もう何年前になるかな
2009/03/11 09:42 登録: えっちな名無しさん
454 :398 ◆1PDJb0q8HI :04/12/24 15:29:08
それではいきます。長文は久しぶりなので・・変な箇所とかあったらすいませんorz
もう何年前になるかな
高校1〜3年の時の話
地元からちょっと離れた高校に入学した。
元中の連中はそんなに居なかったけど、
クラスメイトは良い奴が多くてすぐ打ち解けられた。
そんな中、俺の隣の席にHという女子がいた
めっちゃ可愛くて、気が利いて・・
良くあるそのクラスのマドンナ的存在だった。
隣の席であるのもあってか、まだそんなには気にしてはいなかったけど
他数人を交えてよく授業中とか昼食時間に喋っていた。
5月くらいに球技大会があった。種目はバスケ。
それで試合中に自分がこけて膝を擦り剥いた。
転んだのが体育館だったせいもあり火傷みたくなってかなり痛かったんだけど
ちょうどHが保健委員で保健室まで連れて行ってもらった
先生がたまたまいなくて、Hが傷薬やら包帯やら全部してくれた。
H「もう大丈夫かな?」
俺「あぁ・・うん」
そんな優しいHを見て
H「なんか顔赤くない?」
俺「ううんなんでもないよ」 俺はもう惚れていた。
それからしばらくして夏休み前
クラスがある程度グループで固まってきたころ
男友達数人で集まって、テストの成績で簡単な賭けをしていた
阿弥陀くじで決める罰ゲームは他愛の無いもので
"昼飯おごり"や"1週間パシリ"などだった
でもその中に一つだけ爆弾があった
負けたのは、Iだった
そして罰ゲームの阿弥陀くじでそいつは爆弾を引いてしまった
"好きな奴に告る"
引いた瞬間Iは苦笑していた
I「俺、今好きな奴いないんだよなぁ」
皆「罰ゲームは罰ゲームだし、誰かにはしろよー」
少しIは悩んでいたが 「それじゃHさんにでもするかな」
(え・・)Iの発した言葉に驚いた
Iが言うには好きな奴がいないから、せめてクラス内で一番可愛いのにしたんだそうだ
俺はちょっと動揺したけど、所詮ゲームだしって安心感はあった
そして放課後、I以外の全員が隠れて見守る中IがHを呼び出した
I「あぁ、これ仲間内の罰ゲームだから気にしないでね」
H「え?」
皆で「そういう展開かよ」って笑ってた
I「いや、テストで賭けしててさ。それで好きな奴に告るって奴が当たっちゃって」
H「・・・」
I「でも、俺今好きな奴ってそんなにいないからさ。でも誰かにはしろよって言われて」
笑いながらIは話していた。ほんとにHさんの事何にも思ってないんだなってのを感じてた
I「それでHさん可愛いし、Hさんならいいかなって思ってさ」
I「こんな俺で良ければ付き合いませんか?」
H「え・・あ・・」
Hがパニくる中、Iは背伸びをして「あ〜、やっぱ告白するってかたくるしいねー」
(なんて図太い奴だ)って目線で合図を送りながら全員が顔を見合わせた。
I「ホント冗談みたいなものだし気にしないでね。それじゃ、俺は帰るね」
Iが教室を出ようとした時、Hが口を開いた。「んと・・あの・・」
I「ん?あぁ、冗談だよ?」
H「・・冗談じゃなくても・・いいかな・・?」
I「へ?」
俺は嫌な予感がした。
H「その・・好きかも・・I君の事・・」
I&俺「・・・!?」
H「あのさ・・授業でわからないこととかいつも教えてくれてたりとか」
H「普段から面白い人だなって思ってたし・・」
H「なんだろ・・上手く言えないけど・・一目惚れなのかな・・?あはは・・」
Hは顔を真っ赤にしながら話していた。Iは・・笑ってた気がする。
確かにIはそこそこ顔もいいし、性格も良い。おまけに勉強できる(賭けはテストでトップの奴が負けというルールだった)
俺は手に汗を握りながら話しを聞いていた。
H「I君って今まで彼女とかいたことある?」
I「いや、ないけど・・」
H「それじゃ、付き合ってみない?私もそういうのまだないし。何事も経験だよ」
I「そんなんで付き合っちゃっていいの?」
H「告白してきたのはI君だよ?」
I「まぁ・・そう言われればそうだけどさ」
もうその時にはみんなですごすごと退散し口々に「Iの奴いいな〜」とか言っていた中、俺は一人凹んでいた。
夜になって、Iに電話した。
俺「結局どうした?」
I「あぁ、なんかOKもらった」
俺「なんかって・・適当な言い方だな・・」
I「ん〜・・あんまり好きって感情ないしな。とりあえず付き合うことにはなったけどさ。
これからどうなるかわかんないし」
俺「・・おい、I」 たまらなくなり俺は声を荒げた
I「ん?」
俺「そんなんなら、俺がHさんに告るぞ」 少しの間、そして
I「・・お前、Hの事好きなの?」
俺「・・あぁ」
I「・・・まぁ告るなら好きにしろよ。別に恨みに思ったりはしないからさ。
俺は俺のペースで付き合うだけだし、俺がHに振られたならその時だ」
そのあとは少し口論気味になったけど、お互い好きにするって感じで話が終わった。
結局俺は告白する勇気が起きず、夏休みを迎えた。
HとIは同じ部活、俺は違う部活だった。
たまに登下校中や部活の合間に二人を見かけた。
最初の頃はただの友達関係にしか見えなかったけど、夏休みも終わる頃には
はたから見ても彼氏彼女に見える付き合い方をしていた。
そして夏休みも終わり、2学期が始まった。
夏休み前にはなんともなかったHとIの付き合いを見て
クラスの男子の幾人かが凹んでいた。
「Iの奴、いつからHさんと付き合ってたの?」
「あ〜、俺Hさんの事狙ってたんだけどなぁ」
そんな愚痴を陰で聞きながら、俺は表向きは普通に振舞っていたけど実際は憂鬱な日々を過ごしていた。
2年生になり俺はHとクラスが同じになりIは別になった。
IとHは変わらず付き合っていたが、クラスが変わってしまってIとはあまり話さなくなってしまった。
俺は他に好きな人もつくらず、たまにHをIを引き合いに出して冷やかしながら部活や勉強に励んでいた。
12月だったか。今まで休んだことのないHが休んだ。
担任「Hさんは倒れて入院中だそうです」
少しクラス内がざわめく。学校後、見舞いに行った。
俺「大丈夫?」
H「うん、ちょっと疲れてるだけだって。わざわざありがとね」
Hは少しやつれたように見えた。
俺「Iはもうちょっと気遣ってやれよな」
H「お願いしま〜す」
そう言ったHの笑顔が少し曇っていたのが気になった
3日後Hは退院し学校に戻ってきた。
そしてまた普段に戻って・・は行かなかった。
今まで超真面目で通っていたHが授業中に居眠りすることが多くなった。
俺「なんか居眠り多くない?今まで見たことないから気になっちゃったよ」
H「あー、ちょっとね」
俺「まぁ言いたくないならいいんだけどさ。あんまり無理すんなよ」
H「うん、ほんとありがとね」
そしてその2週間後、またHが入院したとの事が担任から伝えられた。
"おいおい、どこか体でも悪いのか?"そう思って今度は一人で見舞いに行った。
俺「ほんと大丈夫?」
H「うん。なんかね、過労だってさ」
俺「過労って・・バイトかなんか?」
H「かな、ちょっと最近忙しくてね」
どこか遠くを見ているようにHは答えた。
俺「そっか・・でも少し休んだ方がいいよ?」
H「そうなんだけどね・・少し事情があるから・・」
俺は聞こうか悩んだけど、Iにも言えない事があるかもしれないと思い
俺「俺には言えない事情?良ければ相談乗るよ?」
聞いてみることにした。
Hはちょっとうつむいてから
H「うん・・でも迷惑かけるとまずいから。私の問題だしね」
俺「そっか・・あんまり溜め込まない方がいいよ」
H「うん、いつもありがとね」
そんな彼女の見せた微笑みに忘れかけていた恋心が蘇ってきた。
顔が紅潮していくのを感じた俺は急いで病室を出た。
その後Hは退院したが、相変わらずバイトか何かを続けているのだろうか。
授業の居眠りの回数は変わらなかった。
そして1週間もたった頃、Hがまた休んだ。
俺「また入院ですか?」
先生「いや、今度は違うって親御さんが言ってたぞ。」
"どうしたんだろうなー"と思っていた時、友人から噂が流れて来た。
「IとH、別れたらしいよ」
内心「え?」って思った。あんなに仲良かったのに、どうして・・
俺は急いでHに電話をした。
俺「学校休んでどうしたの?また具合でも悪いのか?」
H「・・ちょっと行く気が起きないの・・」
俺「どうかしたの?」
H「ちょっとね・・」
その声は涙ぐんでいるように感じた。
俺「もしかしてI絡み?」
H「・・なんでそう思うの?」
俺「いや、クラスでHさんとIが別れたって噂聞いたから」
H「はは・・噂・・か」
俺「なんかその言い草だと、なんかあったっぽい・・?」
H「別れたのは・・ほんとだよ」
俺「そうか・・」
H「うん・・」
気まずい雰囲気になった。沈黙が続く。
俺「なんかあったの・・?」 先に口を開いたのは俺だった。
H「うん・・」
俺は理由を聞こうか悩んだ。そして悩んでいる間に
H「ちょっと今は・・落ち着いたら・・話すよ」
その枯れそうな声に胸が痛くなった
俺「わかった。今は休んでた方がいいよ」
H「うん・・そうしとく。わざわざ電話してくれてありがとね」
俺「ううん、それじゃまたね」
Iにも電話をしようかと思ったが、最近あまり話してないのでちょっと気が引けてしまって電話はしなかった。
そして2日後の2学期終業式の日、Hが登校してきた。
そして放課後Hに「ちょっといいかな」といわれ教室に残った。
H「わざわざ残ってもらってごめんね」
俺「ううん。・・・Iの事だよね?」
H「うん・・」
俺「・・辛かったら話さなくてもいいよ?」
H「・・ううん、大丈夫」
彼女の見せた空元気が哀しく思えた。
H「Iね、卒業したらA県に行くんだって。やりたいことがあるからって」
Hは窓際の席に座って話し始めた。
H「それはそれでいいと思ったんだ。やりたい事があるなら応援したいしね」
俺「うん」
H「それでね、私。一緒にA県に行こうって思ったんだ。
Iは遠距離じゃだめか?って言ってたけど、会えないの私嫌なんだよね。
それにIの事好きだし・・その・・先の事・・とか・・」
俺「うん、言わなくてもわかるよ」
H「あはは・・、で一緒に暮らすってちょっとお金かかるじゃない?住む所とか生活費とか」
俺「そうだね」
H「言ってなかったかもだけど・・うちね、お父さんいないんだ」
かなり驚いた。人に話す事でもなかったけど今までそんな雰囲気は一度もなかったからだ
H「私が中学校の頃かな、交通事故でね」
俺「・・・そうなんだ」
H「それでうちはお母さんが仕事してるんだけどさ、親戚もあんまり多くないし
お母さんだけじゃ生活厳しいから私もバイトしてたんだ」
Hは部活では女子のキャプテンをしていた。当然帰るのは結構遅い。
俺「それで過労・・?」
H「んー・・ちょっと前までは土日しかやってなかったしね。1年の時は全然平気だったし
でもね、さっきも言ったけどお金いるからバイト増やしたんだ。」
俺「どれくらい?」
H「ちょっと待ってね」
Hはかばんから手帳を取り出した。開いてちょっと計算してから
Hは苦笑いを浮かべながら
H「う〜ん・・だいぶ・・」
俺「それでか・・」
H「かも・・ね。それで2回目に倒れた時Iが病院に来てさ。お前絶対無理してるだろって言われちゃったんだ・・
それで退院したときにIに言われたんだ、無理なバイト辞めるつもりはないのか?遠距離じゃダメなのかって。
私の中ではバイトを辞める=遠距離って感じだったし、遠距離は絶対嫌だから。って言ったんだ。
そうしたら、夜に電話が来て"しつこい""嫌いになった""もうお別れだ"って・・」
Hはとうとうと話していた。
俺「・・・」
H「私、間違ってたのかな・・」
Hは外を見ながら少し笑いながら言った。
H「私・・・間違って・・・たのかな・・・」
繰り返したその一言は涙に溢れていた。
俺はかける言葉がなかった。慰めの言葉も浮かばない自分が悔しかった。
ただIに対する(こんな酷い目にあわせて・・)という恨みの気持ちが浮かんだ。
とりあえずその場はHが泣き止むまで一緒に居た。
日が沈みそうになる頃、一緒に帰った。
無言・・ただただ歩いた
別れ際に
H「時間かけさせちゃってごめんね」
俺「ううん、こっちこそ聞いてただけでごめんね」
H「ううん・・大分楽になったかも・・やっぱり溜めてちゃだめだよね」
俺「それなら良かった」
H「今日はありがとう。それじゃまたね、バイバイ」
最後にほんの少しだけ笑顔を見せてくれた。
またときめいていく自分の想い。
クリスマスはもう間近だったので告白にちょうどいいかもと思ったけど
振られた直後なのもあって、その年は諦めた。
正月。気分転換に一緒におまいりに行かないかと誘った。
二人で近くの神社へ
俺「何をお願いしたの?」
H「秘密っ」
俺「教えてよー」
H「んじゃそっちは何をお願いしたの?」
俺「秘密っ」
H「それじゃお互い秘密ね」
Hを幸せにできますように"なんてさすがに言えなかった。
そこから告白こそしなかったけど、元気づけようと自分なりに頑張ってみた。
休み時間とかなるべく話すようにしたり、帰りに時間があえば一緒に帰ったり・・
少しずつ笑顔を取り戻していくH。
バレンタインに義理だけどチョコをもらったのも嬉しかった。
たまたまIと廊下ですれ違う時があった。俺からすればHをどん底に追い込んだ憎い奴だったので
絶対に眼を合わせなかったし、Hもまたうつむいたままだった。
そうして3年の春に
2年からそのまま上がるためHとはまた同じクラスに
H「今年もよろしくねー」
俺「うん、よろしく」
3年生の忙しい時間はあっという間に過ぎていった。
そして夏。俺は決意した。"Hに告白する"
ちょうど花火大会がありそれに誘ってみた。
H「行く行くー、花火大会なんてひさしぶりー」
そういってはしゃぐHが可愛かった。
駅で待ち合わせをした。Hは浴衣で来た。
H「お待たせ〜、待たせた?」
俺「ううん、浴衣着てきたんだ」
H「うん、ちょうどあったから。似合う?」
そうやって話ながら花火会場へ。
Hは花火が上がるたびに「綺麗ー」って言っていたが俺は花火なんて見ないでHの顔ばっかり見ていた。
最後の1発が上がった後、俺はHに言った
俺「あのさ」
H「ん?」
俺「俺、Hの事ずっと好きなんだ」
初めてHの下の名前を呼んだ。
H「え・・・」
俺「Iと付き合う前から好きだったんだよ、Hの事。それでHがIと付き合いだしてから
気持ちを閉まってたんだけど・・Iと別れてからのH見てたら・・また・・ね・・」
H「・・・そうだったんだ・・」
俺「俺はHの事、泣かさないしずっと守っていくから・・彼女になってくれないかな」
H「・・・」
Hは顔をうつむかせてしばらく無言だった。
俺は勇気付けようとHの手を握った
H「・・ありがと・・そんなに想ってもらって・・」
Hは泣いていた
H「・・でも・・ごめん・・」
俺「・・・俺じゃ・・ダメなのか・・?」
H「ううん・・そういうわけじゃ・・ないの・・。
Iの事があって・・男の人と付き合うのが・・怖くなっちゃったのかな・・?
今、言われた時・・嬉しいとかの前に怖いっていうのが・・先にきちゃった・・
それに・・まだIの事・・忘れられない・・から。
あんな事・・言われたのにね・・」
俺「・・そっか・・」
H「ごめん・・ごめんなさい・・・」
Hは泣きながらずっと謝っていた。
俺「それじゃさ。俺はHが付き合うの怖くなくなるまで待つから。それまでずっと想ってるから
想ってるくらいならいいでしょ?」
H「・・私、いつまでも答えられないかもしれないよ・・?それでもいいの・・?」
俺「あぁ、Hじゃなきゃ俺は嫌だから。Iの事忘れられないっていうならそれ以上に大切にするからさ」
H「・・・ありがとう・・私・・頑張って・・みるから・・」
帰りの電車でも泣いているHを介抱するのが嬉しいやらはずかしやらだったけど悪い気はしなかった。
そんな調子で夏休みも終わり、受験シーズンを迎えた。
本当は二人で一緒に勉強するチャンスだと思ったのだが
二人きりが多くなると、Hが"怖くなっちゃった"というのがぶり返すのかもしれないと思い
知り合い数人で勉強やら息抜きに遊びにいったりしていた。
そうして向かえたクリスマスイブ
Hは友達の女子勢と迎える事にし、俺は俺でクラスの男子とパーティーをしていた。
俺は学生最後のこの日を(Hと迎えられなかったのは少し寂しかったが)楽しく過ごしていた。
しかし俺の知らないところで歯車は回っていた。
12時も回ったところで俺はHにメールを送った。
"メリークリスマス" 何気ないメールのはずだった。
返答がなかなか来ない。携帯を確認したけど30分経っても来ない。
寝てるのかなとも思った矢先
友人「そういえば、お前。Hと最近よくいるけど付き合ってんの?」
何気なく話題が振られた。
俺「付き合ってるっていうか、一応告白はしたよ」
とある程度の事の顛末を話したのだが
友人「さっき、Hと一緒に打ち上げやってる女子からメールきたけど向こう修羅場ってるってよ」
俺「え?なんで?」
友人「女子の一人がHにIが振った理由話しちゃったんだってよ。お前振られるんじゃねーの?」
俺「振った理由って・・?」
そういえば俺は明確な理由はわからなかった。
あまり考えた事もなく単純に"しつこい"って理由だって思っていた
友人「お前、マジで知らないの?」
俺「はっきりした理由は・・知らないかも。単純に一緒に来るのがしつこかったって理由じゃないのか・・?」
友人「1年半も付き合ってて、そんなので別れるわけないだろ。しかもあのIだぞ?」
そう言われればそうだ。Iの性格からして優しくて気が利いて芯は曲げない奴だってのはわかっていた。
俺「理由ってなんだよ」
友人「IとHが別れた時、女子の何人かがIに聞きに行ったんだよ。なんで振ったんだって。
Iは最初うざいから振ったって言ってたんだけどな。一人が"あんたがそんな理由で振るわけないでしょ。何隠してんの"って
問い詰めたんだよ。
そうしたらな、"お前ら、高卒で即同棲するって意味わかってんのか"って逆に言われたんだよ。
"俺だって、ほんとはずっと居たいよ。一緒に来るって言われて嬉しかったよ"
"でも、一緒にA県に来たとして、もしも別れた時Hに何が残るんだ?"
"絶対別れたくないけどこの先何が起こるかわからないし、もしかしたら俺が事故に会うかもしれない"
"そうした時何があいつに残るんだ、その先Hはどうやって過ごせばいいんだ"
"それに、同棲するからってバイトを過剰に入れて倒れたりするし"
"Hは絶対バイトは辞めないだろうし、今はまだ過労ですんでるけど倒れた時どこかを打ったりしたらどうすんだ"
"このままじゃ絶対ダメになる。だから振ったんだ"ってな。最後の方は泣きながら言ってたってよ。
」
何も言えなくなった。
友人「なんでそれをHに言わないのって言ったら、
"Hに言ってどうにかなる理由か?"
"それならうざい・しつこいって終わらせた方が最初は傷つくかもしれないけど、先のダメージは少ないと思ったんだよ"だとよ
それなら他の人を好きになったって方がダメージ少ないよって言ったら
"嘘でもあいつ以外好きになるわけないだろ・・"って・・ホントに好きだったんだな。Iの奴。
」
俺「・・・」 今までのIに対する恨みの気持ちがあっというまに消えていった。
友人「んでどうすんだ?」
俺「どうするって・・」
友人「Hの奴、聞いてからIに会いに行ったってよ」
俺「・・・」
友人「Hの性格考えろよ?絶対Iとより戻すぞ、I次第だけどな。
お前はそれでいいのか?Hの事好きなんじゃないのか?」
俺「・・・」
その後の事はあまり覚えていない。
色々考えた後、寝てしまって翌日の早朝に帰った気がする。
27日にHから「会えないかな」ってメールが来た。
今でも忘れない。うちの近くの公園だった。
公園の端にあるベンチにHは居た
H「寒いのにごめんね」
俺「ううん」
H「その・・」
Hは言いにくそうだった。
言い出されるのが怖かった。それなら自分から切り出そうと思った。
俺「Iとの事っしょ」
H「・・知ってるの?」
俺「あの時いた奴からメールとか来て知ってるよ」
H「・・・そっか・・」
俺「それでどうするの?」
H「・・今までずっと考えたんだ・・」
もう胸が張り裂けそうだった。寒さとは別に震えている手。
この空気が、何もかもが痛かった。
Hの言うとする先はもうわかっていた。伊達に今まで付き合っていたわけじゃない。
俺「Iと戻すんだろ?」
H「・・・・うん」
Hは小さく頷いた。小さな声だけど「ううん」と聞こえないのが悲しかった。
俺「そっか、良かったな」
俺は座っていたベンチから立った。多分くしゃくしゃになっている自分の顔を見せたくなかった。
俺「それじゃ幸せになれよ」
似合わない大人びた台詞を吐く。
家に帰ろうとした時に聞こえたHのかすれた声
H「ごめんなさい・・」
俺は立ち止まった。
振り返りたかった。最後だけでいいから抱きしめたかった。
でも、ここで振り返ったらいけないと思った。
そのまま逃げるように家に帰りベッドでありったけ泣いた。
夜にIに電話した。
俺「・・・」
I「・・・」
俺「・・お互い無言っておかしいよな」
I「・・だな」
俺「Hの事、頼むな」
I「・・あぁ」
俺「ほんとに・・頼むな。今度泣かせたら・・絶対許さないからな」
I「・・あぁ」
俺「・・わりぃ・・これしか言えねぇ・・」
I「いや・・それだけでわかるから・・」
俺「・・そっか・・それじゃ・・な」
そういって電話を切った。
・・・
あれからもう数年。
俺は大学でだらだらやっている。そして俺は絶対に来ない時を待っている
− 「それじゃさ。俺はHが付き合うの怖くなくなるまで待つから。」 −
以上で自分の話は終了です。
短い間でしたが、ヘタレな文章に付き合っていただきありがとうございました。
それでは失礼します
出典:?
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(・∀・): 213 | (・A・): 59
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