高速バスの女[1]
2008/12/17 01:11 登録: えっちな名無しさん
僕はその若い女を横目でちらちらと見続けていた。
( こんないい女、見たことない・・・今日はついてる! )
僕がいま乗っているバスは、信州から新宿までの高速バスだ。
2ヶ月ぶりに信州まで行った僕が、帰りに乗ったこの高速バスで出会ったのが彼女だった。
実はバスに乗る前、信州の始発バス停で並んでいる時から彼女には目を付けていたのだ。
ベンチに座る彼女の、その思わず目を見張らされる、上品でいて女優のように美しい面長の顔立ち。
さらさらと流れる肩の先まである美しい黒髪。
若いのに今時の女のように髪を染めていないその黒髪の美しさにも目を奪われた。
他にも若い女は何人も並んでいたが、彼女の美しさはまるでガチョウの群れの中に舞い降りた白鳥のようだった。
優しげなラインを描いている眉の下には、理知的で大きな瞳が人を吸い寄せるように輝いている。やや日本人離れをしたスッと通った鼻の下には、少しぽってりとしていかにも柔らかそうな薔薇色の唇。
思わず振るいつきたくなるような白い肌。ほっそりとした首筋。
そしてモデルのごとくしなやかで見事な身体のライン。
バスが到着して彼女がスッと立ち上がると、その見事な身体のラインがさらに明らかになった。
身長は168cmくらいはあるだろうか。
ライムグリーンのワンピースからスラッと伸びたしなやかで美しい脚。
ややミニのワンピースから見えている太腿の部分はほんのりと脂が乗っていて、思わず頬をよせて触れたくなるほど魅力的だった。
日本人としてはやや長めのその腕もしなやかに伸びていて、白魚のごとき指先は今まで一度も家事をしたことがないのを物語っている。
いかにも良いところのお嬢さんといった感じだ。年の頃はまだ20歳くらいだろう。
やや細身の体つきであったが、ウエストはキュッとくびれ、そこから腰にかけてのラインも思わず生唾を飲み込むほどに見事なもので、男の欲望をそそらずにはいられなかった。
彼女の後についてバスに乗り込み、彼女が席に着くのを見届けてから、僕は通路を隔てて彼女のすぐ横の席に座った。
( お嬢さんのその綺麗な顔と美味しそうな身体、じっくり楽しませてもらいますよ・・・ )
それ程人数が多くなかったので、真横に座るのはやや不自然とも取れたが、そんなことを気にしていられなかった。
それ程彼女の魅力がまさっていたのだ。
雅美は自分の横に男が座ったのをちらっと横目で見たが、いつもの事とそれ程気には留めなかった。よくある事だったのだ。
彼女自身は自らの美しさをまったく気にかけてもいなかったのだが、回りの男は放っておいてはくれなかったからだ。
その27・8歳とも見える男の存在は、すぐに雅美の意識から消えていた。
雅美はこのバスに乗るのは初めてだった。
いつもなら友達か自分の車で旅行するところだったが、一度でよいから一人旅というものをしてみたかったのだ。
子供の頃から両親に大事に育てられてきた雅美は、その両親の手の中から少し羽を伸ばして、一人で自由な時間を過ごしたいという想いが強くなっていたのだ。
そんな想いもあって、今回初めて一人でバスの旅というものをしていたのだった。
今日は途中で湖のほとりにある瀟洒なホテルに一泊し、明日、自宅に帰る予定を組んでいた。
そのホテルは前々から雑誌などにも載り、そこのレストランで出るデザートとスイーツは評判になっていた。
雅美も一度は泊まってみたいと思っていたのだった。
( もうじきホテルね。うふ、今晩のお食事楽しみだわ )
バスの窓を少し開け、そこから入ってくる初夏の風に気持ちよくその美しい黒髪をなびかせていた雅美だったが、ふと横からの視線を感じた。
ひょっとしてと、ちらとあの男の方を見ると、案の定、さっきの男が雅美の方を見つめていた。
(いやぁ〜ねぇ、あの人。さっきから見ていたんだわ。でもいいわ、どうせ今度のバス停で私は降りるんですもの。)
そう自分に言い聞かせ、雅美はその男の存在を忘れようとして、再び窓の外に顔を向けた。
僕は夢中になって彼女の姿を見続けていた。
真横から見つめていると、彼女の胸がけっこうあることに気付かされた。
ふわっと胸を覆っているワンピースの膨らみは思いのほか前方へと張り出していた。
( こりゃ、DカップかEカップくらいあるかもしれないな・・。あぁ、あのオッパイをこの手で思いっきり揉んでやりたい・・・ )
そんな助平な想像をしながら僕は彼女の姿を、そして美しい面立ちをさらに眺めながら、
( あ〜、一度でいいからこんな綺麗でスタイル抜群のお嬢さんとやりたいよ!)
と、ほとんど涎を垂らさんばかりにして彼女を見つめ続けていた。
すると彼女が立ち上がった。
そして棚の上においてあるヴィトンの旅行かばんを降ろし始めたのだ。
( え、え?新宿まで行くんじゃなかったのか?!)
ずっと視姦し続けるつもりだった僕は慌てた。
すでに高速バスは減速していて、まもなく途中のバス停に止まるところだった。
あまりにも彼女に気をとられていた僕は、そのことにさえ気付かなかったのだ。
高速バスが止まると、彼女はスッと足を踏み出し、ドアに向かって歩き出した。
( どうする?・・こんないい女、このまま諦めるのか?!)
僕はあたふたとし、一瞬迷ったが、次の瞬間にはバッグをつかみ彼女の後をつけるようにバスを降りた。
雅美がバスを降りて、少し先にある瀟洒なホテルに向かい始めると、後から足音が聞こえてきたので思わず振り向いた。
すでに夕方を迎え少し暗くなっていたが、その男の顔は分かった。
( え?!嘘!さっき私のこと見ていた男だわ。あの人もここのホテルに泊まるの?)
どう見てもこんなホテルに泊まるような感じではない男なのだがと、一瞬不安がよぎった雅美だったが、そこはやはりお嬢様育ちだ。
それ以上の疑いを抱くことはなかった。
雅美はそのままホテルへ歩いていき、フロントで手続きを始めた。
彼女が名前を告げるとホテルマンは一瞬彼女の美しさに目を奪われた様子だったが、すぐにテキパキと業務を始めた。
雅美が部屋の鍵を受け取り、エレベーターホールへと歩いていくと、驚いたことにあの男が立っていた。
( この人フロントに来なかったわよね?何でここにいるの?)
さすがに雅美も胸が不安に波立った。
エレベーターがやってきてドアが開く。
一瞬迷ったが、やはりお嬢様育ちの雅美はそこまで人を疑うことを知らなかった。
すぐに足をエレベーターの中に向けた。
彼女がエレベーターに乗ると、あの男も同じエレベーターに乗ってきた。
( 嫌だわ、この人。まるで私のことを付けてるみたい )
そう感じながらも7階のボタンを押す。エレベーターが上り始めたが、その狭い箱の中で見知らぬ男と二人。
不安と息苦しさを感じ、雅美は落ち着かなかった。
エレベーターが7階に着き、ホッとした雅美はエレベーターから降りた。
「えーと、どっちかしら?」
ルームキーの番号と通路の案内を見、廊下に並ぶドアを見る。
( あ、あそこだわ! )
見つけた自分の部屋はそこからいくらも離れていなかった。
雅美がそちらに歩みだそうとした瞬間、突然目の前にあの男が立った。
( え?!嘘。何、この人。同じ階で降りたの?!)
雅美は驚いて思わず身をすくめた。
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出典:高速バスの女
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