おいしいリンゴ!改
2009/06/02 18:14 登録: えっちな名無しさん
投稿者注
おいしいリンゴ! http://moemoe.mydns.jp/view.php/16899 の改変です
>>101の改変
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父のアトリエのフルーツかごから持ち出した二つのりんごを持て余して口を開く。
「剥かないで食べられる物がよかったね。ほかのと変えてこようか?」
彼女は振り返り、満開の笑みを浮かべて答える。
「ううん。まるかじりしよ。」
つやつや光る赤い皮に歯を立て、一口噛みしめる度に生命の詰まった音が辺りに響く。
白い果肉から蜜がじゅわりと口の中いっぱい広がり、
後に残った甘酸っぱさが、舌の上で泡みたいに弾けて消えていく。
かじり付いて口いっぱいにほおばって。かじり付いてほおばって。
「甘うぃえ。」
「うぉん。」
夢中でかじり付きながら話したら、上手く口に出来なかった。
わずかに残ったつやつや真っ赤な皮と、やせ細った白い果肉のコントラスト。
そして、さっきまでりんごの表面にぴったりくっついてた彼女のサクラ色の唇。
そんなに真剣な表情で見ていたのか、逆に顔を覗き込まれた。
「まだ食べ足りなかった?」
「あ、うん……。今度かごいっぱい持ってこようね。」
唇に見とれていたとは言えず適当に取り繕った。
「その前に勝手にアトリエのりんご食べちゃったの謝らないとね。」
彼女の言葉で父の厳しい表情を思い浮かべ、気分が重くなる。
「一緒に謝ってあげるよ。」
表情が曇ったのを気取られたのか、彼女に気遣わせてしまった。
そもそもあのりんごを持ちだそうと言い出したのは彼女だったが、
同調して実行に移したのは事実だ。余計なことは言わなくて良い。
「絵の練習していたって言えば許してくれるよ。」
「練習していた絵はどうやって用意するの?」
「りんごと一緒に食べちゃったって言うよ。」
ヤギじゃないんだからと二人で声を上げて笑いあった。
帰りの道中で彼女が突然振り返って問いかけてきた。
「本当はりんごじゃなくて顔を見ていたんでしょ。」
いたずらっ子みたいな笑顔に狼狽していると、より核心に向けた質問が迫る。
「キス、したかった?」
何もかも見透かされてると思った。
「……うん。今……してもいい?」
精一杯の勇気を出して言ったが、直後に恥ずかしさで頭がいっぱいになった。
目を閉じたまま返事を待ちかまえていると、落ち着いた声で答えは告げられた。
「また今度ね。」
何を期待していたんだろうと考えるだけで恥ずかしさがこみ上げる。
隣を歩く彼女の顔は、あのかじり付いたりんごの果肉の様に白くて、
りんごみたいに真っ赤になった自分の顔が余計に目立つなと思いつつ家路についた。
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元ネタより登場人物の年齢を上げた。性に興味を持ち始めた年頃。実は二人は姉妹で「彼女」は近々家を離れる姉。シスコン。
出典:【UO】UOスレッド第1325章【本スレ】
リンク:http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/mmo/1243529521/281-282

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