏┃┃━__ ━┏━━┓フ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━
\ミ/○○ミミ\ミミl┃○○ミ/\ミミ\┃┃ ┃┃-‐'/ ┗━┓┃>ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓
\ミ/○○。ミミミlノ ミ\○=ー,.ミミ∧ ∧┃ ┏┛ ┏━┛┃> ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━
\\\○。┌┐□\ミミ\ミミミミ,ミミ/ ヽ/ ヽ┃ ┃ミミ ┗━━┛フノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃ ━┓
ミ\ミ\ └┘_ミミ\\ミ\\ミ/◯ ◯,.,.-┗━┛\\ミ ーーフオラオl‐''l‐''l‐''l''lミノー/lー--,.,.、╋ ━
\┌┐┌──┐\/ ̄l ̄/\ │\ーー/┏━ │ミミ__\\ミミ○○○。 └┘ ┘┘"""~~;;;;;;;;;;;;;;;\ ノ┃ ̄ノ ━━ ツ
□└┘└─┐│/◎ / l \/┏ミミミ\。○ー□、 ミl三l三l≡l\└─/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミノフ∧∧∧∧∧∧∧
─┐ ┌─┘│/ \ ┃┏ミミ○○ミミミミl \,.ll-l二○○○。l、;;;;,、;,.'',.",.",.-、;;;;;;;;;;;;'',.,.、ミミミミミミミ
└┐ ・└──┘ ,.,.// ̄ ̄\ \ ┃┃ミ○○。ミミミミl l二/二/=/''‐、,@`,?'/lll,.ノヽ;;;;;;;;;;;;レ、オラオラオラ
┌┘ ┌┐口□ー、__llミミミミ\へへへ\\\lミミミミミミ//\ ≡ l__ll___ll___ll;;;/\?/\ミ/ミl\\;;;;;;;;;;ゝ オラオラオラ
│ │└┐ ミミミミ┌/○○lミll\\\\ミミミ//ミミミ\ ≡≡ └─\l \,.-‐-、ll l lー-,.、--,.、
─┘ │┌┘┌───┐\ll○○○ミミl\\\\ ̄ ̄l_ミミミミミミ\ ≡≡○○○。 ,.llllフ/ ̄ ̄ーー,.、\\
││ └──┐│ \○○ミミ//\\\\\\\l ̄\ ̄l┐ ≡l三l三l三|] \/"/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\;;;;;;;\
└┘ ┌──┘│\ \ミミ//ミミミ\ \ \,/ ̄l/ ̄l ̄\ └└└└ /,/;;;;;; ;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;\
へ└───┘\\\-\ミミ\\\\,.l ̄l/│ミミlミミミ\\\ \ l/;;;;;;;;;;;; ;==;;;; ;;;;l;:;:;:;:;:;:;:
l /ーー┐__/ ̄‐---,.、\\/\ ̄ ┌/lミミミ◯ミミミミミl\\\ l,.,.-‐''' ;;; ,.,. ,,l;:;:;:;:
\ー,.,.,l__l ,. ;; l /__///\ / lミミミミ◯ ◯ミミミミミl一--,.,.,.、ミミ ,./" ;‐'''''" ;;;;'''l;;;;;/;:;:
\\\ \,.\ ヽ '''lー└─"/ーー\//lノノノlミミ◯ ◯ ◯ミミミミミl\\\ ̄ ̄\/、/ ;; ;;;;l-ー
\\,.ー┘ ;;; ,.'/ ○○///// ̄////\◯ ◯ ◯ ◯ミミミミl\\\\l ;;\ ---‐‐''"" ;;;/
\\\/、 'l‐" l l ○○○///l /川川ノノ/ーミミミミ‐‐ミミミ//\\\\l \\ ;/
/ ‐‐,.'/ __l、 l/ /○lミlミlミl┘/川ーー‐┤ \\\\''\ミミ\\\l ,.,.-‐'',l ー ,.,.,.,.-‐''"
\\/,.___,.l l )lー' l____ l└└└ 」 / ◯川川l、││ \ \ ''‐‐--,.,.,./  ̄ ;;; ,.'" "',.ー
\\ l ̄l ''\'"____フ ////// ○ ○川川l│││ \\\ '\ ,.,. ,.-''l、__/'" \\
レ'" \ \ //彡llll○○○川川l││ │ \ "'''''"""~~ """\\\
\\\ \/////巛l巛l巛l巛l川l ││ \\ \ \
\\\\彡//ll└└└└___」││ │オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
││lll│││││ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
937 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 20:58:07.65 ID:JT6EEns0
/ <三||三||三||三||三三三ヾ、===,、 Z
ヽ l ||` ||ミ ||三||フ,|| ̄  ̄``ヾミノノ三三ヽ / 島 げ
ヽ / | | ヽ と 音 は || || ||/|| || __ | |ヽ三三;/| 7 津 え
_/ ヽ / | | ま が わ || || ||/|| || ̄  ̄``| |、_ゞ、/|| || -'_ っ
ヤ ___/ ら わ || || ||r‐‡―‡―――‐--、.| | ||| || || ゝ
ヤ ぬ || ||/‡| ヽ、{ (_/``ヽ / | |'‐┘|| || || `>_
_|_______ _ ||,. ‡ | ' ̄ | ≡ l ̄ヽ, ヽ,| | 、||| || ||  ̄//L
_|_____ / ___``ヽ / ‡ |_ヽ0.,/ 三ヾ.0_/二 l| |^i||| || || ヽ、l、_/、,ヘ'
| / // ||ー―--, ,___,ノ | '"~/ ―--三、 | |r'ノ || ‡ ‡ ゝ
ヽ / / ./' || ( __ニ=― l ヽ、 ヽ、`` | |' l ‡ > じ の
_/ ヽ / .句| || l /ヽ ̄ ̄``ヽヽ∪ | |)ヽ Z ゃ 大
_/ | || | / / .| !{ ヽ__ ノ } ノ |/ \二、 、 L 勝
| || \ ― .| |ヽ ― ̄ ノ//| |(( / >、 \ 、 /
| / ――― ‐┼  ̄ ,.| |/ |\ _,、,_ / .//,| | )// ヽ、)〉 ‐'、
\_ | || ` ,. - ―/ | |(),l i川川リ //(_,| |// // /'7 '^vヘ
| || / / / ./())| | 川リ //.((_,| |,' // /
| || / |/ /|(()| |ノツ //(())/| .| // /
| || / / /. |(_))| |/ //(())//| | // /
| || / | // /ヽ|(())| | /./((.))// | .| _/ '| l _
| || /\ | /, / /`ー,`> ).| | /./((_))// | |-‐' | |" /((_))
| || / \\ |/ l_|//n))|ノ./((_))// | |\\ || /(( )(_))
||ノ(( _))\ヽ| 〈 (|__,)) ,| /((_))// |/ ) 〉|| / ((_)),/⌒
||ヽヽ(( _))ヽ| `ー―'_ /(( _))// へ_// |/ ((_))/
〉 〉(( _))| |(_)/(( _))// `ー― ' /((_))/
島津軍は敵の兵糧を焼き、食糧不足にさせた上、
伏兵や鉄砲を駆使し、明と朝鮮の連合軍を撃退した。
この戦いにより、島津義弘は「鬼石蔓子」(おにしまづ)と呼ばれるようになり、
朝鮮はおろか明国にまでその武名は響き渡った。
945 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:00:07.09 ID:JT6EEns0
,、- '' ゙ ̄,ヽ、_
/ ,、-''`゙ヽ `ヽ ふっふっふ、
/ !゙ | `. ここで負けるわけにはいきません!
├--''゙ / i
, .,L _;.;;;;、 ヽ ゙ヽ、./´`!i
,、-';;、-''゙!,.、ヽ-- '゙`_,/'゙!G.ノ!
/,;-'゙ ,,-';゙!--゙i-i'"  ̄ ', Yi,
/ "./ヽ, ! ゙;;_,,ノ ! ゙ヽ,
/ ./  ̄;T! ,/ ノ. 丿i ┬-─ '',゙ニ'- 、
/ ,,/ ゙''ニ゙- / i/ / i / `i
.,_,i _,;;'゙ ,、-''゙ヽ、_/,、-''` / i / i
i  ̄_,.フ /i / ! i´ )、 ,/ ! i i
! ̄ ̄ ! / ! / ,i !'i゙ './!-、,/ / !
i ○ i ! ! `y゙i .i !. / ゙> ノ /
! !、-ヽ;゙↓ / i ! ! ./ /./ /
三箇所の戦いの最後の場所、順天には小西行長がいた。
明軍と朝鮮軍は海軍も動かし、陸と海から順天を攻めた。
朝鮮海軍を率いているのは、何度も日本軍を破っている李舜臣である。
明と朝鮮は陸から海から攻めかかったが、小西行長の前に敗退した。
明と朝鮮による、日本軍の拠点三箇所の同時総攻撃は、
全て失敗に終わったのであった。
955 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:02:09.53 ID:JT6EEns0
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ みんな、日本へ帰ってくるんだお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
10月、やる夫をはじめとする五大老は、朝鮮の諸大名に帰国を命じた。
,.rrr'' ̄ ̄、゙゙ヽ、
/~ニ u >llllllヽ
j_ ヘ ヽu <llllllllllllllヽ そうは言われても……
/、__,.=ニニ===、lllllllllll}
,.-‐フ''f j! ノ,.イ))lllj
|_(,.。`ー''" " ノノlll<
{ i__ 、 r' 〉}ヽr- 、_
ヽrー- ヽ) _ン 、/ ゙| | ` ヽ 、
t __,. -''< / | | ,.`ー 、
,.-'' `TTtヾ、/ | | / ヽ
諸大名は、帰国のための行動を開始したが、
小西行長のいる順天城の海路は明と朝鮮の海軍によって封鎖されていた。
行長は、買収や交渉で脱出を試みるも、うまくいかなかった。
961 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:04:13.97 ID:JT6EEns0
/::::::::::::(._フ" ):::::::::ヽ
':::::::/:::::::::`'''´::::::::::::tタ',
l:::::::f:::(((ぅ:::l::::i:::l::::::l:::l:::',
l:::::::i:::::::l:_:_:|_:_凵⊥l-|:l::| 小西殿を救出するべきだッ!
',:::::::!::::::|で6ラ')ノィ5ラ川
ヽ::::i::::::l ''"'( ::{;i::::j::リ`二ヽ-、 __ オレは助けに行くぜ!
{ヽ::l::::::l 、.ノ::://ニ二:.eヽ ヽ‐=' O)
ハ \:::::l ∈=':〃ニニニ::.’i }e、ヽ ̄
ム e,\ヽドェ.、二ノ=-‐'`iニFl | e、\
/ヾ〉 e、`r― - = 二⌒i lニF|e|、_e、
/e、 ヾ〉 e、 \ _/ (r \| |-F|’| \ e、
/ e、 ヾ〉 e、 //" \rぅ|eF|el \
{e、\ e、ヾ>、/ l |l \_.ノ´l’E|’!
立花 宗茂
___
、__ ... - ‐__'' "´ ゙i
ヾ  ̄  ̄ |
ヾ`r |
ミ `( __ r"|..._
ミ ´( _____ ....(( )lノ `ヽ
ヾ ◎===__====== =- ‐ ′
`r''ヽ ノ tも=ッ‐< rテラ( }
{(り"′ `¨´"/` 「´ l )ノ やれやれだぜ……
シヽヾ) l l
〃 `ー゚ 、 <フ l まったく世話を焼かせやがる……
l゙ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l-=‐= l__ 立花殿、オレも行くぜ……
l ( ) ( ) | `.二´l┐|
| _`´___ `´ |、___l │|_
/  ̄  ̄ ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |__
/ \ O 「 串|
/ ヽ l │|
行長を救出するべく、向かったのは、立花宗茂と島津義弘だった。
969 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:06:17.72 ID:JT6EEns0
{ミ ヾ ニ =ヾ、ヾ、ヾ、(○)ニニ二二 _ ̄ ¨ └- .._
j ヾ ミヾ = ヾミ、ヾ 二 ノ― - ..._  ̄ フTi┬- 二 _‐- 、
)ミ ヾミ二 ==ヾミ ニ/―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ  ̄ )′
{二 ニ = ヾ ミ 二 ニ〉 <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ__.. -‐ "´
゙i二 ニ = ,≡三二.ニ{ `冖' ´ "´ ',¨゙| オラオラオラオラオラオラ
lニ -‐.二f r、ヽミ二} ',│ オラオラオラオラオラオラ
l,ニ-‐フ| | | \`Y´ '" / | オラオラオラオラオラオラ!!
l// l l l l ( |
l/ リ 八 ヾ、_ ] _.. ニ=ニ、 |
彡イ } }`ヽ、 o ノ <..__.ノ |
l l ノノ ノ  ̄ ', |
l l レ /l `丶、 __ l ,r‐- 、
リハイ l__... -‐ '' "´ ̄ ̄ ̄ ̄l| ´三/ / /"ヽ_ヽ_
_.. -‐ ''"´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l|  ̄ l--―{ { ̄--┐|二`ヾ"二
. l: : : : : :l: : : : : : : : : : : :`Vノ : l: :l: : : ,' : : ;': l:ll
l: : : : : :l: : : : : : : : : : : l: :/:l :l: :l: :l:: :/ /::/: :;リ|
l: : : : : :l : : : : : : : : : : l: :l::ノ: }: :} l / /::/レj:/::|
. l: : : : : l: : : : : : : : : : :l: :|/_;イ_;イ_;リ、// .ノ/:| アリアリアリアリアリアリアリ
'; : : : : l: : : : : : : : : ::l: :|ニニ ‐--ミ`' } ,ィチj゙ :| アリアリアリアリアリアリアリ
/´ヽ: : : :l; : : : : : : : : :l: :|z't'ツ"_>`` '" {^~ |: :| アリアリアリアリアリアリアリ
/ ¶′\: :ll : : : : : : : : l: :| `~¨´ (::"′ ',ノl: :j アリーヴェデルチ!(さよならだ)
,r‐{ , \ll : : : : : : : :l: :| :. ∨ノ:|
! ¶′', r、\: : : : :::::l: :| :. .._ /´): :l
¶′ \ ヾ>、\: : : ll: :| :. __-了:/::;'
エエエュ┬r 、\ `ヾ>、\:ll: :| : ‐.._'´¨´ノ:/::/
―‐ - 、 ̄`<〉、 ヽ、._`^‐-\ト 、 :  ̄「V/
¶′ \ `<〉、 \` ー==┬''^ヽ、 ...__ ノ
¶′ \ `〈>、 ヽ`:r'"|| ,タ ¶ }
≡=−
゚ 。 ,∧,,,_∧ ゚。
゚ ・<゚`Д´゚;>。 アイゴォオオオオオ!!!
(つ ⊃ 李舜臣さまあぁぁ……
ヾ(⌒ノ
` J ≡=−
島津義弘らの奮戦により、朝鮮は李舜臣を失ってしまった。
980 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:08:09.06 ID:JT6EEns0
/ / ゞ巛ミミ<
/\ / ヽ,ヽ《《《《《
ベリ / \ \/ ̄ ̄ ̄~'/ゞゝヾ巛<ゞ
| | /\ ベリ / ∩∩∩/ゞヾ||ヽ巛《フ
|...,,,,,,,,|,,,,,,,,,--''''''[][][][]''''''''''''''-ーーー-----<||ゞヾミミミ《ゝ
,,,-''''''''''''~~~~ _-----''''''|'''|⊥⊥⊥⊥ ̄◎ ミ巛 《ゞ
/ ,,,_---- ̄ ,,,,,,,,,|,,,|,_,,,,,|--|-/ |ミ巛《ヾノ
/ _,,,,,--'''''''〆 ,,,,,,--ベリ,,,,,,--~// :: ヽミ《ゝ《_
| D I S C (,,--(_/ ,,,,,,--'''',,,-'''''''~~ 〆/--'''ヽ ヽ/,,,,, ヽ
ヽ,____,,,,,,,,--.ヽ -'~,,,,-''''''~~~ / /~「・」,,,/ / | |
-'~,,- =======ゞ, ヾヽー''''''~~ ) | |
,,,-''~,,-~ヽ,ゞ /,-TG△》ゝ,-'''--,,_____ ゝ / /
,-'~ ,-~ ヽヽ,, ゞ,,,--''''~ //'~~^^'-ーーーーー’ / /
,-~ ,-~ ,,,,,,-''''ヽ ,,∠ | lー'' /
/ / ,,-''''' ヽ ,,,,-''~/| |--'^
\ヽ-~~ ,,,,,.. ,,,-~~~ / \ / / |
| ~~~~~~ ,,,,/ ,,,,,,,,,,,- / |--,,
ベリ / ,-'^~ゝ ,,-~~ ,,,,,,- / |\ヽ,,
,,-'' C ゝ-'''''''''ヽ --'^~ / | \
,,-~ I S ,,,,,,--''''^~''''|'~ヽ,, /ミ | |
|~ D ,,,,,,--'^~ | '~-,, ,,,,,,,,,-~ ミ | /
ヽ,,,--'^''~ / / '~---'''''' ミ |/
しかし日本側も損害は大きかった。
一時期は、島津義弘の乗っていた船も危うくなり、他の大名の助けで、
なんとか生還できたと言う。
だが、島津義弘たちが、順天を包囲していた海軍をひきつけたおかげで、
そのスキに小西行長達は脱出できた。
9 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:10:29.85 ID:JT6EEns0
(:::::::::::: ヽ
, ⌒ヽ (:::::::::::::::::::::: )
(:::::::::::: ' (::::::::::::::::::::::::::: ヽ⌒ヽ 、
ゝ:::::::::::: `ヽ(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ) (⌒ 、
(:::::::::::::::::: ::::::::::::::: 、⌒ :::::::::::::::: ヽ (::::::: ヽ
(::::::::::::(⌒::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::: ) (:::::::::::::::::
::(::: ::::::::::::::::::::::::::: `)::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::::::::::::::: Y⌒ ヽ::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::):::::::::::::::::::::::::::: ┌┐ :::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /~'7;; |/~''7 ::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ( ( ̄| ( ::::::::::::::::::::::::
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'"^~~^'""~^'"^~~~~~~~
〜〜~ 〜〜 ~〜〜〜 〜~~ 〜〜 〜〜~ 〜~~
~ 〜〜 ~~ 〜〜 ~~ 〜〜~~~ ~~ 〜〜〜
〜 ~~~〜〜 ~~ 〜〜~~ 〜〜 ~ 〜〜 〜〜 ~~~~
こうして、日本軍は、明と朝鮮の軍にダメージを与え、包囲を脱出し、
また友軍を救出するなどして、朝鮮から日本へと帰国していった。
11月下旬、釜山に残った島津義弘、小西行長、立花宗茂らが帰国。
こうして、二度目の外征、いわゆる「慶長の役」は終了した。
この戦いで、当然のことながら、日本と明、朝鮮の外交関係は悪化した。
そして、この三国のいずれもが、長期の戦いにより疲弊した。もちろん、
もっとも損害が大きかったのは、戦場の朝鮮であった。
15 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:13:11.83 ID:JT6EEns0
〃∩ .∧_,,∧ ∩∧_∧
⊂⌒< *`∀´> ⊂⌒(´∀` )
`ヽ_っ⌒/⌒c ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒ ⌒ ⌒
この戦いで新しく得たものもある。
現在でも佐賀県の名物である陶器「唐津焼」は(それまでもあったが)、
この時の戦いで日本へ連行してきた朝鮮の陶工達が技術を伝え、
発達したものである。
また、それまでは山椒を使っていた朝鮮のキムチは、
この時、日本軍が(恐らく寒さ対策に)持ち込んだ唐辛子が、
朝鮮半島に伝わり、現在の唐辛子キムチへと形が変わっていった。
23 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:15:31.00 ID:JT6EEns0
☆ _____
☆ /, = 、 −、 `\
./-/ +/. ノ、=「l=ヽ
, -──- 、 / `=●ー ´ ヽ` ヽ
/  ̄ ̄ ̄ ̄ `\ l l. ̄ /´  ̄ ̄ ̄ `\ /.=ヽ/-、. \ l =「|=゙ | 〜〜 l |
/ ,=\/ヽ ヽ | / =\/-、 ヽ / |l +|!+ |- 、=「l=ヽ | 〜^ | 〜~^ | l
/ || +li+ |− 、=「l= ヽ / || +|l+ |−、=「l=ヽl/ ゙=●ー ′ ヽ ヽ ヽ /⌒ー⌒ー⌒ヽl ノ
l/ヾー●ー ′ ヾ | l/ ゙=●ー ′ ヽ | =|_|= | 〜〜 l l >━━o━━━━イ
| =|_|= | 〜∽_ | ! | =|_|= | 〜〜. l. l 〜 | 〜~^ / / / / ___ |. |
ヽ ゙゙〜 | 〜⌒ヾ | / l 〜 |. 〜^ l !ヽ / ̄ ̄`\ / / /⌒ヽl ヽ.__ノ ノ | _ |
ヽ / ̄ ̄\ l/ヽ \ / ̄ ̄\ / / ⌒━━O━━━━⌒ヽ | ` ー─ /⌒ヽ(_)
 ̄\ | ` ━O━━━ ´ /⌒ヽ_l━━O━━━━|○-| / ___ \ ┬○ー´ ̄ ̄ ̄`| |/
(⌒ ) //  ̄ ̄ ̄ ̄ \| | __ |_ / | /⌒ヽヽ__ノ l |-、 `ー ´
 ̄`(⌒/ =\ / ヽ _ヽ(__ )∠ / l | |ヽ___ ノ / |
\ || +j|+ |-、=|_|=ヽ (__ )´ ノ-oヽ_ノ───── く __ノ
\= ● ー ′ ヽ l \\ /
\| 〜〜 | | __\\
さて、石田三成や藤堂高虎らの尽力により、
加藤清正など、朝鮮にいた武将たちは日本の博多へ帰って来た。
いずれも、くたびれきった表情であった。
32 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:17:57.38 ID:JT6EEns0
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l | お聞き及びの通り、
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 太閤殿下はお亡くなりになりました。
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ この後、皆様は各自の領地にお戻りになり、
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 来秋の収穫を終えた上で、
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 上洛していただき、秀頼様にご挨拶なされよ。
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ その際にはこの三成、茶席を設け、
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、 皆様を大いに労う所存です。
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
博多で清正たちを出迎えたのは三成であった。
43 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:20:27.94 ID:JT6EEns0
/::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::入 ̄\::/ ̄入:::::::::::\
/::::::::/ \ |:| / ヽ::::::::::::\
/:::::::::| ヾ-=・=-| | -=・=-"|::::::::::::::\
/::::::::─| | |─::::::::::::::ヽ
/:::::::/ \__/ ̄ヽ___/ \:::::::::::l
/:::::::/ ヾ__/ \::::::::::l ____
l:::::/ | ヽ::::::::::l /
l:::::/ ─── | ─── \::::::::::l < うるせー馬鹿
l:::::/ ___ | ____ \::::::::l \
l:::::/ ___ 人 ___ |:::::::l  ̄ ̄ ̄ ̄
l::::| /| |\ |:::::::l
l::::| / | | \ |:::::::l
l::::| / | | | |\ |::::::l
l::::| ( / | | | | \ ) |::::::l
l:::| \___/ | | | | | |\___/ |::::::/
\::\ \ | | | |___| | | | / |:::::/
\::\ \ | _/ \_ | | / /::::/
\::\ \___/ \_/ /:::/
\:::\ /::/
⊂二二二二二二二二二◎二二二二二二二二つ
清正たちはこれに反発した。
朝鮮で食べるものさえロクになかった清正達に、茶席など、何をノンキな……!
と反発したのだが、これは表向きで、単純に清正達は三成に反感をもっていた。
朝鮮で、清正らは清正らなりに必死だったが、三成はそれを、働き不足として秀吉に報告していた、
……と、清正達は(実態以上に)そう思い込んでいた。
62 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:23:20.45 ID:JT6EEns0
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' U `ヾ, f´ ……清正……
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
三成は、多少堅すぎるところがあったのは確かだったが、
彼は彼で自分の仕事を一生懸命だった。
清正達は朝鮮での苦しみを、誰かにぶつけたかったのかもしれない。
本来は秀吉にぶつけるべきなのかもしれないが、秀吉は主君なのでそれもできず、
何よりもう死んでしまっている。
朝鮮での戦いの苦しみや哀しみを、誰かにぶつけなければ、
腹立ちがおさまらなかったのかもしれない……。
76 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:26:12.35 ID:JT6EEns0
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\
/ ⌒(__人__)⌒ \ ……三成と清正が対立しているようだお。
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
(( (ヽ三/) (ヽ三/) ))
. (((i ) ___ ( i)))
/ / /_ノ ヽ_\ ヽ \
( く /( ●) (●)\ > ) たぶん、彼らは不安なんだお。
\ `/::::::⌒(__人__)⌒:::::\' / 秀吉が死に、どうしていいのか解らん状態なんだお。
ヽ|  ̄ |/ 跡継ぎの秀頼もまだ幼い……
\ / 彼らは心の支えが欲しいのだお。
___
/ \
/ \ , , /\ ……今こそ、勢力拡大のチャンス!
/ (●) (●) \ 秀吉が死んで、多くの大名はいま、
| (__人__) | 「頼るべき人間」を探している状況だお。
\ ` ⌒ ´ ,/
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ ここでやる夫が、皆の頼る人間になるんだお。
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
92 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:29:03.52 ID:JT6EEns0
\ 、 m,ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,''
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
\、\::::::::::/, /,, ;;,
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,,
丿 [ \|:::|/ ] >"' よろしくおねがいします。
>、.> U <,.<
ノ ! ! -=- ノ! ト-、
..''"L \\.".//_ | ゙` ]
秀吉の死と同時に、いくつかの大名は、やる夫に接近しだしていた。
彼らは、次の天下人は、豊臣政権の二番手だったやる夫だとみたのである。
特に藤堂高虎などは露骨で、秀吉の死の直前から、既にやる夫に接近してきていた。
109 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:31:55.06 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 藤堂殿、よろしく頼むお。
| (__人__) | ……天下のため、力を貸してくれお。
\ ` ⌒´ /
\ 、 m,ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,''
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
\、\::::::::::/, /,, ;;,
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,,
丿 [ \|:::|/ ] >"' わかりました。まずはこうしましょう。
>、.> U <,.< ひそひそひそ……。
ノ ! ! -=- ノ! ト-、
..''"L \\.".//_ | ゙` ]
119 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:34:38.62 ID:JT6EEns0
なんだい、清正。
ゝ/____\ _____
/ | / ─ 、− 、!´- 、 − 、 \
!___|─| ‘|< |./・|・\ |− 、 ヽ
( ` − o −|` -● −′ \ i あのね、正則。
入 3ノ─ | ─ i |
/ヽ-、` ┬┬ ィ´ 二 | 二 | !
| (/`v二)| ヽ / ̄ ̄ ̄ \ | /
ヽ_入 _ ノ \ヽ____) / /
|───┤ ○ ━━6━◯━━ヽ
|____| \|/ _____\ ヽ
| | | ! ヽ__ノ ! |
|__||__| >、 ___ ノ ノ-o
__|__||__|_ (___.ヘ ___/
(__ ノヽ__) (___(___)
/_______ヽ
\ | | , ─ _ヽ/_─ 、 | | ええっ、やる夫殿の養女と結婚した!?
| |_| / o|o ヽ |_| |
─ (^| | j/ | \| j |^) ─
(⌒ ` ─ ヘ ─ ´⌒)
\_/ ̄ ̄\_/ \ , ─── 、
/ | | | | | | / \ 、
| | | |. | | | | / ヽ
| | _|_|__(⌒v⌒)_.|_|_ | |. .i .−、 − 、 i
| | ヽ、__ ̄ ̄ ̄_ノ | #| +|+ |♯−、 |
/▽▽\ !/ `−●−′ \ j
| | | | \^\ ≡| ≡ /⌒ / |
| | | | ___ | |
| | | |/______\
| | | | |/ − 、−、!
| | | | _|-| .|. | ……実は僕も、やる夫殿と親戚になったんだ。
| | | ( `ー oー l 僕の養子の正之とやる夫殿の養女を結婚させたんだよ。
| | | l ヽ、 ___3_ノ
| | | |/ヽ/ ll |
福島正則、加藤清正の両名のみならず、
やる夫はこの時期、各地の大名と、婚姻関係を結んでいた。
蜂須賀家政の息子や、黒田長政らに、養女を娶らせたのである。
福島、加藤、蜂須賀、黒田……これらはいずれも、秀吉の子飼いや、
秀吉が織田家の家臣だった頃からの付き合いの家ばかりだった。
135 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:37:59.44 ID:JT6EEns0
豊臣宗家を守るためだもの。
/_____ \? //⌒ヽ ⌒ヽ `\
|/⌒ヽ ⌒ヽヽ | ヽ / | ^ |^ |- 、 ヽ しかたないじゃない。
| / | ヽ |─| l // `ー ●ーU′ \ ヽ
/ ー ヘ ー ′ ´^V / ─ | ─ ヽ i
l \ / _丿 i 二 | 二 | |
. \ ` ー ´ / .l \ | / l !
>ー── く ヽ \ | / / /
/ |/\/ \ ヽ  ̄ ̄ ̄ / /
l l | l >━━6━━━━━く
ヽ、| | ノ / く / ヽ
|ー───j l (⌒(⌒)
やる夫はこれらと親しくなっておくべきだと考えたし、
彼らは彼らで、豊臣宗家譜代(といっていい)自分達と、
実力者のやる夫が繋がることで、秀頼の地位は安泰だと考えていた。
……こうして仲良くなる事で、
例えば秀吉が織田信孝を殺してしまったように、
やる夫が秀頼を殺すようなことはするまいと……
藤堂高虎などが、ふきこんだ。
正則も清正も、この婚姻で、やる夫を見張るつもりであった。
少なくとも、本人達は。
150 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:40:42.30 ID:JT6EEns0
_ ,, - 、
, - ´‐'''' ヽ
i''''''''''''ヽ''''''- ヽ ……時代の流れが変わるようだ。
}、 `、 、 ',
! '、 '、- _, =__', ',, ',
! !-、 、´tjフ i ,'.', ,i ,'
',. !,!ヾヽ .l ,'__ノ、/ ,'-、
ヽヽ `゙ .レ ノi / ノ、: :`- 、_
'`二-' , .' レ /:::::i: : : ',: : :`: :‐‐---,,,,,_
,,'.、__, - ' K:::::::::::!--=ニ__: : : : : : /: : : :ヽ
_,/: /:::::::::ヽ l' ヾ:::::!__: : : : ;': : : : : ,': : : : : : ',
/: : : :i- 、_:::::i__ i l i_i/:::::/: : : ;': : : : : :i: : : : : : : :',
i: i: : : :i: :/:::::! `- l/i::::::::/: : : : i: : : : : :.i: : : : : : : : :i` i
正則や清正と違い、黒田長政はもう少しシタタカであった。
藤堂高虎と同じく、これからの時代はやる夫の時代だと読み、
秀吉の腹心だった、蜂須賀正勝(故人)の娘と離婚してまで、
やる夫の養女と結婚したのである。
165 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:43:31.00 ID:JT6EEns0
i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
. N .!' / , , -;=‐‐‐<
!_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー,.-
ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く
_ /.i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ ……さあて。
,.-r‐r',ノ'っ'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`
,1,.!..iン' //. 'ーi'_,,,.. ノ '_ゝN`
. / 7´ ノ ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_
,iー' ,ィ' '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"''''ー.、
io'iー‐ 'i ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, ' .',
l l .l ,.//〃 .,' ,.'/././././././ i
/`7 '''' ヽ ノ//// !/.,'./././././ ,' !
長政の父、黒田如水は、更にシタタカであった。
……秀吉死後のやる夫に対抗できるのは、
人望で言えばナンバー3の前田利家、
智謀で言えばこの如水くらいのものだったであろうが、
しかし如水は既に隠居し、実質的な権限は少なかった。
如水の圧倒的な知略を秀吉は恐れていたため、
あえて秀吉は如水に大きな権限や領土を与えなかったし、
如水もそれを見抜き、決して不満を漏らさなかった。
漏らせば、それを理由に殺されるか、それに近いことになると恐れた。
175 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:45:39.63 ID:JT6EEns0
i、 ,ノ,l.r''_,.L.ィ._,
、l :iイ '" '_,. " ;:/
i, :_,;'∠、;_ ,. - ; :.``':、._ ……近いうちに、
,,..-‐- ..、 ,ノニ-ぅ'`-、''Yヾ ::: .:、'"´ 日本の覇権を巡る、
l: : ::;i:l::;;v、 {Ξ=三' ノ、ィ,',i、 、 ヾ、 大きな乱が起こるだろうぜ。
l: : ::;i:l` ,ゝ,`、 t=Ξ='‐くノ';;k'゙ヽ,i 、ゝ 徳川、前田、伊達、石田……
l: : ::;i:lr`.ぐ' ヽ '-i._,,... ,シ 'ゝ,N` さて、誰がどう動くか……
ヽニ二ニソt-ニri, ,' ゙'i.,,,./,.r‐''",.r->、..,,,_
`、. - i ,.i"入 /'/',.'',r',r';='´゛''ー 、
i´i'ー'"l ,.r,'゙/`i' >,'/././ /./,r' ヽ
i)i l、 ,/','// ,i /,.',' /./,.' // l
/ ,'゙'''''' ヽ ,r'/,'.,'/ i/ ,'.,' ,'./././ レ l
,、.../|. /´|____,,,,. 日本大乱……
__|ヽ,' |/ ‐〃ー‐、 その時こそ、オレが立つときだ。
..ヽ ー´、
i ,,,.‐、__ ,_ ‐´ 混乱にまぎれて挙兵し、
.〉ー‐・´,‐,ヽ‐,ヽ'ヽ .`ヽ. 九州をまとめ、上洛し、
|='三´´,'~・.j..|。,.|\_,、〉 天下をとってやるぜ。
.|=='_,..‐'ェノ..´'ヽ_ィ.| i~`ー‐‐、______
..ヾ‐、_,''____‐, j‐イ...ノ`~ー‐‐´ ..`'',,. 黒田如水の時代よ!
,´ヽヾ=.' /_/ ..j..;..;..; .j ..ヽ
.|‐‐´~'ー‐‐、´ヽ ji..|..|..|...| .ヽ
|`(_, ,`‐'、|.',',..|..|...| |,
| `ー´`ー´~ ..ヽ.',.',',..',,,) |',
| i.',..\゚ `‐..','、' |.ヽ
..,j .\'.,..〉・´ `、( ,‐´ ',
,‐´ ヽ.',(、 、r /',..', ヽ
194 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:48:37.65 ID:JT6EEns0
/ ``''‐、
. / `''‐、
i , /i 、 ヽ‐-ヽ
. ! /| /| / ! .!ヽ..ト、 、.ヽ 小早川のオジキも、もういないっ……!
| /''l/、l/_, l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ!
| ノ`''‐ 、._/ /_, ‐'´ !.\! 黒田殿の言う事が本当なら……
! ,.-、 r' =。=== _ ,=。===,!
/ { ‐、!| ` ー-‐' '' \--‐' ! オレが……
. / !( r||. r __ \./| 毛利家を支えなければっ……!!
/. ,、 ゙ー'|!、 ,..-‐───; 7゙│
/_,./ l │\ `ー-----‐'´/!\i
 ̄ .! 1 l ヽ、 ー一 ./ | |`'‐、
| i、 l. ヽ、 / | .| `'‐、
. | ヽ i ヽ、.イ │ |
吉川 広家……吉川元春の三男。元春、兄の元長が死に、
次男は他家に養子に行っていたため、吉川家を継ぐ。
黒田如水は、12月、京都の伏見屋敷に住み始めたが、
この頃、如水が、友人だった小早川隆景の甥、吉川広家に宛てた書状が残されている。
その書状には、近いうちに大乱が起こるだろうとの予測が書かれてあった。
204 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:50:50.99 ID:JT6EEns0
__
/: : : : :`ーv - 、
/: : : : : : : : : : i: : : :丶
l: : : : : : : : : : :ノ: : : : : }
」: : く  ̄ \: ll: : :_: : :ノ
(Iヽ_/ヽ,ニミ ` '_´ ィ: /
r- 、 __ 千于i___ ノ <t:ァ`i'´
゛-'、ノ\_つl l l __ _ / /
/_>´ ̄ `i r`=y'` /
」 ‐'二二) lヽ_ 二__/
... -‐' ヽ _二i ヽ:_:_:_:_:l ヽ‐-、
/ ̄ 〉 < ヽ__/、 .,l /l |  ̄\
ヽ ∧、__..ィ ヽ 八 l l
年が明けて、1599年1月、
やる夫は更に、背後を固めるべく、東北の伊達政宗との繋がりを強くした。
やる夫の六男、辰千代(のちの松平忠輝)と、政宗の娘、五郎八(いろは)姫を、
婚約させたのである(二人ともまだ子供であったのでまだ結婚はしなかった)。
221 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:53:20.48 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
なお……徳川家康という人物は、子供に対して冷たいエピソードが多い。
解説する機会を逸してしまったのでいま語るが、
秀吉の養子に出した次男の秀康も、好きではなかったという。
……今回、婚約した六男の辰千代(のちの松平忠輝)のことも、
家康は嫌っていた。
234 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:55:14.29 ID:JT6EEns0
1592年(7年前)の江戸城。
六男の辰千代が誕生したとき……。
____
/_ノ ヽ_\
/( >) (<)\ 六男誕生だお!!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ はじめまして、わたしがパパよ……
ガラッ | |r┬-/ |
\ ` ̄'´ / ……んっ!?
|┃ /ゝ "` ィ `ヽ.
|┃ 三 / \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄" y r、 ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´| | l" |
|┠ ' | l/'⌒ヾ
|┃三 | |ヾ___ソ
243 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 21:57:42.70 ID:JT6EEns0
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈● ノ\ /\ ●〉
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ オギャー、オギャー、
) Y ( バブー!!
/γ⌒ ⌒ヽ\
/ | | ヽ
| ヽ__人__ノ |
\ `ー'´ /
辰千代(のちの松平忠輝)
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ KIMEEEEEEEEEEE!!!!
/ (__人__) \
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| /
273 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:00:31.08 ID:JT6EEns0
____
/_ノ ヽ、_ \
o゚((●)) ((●))゚o こんなキモい子供は育てられんお!
/::::::⌒(__人__)⌒::::::\ 捨ててこいお!!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
l;;|;;;;|;.;ヽ;;;|; ;;;|;;;|;;|;;;| ;;| .;;|;;;;;|;;;;;|;;;;;;| ヽ;;;;;|;;ヽ;;;;;;|;;;;|;;;;;
l;;|;;;;|,:::ヽ;;;ゝ:::ヽ;;|ヽ|::;;|:: .;;| ;;;|.;;;;| ;;;l::::::::ヽ;;|;;;;;;;;;;|;;;;|;;;l
l;;;;|;;;;|;;ヽ::::::テr‐z、;|:::::::::::;|::;;| ;;;| ;;l:::;;|:::::::::.ヽ;|;;;;ヽ;;|;;;|;,!
ヽ,,,;|;;;|;;;ヽ::!_ゝ_フヽ::::::;;;;:::|:::;|::::ハ__フ }〉、 ::::;;l;;;;;;;;;;|;;;|;l
l;;;;;;|;;|;;;l::::::` ̄"´::::::::::::::: `::^ ̄""´ ::::::::::|;;/|;;;;|;
.ヽ;;;|ヽ;ヽ::::::::::::::::::::::: l;;|;;;ノ
ヽ;;;;;ヽヽ:::::::::::::::::::::: ノ;;;ll 殿様、そんなことをしてはいけません。
ヽ;;;::::::::::::::::::::::::::: U l;;/
ヾ\::::::::::::::::::::` ´ /;l;|
ヽ;;ヽ:::::::::::::::::::::: /;;;;l;l
l;;;;ヽ::::::::ヽ ̄ ̄ゝ /;;;ゝl
...|;;ヽ;ヽ:::::: ̄ ̄ /‘":、!;
ill゙゙'|l゙l ヽ::::: ̄ /llllll!l゙゙,l
やる夫は生まれたときの顔がキモいというだけで子供を捨てようとした。
捨てるのはさすがにかわいそうだと思った本多正信の手により、
忠輝は徳川家の大名、皆川広照の手元で育成された。
そして現在、忠輝は、政宗の娘と婚約したのであった。
292 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:04:33.65 ID:JT6EEns0
やがて、やる夫が伊達政宗や福島正則、加藤清正と、
婚姻により仲良くなっていることが、石田三成にバレた。
/:::::::::::| ノ__ \ / __ ゝ i::::::::::ヽ
i:::::::::::::! /¨⌒¨\ /¨⌒¨\ {:::::::::::::',
,':::::::::::/ ___ \::::.. .::/__ ヽ::::::::::::i
/::::::::::::| / r‐、_ヽ`ヽ く ∠ r‐、 `ヽ |::::::::::::', 太閤殿下は、
,'::::::::::::::| `ー┷'´ / /:i \.`┷┴--' |::::::::::::::', 大名同士が勝手に結婚しては
/::::;-‐-、ゝ i / ノ::::l \::::::::::... |::::;‐-、:::', いけないという決まりを作っていました!
,'::::/ `ヽ ! / .::::::: ヽ \:::::::.. |:/ r 、ヽ:::i 内府(やる夫)の動きは、
/::::| ⌒)) l l ___ `ヽ:::.. ノ _ L!/ i !::::', 明らかにこれに違反しています!
,':::::::ト、 l l r',.::____________ヽ ら i |::::::i
/::::::::::::\`ヽ ヽTL___________// ノ / ./:::::::| 前田様、これは許せませんぞ!
!:::::::::::::::::::\' ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / -'/:::::::::::!
!::::::::::::::::::::::::`-、 ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 人/:::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::i ハ:::;-――--――-、::/ /::::::::::::::::::::::::::::!
\::::::::::::::::::::::::::::| Y: : : : : : : : : : : : : Y ./::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ i :、: : : : : : : : : : : / /::::::::::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::::::::::ト、 \`ー‐---―/ ィ::::::::::::::::::::::::::::/
308 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:06:55.02 ID:JT6EEns0
r-="_ ̄ ̄`‐-、 ゲホ、ゲホ……ああ、その通りだ……
,--、-|.|`-:、 、 ̄`:、\`;、 ゲホッ。内府を問いただそう……。
!',`:、ヽ| __,,,ヽヽヽ ヽ_ i,,_
i ', r'" ヽi、 | ヽi:、`‐,―‐'''''" ̄i" ̄`--―------――- 、_
| i '、_ 、r'・"i |', /b i.| ', \ | , i
|l ヽヽi'| ` ̄.!' |/ r'-|i .', > | /i イ
' ,`"`-i__,,.::--i ,:'_r''i' ,' ',‐‐'---i ', ! | ! |
__ィ'" /゙i" ̄_イ-! ', 'ri |, | ヽ .| |
/" | '-、`7"i | i ', ', '、 | ', .| \ __,,,--| |
前田利家は三成の意見を聞き入れた。
……この時、利家もまた、病気になっていた。
利家たちは、豊臣政権の中老である堀尾吉晴をはじめとする問罪使を、
やる夫の元へ派遣することにした。
321 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:08:42.91 ID:JT6EEns0
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
(((( ))))) \
\丶 ノノノノ彡 丶
// ̄ ̄ ̄ ̄丶ミ |
// ノミ | 徳川殿、
ヒL二_二二丶丶ミ | 独自に各大名と仲良くなっているようですが、
|●八(●>/=|/丶| これはいけませんなぁ。
丶フ  ̄ ̄ミ | 6||
(_つ丶 _ノ| 大名同士の結婚は、事前に届出を出さねばならないとの
/___ / ノ 決まりがあるはず。
LLLL|丶 / / 何故、それを無視して、伊達殿や福島殿と、
\二_/|リソ 婚姻関係を結んでいったのですかな?
/><|\
/|H| | 丶
堀尾 吉晴
332 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:11:17.65 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ …………。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚((●)) ((●))゚o \ ごめんだお……届け出をするのを忘れていたんだお……。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
(((( ))))) \
\丶 ノノノノ彡 丶
// ̄ ̄ ̄ ̄丶ミ |
// U ノミ | わ、忘れるって……
ヒL二_二二丶丶ミ | アンタ、そんなわけないでしょうが……
|●八(●>/=|/丶|
丶フ  ̄  ̄ミ | 6|| 婚姻とは同盟も同然……
(_つ丶 _ノ| これは太閤殿下のご遺志にも背くこと……
/___ / ノ へたしたら、やる夫殿を大老から外さなければ
LLLL|丶 / / いけないことになりますぞ!?
\二_/|リソ
/><|\
/|H| | 丶
349 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:13:19.15 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ 本当なんだお……
| (__人__) | 信じてくれお……
\ ` ⌒´ /
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ ……それとも、まさか。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
___
/::::::::::::::::\
/:::::─三三─\ このやる夫に、秀頼様への逆心があるとでも、
/:::::::::(○)三(○):\ 言うつもりなのかお……??
/::::::.:::::::::: (__人__) ::::::::\ /l
|::::::::::::::::::::::::::`::⌒´:::::::::::::::| //
\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::///
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://
/:::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::://
|:::::::::::::|:::::::::::::::::::::::://
\::::::::: ̄ ̄ ̄( ̄/
|`ー―‐、;_;_;_;/:::::::::|
371 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:15:06.00 ID:JT6EEns0
ノ L____
⌒ \ / \
/ (○) (○)\ このやる夫が、秀頼様が大人になるまでは、
/ (__人__) \ 天下の政治を行っていく!
| |::::::| | これは太閤殿下の遺言なんだお!
\ l;;;;;;l /l!| ! 殿下の遺言に逆らう気かお!?
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ? l、E ノ <
レY^V^ヽl
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
(((( )))))\
\丶 ノノノノ彡 丶
// ̄ ̄ ̄ ̄丶ミ |
// ノミ | め、め、滅相もない!
ヒL二_二二丶丶ミ |
|●八(●>/=|/丶| 滅相もないことですなぁ〜
丶フ  ̄  ̄ミ | 6||
(_つ丶 _ノ|
/___ / ノ
LLLL|丶 / /
\二_/|リソ
/><|\
/|H| |丶
やる夫は、開き直りともいえる態度で、堀尾吉晴らの問罪使を追い返した。
388 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:17:24.70 ID:JT6EEns0
,. r-ー‐-、
f~ァヘヘー-、 ミヾ
| ゙フ)-、、 ヽヽj-、 うむ……
| jLリヒi! jリ))::゙ト 、 内府……どういうつもりだ……
_,.イ゙\ノ゙レ レリ/イ;;`、::::ヽ、ゲホ、ゲホ……
/:::/;;;;;;;;;;:ヾ-‐' ノ/ノ_/:::::;;;;::::ヽ、
|:;/;;;;;;;;;;;::/  ̄ii レ';;\;;;;;;/;:::::::::::`l
!';;;;;;;;;;;;::/んん、ゝ;;::::/;;/;;:::::::::::::::::|
|;;;;;;;;;;;;;::/んん、,j`;;;:/;;/;;::::::::::::::::::ノ
!;;;;;;;;;;;::/んんん''|;;;/;;/;;::::::::::::::::::/
|;;;;;;;;;;;::/ー- 、___|/;;/;;;;;::::::::::::::::/
{;;;;;;;;;::/;;;;;;:::::::::::::::::: ̄ヽ;;;;;;;;:::::ノ
____
/_ノ ヽ、_\
o゚((●)) ((●))゚o ,. -- 、 文句があるならかかってこいおww
/::::::⌒(__人__)⌒:::::: / __,>─ 、
| |r┬-| / ヽ
| | | | { |__
| | | | } \ ,丿 ヽ
| | | | / 、 `┬----‐1 }
| | | | / `¬| l ノヽ
\ `ー'ォ / 、 !_/l l / }
{ \ l / ,'
\ ´`ヽ.__,ノ / ノ
\ ヽ、\ __,ノ /
 ̄ ヽ、_ 〉 ,!、__/
 ̄
やる夫のこの態度を受け、前田利家と石田三成は怒った。
……伏見城のやる夫と、大坂城の前田利家は、
一触即発の状態になった。上方を緊張感が支配した。
黒田長政や福島正則はやる夫のところへ駆けつけ、
宇喜多秀家や毛利輝元、上杉景勝らの大老に、
細川忠興、やる夫と婚姻関係を結んだ加藤清正までが、
利家のもとへ駆けつけた。
このまま、天下は二つに分かれ、戦争になるかと思われたが……。
405 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:19:45.41 ID:JT6EEns0
__,, --- 、_
__ノ''、'、tヽ‐<` ゝ_、
/'=ミ|!|`>,、lヾ、l __ ヽ, ゲホ、ゲホ、ゲホ……!
l.| Y'' ´ ヽl、ヽ|γ) ノ 身体が言うことをきかん……。
|ィリ .ゝ, iィニフ|`lノ|.{Sノ| これでは戦いなど無理だ……
Y.、 l、l__, ノ l/! イ'y| やる夫とは和睦するしかないか……
ヽ,!.`ヽ-ニニ)' /l_ゝ、.、__
` "...,,∠.‐'´_-| .l `'''' フニ‐ヽ
__// /〈ンニ彡| 'l / ヽ_
_s‐'ソ/ノ、.ノ-、|´ /__, -' / .`ヽ
利家の病気はかなり重くなっていた。
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ むう……利家も間もなく死にそうだお。
| (__人__) | いま、利家と戦えば、こちらの被害も大きい……
/ ∩ノ ⊃ / だが利家が死んでしまえば、
( \ / _ノ | | 大坂の、残りの大老や大名を指揮できる者が
.\ “ /__| | いなくなるお。
\ /___ /
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \
/ ///(__人__)/// \ 大納言(利家)!
| u. `Y⌒y'´ |
\ ゙ー ′ ,/ やる夫が悪かったお。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 仲直りしようだお!
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
2月2日、やる夫と前田利家、石田三成らは、誓紙を交わして和睦した。
419 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:22:00.92 ID:JT6EEns0
r-="_ ̄ ̄`‐-、
,--、-|.|`-:、 、 ̄`:、\`;、 ゲホ、ゲホ……!
!',`:、ヽ| __,,,ヽヽヽ ヽ_ i,,_
i ', r'" ヽi、 | ヽi:、`‐,―‐'''''" ̄i" ̄`--―------――- 、_
| i '、_ 、r'・"i |', /b i.| ', \ | , i
|l ヽヽi'| ` ̄.!' |/ r'-|i .', > | /i イ
' ,`"`-i__,,.::--i ,:'_r''i' ,' ',‐‐'---i ', ! | ! |
__ィ'" /゙i" ̄_イ-! ', 'ri |, | ヽ .| |
/" | '-、`7"i | i ', ', '、 | ', .| \ __,,,--| |
その後、利家の病状は悪くなる一方だった。
数日、寝たきりで、ずっと布団の中にいた。
429 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:23:36.32 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\ ……大納言、具合はどうだお。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
そんな時、やる夫が見舞いに来た。
/ `ヽ、 ヽ, ヽ
く ‐-、、 `ヾ、r゙、 ゙! ……やる夫様……
`ヽ、,_ __ヽ‐、--、二‐--、=`'// ヽ ゙i i
゙、`ヽ\`─‐/´ _, ̄ \ iヽ〉 ヽ i | | ……いま、利家殿に
゙iヽ、, イrナフ´・ ヽ! o,ハ i |、 ゙ つなぎます、
ヘフヽ ` ̄ rイi | | ||\! 少々お待ちを。
ト、| /`´i ヽ ト、| ヽ
i ヽL ‐ / i | |ヽ|
i \くニニ7 /___i_ ト、! `
| ト /ヽ`''"´ / ̄ ヽ,リ ,、‐'⌒ヽ,/ ̄ ̄`ヽ、
,r'´ ̄``ヽ‐、ノ `ーr‐' ̄ ̄`ヽ,r'T ̄ ̄Y′ ヽ \
まつ(利家の妻)
l´`、''‐=_‐-:、_
i'r"`、 __ヽ、 ヽ、 `:、 なに……?
!.i r'"_,,,.';', i_ '; 内府が来た……?
|.i、'、. rti-|i, ,'-`i | ……そうか。
!'`;| _ ノ ! ./!) ノ./ ………………
.!-‐- ,'ノ /'く,/ 通してくれ……
ヽ'' _,,. :' _,. '、_
フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
,:;':' | |''_ -',/. ', `'''ー--;;、
442 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:26:04.18 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\ ……大納言。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
利家の病状が果たしてどれほどなのか、
それはやる夫にとって重要である。
やる夫は自身の目でそれを確かめにきた。
やる夫は医学に詳しく、いわゆる健康オタクだったが、その知識は医者顔負けだった。
そのやる夫の目から見て、利家の病気は明らかに死に至る病のようだった。
450 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:27:31.29 ID:JT6EEns0
,____,-_‐_'''‐-:、
,-、-!'-:、ヽヽ`':、 \ ……何をしにきたのだ、内府。
| i‐:、', _,,ヽヽヽ ',r-、 | ゲホ、ゲホ……
| | !" _,-! l .!,、.l |
!'ヽ.`i``'''"!'.| ;'.',ノ |
`''‐i__,' .|/ ,! `‐!
ヽ ,. _,,.-'i、
フi-r‐''"_,.-''i `i- ,,_
,:;':' | |''_ -',/. ', `'''ー--;;、
____
/ \ ─\
/ し (>) (●)\ ……見舞いに、見舞いにきたんだお。
| ∪ (__人__) J | ……布団から出なくてもいいお。
\ u `⌒´ / ただ、手だけは出してほしいお。
ノ \
!',`:、ヽ| __,,,ヽヽヽ ヽ_ i,,_
i ', r'" ヽi、 | ヽi:、`‐,―‐'''''" ̄i" ̄`--―------――- 、_ ……!
| i '、_ 、r'・"i |', /b i.| ', \ | , i
|l ヽヽi'| ` ̄.!' |/ r'-|i .', > | /i イ
' ,`"`-i__,,.::--i ,:'_r''i' ,' ',‐‐'---i ', ! | ! |
__ィ'" /゙i" ̄_イ-! ', 'ri |, | ヽ .| |
/" | '-、`7"i | i ', ', '、 | ', .| \ __,,,--| |
この時、利家は、布団の中に抜き身の刀を隠していたという。
464 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:29:33.04 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─ \ ………………
/ (●) (●) \ 加賀大納言。
| (__人__) | やる夫を殺せば、天下のことがおさまると、
\ ` ⌒´ / お思いかお?
_,,,,,,_
,.:-'"´-‐'""'''‐:、
、-´――-::、,_--::、,_`:、
r'',',_''''';\ヽヽ ,'、 ',`,''ニ‐-、`、 ……………………。
ヽ.';::`'‐,-'',ヽ ヽ',.', | .|;..ニ,=、 |`
'、::::::::',: ',.|ヽヽ',', .| |'r'', ゙iヽ| ……内府。
'、:::,、'、, ,|ィ=i',ヽl| l|,' 'i_) ,!、.l 秀頼様をくれぐれもよろしくな。
ヽ.','、| !' ̄ l |.||.l' 'r':、-| 秀頼様は太閤殿下のお子であると同時に、
'ー, |,' l' | `'l、 織田の血も継いでおられるのだ。
゙'i-‐- ∠,,,,,..-'|`,:、
_,,..-,'!,__,,,..ィ'"i | .',-',゙l.ヽ`'-、
__,,,.:-''" ./ |.|./ l ___|:: ヽ l|. ヽ. `'‐:、
,.:-‐''" ./ |::|l,.-、'ィ::::,'::r‐','l:| ヽ `'‐:、
____
/ \
/ ─ ─ \ ………………それは……
/ (●) (●) \ …………もとより、承知の上だお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
481 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:31:36.58 ID:JT6EEns0
_,,,...'"'''ー-、_
r'.,、',ヽl |`\ヽ`'、:、
/,' l:::\.!!l;;;;;;;;;ヽヽ.ヽヽ
,'.i l |:r'''"´ ".ヽ! .', 、'、
! l .i i. ,,,__ __,,, i.| .| .l | それで、安堵……
! ', ','、.-ti-:i ´rti-|l l ,'.,'
':,';:',ヽ l',' / ,'
`-、、. '-' //ノ
'、. -‐‐- ,イ
_,,!,`:、_.'"' ./,.!i、
_,/ | -/ i""i゙',~i゙-:| `:、_
_,,.-‐'゙/ ./i / l: .l:: ',"l|. ヽ`ー:、__
それだけ言うと、もう、利家は横になり、何も言わなかった。
やがて、やる夫は外に出た。
利家の両腕は、布団の外に出たままだった。
486 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:33:21.88 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\ 利家が死んだかお……
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
そして……
1599年4月27日、前田利家は死んだ。
五大老の中で、やる夫に対抗できるだけの人望と武略を備えていたのは、
利家だけだったと言っていい。他の大老は、
やる夫に対抗できるだけのものはもっていなかった。
497 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:35:27.57 ID:JT6EEns0
∧_∧ ∧_∧
( =========( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ //^\ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ ///== \ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_. /// ‖ \ゝ
? ノ ̄ノノ ̄// ̄// ̄// ?_ノ//======== \ゝ .?
.ヒ==,@==@,==@==@,==@== ノ人ノ ‖ ン
 ̄‖~  ̄~ ̄~  ̄~ ̄~ ̄ ‖| ̄ ̄ .‖ ̄ ̄ ‖
‖==================.‖|=====‖==== ‖
‖| ‖ ‖ ‖ ‖ .‖| ‖ .‖
‖| ‖ ‖ ‖ ‖ .‖| ‖ .‖
‖===================  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
____@))____|_______ |
/ //ヘ \冫 | |
/ // \\冫 | |
∧_∧ / // ?? \\冫 | ∧_∧
( (( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\_\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人_\\_
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//?人人_ \\
@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@ノ人_@_@、_
| | | |
| △ △ △ | | △ △ △ | △ △ △
|=======| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|========|====
利家が死んだ直後、石田三成がやる夫のいる伏見城に入った。
……入った、というよりも、逃げてきた、というほうが正しい。
というのも、まさに利家が死んだその日、
石田三成は、福島正則らに襲撃されたからである。
514 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:37:52.14 ID:JT6EEns0
_石田三成をバラバラにしたいぞ。
/_____ ヽ? ____ ─────
. |− 、−、ヽ| /-、 - 、 \  ̄ ̄ ̄
mn| ・|・ |- |/-| ・|・ |- 、 ヽ 気楽に殺ろうよ。
ヽ_| −o −′/ `-●−′ \ _!
\ヽ. ── (| ── | ── | ( __ ) ───
\ ▽▽ | ── | ── |. / / ─────
| ヽ(___|___ ノ/ / ─────
_|____| `━ 6━━━/ /
/ ̄j | |/ ──┐ヽ |
l⌒∨\/ ̄ ̄| ̄/⌒ヽヽ._ ノ i |^ヽ
\ / \|. |` ── ′ _j. | ___
` -′ ` − ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `−′ ─────
石田三成のはじめとする「奉行派」と福島正則をはじめとする「武断派」の、
二つの派閥の対立を抑えていたのは、前田利家であった。
「利家様の言うことなら」と、両派閥はその対立をがまんしてきたのだが、
利家が死んだ今、武断派は三成を殺すべく動き出した。
福島正則、加藤清正、黒田長政、細川忠興、浅野幸長、池田輝政、加藤嘉明……
彼ら7人が、三成を殺すべく、三成の屋敷に押しかけた。
526 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:40:07.09 ID:JT6EEns0
, '"  ̄` ー''⌒ヽ、
/ \
. / ヽ
l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.| 石田殿、ここは逃げてください!
. l. ヽl| u' 冫 :ル'
ヽ ト.、 'ー---- /″
/ヽ|. \ ー ,:く
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 言われなくても
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ スタコラサッサだぜえ!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
この「7将襲撃事件」は、事前に宇喜多秀家(五大老の一人)や、佐竹義宣が、
三成にその襲撃を知らせたため、
三成は間一髪で伏見城へ逃れることができたのであった。
548 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:42:28.90 ID:JT6EEns0
::l:::l:::::!::::::::::::::il::::::::/ .l::::/i::l゙l:::::::::::ヽヽ::::::、,:::::::::::::::::::::::::l
::l:::ト、:|::::::::::::::l゙l::::十‐-|/..,|:| ゙l::::::::::::::ヽヽ::|i::ト、:::::::::::::::i:::l
:::l:::l;/゙l:::::::::l::l l::::::l┬-=ミ、|ト、l:::::::::::::::::ヽヽi:l..l|::::::::::::::::l:::l ……どういたしましょう、殿様。
::::l:::l |:::::::::l::l. l:::::l ゙゙'‐-┴`゙. ゙l:::::l:::::::l::/ィ、ヽラ|;イ:::::::::::l::.l
::::l::::', l:::|:::::l::l l:::l. ゙l/゙l:::/レ゙ `''ヽヽ' |:::::::::::l::l゙ 三成を殺しますか?
:::::l::::ヽl::l:::::|l:! l::l '゙ レ゙ .ヽ.ヽ:::::::::l/゙
::::::l::::::::l::l::::トl! !l l゙ /ヽヽ:::/
::::::l:::::::::l:゙l:::| .ヽ. l! '' ー' ./::::::ヽ.ヽ
:::::::l::::::::| ゙l:l \ -=ニァ ,.イ:::::::/゙ヽへ _.......
::::::::l:::::::| |l!、 ヽ、 .//゙|::/ `、 \'"、、 `ヽ、.._
::::::::|:::,-―┤ 丶、_ _,.-'"l::/ レ゙ /゙i、 ゙,! ゙'′ ,ト、 ゙ヽ
::::::::レl゙、,,ー‐!、 `゙''''"/ l/ 、イ |\`゙″ / ヽ ヽ
柳生宗矩
558 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:44:19.79 ID:JT6EEns0
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/
| (__人__) l;;,´ ……いいや、助けるお。
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (●) (● /;;/ ここで三成を殺すのは簡単……
| (__人__) l;;,´ でもそうすれば、豊臣の中の派閥争いは終わってしまうお。
/ ∩ ノ)━・'/ ここで三成を助ければ、まだまだ派閥争いが続く。
( \ / _ノ´.| | そこでお互いを戦わせ、両方が弱ったところを、
.\ " /__| | このやる夫が立つのだお。
\ /___
,'::::..:: .: ; .::; ;'.;:/i:i !i::ii::ii.:i::::. : .:i: i::. i:::il ;'!ii /!::,'!:.i i::::!::::. ':::. ;
i:::::::: .: : .: ::::i .;-H'_i;;;;_i''ト!i、!:::::.: ::;:.i十リ;z;;;i/;_メ'、i: i i::::i::::::. !:::;'
i::::::::.:: : .:::::/!::i '"i':;;;;::ム゙ヽ!i、:::::::;::! il:'"i':;;;;;;:ゾ'ゞ!::!.i::::i::::::::i::/
':::::::::::.:: :::::i !i ゙、ヽ::/ソ ノ イ::'::i::::i::::::::i/ さすがは殿様……
.'、:::::゙、::. :::ト、!', : ソ ' ,' i/i::/!::i:::::;':l
ヽ::.゙、:::.:::!:lヽ', ,' / ノ' j::li:::;':::|
ヽ! 、::::ト.i ゙ 、 ヽ丶 / ./''''!::ii:/:::::l
ヽ::::i ヽ、 ` 、 、‐:::‐ァ , ' イ:::::i:;'ノ':::::::|
゙、'、 ゙ 、 / /.:|:::::ノ'i:::::::::::i
ヾ ! 、 , ' .::::l:::::::::il:::::l:::::i
576 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:46:38.04 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\ それにしても三成……
/ (●) (●) \ 今、伏見城の事実上の城主はこのやる夫。
| (__人__) | 三成も、やる夫のことは目の仇にしていたはずなのに、
/ ∩ノ ⊃ / 伏見へ逃げてくるとは……
( \ / _ノ | | 今はまだ、自分が殺されないことを知った上で、
.\ “ /__| | 逃げてきたんだお。……油断のならん男だお……。
\ /___ /
やる夫はこの後、三成と、正則たちの仲裁に乗り出した。
やる夫は三成に、奉行職を辞任するように伝え、
三成もしぶしぶ了承した。正則も清正も、
五大老筆頭のやる夫が出てきたのではガマンするしかない。
三成の奉行職辞任、ということで、今回の騒動はひとまずおさまった。
583 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:48:54.57 ID:JT6EEns0
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ (やる夫め……
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 豊臣の天下を専横する気だろうが、
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', そうはさせん!
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 今は引き下がるが、必ず、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ この三成が倒してやる!)
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
M
);;;;て
\\
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) .| 三成殿、護衛いたしますナリ。
| |r┬-| |
ヽ `ー' /
/ ヽ____ノヽ
./ /| ||
( \| ||
.\ | |__)
. \ ___ _/
結城 秀康……やる夫の次男。秀吉の養子だったが、
その後、更に結城家に養子に出された。
三成は、やる夫の次男、結城秀康の護衛によって、
自身の居城である、近江(滋賀県)の佐和山城へと帰っていった。
590 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:50:42.81 ID:JT6EEns0
f ヽ
,.ノ_ ノ
_,.ィ'" ̄ ̄` ヽ`ア
/´  ̄ `` ヽ、 ヽ
/ ヽ ',
/ ', ! ヒデヨシ君がいなくなった今、
{ , i l i | l 大坂に私がいる意味はないよ……
! l i l l_,.ィ _,ィ i'⌒i i
ヽ い tハフ | | /. l 京都で、ゆっくりと、
', ! `! .| | t' l ヒデヨシくんを弔ってあげたい……
', ヽ `_,. ' | | ト、 .!
_! |ヽ ~ , ヘ ',ヽ、ヽ,i
, ' ! .|''ノ^ヽー ' i i ノ .ヽ、
/ l i/,.-.、ヽ ,j..イ!__/i `ヽ
i // .t__,ノ .ヽ / f'i i ) i `ヽ
高台院……ねね、北政所。
この頃、秀吉の正妻であるねねは、夫の死に伴って落飾し、高台院と称した。
そしてねねは、居住していた大坂城西の丸を退去し、京都に住み始めた。
598 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:53:13.43 ID:JT6EEns0
}k
ノ;'l{
_ノ;人'、
}、、__,. -'',r'/p、ヾ、
,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
,irこ;;;},|i || ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~
主がいなくなった大坂城の西の丸……
ねねがいなくなると、やる夫はここに移った。
そして、天守閣を築いた。
ひとつの城に天守閣が二つという異常事態が発生した。
613 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:56:18.08 ID:JT6EEns0
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ゝ 〈
ト ノ iニ(()
i { ____ | ヽ こうしてみると、
i i /__, , ‐-\ i } もはや天下人になった気分だお。
| i /(●) ( ● )\ {、 λ
ト−┤. / (__人__) \ ,ノ  ̄ ,!
i ゝ、_ | ´ ̄` | ,. '´ハ ,!
. ヽ、 `` 、,__\ /" \ ヽ/
\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ / ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ でも、まだまだ先は長い……
| (__人__) | 他の大老や、石田三成も健在……
/ ∩ノ ⊃ / 決してまだやる夫の天下ではない……。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
620 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 22:57:55.51 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─\ なんとしても天下を獲るんだお。
/U (ー) (ー) \ 今、日本は内も外も荒れきっているお。
| (__人__) | 一刻も早く、この天下をまとめあげねば
/ ∩ノ ⊃ / また大乱世に逆戻り……民は苦しみ、
( \ / _ノ | | やる夫も、徳川家もまたメチャクチャになってしまうお。
.\ “ /__| |
\ /___ /
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 天下のため、徳川家のため、
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫自身のため……
| |r┬-| | ふんばるんだお!
\ ` ー'´ /
やる夫は自身が天下を獲ることを、改めて決意した。
それは、自分自身の野望でもあり、徳川家の発展のためでもあった
また、秀吉の外征でボロボロになった国内の状態と、
明や朝鮮との外交関係の悪化、更に秀吉生前に発覚した、
スペインなどキリスト教勢力の侵略意思も気になるところであった。
631 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:00:09.91 ID:JT6EEns0
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ 秀頼はまだ幼く、石田三成では天下をまとめられんお。
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 武断派の武将数人さえ抑えられない男に、天下をどうして
|  ̄ | 任せられるお? ……やる夫が出るしかないお。やる夫しかいないお。
\ /
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ ……とにかく、やる夫は天下を獲るお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ そのためには、他の大老の力を削ぐこと……
| | まず厄介なのは、前田家だお。
\ /
五大老次席の前田利家が死んだ後、大老職と前田家は、
息子の利長が継いでいた。やる夫はこの後、謀略の限りを尽くし、
「前田家が秀頼様に逆らおうとしている」と噂を流した。
639 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:01:51.72 ID:JT6EEns0
__,........._
,.r‐'´. . . : `::‐:;、
ノ: :: : . : : : : ::::::;:;:;:;:;:ヽ 内府……恐ろしい子……!!
./'ー'^: : : :::: :::::、:::::;:;:;:;:;:;:;:'!
ノ: . . : :: :.:.:.::_;;ヽ:::;:;:;:;:;:;:;'l 私が人質になります。
i、. . .___-、ー,='"ヽ|^!::;:;:;;::;:;:;| __.........___ 前田家は謀反などしていません。
`'、ー、.ニ'_Zィ‐ァ. ' .ヽ:;:;ハ::;:;;| r' : :::::::::::::`ー:、
'ー>、'´`´ ハ::;:ハ:;:/ァ' : ::::::::::::::::::::::\
l i !_ , _,.、 ハ:;/ i:ノ||! : :::::::::::::::::::::::::ヽ
,...|::;ヽ、=ニ...ノ / /リ j|||||}, : :::::::::::::::::::::::::'i
/ |::;:/ ヽ、.....ノー'´_ソニ´!||;;;'、 : ::::::::::::::::::::::j
前田家は、この濡れ衣に仰天した。
利長は相当に苦しんだが、母親であり、利家の妻のまつが、
江戸に人質になることを申し出て、この騒ぎは収まった。
前田家当主の母親という、最高の人質をやる夫は得た。
650 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:03:25.34 ID:JT6EEns0
____
/⌒ ⌒\
/( >) (<)\ シシシシシッwww
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ これでもう前田家はやる夫に逆らえないおww
| /| | | | | |
\ (、`ー―'´, /
 ̄ ̄ ̄
____
/_ノ ヽ_\
/( >) (<)\ 前田家が逆らったら逆らったで、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 福島と加藤あたりを差し向ければいいのだお。
| |r┬-/ | どっちにしても、豊臣側の勢力が減るんだお。
\ ` ̄'´ /
誰の目にもはっきりと解るほど、やる夫は豊臣宗家の天下を簒奪し、
自身の勢力を伸ばし始めた。
……謀反の噂の内容は、
「前田家は秀頼様に逆らうつもりだ」というものだったが、
それならば、まつは大坂に人質として行かねばならない。
まつの行き先が江戸だという時点で、やる夫は豊臣のためではなく、
徳川のために行動しているということが、皆に解った。
670 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:07:06.93 ID:JT6EEns0
会津の上杉家では……
ヽ:::/ /::::::/_,,... -‐‐‐- 、 _
>! l:::::シ´ _,. -‐ ''" ̄` `ヽ、
/;' ...!::::::ヽ、´ , ヽ `ヽ、 内府(やる夫)が
く::::::! . .:::|____r' / / / ハィ⌒ヾ、 好き勝手やっているわね……
>::! : ::::l::::::l / ///、,ィ' /! /、,,:;!i ヽ
ヽi : ::::レ'ヽ/ l/_L/,_ト/ ! ,イ l l:l: ,`、‐-、 前田家は徳川の下についた。
l : ::::l l 〉' '`7-ヽ.`iX !| / , ;i. i:.. l::::::::> 次はどこかしら。
| : ::l ( `ヾ;シ^' __,ノ_ノ/::! , l::::レ'´
l :.: :::し, ´ィ=z、_7///:::/! 毛利か、宇喜多か、
l: :: ::::::!i 、 ゞ-',.゛イ〃:/::l それともウチか……
! :::. ::::| ヽ、 _ ...._ ´ / i :l ::! ̄´ 大老職のどこかに、
/ l :: .::::| \ ` ー ' , イ | .| :| 何かしらイチャモンをつける気なのは
/ / : ::::::| \ ,. イ::::| l .l ::! 間違いないわ。
/ / .: :::「丁!‐‐‐「! ̄ ̄`!::::::l:::i:::..: l .l ::l
上杉 景勝
, ,.ィ
. /l// ―‐ァ___
,ハ __ ´ <
/  ̄ > \ 間違いないな。
}7l =ァ=,=、‐‐ヽ l ̄ ……中国筋の毛利と宇喜多よりは、
/ソ 〈〈_ハ / | ウチになる可能性が高そうだ。
` _ `'⌒l N この会津は、徳川家の関東に近いからな。
. }  ̄ ニ 人! 次席の前田家を片付ければ、
. ヽ _ .. -'^T/`′ 次は、近い上杉家……
} _ .. ― ユ、
r‐┐r 二 、
L..ノ/ \
直江 兼続
684 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:09:33.36 ID:JT6EEns0
_ ___
r‐;ァ'⌒7⌒7'´ ̄:ヽ;:.`.ュ_
L/.:.:.:.:(;;;;_ノ:./:/:,.:_:l:.:.:.:.:.ヾニユ_
r;'l.:.:.:.:广ヽ;./:./://^ー'1:l:.l:.:Y;;;;;;> 内府は、
∨.:.:.:ハ;;;;rイ|_イlイ{ }.:|:.|.:.ト=く 伊達政宗と近頃、
|:.:.:.:!:.ハノrflハ「リ ./イ;イノ-;;r「 仲良くしていたものね。
.|:.:.:.:|:.:ト{ ゞ=′ /ナ>ム`'「:.:! もともと、ウチが会津に異動させられたのは、
|:.:.i:.:|:.:トヘ. , `" //|.:.|.:.:| 太閤が徳川や伊達を抑えるつもりだったんでしょうけど、
|:.:.|:.:|:.:::::|\ 一- ,. イ「::|.:.|.:.:.| 今となってはそれがアダ……ね。
|!.:|.:.:|:.:r┴-.ニl、r;ニ´:::::||:::|.:.:|.:.:.|
,||.:.|.:.:.l::| /ハY ト-、--v冖、:!
-й.:.|.:.:.ヾ! ノ什^l.ト 、j | | l::!
, ,.ィ
. /l// ―‐ァ___
,ハ __ ´ <
/  ̄ > \
}7l =ァ=,=、‐‐ヽ l ̄ お屋形。いかに上杉家が武門の家柄で、
/ソ 〈〈_ハ / | 120万石の領土をもっていても、
` _ `'⌒l N 徳川と伊達の両方を相手にするのは無理だ。
. }  ̄ ニ 人!
. ヽ _ .. -'^T/`′ まず一つ目は城を改修し、武具を集め、
} _ .. ― ユ、 いつ戦争が起きてもいいように備えること。
r‐┐r 二 、 そして二つ目は、反徳川勢力、
L..ノ/ \ つまり石田殿と連携することだ。
こうして対処していこう。
698 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:11:42.91 ID:JT6EEns0
, ォ ´ ´ ̄ 、{`ヽ⌒ヽ
、ー‐く / トへ ヽヽヽ>〜} ヽ
\__/// l| ヽ i i iく_ハl l i
<_| i ! i| リナナナレハi i ! でも、それじゃ、
ノ ム从 八 イ;rハノ' ´ l l | やる夫を刺激することになるんじゃないかしら?
r〜オ´7´ ̄「iー‐ 、ヽrj〉 ´~ .ソl i |
ノ / .| }た彡!ハ __ /l | l |
/// / jノ せ_ノ i liヽ、 __ イ__l_ | i |
' i ハ , ィ'´ ̄_>〜へ__ ,ィ 7ハ「 ̄ _.ハ!V. |
ゝi 〉´ ̄ ̄ / i| 〃 .l|、 / ,イー 、
/ル' //´ ̄{__jヽ\/ / i
, ,.ィ
. /l// ―‐ァ___
,ハ __ ´ <
/  ̄ > \
}7l =ァ=,=、‐‐ヽ l ̄ どうせこのまま放っておいたら、
/ソ 〈〈_ハ / | 向こうからイチャモンつけてくるだろう。
` _ `'⌒l N そうなってからでは遅い。
. }  ̄ ニ 人! 構うことはない。やってしまおう……
. ヽ _ .. -'^T/`′
} _ .. ― ユ、
r‐┐r 二 、
L..ノ/ \
1600年、上杉家は軍備力の増強を始めた。
道を築き、橋をかけ、槍や鉄砲を買い集めた。
いずれ自分達も前田家のようになるだろうという恐怖があり、
また、相手が徳川家であろうと、自分達も謙信以来の武門の家であり、
うまく立ち回れば勝てると思っていたからでもある。
704 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:13:24.83 ID:JT6EEns0
/ ,_, ',
/ ( l 、 ',
l ,i、/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ `ヽi l やる夫殿、
l i , ノ ハ( 、 ,-‐..'´`ソ'`ヽ i リ / 上杉の動きが妙だ。
│ i、l=‐':´`"゙:::::::::::::. : ノノ/、 /
| i i |/::` :: ::::::::,i ヽ ;::::::.. .:: l l l ヽ
l ヽゝ l::: ::: :::/ | `' 、::: -'´j l' / )
ヽ、ヽ ` 、、:::/ !、- ゝ,l ' /
゙''- 、ミ ', _, - ‐- /r, 、 `( _
_ノヽ\ - , '// \ )
`ヲ. \ / // `''‐'-,
, ==l , l ` - ‐ ' // ,---、 /
, , ' '´ !li lL. , - ' 7/ |=000| )
最上 義光
……この事は、隣国の最上義光たちがやる夫に報告した。
最上義光は昔からやる夫と親しく、また、娘を秀吉に殺されたことから(第21話)
秀吉を恨んでおり、完全な「徳川派」であった。
更に上杉家の中には、徳川家との外交を担当していた藤田信吉という武将がいたが、
藤田は上杉景勝や直江兼続に、やる夫と敵対することは止めるように進言した。
だが、それは聞き入れられず、むしろ兼続から圧力をかけられることになり、
仕方なく藤田は上杉家を出奔し、徳川家に従った。
このことにより、上杉家が徳川家に対抗する姿勢は、公然の事実となった。
716 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:15:48.96 ID:JT6EEns0
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ 上杉もアホだおwwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒) わざわざ自分から
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / // 反抗する姿勢を見せてくれたおwwww
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) / 軍備の増強wwwwとかwww
ヽ / `ー'´ ヽ / / これは秀頼様への謀反だおwwww
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l 問い詰めてくれるおwwwww
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
やる夫は相国寺の僧、承兌に、
「上杉家に軍備を増強するなど謀反の兆しが見えるが、
そのつもりが無いなら京都へやってきてこれを釈明せよ(=自分に従え)」
という詰問状を作らせた。
この承兌は、かつて明から「汝を日本国王となす」という文書が来た時、
小西行長に「ごまかしておいて」と頼まれながらも、正直に読み上げた僧である。
秀吉の死後は、やる夫に親しくしていた。
725 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:17:57.09 ID:JT6EEns0
_____
/ ヽ____//
/ / /
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
やる夫は、承兌に書かせた詰問状を使者に持たせ、上杉家に行かせた。
……そして、その詰問状の返事が、使者と共に帰って来た。
その返事を書いたのは、直江兼続であったが……。
732 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:19:40.55 ID:JT6EEns0
-ニ::;;;;;:-::::/¨ ̄丶:::::::::::7´ ` \ ; `ー'´-''´i /
/::::::/ ,r'´ ヽ 丶''´'' ‐ - - 、 _,,,,,,`ヽ、 ; ,' ,l/
/:::::::::::! ' l 〉 ',! ,r'´''ヽ、 ; ,' ,' l!
∠ -''7::::::l ヽ / ヽ ! ゚ノト、ヽ、 ,' ,' ,' !
/:::;/::! i ` ! `ー--- ′ `ー` , ' l
//!::::丶ヽ __ !  ̄ ヽ ー -、 !
'´-" /::::::::::::ヽ ヽ ヽ ヽ ,r'ー==--,,,!
/::::/!::::/ `ー'`i ` 〉イ ゚! >´
. /:/ !:::/ ! !、ヽ_,/!
''´ l::/ l l l
レ′ i丶 _ 丶 !
,r<´ ! `、 __ ` _,,-''’/
-,/;:;:;ヽ l 丶  ̄¨'''‐-- /
〈:;:;:;:;:;:;ヽ ! ヽ /
.:ヽ:;:;:;:;:;:;:\ ! 丶 /
:.:.:丶;:;:;:;:;:;:;:\ l ヽ /
.:.:.:.:.:.\:;:;:;:;:;:;:;丶、! 丶 __ /
:.:.::.:.:.:.:.:.ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;`ヽ、 /¨ ---'′
「相国寺承兌殿へ
我々に謀反をするつもりなど毛頭ない。
いきなり逆心などと言ってくるのは不公平極まりない話だ。
上方の武士は茶碗など人をたらしこむ道具ばかり集めて喜んでいるが、
田舎武士は槍や鉄砲など武具を集めるのが当然のことだ。
道を造り、橋をかけるのは国づくりとして当然の心がけであり、
もし上杉家に謀反の心があるならむしろ道はふさぐはずだ。
謀反の心が無いなら京都へやってこい、なんてことを言うのは、
乳呑児に来いというほど、ばかばかしいことである。
昨日まで謀反の心をもっていた人間であろうと、
事がうまくいかないと思えばそ知らぬ顔で京都へいくだろう。
無駄なことである。もし上杉家の行動に納得できないのであれば、
いつでも攻めてくるがいい。存分にお相手してさしあげよう」(要訳)
745 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:21:47.86 ID:JT6EEns0
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ なんて無礼な手紙だお。
/ (__人__) \ やる夫はこの年になるまで、
| ヽ |!!il|!|!l| / | これほど無礼な手紙は見たことがないお……
\ |ェェェェ| /
世に言う「直江状」である。
この手紙は原本は存在しておらず、写しの手紙も、
不自然な言葉遣いをしていることや、文面がそれぞれ、
微妙に異なっていることから、実在を疑われることもあるが、
しかし、やる夫がそれに似たような手紙を受け取り、
怒ったことは、確かなようである。
754 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:23:40.61 ID:JT6EEns0
/:/:::::::,/::::;/::::,r'::::::/|:::/ ,,|:::|-|;::::::|:::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;|;;;;;;;:/
i,/|:::::::::;i::::/:::::/|:::::::i |::i"_i;;i__ ,,i::::|i;;:::::::::i;;;;;|;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;|;;;;;/
| |::i|:::::|::::i:::;,/__|、::| "|:i'"_r'_;;;;ハ|:i |;:::::||;;;;;|;;;;;;;;;|ヽ;;;;;|;;;/
i;::::::||::::i:::i r';;}ヽ:i i|" ´ !! i;:::jj;;;;;;|;;;;;;;;;| |;;;;/;/ なんとも無礼で、
,__,-‐i;:::::||::::|::| ´ ヽ ::::i i;:/ j;;;;;|;;;;;;;;| |;;;/;/ かつ自信満々な手紙ですね。
;; _'''' i;::::::i:i:::::::| / :::i / :i|;;;|;;;;;;;;|ノ;;/
-‐‐--|:::::|;:::::::ヘ ヽ、 :::/ ::::::::|;;;||;;;;||ヘヾ
;;;;;;;;;;;;;;゛|:::|::::::::|:ヽ、 __ ::::/ :::::::::::|;;| |;;|:::|
:::::::::::::::::::{:|i:::::::||;;:::\´ ー ` ::/ :::::::/ || i|::::::i
::::::::::::::::::::| ゛i::::|! i;;::: i\ ::;/´::::::j:::::!::::::::i
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゛i:|;;; \:i::::\ ,,, ,‐''":::::::::::::::::::::: 'i,
_,,-‐ー''' ̄ ''' フ\;  ̄ ヽ::::::::::::::::: ,,,-‐―‐--,,,
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ …………。
|  ̄ |
\ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ ……この手紙、冷静になって、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ よく読んでみるお、宗矩。
| ( ( | さすがに直江兼続はキレ者……。
\ `ー' / しっかりと保険をかけているお。
769 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:27:21.58 ID:JT6EEns0
____
/_ノ ヽ_\ この手紙、宛名がやる夫宛てではなく、
/( ●) ( ●)\ 上杉への詰問状を書かせた承兌宛てになっているお。
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ たぶんこれは、上杉家が敗北したとき、
|  ̄ | あの手紙はやる夫宛てではなく承兌宛てだった、とか
\ / そんな風に言い訳するつもりなんだお。
/:/:::::::,/::::;/::::,r'::::::/|:::/ ,,|:::|-|;::::::|:::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;|;;;;;;;:/
i,/|:::::::::;i::::/:::::/|:::::::i |::i"_i;;i__ ,,i::::|i;;:::::::::i;;;;;|;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;|;;;;;/
| |::i|:::::|::::i:::;,/__|、::| "|:i'"_r'_;;;;ハ|:i |;:::::||;;;;;|;;;;;;;;;|ヽ;;;;;|;;;/
i;::::::||::::i:::i r';;}ヽ:i i|" ´ !! i;:::jj;;;;;;|;;;;;;;;;| |;;;;/;/
,__,-‐i;:::::||::::|::| ´ ヽ ::::i i;:/ j;;;;;|;;;;;;;;| |;;;/;/ ……なるほど。
;; _'''' i;::::::i:i:::::::| / :::i / :i|;;;|;;;;;;;;|ノ;;/
-‐‐--|:::::|;:::::::ヘ ヽ、 :::/ ::::::::|;;;||;;;;||ヘヾ
;;;;;;;;;;;;;;゛|:::|::::::::|:ヽ、 __ ::::/ :::::::::::|;;| |;;|:::|
:::::::::::::::::::{:|i:::::::||;;:::\´ ー ` ::/ :::::::/ || i|::::::i
::::::::::::::::::::| ゛i::::|! i;;::: i\ ::;/´::::::j:::::!::::::::i
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゛i:|;;; \:i::::\ ,,, ,‐''":::::::::::::::::::::: 'i,
_,,-‐ー''' ̄ ''' フ\;  ̄ ヽ::::::::::::::::: ,,,-‐―‐--,,,
この「直江状」は写しが江戸時代以降から残っているが、
徳川家康にケンカをうったこの手紙が江戸時代にも残っているのは、
この「宛名が承兌だったから」という説がある。
776 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:29:55.07 ID:JT6EEns0
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ しっかりと逃げ道を確保している……
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 上杉景勝の懐刀といわれるだけはあるお。
| | そして、それほどのキレ者が、
\ / 上杉単独で、徳川に逆らうなんてこと、するはずもないお。
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 手を組んでいる誰かがいるお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫のことが嫌いで、秀頼に忠誠を誓い、
| |r┬-| | 能力もあり、直江兼続とも仲が良い人物……
\ ` ー'´ / ……石田三成しかいないお!
784 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:31:39.85 ID:JT6EEns0
/:::::::::::| ノ__ \ / __ ゝ i::::::::::ヽ
i:::::::::::::! /¨⌒¨\ /¨⌒¨\ {:::::::::::::',
,':::::::::::/ ___ \::::.. .::/__ ヽ::::::::::::i
/::::::::::::| / r‐、_ヽ`ヽ く ∠ r‐、 `ヽ |::::::::::::', 直江殿が動くか!
,'::::::::::::::| `ー┷'´ / /:i \.`┷┴--' |::::::::::::::',
/::::;-‐-、ゝ i / ノ::::l \::::::::::... |::::;‐-、:::', これに合わせて、
,'::::/ `ヽ ! / .::::::: ヽ \:::::::.. |:/ r 、ヽ:::i 我々も動くぞ!
/::::| ⌒)) l l ___ `ヽ:::.. ノ _ L!/ i !::::',
,':::::::ト、 l l r',.::____________ヽ ら i |::::::i
/::::::::::::\`ヽ ヽTL___________// ノ / ./:::::::|
!:::::::::::::::::::\' ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / -'/:::::::::::!
!::::::::::::::::::::::::`-、 ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 人/:::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::i ハ:::;-――--――-、::/ /::::::::::::::::::::::::::::!
\::::::::::::::::::::::::::::| Y: : : : : : : : : : : : : Y ./::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ i :、: : : : : : : : : : : / /::::::::::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::::::::::ト、 \`ー‐---―/ ィ::::::::::::::::::::::::::::/
三成は上杉家の動きに合わせて、反徳川の行動を密かに進めていた。
この時、三成と直江兼続の間に、取引や約束などがあったかどうかは解っていない。
たまたまタイミングがあったか、あるいはお互いの動きを見て、
暗黙の内に利用しあったとか、そういった説もある。
とにかく、三成は上杉家の軍備増強に合わせて、佐和山で戦いの準備を進めていた。
793 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:33:55.35 ID:JT6EEns0
/ ./ゝ ゙ 、 ゝ
/ 丿 1 '、 1 '、
,' 卜 '、 1 ヘ i '、
イ │ ヽ 丶 ヽ '、 ヽ '、 これからは徳川の時代だよ。
〕 ! ゝ ゙l.. ゝ、 ヽ1 │ 1
│ ..|ーっっ_ム、 ベぅlゞ!ニ ^ '│ │ 卜 やる夫殿を助ければ、
│ t‐T フト\ l ''工,,〔 `ーl /'、 { やる夫殿もこちらに感謝する。
1ヽ ? ̄ ̄ ヘ丶_ ? | _〃│ ′ そうすれば、
1 ゝ ヽ | \│ ,' / ' / `ノ やる夫殿も秀頼様をムゲにはしない。
'、\ ヽ 1 _ ./ イヘ '、 ′
ヘ ゝ'、 ゙'-´ l/ f ‐゙" ソ そんなことをすれば、
゙、 .. ー---―‐‐'' _/广 / 豊臣恩顧のこちらも黙ってはいないからね。
,,-ゝ |ゝ、 ーー / 1 _r''ソゝ、_
/ ヽ │\、 _/ ノ┘ r′ `ー 、
_/ ` 1 -`ー----''´ l /"′ _/ ……なんちゃって。
‐' ,, ,ゝ '、 l ノ │ _/
やる夫も負けてはいない。
黒田長政や藤堂高虎などを使い、豊臣側の大名を次々と「徳川派」として
完全に抱き込み始めた。福島正則、加藤清正、細川忠興、池田輝政、
秀吉の甥である小早川秀秋など……
彼らはやる夫の元へ集結し、上杉討伐の際は、
やる夫軍に参加することを誓った。。
更に、毛利家自体はどちらかといえば「三成派」であったが、
毛利家の中の吉川広家も徳川派として抱き込んだ。
誰もが、自身の利益と、家のために、暗躍していた。
800 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:35:46.02 ID:JT6EEns0
(⌒ヽ (⌒ヽ
( ,⌒) (⌒ヽ (
( ⌒ヽ ( ⌒) ゝ
ゝ ⌒ヽ,, ,,.( )、,,(
( ⌒ヽ ( ゝ
( ) ( /> />
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,,_p/> ̄ ̄
.....:::::::... .....:::::::....... .....:::::::... .....:::::::... ..: ..::::. ...::::::.. ..::::::::........ 。゚。,,,_p/> .....::::::::::::::::
.....:::::::........:::::::........:::::::........:::::: :........:::::::...... ..::::::: .:::::.... .::::: ....::::... ........ ::::::::....... ...::::::::. ......
.....:::::::... .....:::::::... .....:::::::... .....:::::::... .:::::...............::::::::..:::::.. 。...:::::::::::::..... .::::::::........ ...::::::::::.. ::...
。.... :::::.....:::::::... :::::::.....:::::::...::..:::::.....:::::.... 。..::::...... 。...:: ...... .....::::::::..:::::..::.....::::::::::::::::... ...:::::::
〜〜 .....:::::::... .....:::::::... :: .:::::.....:::::.... .........:::::::::::::::::.........::...:::::::...::::::::::::::.....:::::::::::::。::::::.........::::::::
~^^゚〜.。.... 。.... . ..:::::.....:::::.....:::::....。.....゚ .........。・...。.... 。 。。..::::...... 。...::::::::... ......::::::::::::::::..
~^^゚〜〜~゚^〜〜〜〜〜〜・。,,,,:〜"~~。〜・" ゚''〜。,,, 。....゚....... 。.....:::::::::..........:::::
: :. . . . . ..: : :. . . . . ..: : :. . . ..: : :. . . . . . . ..: : :. . .~^^゚〜・,,。,, 。....゚......。..。....
.. . ... . . . . ..: : :. . . . . ..: : :. . . . . ^~^:〜。,,,,・
さて、そんな頃……
日本の豊後国(大分県)に一艘の船が漂着した。
オランダ船のリーフデ号である。このリーフデ号は日本に最初にやってきたオランダ船であった。
809 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:37:54.18 ID:JT6EEns0
∧
/|\⌒`ヽ
v||.| |||\〃ヽ
|!‐,‐、,┐| ..::::| リーフデ号め、沈みやがって!
l|`T ̄~| | :::::| ケッ、この船との関係もこれでご破算
'λ|__/√ヽ/⌒ヽ この次はオレ自身が泳いで日本へ来てやる!
/`!___,ノ〃/ r ⌒`ヽ
/ヽrrrr‐、 ( 〉``ヽ
|ト、i ) ..:::γ /
t ヾ √⌒ヽヽ .ゝ´
(⌒oゞ _\ .:.\ノ
Y |¥彡 `ヽ、::::ノ┘
` (○0ニニニニ;〔
ウィリアム・アダムス
リーフデ号に乗っていたイギリス人航海士、ウィリアム・アダムス。
彼は日本に初めてやってきたイギリス人であった。
825 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:40:18.64 ID:JT6EEns0
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ イギリス……?
| |r┬-| | 聞いたことあるような、ないような。
\ `ー'´ / スペインとはどこか違うのかお?
5月、上杉家への対応で忙しかったやる夫だが、
大坂で、やる夫はアダムス達、リーフデ号の乗組員たちと面会した。
これより前、リーフデ号の漂着を知ったイエズス会の宣教師達は、
アダムス達は海賊なので即刻処刑するように、と忠告してきていたが……。
836 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:41:59.55 ID:JT6EEns0
∧
||_/\
γ∧/´ `\∧
|┃‖‖‖‖‖‖|
|┃┏━┯┯━┓| 私達は海賊ではありません。
|┃┃ニ二_二ニ┃|
|┃ ∨ | ∨|
/|∨\_⊥_/|/ヽ
ヽ ̄\ 丶 ノ / ̄
___
/ \
/ \ どうも、そのようだお。
/ ⌒ ⌒ \
| /// (__人__) /// |
\ /
やる夫はここでアダムス達と(もちろん通訳を交えて)話し合い、
彼らが海賊ではないことを知った。
そして、その後、ヨーロッパや世界の情勢について詳しく知っていくことになる。
それはもう少し後の話で詳しく触れていくことになる。
やる夫はアダムスや、他の航海士達を保護し、江戸へと送った。
846 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:44:39.79 ID:JT6EEns0
___
/ \
/ \ , , /\
/ (●) (●) \ 上杉を討伐するお!
| (__人__) |
\ ` ⌒ ´ ,/
. /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
さて、6月16日……
やる夫は諸大名の軍勢を集め、軍勢を編成すると、
上杉家を討伐するため、大坂を出発した。
名目は「秀頼様に逆らう上杉景勝を討伐する」というものであった。
857 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:47:15.57 ID:JT6EEns0
∧_∧ ∧_∧
( =========( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ //^\ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ ///== \ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_. /// ‖ \ゝ
? ノ ̄ノノ ̄// ̄// ̄// ?_ノ//======== \ゝ .?
.ヒ==,@==@,==@==@,==@== ノ人ノ ‖ ン
 ̄‖~  ̄~ ̄~  ̄~ ̄~ ̄ ‖| ̄ ̄ .‖ ̄ ̄ ‖
‖==================.‖|=====‖==== ‖
‖| ‖ ‖ ‖ ‖ .‖| ‖ .‖
‖| ‖ ‖ ‖ ‖ .‖| ‖ .‖
‖===================  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
____@))____|_______ |
/ //ヘ \冫 | |
/ // \\冫 | |
∧_∧ / // ?? \\冫 | ∧_∧
( (( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\_\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人_\\_
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//?人人_ \\
@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@ノ人_@_@、_
| | | |
| △ △ △ | | △ △ △ | △ △ △
|=======| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|========|====
そしてやる夫の軍勢は伏見城に入った。
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \
/ (⌒) (⌒) \ 殿様……。
| __´___ |
\ `ー'´ /
伏見城で出迎えたのは、鳥居元忠であった。
やる夫はねねが出た後、主に大坂城にいたが、
その間、元忠を伏見城に配置していたのである。
872 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:49:23.40 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ─ ─ \ ……元忠。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
_________
/ \
/ ⌒ ⌒\ ……はい。
/ ( ●) (●)\
i :::::: __´___ i
ヽ、 `ー'´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ …………すまんお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
やる夫はそう言うのがやっとだった。
やる夫も、元忠も理解していた。
やる夫が軍勢を連れて、上杉領へ行けば、確実に石田三成は挙兵するだろうと。
上杉と石田の二つの軍勢が、日本規模で、やる夫軍を挟み撃ちにするだろう、と……。
やる夫が京都を離れたら三成は必ず動く。
それが解っているからこそ、上杉景勝も、直江兼続も、
やる夫に、かかってこいとばかりに挑発したのだろう……。
三成が挙兵すれば、まず三成は伏見城を攻撃するだろう。
そうなれば、元忠は戦死する。確実に……。
三成軍は恐らく数万規模になる。伏見には2000にも満たない兵しかいなかった。
885 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:52:27.16 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ / \ \ 殿様、策はあるのでしょう?
/ (●) (●) \
| __´___ |
\ `ー'´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚((●)) ((●))゚o \ もちろんだお……
| (__人__) | 毛利家が動かないように吉川広家を取り込み、
\ ` ⌒´ / 上杉家には伊達政宗と最上義光を当てるお。
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ やる夫が江戸に着く頃、恐らく三成は挙兵するお。
| (__人__) | それからやる夫は上方へ戻り、三成を倒す……
\ ` ⌒´ / 三成さえ倒せば、やる夫に逆らう者はいなくなるお……
それはひとつの賭けであった。
やる夫は三成をおびき出すために京都を離れる。
三成はその後、挙兵する。……豊臣秀頼の名を借りて。
そうすれば、福島正則や加藤清正はやる夫の敵になるかもしれない。
そうならないように、黒田長政らを通じて手は打っているが、世の中に確実は無い。
最悪の場合、全ての大名が敵に回り、やられてしまうこともあるのだ。
891 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:55:44.25 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \
/ (●) (●) \
| __´___ |
\ `ー'´ /
/ \
……やる夫の場合はまだいい。賭けである以上、勝つ確率もあるし、
その確率を高めるよう、様々な手を打った。
だが、元忠は……
____
/ \ 元忠……すまんお。
/ _ノ ヽ、_ \ 三成が挙兵するのはいい……
/ o゚⌒ ⌒゚o \
| (__人__) | でも尾張(愛知県)や美濃(岐阜県)を制圧されたら、
\ ` ⌒´ / 後が厄介になるんだお。だから……
903 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/22(金) 23:59:45.71 ID:JT6EEns0
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 解っています。尾張と美濃を制圧されてしまったら、
/ (●) (●) \ 小牧の戦いのときと逆になりますから。
| __´___ |
\ `ー'´ /
/ \
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ だから私は、
/ (⌒) (⌒) \ この伏見城で三成軍をできるだけ足止めします。
| __´___ | 自分で言うのもなんですが、これは並の武将では
\ `ー'´ / 勤まらない役目です……。任せてください。
かつて秀吉と戦った小牧の戦いのとき、やる夫は秀吉より先に尾張を制圧し、
戦いを有利に進め、戦術的には勝利した。
……今回、三成を挙兵させた上で、尾張と美濃を先に制圧するという、
難しい行動をやる夫はとらなければならない。
しかも、やる夫軍の半数は、豊臣に恩を感じている武将である。難しかった。
かつての秀吉の苦労が解る気がした。
907 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:02:17.33 ID:lwX1ew.0
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ 元忠……!!
/ o゚((●)) ((●))゚o \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
……すなわち。
これは、元忠に死ねといっているのも同然の命令であった。
やる夫が出て行く、三成が挙兵する、やる夫は引き返す、
三成軍は美濃へ侵攻する、途中に伏見城がある、
その伏見城を元忠は頑張って、できるだけ守り抜く……。
914 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:04:30.57 ID:lwX1ew.0
___
/ \
/ノ \ u. \ 元忠、伏見城には1800しか兵がいないお。
/ (●) (●) \ 三成の軍はどう見積もっても数万になるはず……
| (__人__) u. | もう少し、兵を置いていこうかお?
\ u.` ⌒´ /
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 結構です、殿様。
/ (●) (●) \ 多少の兵力差では焼け石に水……
| __´___ | どうせ伏見城は落ちます。
\ `ー'´ / ですから、一人でも多くの兵を連れて行ってください。
/ \ 1800もあれば充分です。
926 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:06:27.31 ID:lwX1ew.0
____
/ \
/ u ノ \ 元忠……。数正が死に、忠次が死に、半蔵も死に……
/ u (●) \ 今度、また、お前まで……
| (__人__)| 死なせたくはないお、死なせたくは……
\ u .` ⌒/
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ そんな顔をしないでください、殿様。
/ (●) (●) \ ……この役目ができるのは私だけ。
| __´___ | それに、戦場で死ねる事はむしろ
\ `ー'´ / 武士の本懐です!
/ \
939 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:09:09.56 ID:lwX1ew.0
/ ̄ ̄ ̄ \
/ :::::\:::/\
/ 。<一>:::::<ー>。 ううう……うっうっ……
| .:::。゚~(__人__)~゚j
\、 ゜ ` ⌒´,;/゜ ……元忠……!
/ ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ ……今夜、
/ (⌒) (⌒) \ 今生で最後の酒を酌み交わしましょう、
| __´___ | 殿様!
\ `ー'´ /
/ \
947 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:12:04.10 ID:lwX1ew.0
∧_∧ ∧_∧
( =========( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ //^\ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ ///== \ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_. /// ‖ \ゝ
? ノ ̄ノノ ̄// ̄// ̄// ?_ノ//======== \ゝ .?
.ヒ==,@==@,==@==@,==@== ノ人ノ ‖ ン
 ̄‖~  ̄~ ̄~  ̄~ ̄~ ̄ ‖| ̄ ̄ .‖ ̄ ̄ ‖
‖==================.‖|=====‖==== ‖
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‖| ‖ ‖ ‖ ‖ .‖| ‖ .‖
‖===================  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
____@))____|_______ |
/ //ヘ \冫 | |
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( (( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\_\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人_\\_
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//?人人_ \\
@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@ノ人_@_@、_
| | | |
| △ △ △ | | △ △ △ | △ △ △
|=======| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|========|====
伏見城の夜は更けていった。
/ ̄ ̄ ̄\
/ ― ― \
/ (●) (●) \
| ゚~__´___゚~ |
\ `ー'´ /
___
/ \
/ノ \ u. \
/ (●) (●) \
| ゚~(__人__)゚~ u. |
\ u.` ⌒´ /
そして、やる夫は元忠と別れ、東へと進んだ。
……これが元忠との最後の別れなのだ。
その思いを胸に……
959 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:14:04.77 ID:lwX1ew.0
_,,,...:-‐‐=-..,,,_ __,,.. - ‐‐ ''''"
.、 ,r'";; ;; ;;\,,_ _,,.. - ‐‐ ''''"";;;;,,,, ,,;;;;;;;;;;,,,,,
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,,;; ,,;;;, ,r'";;;,, ,,;; ,,;;;, ,,,, ; ;; :; ;; ;;, ;;`';;、_ ,,,, ,,,,,,;;;;; , ;;; ;;;
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,r'";;;,,,,,, ;;;;;,,,,,,,,;;;;;; ,,, ,,;; ,,;;;, ,,,, ;; ;;
- = - = - = - = - = - = - = - = - = - = - = - = -
- = - = - = - = - = - = - : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :- = - = - = -
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
〜 * ~~ + 〜〜
: : : : : : : : : : : : : : :
〜〜 * + ^^^ 〜〜
: : : : : : : : :
⌒;;⌒゙ゞ)ヾ + *
,,;゙;;;゙゙メ;;;;゙゙ゞ))"^""''--= _,,,,...._ _ ...._,,,....-''''" """"  ̄ ``- -- = = ...,,, ,,,, ,, ,,,_
やる夫は京都から東へ進んだ。
途中、三成の領地である佐和山も通った。
その間、やる夫は暗殺されることを恐れたし、
事実、そういったような動きもあった。
しかしやる夫は、結果的に、無事に近江を出て、美濃、尾張と進んだ。
12 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:14:55.75 ID:lwX1ew.0
,.イ
/ !
/ |
ヾー―――‐―'´ /
\ /、
/\_______, イ:::: \ 三成様、やる夫が行ってしまいます。
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ
/___∠__________,ゝ どうして暗殺しなかったのですか。
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ
. /___|、 ー'^ー ∠_く ̄>
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
島 左近……三成の家臣。
21 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:17:12.64 ID:lwX1ew.0
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ SAKON!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 暗殺などしてはいけない。
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', これは正義の戦いだ。
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 そんなずるい手を使ってはいけない。
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、 それに表向きは、私とやる夫は対立していない。
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ } やる夫を殺す大義名分がないのだ。
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
,.イ
/ !
/ |
ヾー―――‐―'´ /
\ /、
/\_______, イ:::: \ ははっ……。
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ
/___∠__________,ゝ (三成様は甘い……
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ 大義名分や正義など、
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ 後でどうとでもなるのに。
. /___|、 ー'^ー ∠_く ̄> まずはやる夫を殺さないといけないのに)
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
……こうしてやる夫は、無事に進み、東海道をゆるゆると下っていった。
三成の挙兵を待つかのように。
やる夫が江戸に到着したのは7月2日のことだった。
33 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:19:31.87 ID:lwX1ew.0
,-"/~/ ´/‐'´ ....:::::::::::::::::: ',=-、
/ 〈ヽ、 `、`、''゙ ......::::...... ___;;;::::::::,ん ',
l / '' ‐-ヾゞ,,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::'´-‐-ミ、-ヘ ; 三成……なんでやる夫を殺さなかったんだ?
〉 _,-',r'´ミ‐--,ハ,ヘー‐‐‐‐一ヾ、\ ` .〉 絶好の機会だったじゃねえか……
, -へ、,‐'´,-´ l! l!ヾ、 ヽヽ、_、‐'ヽ、
/::::/ / /´t-、、、.....__ .l! i ';, __... 彡ィ゙iヽ ヽ、ヽ、 三成、お前には智恵はあるが決断力が無え。
/ ::::イ lヽ、‐t:ッミ,ヽtーi-‐ノ 彡、ッーナl ゙i ヽ、 `ー-- 、 そのあたりがお前の武将としての欠点だ。
/ :::// | `'''''''''´>‐--<、__`ニニ´ l ゙i ト、 `、 -‐-、 `ヽ.__.,
ノ ::/ ノ :::i ト---‐''''´  ̄'''''''ノ : :゙i ヽ、`、 `丶、 \__ それにやる夫と戦うなんて、
::/ / ) ::::l .i トー--‐‐==‐'´ ̄ `'==‐‐--イ ::: ゙i ヽ、ヽ、 ヽ、 ヽ、 そんな重大事をオレに相談もしなかった。
::/ / ./ :::i i l::: :: l :: :: ::: : /..::::: ::ト、 ゙i ヽ \ ヽ、 そのへんも気にいらねえな。
.) / i :::i ハ ゙l ::: l :: :: ::: :: / ::::::::: ::l ヽ ゙i \,( ヽ
.) /ー'´ヽ ::::l! i:::'、 ::::゙l::: ! :::: ::: :: ::: ∠.___ 、 ::l ヽ、 ヽlヽ/ ̄/\,..、
.レ -‐ ..ノ ::::l! .l:::::、 ::::゙l:::::::...::::::::: ::: ::: 〉 ::l ヽ ゙〉 / / ヽ、
./ ':;く :::::::l! ゙i::::l ::::::゙l::::::::::::::::: :: :::: l :::゙l,、ノヽV::/ /....:::/::`ヽ、
::';:  ̄`´ヽ、 i::::l :::::::゙l:::::::::::::: : :::: ゙l :::::ヽ:::::: / /...::::/::::::::::: ヽ
大谷 吉継
吉継は三成の親友である。
最初は、上杉征伐に従軍し、やる夫の味方をしようとしていたが、
三成に佐和山に招かれ、そこで、やる夫に対して挙兵する計画を、打ち明けられた。
43 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:21:54.27 ID:lwX1ew.0
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l | すまん、吉継……
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ こんな土壇場で
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 打ち明けることになってしまって。
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 頼む……
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 私の味方をしてくれ!
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ やる夫は太閤殿下でさえ一度敗北した、
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、 戦上手だ。お前の力が必要なんだ!
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
54 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:24:27.63 ID:lwX1ew.0
/li / / //!:/!|::|i:::| ヽ!`ヾ、 ‐-、 ',|'::l!:ノ,/
/ /. l/ l/ | !:| l::| | `ヽ、ヽ」::::::::∠_
,/! ̄ ̄ ̄| ̄|! フi::ト|:|、 -‐─ァ:::::::::::、‐-`ヽ、
,. '// | .::: / ヾ! リ |`ヽ 、 /"//ハ〉:::::ヽ `ヽ
,. '´ /::/ .:| :: , ' .::. i::. |、ヽ|::r`、、/ 〃./:||::i、:ゝ\
/ /.::/ .::| : / .:: l:: |. `ヽ、ー゙゚ヘヽ_/ リ !/ i:| …………。
∠_ / ::/ .:::| .: / ::: i:: ! ̄ ̄ ̄ ̄{゙! / |:!
ブ :/ .:.::::| .: / :::: !:: |::___ .」」 ノ ノ
∠__ 〈 .:.:::::| / ::: !ニー┘__`ー─-゙,
`ヽ、`ーァ-、:|. / :: i:::、``ヾl:::::ー-ニr─ '
/-ニ_ソ :: !:::. \ \:::;r‐'
,. -‐/ .::: `ー、‐-、_ : |/ヽ. \. /
/ ,∠__ :l``ヽ `ヽl. \__,ノ
/ / ,/  ̄``ー-、_| /
吉継は迷った。……三成と吉継は深い友情で結ばれていた。
吉継はハンセン病に感染していた。……現代よりも医学知識が少なく、
差別意識も強い時代である。吉継が秀吉お気に入りだったとはいえ、
諸大名は吉継をどこか敬遠していた。
62 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:27:04.24 ID:lwX1ew.0
______________________
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| |:||:|
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./ // //
/================================================
/ // //
/ // //
ある日、茶会があった。
招かれた諸大名は茶碗に入った茶を、
一口ずつ飲み、次へ回す、回し飲みを始めたが、
そんな折、吉継の顔から出たウミが、一滴、茶に混じってしまった。
諸大名は、この茶を飲むフリをして、口をつけなかった。
だが三成はそれを気にせず、その茶を飲み干した。
元々仲が良かった二人だったが、そのとき、吉継は感激し、
「この男のためなら死ねる」と思った。
二人の間には、そんなエピソードが残っている。
77 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:29:55.55 ID:lwX1ew.0
,,/;;; ,/´ ;;_;;;;,-‐" ,/ ̄゛'''''\_-‐''´ ,,,,-‐'''''''''""""
,ノ;;;;レ";;::,/ ,r‐-,/‐--// / ̄,,r''´ _,,-'''´|
;;;;;;;;;;;;;;;イ/;;; ((,,,,,,/// /゛ ,,,,-''" |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ∠,,>ミ‐‐'''')/,,,r--‐'' / |:─--- ,,,, 三成……
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー‐'''~ヾ、, _/::::::::::::::::::::::::::ヽ、 決意したぜ。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;:: ,r‐i'|ヽ|、 ヾ|、ヽ\ _,r'' \::::::::::::::::::::::::::::::::::
、;;;;;;;;;;;;;::: ,/::::::‖゛i、 'ヽ ヾ、,,,r'''"::: ヾ::::::::::::: /
:'ヽ;;;;;;;;;::: |;;;:____i, ヽ、 \_∠,ii, :::: ''-,,:::::: / オレはお前と一緒に戦う。
;: ' i,;;;;;;::: ,/;ヽゝ'ヽi:-i, -''''=ニヾ‐'イノ | i;:: /
; i,;;;: ,/` ,/::::入 \\ー-‐''" i i, \ /::::::::::::::: オレに任せろ。
;;i, i、/ r゛ /: :::::!''\ \ ̄ ____,i i, \ /:::::::::::::::::::: お前には、
;;;;i, i, ゝ'::::: /::7‐- \ ヽ、 ,i ,,,___,,i, ヽ(__:::::::::::::::: オレの横でイの一番に
;;;;;;;i、 i, \::::/:::ヾ─-,,,,,_ヽ、  ̄!/::::|:::::ノ ::::::::ノ  ̄ ̄ ̄ 勝利を味あわせてやる!
;;;:::::::i, i,, ヽヘ、\‐─一゛7‐-─ソ:::|/ く、
;::::::::;A、 i, ,,‐r‐-ヽ:::::ー-‐'''" ,/ '''''''''''''''''''"" ,r''''"
::::::;/ i i," |\ | \,,,,, r ,/:: / /
 ̄ \ 'ヽ,, \ i i/ヽ--イ::::: | ,/ ,/
大谷吉継は三成との友情をとった。
吉継は秀吉に「100万の軍勢の指揮をとらせてみたかった」と言われたほどの、
武将であった。彼が三成の味方になったことは大きかった。
85 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:31:16.87 ID:lwX1ew.0
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ノ;'l{
_ノ;人'、
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,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
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,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~
7月15日、石田三成らは「内府ちかいの条々」の弾劾文を出した。
「上杉家に何のとがもないのに兵を出した事」「西の丸に天守閣を作ったこと」
「西の丸や伏見城に居座った事」などなど。
やる夫をせめる文章であった。
これらを大義名分に、やる夫を倒しますよ、ということである。
そして大坂城に、三成派の、各武将が集まった。
97 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:33:20.79 ID:lwX1ew.0
/-─‐7 //
. / /
/ l l / o o __ _
/ / ,-─` ヽ´ '´‐z._
/ ‐-ゝ
, --、 / .ノヘ \ 備前中納言八郎秀家、
, -、i \ | イ/::::::|∧ト、 トゝ 備前国より
/ \ ,〃 \ | ,イ‐!-:: j:::!-‐!ヽN
\ ,〃 \ /\ | r‐、 |=== ==l 泳 い で 参 っ た !!
〃\ /\、ヽ、ノ). │.{ {、|| ゚‐- /゚-‐ ,'
/\ヽ. 〉ト‐< │ `ーl! u `7 /
.ヽ\__/)、`´ノ./| /l. /\ ⊂ニ=‐ /
`‐-‐'\`/ /,,. -‐'|=|. / :\ = /
‐- 、::::\| /::ヽ |=:|/ ::::\/|`ー- 、._
. `‐、:::::::::::::::) |=:|\ ::::/|=|
`ー-‐ ' .|=:|. \ / |=|
|=:| \/ |=|
宇喜多秀家
_,:-=====‐-、
/''二 ̄ ) ゙ヽ
ir'"r-__,,,,,,.:-'" ヽ (船か陸路で来いよ……)
r_,,r''"´`i'''ヽ r‐:、 l
/"r'.!__..-' `'";'ノ,! ,'
ヽ_,r'i゙ 、 'r:< ,'
ヽr‐=''''` ,!. 丿, `i
`( _,,-‐'" l _,.!>、__
`'''".)、i ,.:-:'" ,.:' i. `'''ー--,-.、
,.:|.i゙''ヽ / .| r'" `:、
小西行長
宇喜多秀家や小西行長……。
119 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:36:17.14 ID:lwX1ew.0
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴// \|
|∵/ (・) (・) |
(6 つ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ___ | < こんなつもりじゃ……
\ \_/ / \_________
\_____/
長宗我部盛親(前年に死んだ長宗我部元親の子供)
盛親はやる夫に味方しようと使者を派遣したのだが、
途中で三成の張った網に使者が引っかかってしまい、
やる夫に味方できず、うやむやのうちに三成側になってしまった。
131 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:37:54.59 ID:lwX1ew.0
_| `ヽ,;;;ノ;;;;;;;;_,,____ '''‐-、,,\;;;ノ/〉///
) / ̄\ ゙'''‐、,,_゙'''‐、,,_゙'''‐-、,,_゙'''‐-、,,)//
/ //ヽ、| _,,-''~_,,,,二_,_‐、,,>∨/''‐-、 ~\〕
/^ 〈 ( /( |_,,,/ `ヽ、`ヾ、ッヾ、_ ゞソ_,,,,_〕~\ ヽ
| \\ > _ , ,,二二 -'´ ノ_=;;-‐''( ヽヾヽ、
,ノ゙ 〉、oノ| / |`='/ )ノ \\
r' / ' ::::::| / ,,_,,___| / 〃 ::::)
,ノ゙ /( :::| ' \,::''"/`'‐‐‐(--- --- '´
_∠-‐'''""~ ̄~"~ ̄ ̄~`ヽ _,.......、_,.. /
/"~ ̄ _,-‐-,_,ィ'⌒ヽ // ‐''''''-==-`/ やれやれだぜ
〉 ./ { | //\ "''ー-‐''/
./ { `-''' 人`-'''ノ :|:| ::::\ r' /
| `''‐''´ `''''´ |:| :::::::゙'''‐-、,,__/
"''ー-―― .:::|:|_________,,,;;:::::/ __,,,、、、、,,_
島津義弘も似たようなものだった。
やる夫に味方しようと、島津軍は伏見城へ向かったのだが、
島津家は秀吉の生前、財務に関する相談を三成にしていたなど、
三成と親しかった前歴があったため、鳥居元忠に怪しまれ、入城できなかった。
島津家はこの対応を不愉快に思い、三成と合流した。
140 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:40:14.98 ID:lwX1ew.0
,,,,,,,;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;.....,,,,,,,,,,,
,,,;;;;;;;;;;;く^,,~,;__ヽr"~,,,`,ヽ;;;;;;;;;,,,,
,,;;;;;;;;;;;;ii;;;;;;;;;(;;;;;;;,_`ヽ;;;ィ⌒`:::、;;;;;;;/ ┐ ヽ
,,;;;;;;;;;;;;li;;;;;;;ii;;;;;;;ii;;;;,r;;;;'''~⌒ッ、、.._).;;;/ 思 正 オ │
,;;;;;;;;;;;li;;;;;;;li;;;;;;;;ll;;;;;;;t __;;;;::::ノゝ、_;;::);|. や. っ し レ |
;;;;;;;;;;;;ll;;;;;;;ll;;;;;;;;ll;;;;;;;;;;;ll;,,,;ll;,,;||;,ll;,,;ll;,;l { る. た い は │
. ;;;;;;;;;;;|l;;;;;;;|l;;;;(ララララ)l;;;;;ll;;;;;ll;;;;l|;;;l|;;;;ll\. ん か└ |
;;;;;;;;;;;|l;;;;;;;||;;;;;;;||;;;;;;;;;;|l; ;;ll;,,;,;ll;;;,;l|;,;ll;;,;ll;;;;;;ヘ._ だ. ら と /
;;;;;;;;;;|l;;;;;;;||;;;;;;;|l;;;;;;:::::;ll;;;;ll;;;;;;ll;;;;;;ll;;;;;lj;;;リ;;;:::ノ _,._ _,ノ
;;;;;;;;;ll;;;;;;;;|l;;;;;;;;||;;;;l`====ミ、, 冫,;:='"´l;l ̄  ̄
':;;;;;;;;;ll;;;;;;;|l;;;;;;;;||;;;;l弋,ラ`> ゛’...{kt'ツ´j, l;lノ⌒´ ̄^~`ヽ 、
':;;;;;;;;;ll;;;;;;;ll;;;;;;;;|l;;;;l `"´,,;::::::"" l:` ̄´ j;l 自 こ 後 `、
'::;;;;;;;ll;;;;;;ll;;;;;;;;|l;;;;;l .:::l. ';.: .:ノ;l 分 ん 悔 |
'l'':::;;;;;;;;;ll;;;;;;;;ll;;;;;l 、.::: , '::: /;;;l. の な は |
. λ [ェ'''::;,;;;;;;;;;;ll;;;;l ` ′ /;;;;;l! ┐世 な │
/ :;;:ゝ エェェ'''::;;;;,,;;;;;l! ,r==チ /;;;;;;;;' 信 界 い |
. 人_ ェェェェ '':::;;;l! `''¨゛" / ゛゛ 歩. じ. と : │
/ :;;;:` 、 ェェェェ ゛`,` 、 _,. ′ | い ら .は. : │
. / `` `ー-- ' /::::::::i :;;: l. て れ. い |
r---‐‐''¨'' ' _¨,´ノ)) | ` i. い る .え |
:;;: t ィ"´` `"´、 jj ! __.ノ た 道 .|
`` ヽ‘、`i、 : ノrl ! `、 い└ .オ │
゛、.ゝ|/ト、. : ,;ゝリ ! ヽ ! .を レ │
:;;: `、f.`ゝ/ ゝ は ノ
`` `ー―‐---―''
なし崩し的に三成の味方になった者ばかりではなかった。
立花宗茂は「秀吉公の恩義を忘れて徳川側に付くのなら、命を絶った方が良い」と言い、
重臣の1人が三成に勝ち目なしと進言したのを退け、
「勝敗にはこだわらない」と宣言し、三成に味方した。
163 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:43:24.15 ID:lwX1ew.0
フ |゛
´Z,. ,ィ ,.,.,., ,r'ナノ''v'"'7 /`ソ'-ァ_ |
<´ `<〃 〃 〃 u ./ ./ u `> N
\ \ i | / /〃´`l 〉 .|
/ \ \ U ./ /〃 .| / .r'⌒'i | なっちゃうか
/ {´\\ |i .i| ./〃 l l .|⌒i l |
. / l. \\|! .!レ'〃 .!l. l .|⌒| | l 総大将に・・・・・・!
\ l \ / !!l. l |⌒l l l
\ ゝ __o/ ゞo _ ノ〃 l .|_ノ / l
. )ミ三| 三=彡´ _u_ リ__ノ ゝ
. / / .|j --、 -‐'´,r‐、` |\ \
. ( .|j / ) /ヽ,イ] .| \ \
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そして、毛利輝元が三成側……すなわち「西軍」の総大将になった。
これにはいろいろ理由があった。
大谷吉継が「三成、お前は横柄と評判で、お前が総大将になっては、
動く武将も動かなくなる」と忠告したからでもあり、
また、肩書きからいっても、三成はもはや奉行でさえないため、
大老の毛利輝元に総大将になってもらったほうが都合が良かった。
三成はあくまで「影の総大将」的な役割を果たしていく事になる。
179 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:46:08.33 ID:lwX1ew.0
, -ェェェiiェェェ-、
.l f^''' ー - ‐ ''' ^l i
l ,' ‐-‐ ','! 正義は三成に有りっ……!
| l へ、‐-‐,.へ l | 大老の宇喜多、上杉に毛利まで西軍……!
Ll -‐。=, '=。‐,-.L| 西軍が勝つ……! 確実にっ……!!
,.{ヒ| ` ´| |` ´ .|ヒ}、
_ ,. -‐|.`-l /_〈_〉_'、 !-’|ー- 、 _
, -‐ ´ _ , -‐|. l. l‘-―‐-’! | |ー- _ ` ー- 、
i |-‐ ´ | |`ー- ニ - ‐' ! | ` ー-|ヽ
! | | .| >< | | | l
安国寺恵瓊
輝元が総大将になることを、説得したのは安国寺恵瓊だった。
彼は三成と個人的にも親しかったこともあり、西軍につくことを説得した。
, ' ,ヘ. ト、 、.._ / r‐、ヽ.
/ ./ ,イ/ /`メ.`ヽv::\ \\r 、ヽ
. / // / !' v/ / , ' ! :::::\ \ 、リ l くそっ……
,'/ / .,イ , / l _,/ /,/ │ :::::\.ヽ._ノ 安国寺……! 安国寺っ……!
. ! / l ,イ ./、. \// ! } v u:::::\'、 どこを見てる……?
|/ |/ W `''‐、,,ヽ ,ノ,j' :::::|ヽ. ト.
/ ~U u ノ> uj ::::| ヽ | i 勝つのは徳川だろうがっ……
. / v ‐, j /'´ :::|; !. |. ! 西軍は……まとまりが悪すぎるっ……!
/ イ / v u:::|;; ! | ! 三成も……輝元様も……
. / , ‐'´ノ _,/ u :::|;; |. |. ! やる夫にはかなわないっ……!!
ー''´  ̄ \_/`! u v::|;;; | | |
吉川広家は、安国寺と仲が悪かった。
安国寺の意見が通ったことに絶望したが、しかし、すぐに立ち直った。
広家は、この戦いに勝つのはやる夫だと見ていた。
輝元が総大将になってしまったが、なんとかして、
やる夫のためにと、行動しはじめた。獅子身中の虫となったのである。
195 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:48:57.34 ID:lwX1ew.0
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ノ;'l{
_ノ;人'、
}、、__,. -'',r'/p、ヾ、
,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
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、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
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/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
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,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
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i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~
大坂城にいた、各大名の妻子を人質にとろうと、三成は動き始めた。
しかし、加藤清正の妻など、何人もの妻子に逃げられ、
細川忠興の妻、たま(細川ガラシャ)に至っては、
屋敷に火を放って、自分で死んでしまった。
このガラシャの行動を見て、三成は方針を変更し、人質はとらないことにした。
208 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:51:20.15 ID:lwX1ew.0
∧_∧ ∧_∧
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7月18日。
ついに戦いの第一幕が、幕を開けた。
宇喜多秀家を大将に、副将小早川秀秋、
島津義弘、吉川広家、長宗我部盛親、小西行長らが進軍を開始。
鳥居元忠の篭城する伏見城を攻撃しはじめた。
元忠は進軍の情報を知ると、すぐさま、江戸のやる夫に向けて使者を出した。
石田三成、挙兵す! と……。
219 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:53:54.18 ID:lwX1ew.0
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/ ( ●)( ●)\
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⊂二二二 |r┬-| |二⊃ 会津でやるお!会津でやるお!
\ `ー'´ /
\_ _/
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
7月21日。やる夫、江戸から会津に向けて出発する。
7月2日に江戸に到着してから、20日近くも江戸にいたことになり、
明らかにやる夫は何かを待っていた。
……もちろんやる夫は、上方で三成が挙兵した、という知らせを、
待っていたのである。
元忠からの使者が到着するのは、7月24日のことだった……。
223 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:55:52.40 ID:lwX1ew.0
さて伏見城。
∧_∧ ∧_∧
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/ \ 命ある限り、絶対に退くな!
/ \ / \ 1秒でも長く、西軍を引きとめ、
| (●) (●) | 東には行かせてはなりません!
\ ´ /
/ ⌒ \
伏見城は城攻めの名手、秀吉が造った城である。
鳥居元忠側は1800人、西軍は40000を超える人数だったが、
伏見城の堅さと、死を覚悟した元忠の決死の戦いぶりもあって、容易には落ちなかった。
229 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:57:51.74 ID:lwX1ew.0
l ∧ l、
. | /l / . |. ト、i、. ヽ、!
│ /| /.| / .|.| .l.,|_l.,ヘ l.
| __ /|/゙|/`|/、u | /l l Wヽ| 鳥居元忠殿!
| ./‐ヽ | ==== __ ,''===== |
.. | || ~)| | ` ‐-゚‐' ''' /:.‐゚-‐'´ | その戦いぶり、まさに武士の鑑っ……!
│ || 6|.| u `‐-; l が……この城は完全に包囲されている……!
. | ヽゝレ / v l
. /| /':\ ⊂ニニニ⊃ /
_/==| / ::\ __ / この戦い、正義は我ら西軍にあり……!!
''´ l====| / ::::\  ̄ v / 降伏されよ……!!!
::::::|====|/ ::::\ /_
::::::|====|\ :::::\/=l::::`..‐、
::::::|====| \ :::::::|===l:::::::::::::`..、
239 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 00:59:46.59 ID:lwX1ew.0
____
/ \
/ _,ノ ⌒ \ ……お言葉には感謝する。
/ (●) (●) \ だが……
| 、 ´ |
\  ̄ ̄ / 宇喜多中納言! 正義とは何だ!?
____
/ \
/ \ 私達三河武士にとっての正義とは、
/ \ / \ 一に忠義、二に忠義、三四に忠義、五に忠義!
| (●) (●) | すなわち、主君への忠義以外にはない!!
\ ´ /
/ ⌒ \
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ 私は主君、徳川やる夫様より伏見城を預かった!
/ (●) (●) \ そしてこの城を守れと命令された!
| __´___ | それならば、私の正義とは、この城を守る事、
\ `ー'´ / それ以外にはないのです……!!
/ \
256 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 01:02:15.66 ID:lwX1ew.0
l ∧ l、
. | /l / . |. ト、i、. ヽ、!
│ /| /.| / .|.| .l.,|_l.,ヘ l.
| __ /|/゙|/`|/、u | /l l Wヽ|
| ./‐ヽ | ==== __ ,''===== |
.. | || ~)| | ` ‐-゚‐' ''' /:.‐゚-‐'´ | ……鳥居殿……!!
│ || 6|.| u `‐-; l
. | ヽゝレ / v l
. /| /':\ ⊂ニニニ⊃ /
_/==| / ::\ __ /
''´ l====| / ::::\  ̄ v /
::::::|====|/ ::::\ /_
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::::::|====| \ :::::::|===l:::::::::::::`..、
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/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_. /// ‖ \ゝ
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伏見城は更にその後も持ちこたえ、西軍の進軍をおおいに遮った。
その後、元忠はわずか200人の兵士で西軍の大軍の中に突撃し、
3回に渡って敵を蹴散らしたという。
267 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 01:04:12.30 ID:lwX1ew.0
) / ̄\ ゙'''‐、,,_゙'''‐、,,_゙'''‐-、,,_゙'''‐-、,,)//
/ //ヽ、| _,,-''~_,,,,二_,_‐、,,>∨/''‐-、 ~\〕
/^ 〈 ( /( |_,,,/ `ヽ、`ヾ、ッヾ、_ ゞソ_,,,,_〕~\ ヽ
| \\ > _ , ,,二二 -'´ ノ_=;;-‐''( ヽヾヽ、
,ノ゙ 〉、oノ| / |`='/ )ノ \\
r' / ' ::::::| / ,,_,,___| / 〃 ::::)
,ノ゙ /( :::| ' \,::''"/`'‐‐‐(--- --- '´
_∠-‐'''""~ ̄~"~ ̄ ̄~`ヽ _,.......、_,.. /
/"~ ̄ _,-‐-,_,ィ'⌒ヽ // ‐''''''-==-`/ 旗色が悪いな……
〉 ./ { | //\ "''ー-‐''/ ここはひとつ脅すべきだぜ。
./ { `-''' 人`-'''ノ :|:| ::::\ r' /
| `''‐''´ `''''´ |:| :::::::゙'''‐-、,,__/
"''ー-―― .:::|:|_________,,,;;:::::/ __,,,、、、、,,_
:::::::::::::::::: / /--‐‐''" _,,,,, /
やがて、島津義弘が、脅しをかけた。
伏見城内には甲賀衆がいたが、内応しなければ、
甲賀にいる妻子を皆殺しにすると脅したのだ。
甲賀衆は悩んだが、結局、妻子のために内応した。
伏見城内に火の手があがった。
284 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 01:06:15.10 ID:lwX1ew.0
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ノ ヽ \
/ (●) (●) \ 内応者が出ましたか……
| __´ _ . | もはやこれまで、ですね……。
\  ̄ /
____
/ \
/ _,ノ ⌒ \
/ (●) (●) \ ……腹を切りますか……
| 、 ´ | …………いや。
\  ̄ ̄ /
____
/ \
/ \ 最後まで戦いましょう!
/ \ / \ 最後まで……!
| (●) (●) | 一人でも多くの敵を倒せば、
\ ´ / それだけ、後で殿様が楽になります!
/ ⌒ \
293 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 01:07:58.66 ID:lwX1ew.0
____
/ \
/ \ ::: / \ うおおおおおおおおおお!!!!
/ (○) (○) \ 鳥居元忠見参!!!
| メ __´___ U |
/ `ー'´ \ 元忠最後の戦いぶり、とくと見よ!!
| i ヽ、_ヽ
└二二⊃ メ l
| ,、___, ノ
ヽ_二コ/ /
_____/__/´
鳥居元忠は、その後、敵の中に突撃していった。
そして、やがて西軍の鈴木重朝の前に力尽き、自刃した。
……元忠以下、何十人かの兵士が自刃した廊下の床板に、血の跡が残った。
その後、血痕のついた廊下の板は、京都の寺院の天井に移築され、
鳥居元忠の供養を行われ。
現在もその天井は宝泉院、養源院、源光庵、正伝寺などに残っている。
これを「血天井」という。
305 :1 ◆QznAE2I9mA :2008/08/23(土) 01:10:08.42 ID:lwX1ew.0
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三河武士、鳥居元忠討ち死に。享年62。
死を覚悟しての篭城と忠節は、後世「三河武士の鑑」と称された。
なお鳥居元忠の子孫はその後も続いていくが、
元忠からみて玄孫にあたるのが、元禄赤穂事件、
いわゆる「忠臣蔵」にて討ち入りを決行した大石内蔵助である。
この伏見城を落とすのに時間がかかったため、
西軍のその後の行動は、予定よりも大きく遅れた。
そしてその遅れが、天下分け目の戦いである関が原の戦いにも影響していくのである。
第23話「壮烈! 三河武士」終わり
第24話「群雄、関が原へ」に続く
出典:やる夫が徳川家康になるようです 風雲編
リンク:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=part4vip&key=1218979909&ls=50
出典:やる夫が徳川家康になるようです 激突編
リンク:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=part4vip&key=1219406040&ls=50
出典:やる夫が徳川家康になるようです 決戦編
リンク:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=part4vip&key=1219416154&ls=50

(・∀・): 15 | (・A・): 8
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