暴れ護神 続(宮大工番外)
2008/11/17 09:37 登録: 一つ貼り忘れたorz
その後、北海道旅行は楽しく進みました。
ただ、とある神居古譚にて不可思議な体験をしたり、
摩周湖近くに有る神の子池で羆の神と出合ったりしましたが、
それはまたの機会にお話します。
私はこれ以降に猪神には数度助けられるのですが、
彼はいつも怒っていました。
しかし、もう一体の猪神は彼と違い、
私に優しく接してくれましたが。
時が過ぎ、私が○○様(宮大工氏)と再会し、
神だった時の意思を取り戻した時。
あの猪神と私の関わりの記憶も戻りました。
かつて、大神様に仕える為に朧と共に修行の日々を送っていた頃。
優しく、強く、気高い朧には様々なモノがいつも纏わり付いていました。
そして、まだウリ坊だった彼等兄妹もその中に居たのです。
有る日、やんちゃだったウリ坊の兄は
とある勢力の強い神の大切な神木を誤って倒してしまい、
罰を受けさせられてしまいました。
それは、とても厳しく、辛いモノでした。
いつも一緒だった妹は兄の為に泣きながら許しを請いましたが、
勢力の強い神は厳しく咎め、許してはくれません。
その時、朧は兄妹の為に自分の大切なとあるモノを
勢力有る神に進呈し、猪兄の罰を免じさせてもらったのです。
その恩を強く感じた兄妹は、私と朧が修行している山に登ってきて
朧に恩返しをするにはどうすれば良いか問いました。
その時、朧は答えたのです。
朧が最も大切に想っている、私(オオカミ様)を護ってくれと。
その時から、兄妹は私を様々なモノから護ってくれました。
時には大怪我をしながら。時には自分よりも遥かに格上なモノと戦い。
そして、いつの間にか暗がりの者達の間で
「オオカミを護る暴れ猪」
として一目置かれるほどの存在となっていました。
彼は朧を主と崇め、その朧が最も大切な存在とし、
朧の伴侶となる筈の私を命賭けで護り続けてくれました。
また、私も猪兄妹とはとても仲良くなり、修行の間には
一緒に転げまわって遊んだり、彼等と丸まって眠ったりして
お互いに代え難い存在となっていきました。
しかし、朧と添う筈だった私は人間の男に恋をし、
朧に助けられてまで人へと転生してしまったのです。
暴れ猪の怒りと悲しみは天地を揺るがす程のモノだったそうです。
主である朧は力の殆どを奪われてしまった・・・
悲しみと怒りに打ち震える猪の前に現れた少年の朧は、
しかしこう頼んだそうです。
これからこそ、お前に彼女を護って欲しいのだ、と。
そして、猪神は私に対する憎しみと悲しみと愛情を抱え、
表現しようも無い複雑な心理状態で私を護る為に降臨したのです。
現在、彼等兄妹は朧の元でとある事を待っています。
そして、とある事が起きた後は、守護すべき新たな存在を見出し
ラビちゃん、ピョンちゃん、そしてもう一対の守護神と共に
様々なモノから守ってくれる事でしょう。
出典:現代不思議忌憚異聞録
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