本当は愛されていた嫁
2008/11/25 21:06 登録: えっちな名無しさん
3年前の話。
当時俺は28歳
元嫁27歳
娘4歳
大学で元嫁に告白されて付き合いだし、俺が社会人1年目の時に娘を妊娠。
そのまま結婚した。
当時は元嫁も明るく、友達も多い今時な女性だった。
出産当時は娘の事も可愛がり、家事もキチンとこなしてくれてた。
ところが娘が嫁になかなか懐かなかったのが全ての始まり。
実の娘に好かれない元嫁はそのイライラを躾と称した虐待で晴らすようになる。
俺も俺なりに元嫁を支えたが、仕事に出ている間に娘の傷は増えるばかり。
同僚や友人たちは離婚して俺が娘を育てるべきだ、と口を揃えて言うようになった。
しかし、俺はそれを聞き入れなかった。
いつか変わってくれると信じていた。
たぶん、あの頃は娘よりもまだ元嫁の事を愛してたんだと思う。
今では酔ってたんだなと思う。
俺が仕事に行く時はなるべく義母に来てもらって元嫁を監視、娘を守ってもらってた。
さすがに自分の母親の前では娘を殴ったりはしなくなり、良き妻、良き母として生活してくれていた。
しかし、娘は一向に母親に甘えたりしなかった。
俺が家にいる時は常に俺の膝の上。
俺が「ママの所に行っといで」と言ってもすぐに戻ってきてしまう。
どうしたら良いのかとかなり悩んだ。
俺も悩んだが、元嫁はもっと悩んでいたと思うし、苦しんでいたと思う。
元嫁は次第に家事を義母に任せきりになり、娘とも接しなくなっていった。
多分、元嫁が浮気しだしたのもこの頃からだと思う。
娘に愛されないストレスを暴力で晴らしてきた元嫁が、そのやり場のない負の感情を向ける場所が他の男とのセックスに繋がるのに時間はかからなかったのだと思う。
俺もなんとなく気づいていたが、元嫁の気持ちを考えるとなかなか追及したり出来なかった。
変わり行く元嫁を見て俺もかなり体重が減り、あまりの衰弱ぶりに上司が有給で休みをとってくれたりしていた。
離婚するしかない、と思ったのは事実。
それでもどこかでやり直すきっかけを探していた。
そんな中で元嫁から離婚を切り出された。
聞くところによると、相手の男が結婚したいと言っているそうで、元嫁は俺との結婚生活や娘にはなんの未練も無いと言っていた。
義父母は猛反対していたが、逆に俺は冷静だった。
このまま仮面夫婦的な生活を送るより、新しい生活を始めた方がお互いにとって良いと。
結局慰謝料も財産分与も無し。
少しの生活費(俺が渡した)と衣服を持って元嫁は出ていった。
生きている元嫁を見たのはこの時が最後だった。
結論から言うと、間男は元嫁と結婚する気などさらさら無かったようだ。
その場その場のセリフ、恐らく流れで言ったであろう「結婚したい」とのセリフを元嫁は本気で捉えてしまったのだろう。
俺たちが離婚し、元嫁が本気だと悟った瞬間、間男は姿を消した。
離婚する時に義父母から縁を切られた元嫁。
帰る場所、安らぎの場所を失い、人生全てに絶望した元嫁は、見知らぬ男女と共に車の中で練炭による集団自殺をしていた。
遺品の携帯の未送信ボックスには、俺と娘あての遺書が遺されていた。
本当はやり直したいこと。
俺と娘を本当に愛していること。
でももう迷惑はかけたくないこと。
最後は「ごめんなさい」で締めくくられていた。
これを打っていた時の元嫁の気持ちを考えると涙が止まらなかった。
離婚などしなければこんな事にはならなかったのではないか。
もっと強く間男と別れさせておけば良かったのではないか。
あれこれと自問自答の繰り返しだった。
義父母は籍を抜いたにも関わらず、喪主をして欲しいと言ってくれた。
式が終わり、出棺前の最後の対面の時、娘が号泣した。
「ママ死んじゃったの?」
「ママ起きて」
涙を流しながら何度も何度も元嫁に話しかけていた。
本当は娘も元嫁を愛していた。
そう直感した瞬間であり、元嫁の死を最も悔やんだ瞬間でもあった。
あれから3年。
娘も小学生になり、すっかり女の子らしくなってる。
娘は毎日元嫁の仏壇にご飯を供え続けている。
娘に虐待の記憶が残っているかどうかは分からない。
でも、娘が母親を今でも大切に思っている事だけは自信を持って言える。
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