宇宙世紀0079年
2009/01/06 23:09 登録: えっちな名無しさん
人類が増えすぎた人口を月に移民させるようになってすでに半世紀。
月面には、巨大なドームが数百棟並び、人々はその半球の内部を人口の大地とした。その人類の第二の故郷で、人々は子を産み、育て、そして死んでいった。
時に宇宙世紀0079年。
地球から最も遠いドーム内にある「おかりや出版社」は新たな新聞を発行し、地球連邦出版社に対し購買部数競争を挑んできた。
「編集長。ちょっといいですか」
「原稿落としてばかりの君か。珍しいな。」
「わたし、最近思うのですが、月はそろそろ地球から独立した経済規模を持っていると思うのです」
「うむ、たしかにな。もはや月はフロンティアではない」
「しかし、市民は、いまだに地球にコンプレックスを抱いてるんではないですか?」
「ふぅむ。それは否めんが、しかしいったい、君は何が言いたいのだ?」
「はい、そこで、ですね、月面市民の意識を集約すべく、月独自の新聞を発行してみてはいかがでしょうか?」
「なるほど、それは盲点だったな。よし! 上に掛け合ってみよう。もしかすると、社会を変えるかもしれないぞ! でかした!」
「ありがとうございます! あ、ひとつよろしいですか」
「お、なんだね」
「私、勇み足気味ですが、新聞の名前も考えてあるんです。」
「用意がいいな。言ってみたまえ」
「月面経済新聞というのはいかがでしょうか」
「おお! 略して『月経新聞』だな!」
発行以来一ヶ月あまりの戦いで、月経新聞は総社員の半数を死に至らしめた。社員は自らの行為に恐怖した。
出典:おかりや的SF小説
リンク:http://www.doblog.com/weblog/myblog/2815/215946#215946
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