昔話

2009/03/04 15:21 登録: えっちな名無しさん

昔々都には「金姫」と呼ばれる大そう美しい姫があった。
金姫は小さい頃からその美しさで多くの男達を魅了し

アレが欲しいといえば誰かが与え
コレが良いといえば誰かがほどこした。

ソレほどまでに金姫は若く美しく
金姫の思うようにならぬ事などこの世にありはしなかった。

あるとき男達を集めた席で金姫が男達に問うた。
「わらわに見合うものはこの世にありましょうや?」
「ソレをわらわに下さるれ」
男達はこぞって金姫の美しさにつりあうものを考えた。

ある男は「金姫の美しさは黄金に勝る価値がある」といい
金姫と同じ大きさの黄金を金姫に
又ある男は「金姫の美しさはそれ以上の価値がある」といい
金姫よりはるかに大きい黄金を金姫に献上した。

2千両3千両と金姫の価値は競り合う男共の間でドンドンあがっていった。


しかしその金姫の美しさにも年を重ねるにつれ陰りが見えてきた。
それに代わる様に都には新たに美しいと評判の娘が生まれた。

金姫のように美しくそして若い「心姫」だった。
心姫は欲の無い清く優しい姫だった。

心姫が現れるとソレまで金姫に集まっていた男達は
あっという間に金姫から離れていった。

金姫の家に運ばれてきた黄金は今度は心姫の家に運ばれるようになった。
しかし心姫はどんな黄金も受け取ろうとはしなかった。

「ならばコレなら受け取るだろう」と
男達はこぞってより多くの金を運んできたが
どんなに多くの金をつまれても心姫はソレを受け取らなかった。

やがてそんな心姫も年を重ねて美しさを失っていく
それに代わるように都にはまた新たな姫が生まれる
姫の名前は新姫といった。
男達の興味は心姫から新姫へ移っていった。

そんな中でも心姫のもとにあいも代わらず通う男がおった。
あるとき心姫は男に聞いた。
「わらわは年を重ね美しさもうせました。」
「そんなわららより若く美しい新姫のほうがよいのではありませんか?」と

男は言いました。
「貴方は始めてみた時と同じ今も十分に美しい」
「貴方の価値は金にも他の何にも例えることが出来ない」
「例え100年たっても200年たってもその価値は失われないでしょう」
「私はそのような姫と生涯を共にしたいのです」と

心姫はその男と結ばれ末永く幸せに暮らしました。


お終い

出典:妄想昔話だよ
リンク:わぁい

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