ケンチキとトンカツ屋(2編)

2008/10/05 13:41 登録: えっちなバスドラ


218 :おさかなくわえた名無しさん :2008/09/25(木) 02:19:29 ID:Y6qz0wN4
長編報告、休日のケンチキ(KFC)にて。

注文を済ませて二階席に上がると
学生風カップル・小学生男子4人組・家族連れなどがが先客として座っていた。
カップル寄りの壁際の席がそこそこ空いていたので自分もそこへ着いてひと段落。
歩き疲れの足を休めながらペソペソと食事をしていると、
落ち着いてきたのか 周りの音や声を耳が拾うようになってくる。

『ありえなくない?細すぎキモいんだけど〜』
…カップルの女のほうが店内の誰かを観察してあからさまに揶揄している声。
男「細いけどオシャレじゃね?美人じゃん。カッコイイよ」
女『オンナノコは〜あんなガリったら〜ウラヤマシクないんです〜、てかキモい。』

誰を見てるんだ?と ちょっと気になって対面側の席に目をくばると、
ものすごく細くて顔の小さい
パンクスタイルのお姉さんが1人で座っているのが見える。
姿勢がよくて芸術的な存在感をかもし出しているハイモード系のモデル風のひとだ。

女『気取りすぎメイクきつすぎでコワイんですけど〜〜』
…彼氏の前なので敵意むき出しで他人批判=自己擁護ですね、わかります。
なんて思いながら
その女の性格ブスッぷりに同情していると、

ガシャーーーーーーーーーーン!!

…明らかにトレイをひっくり返しちゃった音が店内に響いた。


219 :おさかなくわえた名無しさん :2008/09/25(木) 02:21:17 ID:Y6qz0wN4
モデル風さん側の席で食事していた小学生4人組のうちの1人が
大容量のメロンソーダとチキンかすを床にぶち捲けてしまったようだ。

…お小遣い台無しですね、わかります。
恥ずかしさで慌てふためきつつ涙目になっているぶち捲け少年。
こういう時の周りの視線ってトラウマになるんだよなぁ…と思っていた矢先に

女『アッハ〜〜〜!ウッケ〜〜る!かわいそうなんだけど〜!』…でかい声。

二階席のみなさんがチラチラ見つつも店員待ちの空気に定まりかけた頃、
『大丈夫?拭くもの借りてくるから座っててね』
…モデル風さんがスラッと立ち上がって手早くチキンかすとドリンクカップを拾い、長くまっすぐな脚で颯爽と階段を下りて行ったのだ。
革ジャン・黒タイツ・底の厚いパンプス、上品なブロンドのショートカット。
黒い妖精さんは優しい。

モデル風さんより先に店員のオネーチャンが掃除道具を持って上がってきて
ぶち捲け少年のかわりに後始末をしてくれている中、
さすがにカップル女も自分を客観視したのか 黙ってポテトをつまんでいる。
性格の良さだけじゃなく立ち姿の美しさでまで差をつけられちゃいましたね…
なんて同情を深めていると、
店員のオネーチャンとすれ違うようにモデル風さんが軽やかに戻ってこられた。
階段なのにヒールの音もなく、姿勢よく。


220 :おさかなくわえた名無しさん :2008/09/25(木) 02:31:59 ID:Y6qz0wN4
ショボーン(´・ω・`)気味のぶち捲け少年をはげます友人たちの席へ戻り、
手にしたトレイをテーブルへ置き自分のいた席へ戻ってゆくモデル風さん。
そこから彼らに
『もったいなかったね、気にしないでまたみんなで食べに来なね。』と声をかけてニコリ。

彼らに渡したトレイにはテイクアウト包みが4つ。
くれるの?オゴリ?悪いよ?なんて読み取れるような
やや怖じ気のある顔つきで向いている少年たちに
『食べ直しなよ 甘いの入ってるからね (^^)ノシ 』と手を振ってニコリ。
1人の「ありがとうございました」につられて
少年たちはそれぞれペコリと礼をして
遠慮気味ながらもおごりを受け入れてホッとした顔になって帰って行ったのでした。
元通りの平常な空気のなか
何もなかったかのように姿勢よく腰かけてケータイをいじる黒い妖精さん。
トドメを刺されたカップル女は
勝手に人を批判して墓穴を掘っただけなのに
これまた勝手にムッとした足取りで
押し黙りながら続いて帰って行ったのです。


m9(^д^)プギャーーーーーッ!!!



248 :おさかなくわえた名無しさん :2008/09/25(木) 20:05:04 ID:vhe04S44
家の近所のトンカツ屋の親父は何に影響されたのか頑固親父。
味は悪くない、というか結構うまいのでたまに行くんだが、
ある日、中学生くらいの女の子を連れた主婦がカウンターに座っていた。
そしてトンカツを出され、食べ始めると主婦が
「わぁ、おいしい!サクサクだね!」といい、親父に
「どうやったらこんな風にサクサクになるんですか?私揚げるとべちゃべちゃで…」
と話しかけた。
すると親父は「ああ?そんなもん肉も違う、油も違うパン粉も違う、
大体にして腕が違うだろうが!wwおっかしな事言う人だな、あんたも!!」
と怒鳴り返した。
主婦はショボンとして「すいません」と言ったが、その後も親父は
「ろくに飯も作れねぇ」だの「味が分かる人間に食って貰いてぇもんだ!」だの
その主婦を悪しざまに罵り続けた。
さすがに気分が悪くなってきたら、女の子が「御馳走さま」と言って箸を置いた。
主婦が「え、もういいの?ほとんど食べてないじゃない?」と言うと
「うん、こんなクソジジィの作ったものなんて食べたくない。
ママの悪口聞きながら食べるご飯なんてヤダ。まずい。くそまずい」
慌てて「○○子!」とたしなめる主婦、気色ばむ親父。
でも子供はおびえた様子もなく親父をじっと見据え
「だってこのおっさん前にパパと一緒に来た時、ママは同じ事言ったじゃん。
でもその時このおっさん「いやー企業秘密ですよー」とかニヤニヤ言うだけだったもん。
今日はパパがいないから怖くないから、こんな偉そうなんだ。
最低じゃん、何組の×男みたい。弱い子はいじめる癖に、強い子はいじめないんだよ。
ママ食べたいなら食べてていいよ、でも私もういらない、
ママの悪口言ってニヤニヤ楽しそうにしてる大人見ながらご飯食べるの気分悪い、帰ろうよ」
主婦は半泣きになり、席を立った。
小さな店は静まりかえり、親父は目をそらして何やら洗い物を始めた。
会計を済ませ、出て行く直前、女の子は
「セブンイレブンでかつ丼買ってかえろ。おうちで食べようよ、そっちのが私は好き、ここは嫌」
客はみな落ち着かない様子で、ろくに食べず酒も残して出て行き、
俺も食った後出たが、終始親父もカミさんも無言だった。





出典:胸がすっとする武勇伝
リンク:http://changi.2ch.net/test/read.cgi/kankon/1221518892/l50#tag126

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