君との思い出

2008/11/13 19:05 登録: えっちな名無しさん

君とは子供の頃からずっといっしょだった

ご飯を食べるのも

お風呂に入るのも

夜寝るのも

いつも二人いっしょだった

夜遅くまで公園で遊んで、いっしょにお母さんに怒られたこともあった

一人っ子の僕にとって、君は一番の友達だった

永遠に続くかと思われた楽しい日々



―─ 時の流れが憎い



あいつは、徐々に君の体を蝕んでいった

ある日、耳が聞こえなくなった

ある日、目が見えなくなった

そしてついに…歩くことも困難になった



―― 時の流れが憎い



君が生まれて11年と2ヵ月目のあの日

冬の寒い日だった

いつも家の中で寝ているはずの君が、表で僕の帰りを待っていた

「元気になったんだ!」

僕は嬉しくて、抱き抱えていっしょに家の中に入ったんだ


……でも。

腕の中で君は眠ってしまっていた

それから二度と起きることはなかった

どうして眠っているの

もう一度遊ぼうよ

僕は震える手で、何度も君を起こそうとした

それを見ていたお母さんが、涙を浮かべながら「もう眠らせてあげなさい」と言った

僕はこの日、涙が枯れるくらい泣いた




あれから六年…今でも一粒の涙とともに、君との思い出が甦ることがある

でもそれは悲しみではなく、心温まるとても優しい記憶



今、僕とは違う世界にいる君へ

まだ先の話になりそうだけど、いつか必ず会いにいくから…

その時はまたいっしょに遊ぼうね



出典:オリジナル
リンク:オリジナル

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