ありがとう

2009/03/20 02:20 登録: FMRT

今日俺の友達が東京に行く
仮にKとしよう。
高校で一年の時同じクラスになった。
小柄なやつで160センチより少し大きいくらいだった。
眼鏡で線も細く、割と貧弱そうに見えたが中学の時は野球部だったらしい。
割と気が合って(いや俺が一方的にそう思ってただけかもしれないが)いつも一緒にいた。
俺は小学生の時からバスケをやっていたのだが、才能が無いうえにチームプレイが苦手だったのでバスケ部には入らず、個人技であるテニス部に入った。
Kも野球部には入らずテニス部に入った。
ペアになって練習する時は大体Kと組んだ。
俺はあまり器用な方ではなく、なかなか上達せず迷惑ばかりかけた気がする。
帰りはKが一人の時は一緒に駅まで行った(俺は学校の近くに住んでる)。
Kは眼鏡をやめてコンタクトにした。
体格の割によく食うせいか身長も伸び始めた。
Kは元々センスがあったのか一年生の中では三番目くらいに上手くなって団体戦にも出たりしていた(うちの部は先輩が少なかった)。
俺は相変わらず上達せず、まともに打ち合うことも出来なかったが粘り強さを活かしてなんとか一年生の中では中間にいた。
秋になってバイトを始めた。
コンビニを何件か断られ(働く時間の関係で)、近所のホームセンターの面接に受かった。
Kも一緒だった。
もう一人テニス部のやつも一緒だったがすぐにやめてしまった。
バイトの帰りにマックに寄るのが習慣になった。
時々モスだった。
二年になった時クラス替えがあってKと違うクラスになった。
少し寂しかった。
Kは相変わらず同学年の中ではかなり強かった。
俺も陰で努力して同じくらいのレベルにまでなった。
俺とKはダブルスでペアになった。
少し嬉しかった。
Kの身長は伸び続け俺と同じくらいまでになった(入学時は10センチ弱ぐらいの差があった)。
三年になって俺は生徒会に入った。
進学に有利だし興味も合った。
Kに一緒に入ろうと誘ったが断られた。
生徒会は楽しかった。
忙しかったし辛かったけど充実してた。
生徒会に入ってから部活に出る時間は減ったがどうしてか上手くなった。
ダブルスでレギュラーにもなった。
最後の大会の前、Kがレギュラーから落ちた。
スランプだったんだと思う。
テニスに対して熱心で、ダブルスのコツや試合の組み立て方などを話してくれるKは楽しそうで好きだった。
二人で上に行きたいと言ってくれて嬉しかった。
だからこそKがレギュラー落ちしたのはショックだった。
最後の大会はやはりKと組みたかった。
引退した後、俺は生徒会が忙しかった。
その頃彼女も出来たがひと月で別れた。
一週間後には新しい彼女ができた。
バイトは続けていた。
Kの身長は完全に俺を追い抜き、Kと話すときは少し見上げるような感じになった。
秋に俺は愛知の大学に推薦で合格し、Kもひと月ほどあとには割と優秀な大学に合格した。
それからはバイトをしまくり、Kとの食事の回数も増えた。
三月に入り学校を卒業した。
Kは俺より少し早く進学先に引っ越すため俺より10日ほど早くバイトをやめた。
その日の夜、酒を飲んだ俺は泣いた。
Kと最後に会った時泣きそうになった。
俺はかなり感情が薄いやつで正直誰かと離れるとかそんな理由で涙は出ないと思ってた。
Kと別れたとき、「じゃあな」としか言えなかった。
本当はもっと言いたいことがあった。
だけと言葉が出てこなかった、生まれて初めてこんな気持ちになったんだから最後くらい何か本気の言葉を伝えたかった。
言葉にできないんだったらせめて抱きしめるぐらいのことはしとくんだったと後悔している。
Kからメールがきた。
「三年間ありがとう」
こっちのセリフだバカ野郎。
Kが辞めた後の初めてのバイト、バイト中軽く泣いた。
客が全然来なくて助かった。
帰り道、隣にKがいなくてまた泣いた。
マックももうこないだで最後だったんだと思ってさらに泣いた。
俺がこんなかっこ悪いことするとは夢にも思わなかった。
最後ぐらい本音で話したかったよ。
お前はそう思ってないかもしれないけど、俺にとっちゃお前は一番大切で、一緒にいると心地良くて、本気で大好きだった。
三年間ありがと。
向こう行っても俺のこと忘れないでいてくれよ、親友。


駄文失礼
なんか酒飲んでたら唐突に書きたくなってしまった。


出典:つまらん話ですまん
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