間抜け

2009/06/14 18:40 登録: おバカな名無しさん

 客の男が果物屋の店先で主人と話し込んでいた。そこに通りかかったのが、薄汚いボロを来た小さな男の子。
「おや?あそこを歩いているガキは、とんでもない間抜けでしてね」
 果物屋はくつくつと笑った。
「話の種にちょっと実験してみるから、見ててくださいな・・・おおい!トミー」
 果物屋は大声を張り上げた。
「こっちだ。こっちに来い!」
 トミーは、ぼんやりした顔つきでキョロキョロすると、やっと果物屋に気づいた様子でのこのこと近づいてきた。
「な、なんですか。ウ、ウィリアムさん」
 果物屋は釣り銭の中から汚い25セント貨と、キラキラ光る10セント貨を選ぶと、地面にポンと投げた。
「おいトミー、お前の好きな方をやるぞ」
 トミーはしゃがみこんで、じっと二枚の貨幣を見比べていたが、手に取ったのは、キラキラ光る10セント貨の方だった。
 1時間後、客の男は通りでトミーを呼び止めて、25セント貨を選ぶべきだったんじゃないかとアドバイスした。
 トミーは、男の目をまっすぐに見つめると小さく微笑んだ。
「だって、おじさん。もし25セント貨を選んだらそれでもうおしまいでしょう?」

出典:2ch
リンク:2ch

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