ペ二バンを頭に被る者

2008/12/28 00:17 登録: ゼファー750

「石川さん!どうも、ありがとうございました!!」
気合の入った店員さんの声と同時にまるでバイブの音の様な音をたてて開くドリームの自動ドア。
そして買ったばかりの、この自慢のぺ二バンスクーターを跨り鬼の形相でキーを捻る。
「バッギン!!!」
鍵を捻るとメーター類が灯火し実に様々な動きをする、そして最後にメーターの真ん中に「野生ペ二バン!」と言うDNオーナーの熱くネットリとしたマインドを、最高にくすぐるDN−01のキャッチフレーズが極太の文字で表示される。
そして自慢の変態面でセルぼボタンをめっちゃ力強く押す。
キュルルルルル……ドルピ!!ピヒョヒョヒョヒョ。
「感じるぜDN−01お前のビートをよ……俺のボディー全部でよ………」
「フフッ…DN−01 おめーとうとう付けちまったな…俺のハートにファイヤーをよぉ?ククク…止まらねぇーぜ?もう…」
フルスロットルで店を後にして彼が目指すのは高速道路。
「行くぜ!チンコサック!(DN−01)」
高速の合流も難なくクリアし最寄りのサービスエリアで休憩していた時であった。

身長190は、あるであろうか長身・長髪の男、身なりはFF7に出てくるセフィロスの様である、そのセフィロスが石川の眼前の立ちはだかり「珍しいスクーターに乗ってるな、こんなぺ二バンスクーターに乗ってるなんてよっぽどの基地外だろ?」
自慢のスクーターを悪く言われムッとした石川は、DN−01のサイドバックから自慢の長さ30センチのぺ二バンを取り出し、それを頭にがっちり被りセフィロスの眼前に立ちはだかり二ヤリと微笑みながら「じゃ、アンタは何乗ってんだよ?」
「俺はあのブガッティのベイロンだ」
石川は間髪入れず「フッ…所詮車ではバイクに勝てねぇーんだよ、おととい来な!あばよ!」
「聞き捨てなりません、石川智也さん何なら勝負しませんか?私のベイロンと。」
「えぅ…まぁ…良いけど……ん!?なんでお前、俺の名前を!」
「貴方が頭に被ってる変な肉棒の所に(石川智也専用)って書いてあったので、じゃあ勝負しましょう、あの時計の鐘があと3分で鳴る、それを合図にスタートで良いですね石川智也さん?」
「じょ…上等だよゴルァ!」
二台のマシンが並ぶ…
セフィロス(さしずめリミッターが作動して180キロが良いところかな)
石川智也(まぁこんな、どこのメーカーが作ったのかも分からんこんな車は大概ハッタリの見かけだけでスポーチィさなんてあるまい)

キーンコーン、、、カーンコーン、、、
「行きますよ!石川さん!」
「ウォーーー野生とぺ二バン!!」
W型16気筒4ターボエンジン・ミッドシップのベイロンがフル加速!!!
「な…何だ、あの速さは!?」
一気に260キロまで加速するベイロンに一瞬でミラーの点にされるDN−01。
「勝負ありですね石川さん」


ピョォ…
ピブー…ウッ!

ピヒャーーーーーー!!!!
「ん!?なんだあれは?」
「舐めんなよロン毛ーーーーーーーー!!」
「い…石川さん!?そんな馬鹿な!260キロ出てるのに!何故だ!?」
「へ…リミッターが作動して180キロ程度が関の山とでも思ってたのか、このロン毛野郎…リミッターならさっき走りながら配線をブチ抜いてやったぜ!!舐めんなよ!」
「流石ですね石川さん…少々本気を出しますよ」
そう言うとセフィロスは更にアクセルを踏み込み、時速350キロまで加速。
「く…もう6足でレブリミット寸前…ここまでか…ウォーーーー!!!!」
ガギョン!!ギョギョギョギョイ!!!!
DN−01の腰下から鈍い音がした、それと同時にエンジンの回転数に余裕が出た。
「こ…これは!?」
DN−01の速度計の横のギアのポジションランプがなんと、あるはずのない「10足」を示していた。
「チンコサック……おめぇ……行くぞ!」
ギア10でフルスロットルで加速するDN−01。
「ロン毛〜!!!俺を振り切れると思うなよ!!」
この時、石川智也のDN−01はギア10・エンジン回転数8000rpmで時速402キロまで到達していた。
「そんな馬鹿な?!なんでスクーターが?いよいよ、この私を本当に本気にしてしまいましたね、こっちもアクセル全開でアナタの誠意に答えます!行きますよ!」
ブガッティ・ベイロンとホンダ・DN−01が高速道路(東北道)を時速約410キロで北上し爆走していく…
菅生パーキング・エリアを過ぎたと同時に石川のDN−01に異変が出始めた。
「タ…タイヤのゴムが削れて無くなって行くのが分かる…だ…駄目だ!!」
ゴリッ!ガキ!ガイン!!!
鈍い音と共に石川のDN−01が左右に大きく揺れ、時速410キロは出てるバイクから石川は放り投げられ高速道路のアスファルトに叩き付けられた。
石川のDN−01も転倒し、410キロの慣性が災いして己のボディーを破壊しながらアスファルトを滑走して行く。
「石川さんアディオス」

「く…お、俺は生きてるのか?」
石川はむっくりと起き上がった、起き上ったと同時に体中に激痛が走った。
左腕は、あるまじき方向にへし折れ、左脇腹からは内臓がニョロッとはみ出て、胸からはろっ骨が飛び出ていた。
これら以外にも体のいたるところに傷があり、そこから血が出血していた。
プルルルルルルル…プルルルルルルル…
石川の携帯が鳴った。
血まみれの手で、通話ボタンを押し電話に出る。
「智也か!?」
電話の相手は俺の親父だった。
「さっきな…婆ちゃんが急に容態が変わって、もう医者がダメだと言ってる……おめぇの顔が最後に見たいと婆ちゃん言ってんだ、今どこのいるんだ?いますぐ来てくれ」
「なに!?俺のバンチャ〜マンが!?今菅生パーキングエリアにいる」
「す、、菅生パーキングエリアだと!何で、そんなとこにいるんだ?もう婆ちゃんが……婆ちゃんがよぉ……」
「ゴフッ、あぁ…大丈夫だ…すぐにいく」
そう言うと石川は電話を切った。
「バンチャ〜マン、あの病院まで今からワープかけっから俺が行くまで死ぬんじゃねぞ」
石川はボロボロになったDN−01を起こした。
「ちっ…タイヤのゴムはもう使い物にならない、タイヤ・ステップ・カウルはもう全部バキバキだから、ここで捨てて行くか、、問題はエンジン掛かるかだな、、、」
石川はDN−01に鍵を差し込み鍵を捻る、初めて鍵を捻った時と全く同じ様にメーター類が様々な動きをした後に「野生とぺ二バン!」とメーターの真ん中に表示される。
「際立つ、、ハァ…ハァ…個性と高級感、、、」
そのセリフと同時にセルを押す、、、、
キュッキュキュッ……キュルピッピッ!!ピヒョヒョヒョヒョヒョ!!
「、、、チンコサック、、、おめぇって奴は、、、行くぜ!!」
ギャギャギャ!!!ゴリゴリゴリ!!!
タイヤが無くなりホイールだけの石川のDN−01が火花と鮮血をまき散らしながら高速道路を南下する。

一方病院では、「バンツァン…今智也が、この病院までワープで来るんだと、、、」
「智也にDNの真実を教えるまでは死ぬに死に切れん、まぁ智也が来るまで、しゃぶしゃぶでも食うべ」
「、、、、そうだな、さっき電話で菅生パーキングエリアにいるって言ってたから時間かかるだろうし」
「よし決まりじゃ!」

一方、石川は、高速道路の料金所のオッサンをDN−01のマフラーで頭をかち割り料金所を強行突破し、信号無視・他車をガンガン煽り・一時停止無視・原付小僧は蹴り倒し時速約100キロで下道を駆け抜ける。

「や、やっと病院に着いたぜ…」
「ん?!あれは智也だ!バンツァン!早くベッドの中に。」
「あいよ!」
病院に入るないなや、皆ギョッとする。
当然である全身血まみれ、内臓は出てる、あらぬ方向に腕が曲がってる胸から骨が飛び出ている、人間を見てぎょっとしない人間なんているわけがない。
医者・看護婦が彼に駆け寄る。
「邪魔だ!このクソボゲ共!」
「しかし手当をしないと、、、ゴフッ、、ゴ…ゴ」
「邪魔だって言ってんだろ、、、」
石川は医者の口の中にぺ二バンをぶっ刺した。
「おい、看護婦……俺を止めたきゃ、、、止めても良いんだぜ…」
この時、看護婦は全員引いていた。
「フッ、俺に触ると火傷するからな気をつけな、、、」
石川はそう言うとお婆ちゃんの部屋へ向かって行った。
「がらっ、、、」病室の扉を開いた、そこには小さいころから智也の面倒を見てくれたお婆ちゃんが顔に真っ青なペンキを塗って横たわっていた。
「どうしたんだよ、、、バンチャ〜マン」
「実は死にそうなんじゃ、でも死ぬ前にDNの真実を知ってもらいたかったんだ」
「DNの真実?ってなんだ?」
「智也…DN−01は野生とぺ二バンじゃ」
「バンチャ〜マンそんな事は分かってるよ!そして際立つ個性と高級感でしょ?」
「これ!まだ話してる途中じゃ!DNは高級:感:だけで終わってしまう虚栄の高級、そしてDN−01オーナーは頭にぺ二バンを被り天をガンガン突く!!DN−01オーナーの誇りを忘れるな!!!!!!!!!!!!!!」

そして今朝、親父が息を引き取った…俺はDN−01に乗りながら、いつも頭にぺ二バンを被ってる、そして俺が被ってるぺ二バンには愛しのバンチャ〜マンが座ってる。
いつもバンチャ〜マンを頭に乗せてツーリングしてる。
こんな頭にぺ二バン被ってるなんて俺は正直異常かと思ってた、しかしDN−01オーナーは皆頭にぺ二バンを被っていたのだ、やっぱ俺と気が合うのは全国のDN−01オーナーの皆さんです。

これからもDN−01オーナーの皆さん、応援よろしくお願いします!ぺ二バンを頭に被り一緒にぺ二バンで天をガンガン突きましょう!!!
DN−01の全国ミーティングも是非皆さんのぺ二バンを見たいです。(*^_^*)

出典:DN−01オーナーはペ二バンで天をガンガン突く!!
リンク:DN−01は野生とぺ二バン!

(・∀・): 80 | (・A・): 32

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