〜BoonGANTZ〜
2009/06/16 00:13 登録: 萌(。・_・。)絵
【GANTZ 】
世界各地に存在し、その正体、目的が一切不明の直径約1mの謎の黒い球体。正式名称も不明で、東京では「ガンツ」、大阪では「黒アメちゃん」などと呼ばれている。
球体内には人工呼吸器に似た器具を取り付けられた全裸の男性が座っており、この人物をガンツと呼称する場合もある。
死んだ人間を蘇らせ、「星人」と呼ばれる正体不明の怪物と戦う任務(ミッション)に強制的に参加させる。また、劇中の表現によればガンツに招集された人間は、言わばファックスから出てきたコピーであり、オリジナルは死んでいるとされる。
【ルール】
ミッション開始直前に死んだ人間が複数人選ばれ、マンションの一室に転送される。
この時点でミッション参加者の頭蓋内には小型爆弾が埋設され、今までに負っていた怪我や傷、病巣などは全て消失する。
前ミッションの残存メンバー達もまた、同様に転送されてくる。
壁やドアに接触することはできず部屋の外へは出られない状況に置かれる。
全員の転送が済むと、数分後に球体から音楽が流れる。
ガンツの表面に、いい加減な日本語のメッセージが浮かび上がった後、標的である星人の容貌と特徴、好きなもの、口癖などが表示される。
ただしどの情報も当てにならず、表示された標的以外の個体が多数出現することが多い。
ガンツの両サイド・裏側が引き出しの様に開き、メンバー全員分のスーツの入ったアタッシェケースと銃器類が出てくる。
全員が星人の生息するフィールドに順次転送される。
出現する星人を制限時間内に全て倒す。
ミッション中、一般人と遭遇する事があるが、一般人はミッション参加者と星人の姿を光学的に認識できず、音声も聞こえない。
ミッション参加者がおよそ1km四方とされるミッションフィールドの境界線に接近すると頭蓋内爆弾が起動。
警告音が発報し、外側に出るとミッション放棄とみなされ爆発する。
星人を殲滅すると、ガンツの部屋に再転送される。
フィールドでの負傷者は負傷する直前の状態で転送されるが、死者は転送されず、頭蓋内爆弾が爆発する。
負傷者は怪我の度合いによって傷だけ修復される場合と、負傷直前の状態まで遡って転送される場合がある(主に致命傷を負った者が後者)。
そのため、後者の場合は負傷後の記憶が無い状態で転送されることになる。
生存者が全員転送されると“採点”が始まり、倒した星人の強さに応じた点数が各メンバー毎にガンツの表面に順次表示される。
採点が終わると、ドアに触れられるようになりガンツの部屋から出て日常生活に戻ることができる。
一定期間が経過すると、ガンツの部屋に呼び戻されミッションが始まる。
ミッションは不定期に行われるが、招集されるのは概ね夜間である。
転送される直前には寒気がして身体が硬直する。
【 点数 】
星人を一体倒す、もしくは転送させるごとに点数が加算される。
一体あたりの点数は一定ではなく、種族や個体によって広範な格差がある。
累積点が100点に到達すると以下の3つの特典が提示され、100点分の得点と引き換えにいずれかを選ぶことができる。
1. 記憶を消されて解放される
その場で自宅などに死亡直前の姿で転送され、それまでのミッションに関わる記憶は消去された状態になるが、それ以外の無関係な情報は残っており、記憶が曖昧になる。
2. より強力な武器を与えられる
より強力な武器が用意され、以降のミッションで使用可能となる。残余得点は繰り越しとなる。
3. MEMORYの中から人間を再生する
メモリー内のメンバーから1人を再生する。残余得点は繰り越しとなる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/GANTZ(Wikipediaより引用)
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―第一話 「こうですか星人編」―
#01-1
それは、雨の強いある秋の日だった
( ^ω^)「ぬお〜〜〜!!雨振るだなんて聞いてないお!!」
カバンを頭の上にかざし、なんとか雨をしのぎながら少年は家路を急いだ。
彼の名は内藤ホライズン……何処にでもいるような、普通の高校生である。
今朝、珍しく余裕を持って家を出た時は雲ひとつない快晴だった。
少ないが、気のいい友人たちとうだうだ喋った昼休みも空は晴れていた。
ようやく学校という名の拘束から解かれた途端に、この大雨である。
( ^ω^)「とっとと帰ってゲームの続きでもするお!」
高校の正門を飛び出し、最短距離のルートを選び、全速力で駆け抜ける。
ふと、曲がり角を曲がった途端に誰かとぶつかった。
( '∀')「キャッ!」
( ^ω^)「ぶべッ!」
内藤は、一人の少女とぶつかった。この辺りでは見覚えの無い少女だった。
(;^ω^)「ケガは無いかお?」
( '∀')「だ、大丈夫です……」
( ^ω^)「それなら良かったお、それじゃ!」
もし、今日が大雨の日ではなく、そして大急ぎで家路に着くような場合で無いのなら
「フラグktkr!!」とでも思っていただろう。しかし、場合が場合だ。内藤は構わず再び駆け出した。
(;゚ω゚)(あーーー!!今のフラグじゃなかったかお!!)
前言撤回。恐らく、彼はどの様なケースであれフラグに気付かなかっただろう。
しかし、既にフラグは立っていたのだった。
( ^ω^)「よし、家まで後少s
突然、彼の正面にトラックが突っ込んできた。運転手は居眠りをしているようだ。
(;^ω^)「ちょwwwwwwwおまwwwwwwwww」
スピードをゆるめる事なく突っ込んできたトラックは
内藤の身体をいとも容易く吹き飛ばした。
すべてが、スローモーションだった。
宙を舞う自分の身体。吹き出た血液。迫るアスファルトの地面。
地へと落ちた内藤の身体は、グシャグシャだった。
薄れ往く意識の中で、彼は視界の遠くに先程の少女を見つけた。
そのまま、彼の世界は真っ黒にフェードアウトしていった。
そう、あの時彼の死亡フラグは成立していたのだ。
(;゚ω゚)「ぶわッ!?」
突然、彼の世界が再び開けた。そこは、何も無いマンションの一室と、見知らぬ人間たちだった。
いや、何も無いというのは大嘘だ。部屋の真ん中には、黒い大きな球体が鎮座していた。
( ´∀`)「あんたも死んだのかモナ?」
初老の男は、内藤にそう話掛けた。
( ^ω^)(死んだ?僕が?そうだ、僕は確かにトラックに轢かれて……)
そう、彼は死んだはずだった。もし生きていたとしても、大怪我を負っていたはずだった。
しかし、今の彼の身体には怪我のひとつも無かったし制服だって破れた形跡は無い。
何より、その制服もカバンも、ビシャビシャに濡れていた。状況は、先程と全く同じのはずだった。
('A`) 「ブーン……?ブーンだよな!?」
彼の小学校からのあだ名で彼を呼んだのは、ドクオだった。
( ^ω^)「ドクオ!?」
('A`) 「お前も、来ちまったのかよ……」
ブーンの知るドクオは、小さくて、ガリガリで、気の弱い少年だった。
しかし、今のドクオは背はブーンよりもずっと大きくて、痩せてはいるが随分と筋肉質だった。
( ^ω^)「ドクオ、一体ここは何なんだお?」
('A`) 「……ちょっと、説明しずらいけどさ」
ドクオは一呼吸置き、ブーンの目を真っ直ぐ見つめて言った。
('A`) 「お前は死んだ。けど、まだ生きていて、これから死ぬかもしれない」
(;^ω^)「? 言ってる事がよく分からないお?」
('A`) 「これから、戦いが始まるんだ。勝てば帰れる。けど、死んだらお終いだ」
(;^ω^)「ドクオ……変なクスリでもやっちまったのかお?」
(´・ω・`)「まぁ、すぐには信じられないだろう」
川゚−゚)レ「しかし、すぐに答えがわかる」
困惑するブーンに、しょぼくれた顔の、恐らくブーンより幾らか年上の男と
髪を肩まで伸ばした女……中々の美人が、追い討ちをかけるように話掛けた。
(;^ω^)「お前等、一体何なんだお?」
ブーンが彼等にそう問いただそうとする。しかし、突如として黒い球体から赤、緑、青と3色の光線が発せられた。
光線は目まぐるしく動きまわり、そこから何か得体の知れない……肉の様なものが現れた。
(;^ω^)「ちょwwwwwwwww何だおこれwwwwwwww」
肉はやがて足の指となり、それが脛、太腿、下半身となり、どんどん人の形が形成されていった。
( ^ω^)「まさか、僕もこうなって出てきたのかお?」
( ゚∀゚)「っと……」
そして、光線は男の頭頂部までを描ききった。男は部屋を見回し、呟いた。
( ゚∀゚)「『新入り』が1、2、3、4……5人か」
(´・ω・`)「やぁ、ジョルジュ」
川゚−゚)レ「これで、『生き残り』は全員だな」
新入り?生き残り?何の事だろう。ブーンはひたすら今まで得た情報を整理した。
これから、始まるのは戦いで、生き残れば帰れる。死ねばお終い。
そして、生き残ったのは……このジョルジュとかいう男やドクオ等の事だろう。
新入りというのは自分やその他の連中の事だろうか?……何がなんだかさっぱりだ。
( ^ω^)(ちょっと、様子を伺ってみるお……)
この部屋にいるのは全部で9人。ドクオ等の他には……ここに来た途端に声を掛けてきた
初老の男、分厚い眼鏡を掛けたサラリーマン風の男、まだ幼い女の子に、
格闘家か何かだろうか、随分大きな白人男性だ。
( ^ω^)(こいつら、みんな死んだ奴だっていうのかお?)
その時、突如黒い球体から音楽が流れ出した。
I wanna be a VIP STAR
君をもっと夢中にそれなんてエロゲ?
テラワロス VIP STAR 腕を広げ
ブーンをさせてあげよう君だけに〜♪
(;^ω^)「な、なんだおこの歌!?」
(´・ω・`)「これで全員か……」
全員。しょぼくれた男はそう言った。これで全員なのだろう。
やがて、球体の表面にヴィジョンが浮かび上がった。
てめえ達の命は、無くなりました。新しい命を
どう使おうと 私の勝手です。という理屈なわけだす
てめえ達は今から この方をヤッつけに行ってくだちい
(;><)
こうですか星人
特徴:つよい しろうと
好きなもの:ちんぽっぽ
口癖:わかりません!
球体の表面には、変に間違った日本語の文と、奇妙な化け物の顔と特徴が表示されていた。
(;^ω^)「……なんだおコレ?」
そして、次の瞬間
(;゚ω゚)「だふゅッ!?」
ちょうど、球体の真横からヴィジョンを覗き込む形だったブーンの腹に衝撃が走った。
球体の両サイドが展開し、そこからは白いアタッシュケースと黒い銃のようなものが飛び出していた。
(;^ω^)「な、な、なんだおコレ!?」
('A`) 「みんな、俺の話を聞いてくれ!」
ブーンが腹を抑えうろたえていると、ドクオが大声で、全員に話しかけた。
('A`) 「これから、戦いがはじまる。こうですか星人との、命を掛けた、本当の戦いだ。」
('A`) 「勝てば元の生活に戻れる。けれど、死んだら二度と戻れない……」
('A`) 「全員で生き残りたいんだ。だから、このスーツを着て銃を装備してくれ!」
ドクオ達『生き残り』は、既に衣服の下にその黒く、随分タイトなスーツを纏っていた。
( ^ω^)「コスプレみたいだおwwwwwwっうぇwwwwwキモスwwwwwww」
思わず吹き出してしまったブーンだが、次の瞬間その顔は驚愕で塗り替えられる。
(;゚ω゚)「ぎゅむ!?」
しょぼくれた顔の男が、ブーンの首を掴み、片腕で軽々と持ち上げていた。
(´・ω・`)「このスーツを着ると、このように人並み外れた力を出せるんだ」
('A`) 「おい、ショボン!何してるんだよ!!」
(´・ω・`)「実際にその目で見てもらうのが早いと思ってね」
ショボンはそういうと、腕を下ろしブーンの首を離した。
('A`) 「ブーン!!大丈夫か!?」
( ^ω^)「ゲホッ、ゲホッ……だ、大丈夫だお……」
(´・ω・`)「悪い事をしたね。とにかく、そのスーツを着て欲しいんだ」
( ^ω^)「わかったお……」
ブーンは嫌々その黒いスーツを着込んだ。ピザな体型が強調されて、何とも嫌な感じだった。
結局、『新入り』でスーツを着たのはブーンだけだった。
他のメンバーは信じていないようで、馬鹿馬鹿しい、帰りたいなど口々に言っていた。
('A`) 「おい!早く着ないと、転送が始まるぞ!?」
( ゚∀゚)「放っておけ。言っても無駄だろ」
(´・ω・`)「守りながら、上手い事片付けるしかないか」
川゚−゚)レ「ん。ショボン、転送が始まってるぞ」
(´・ω・`)「え?あ、本当だ」
ジョルジュが現れた時の調度逆再生のように、ショボンは頭頂部から消えていった。
( ^ω^)「何が起きてるんだお?」
川゚−゚)レ「転送が始まった。……ふむ、私の転送も始まったようだ」
女もまた、頭頂部から光となって消えていった。
そうして、続々部屋から人間が消えていく。
( ^ω^)「うわ!?」
そして、ブーンの身体も消え始めた。
('A`) 「ブーン!絶対、着いた場所から動くなよ!全員が転送されるまで待ってるんだ!」
ブーンの目に飛び込んだのは、あの部屋に行く前、トラックに轢かれた直後まで見えていた町の景色だった。
( ^ω^)「あれ……?これ、めっちゃ近所じゃないかお!!」
そこは、自宅まで徒歩で3分もかからない交差点だった。
雨はすっかり止み、空にはこの辺りでは珍しいほど綺麗な星が浮かんでいた。
('A`) 「……住宅街か、やっかいだな」
( ゚∀゚)「迅速に、ピンポイントで始末しなくちゃな」
気付けば、まだ部屋にいたドクオとジョルジュの転送も終わっていた。
川゚−゚)レ「カウントダウンがはじまった…・・・。早急に片付けよう」
そうして、ブーンは生まれてはじめての、命を賭けた戦いに身を投じる事となった。
【1st stage こうですか星人】
Staring...
( ^ω^) ブーン
('A`) ドクオ
(´・ω・`) ショボン
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
( ´∀`) モナー
( @∀@) アサピー
J*'-') ょぅι゛ょ
( ゚д゚ ) ミルナコッチ
Ready Go.
#01-2
(#@∀@)「何ですかこれは!下らない、私はこれで失礼します!」
眼鏡を掛けたサラリーマン風の男、アサピーはそういってその場を去ろうとした。
(´・ω・`)「駄目だ、遠くにいっちゃいけない!!」
(#@∀@)「何故だ、説明してみろ!!」
(´・ω・`)「このエリアから遠くに離れると……頭の中の爆弾が起動する」
(##@∀@)「ッ……!!また下らない事を!!」
( ^ω^)「そ、それ本当かお?」
('A`) 「残念だけど、本当なんだ。俺は前も見ている」
( ^ω^)「あのモナーとかいうおっさん、結構前に帰っちゃったお」
('A`) 「ちょwwwwww」
( ´∀`)「全く、何がなんだかわからんが、とにかく私はまだ生きているモナ!」
モナーは家路を急いだ。タクシーを拾えば30分もせずに帰れるだろう。
この時間だ。おそらく妻も、今年で15になる娘も眠ってしまっているだろう。
( ´∀`)「それにしても、奇妙だったモナ。あの死に方は夢だったのかモナ?」
モナーは今日の昼下がり、不倫相手の部下に包丁で胸を刺された。
救急車の中で意識が途絶え、気がついた時にはあの部屋にいた。
( ´∀`)「まぁ……いいお灸だったかも知れんモナ」
( ´∀`)「これを機に、ちょっとアットホームなパパになるのも……」
ピピピピ、ピピピピという電子音が、モナーの耳になり響いた。
( ´∀`)「何の音モナ?携帯の着信音じゃないようだが……」
ピピピピピピ、ピピピピピピ。音はどんどん大きくなる。
(#´∀`)「あーー!うっさいモナ゛ッ
パァンという破裂音と共に、モナーの首から上は吹き飛んだ。
逃げることは、許されないのだ。
( ゚∀゚)「仕方ない……あのオッサンがアラームに気付いて、自分で戻ってくる事を祈ろう」
('A`) 「そんな……!俺、探してくるよ!」
( ゚∀゚)「ドクオ、分かってるだろ?大事なのは出来るだけ多く生き残る事」
( ゚∀゚)「行動は最低でも2人1組。それが俺たちの約束だろ?」
('A`) 「……わかったよ」
本当はモナーを呼び戻しに行きたい所だが、時間は限られている。
( ^ω^)「あのー……僕、帰ってもいいかお?」
( ゚∀゚)「ちょwwwwww話聞いてたのかwwwwwwww」
( ^ω^)「で、でも!僕の家、ここからすぐ近くなんだお!」
( ^ω^)「上手く隠れる事が出来るかも知れないお!」
川゚−゚)レ「……君の家、まさかこのアパートか?」
クーは左腕の機械に映された地図を指差した。そこには、赤い点が点滅していた。
( ^ω^)「だおだお!この赤い点の隣の部屋だお!」
川゚−゚)レ「そこに、星人がいる」
(;^ω^)「ふひ?」
川゚−゚)レ「この赤い点がミッションの標的だ。善は急げだ。行こう」
(´・ω・`)「それじゃあ、クーはブーン君と一緒にアパートまで向かってくれ」
川゚−゚)レ「了解した。まだ他に星人がいるだろう。気を抜くなよ」
(´・ω・`)「当然」
川゚−゚)レ「よし、それでは行くぞ」
(;^ω^)「は、はいだお……」
( ^ω^)「ここですお」
2人はブーンと、標的の住むアパートに着いていた。
川゚−゚)レ「ふむ……随分歴史あるアパートだな」
(;^ω^)「素直にボロいと言ってくれて結構ですお」
川゚−゚)レ「そうだ、先にコイツの使い方を教えておこう」
そういうと、クーは銃を手に取った。
川゚−゚)レ「上の引き金を引くと標的のロックオン、そのまま下の引き金も引く」
川゚−゚)レ「そこの自転車を撃ってみろ」
( ^ω^)「ちょwwwwww大丈夫なのかお?」
川゚−゚)レ「撃ってみればわかる」
( ^ω^)「上の引き金で的を固定して……下で撃つ!!」
ブーンの銃はギョーンというどこか間の抜けた効果音と共に光を放った。
( ^ω^)「ん?何にも起きないお?」
ブーンが不思議に思った刹那、撃たれた自転車はグシャンという音と共に爆ぜた。
(;^ω^)「ちょwwwwwwww」
川゚−゚)レ「使い方はわかったな。それじゃ、行くぞ」
(;^ω^)「ちょ、ちょと待つお。この自転車どうするお?」
川゚−゚)レ「壊れてしまったものは仕方あるまい」
こいつ、基地外だ。ブーンは心の底からそう思ったが、口には出さないようにした。
彼女の持つ銃は、ブーンのそれより大きな、ショットガンのような代物だったからだ。
川゚−゚)レ「この部屋だな……」
クーはドアを数度、軽くノックした。返事は無い。
もう一度、今度は少し強くノックした。今度は返事があった。
( ><)「ウチには誰もいないんです!」
( ^ω^)「うはwwwwwwこいつテラアホスwwwwwwww」
川゚−゚)レ「よし、カチ込むぞ」
そういうと、クーはドアに思い切りケンカキックを放った。
ドアは真ん中からベキッと折れ曲がり、そのまま部屋へと吹っ飛んだ。
(;^ω^)「ちょwwwwwwwおまwwwwwww」
川゚−゚)レ「気を抜くな、いくぞ!」
クーは慎重に部屋の中へと歩を進めた。一歩一歩、ゆっくりと。
ブーンも住むこのアパートの部屋は、キッチン付きのワンルームに
トイレ、風呂がついただけのものだ。玄関の先はすぐ、部屋だった。
ドアがぶつかった……埋め込まれた、の方が適切な表現だろう。
とにかく、そのヒビだらけの壁からは、青黒い液体が滴り落ちていた。
クーが壁に埋まったドアを無理やり引き剥がすと、そこには無惨にひしゃげた
こうですか星人が挟まっていた。
(;^ω^)「うッ……」
ブーンはその余りにも無惨な光景に、思わず吐きそうになる。
川゚−゚)レ「気をつけろ!赤い点が消えていない!」
クーがそう叫んだ時には既に、この部屋にもう一人いた
こうですか星人がブーンの背後に立っていた。
( ><)「死んでください!!」
こうですか星人は、ブーンの後頭部目掛けて拳を振り下ろした。
('A`)「くそッ…くそッ!!」
( ゚∀゚)「悲しむのも自分を責めるのも、後回しにしとけ!」
ドクオとジョルジュは、合わせて12体のこうですか星人に取り囲まれていた。
最初の一体が出てきた時、真っ先に飛び掛ったのはロシア人の格闘家
ミルナコッチだった。彼は一週間後の試合に向けた公開練習で
誤って後頭部を強打してしまい、あの部屋に訪れた。
( ゚д゚ )「…………ハラショー!!」
ミルナコッチはその巨躯からは想像も出来ないほどのスピードで
こうですか星人にタックルし、いとも簡単にテイクダウンを奪った。
('A`) 「なんだアイツ!?」
( ゚∀゚)「確か、総合格闘技のチャンプだ」
('A`) 「どうりで……スーツ無しで倒しちゃうんじゃないか?」
( ゚∀゚)「かもしれないな、見てみろよ」
ミルナコッチは、マウントポジションから物凄い形相で、
物凄く重く、物凄い速度のパウンドを、異常な程の勢いで連発していた。
こうですか星人のボコボコに歪んだ顔から飛び散る青黒い血液を
気にも留めず、どんどんパウンドを撃ちこんでいく。
すぐに、こうですか星人はグッタリと動かなくなった。
( ゚д゚ )「……バビエーダ!!」
ミルナコッチは右腕を高々と掲げ、勝利をアピールした。
そして、その直後
(#><)「フピィイイイーーーーーーッ!!」
こうですか星人が、甲高い悲鳴を上げた。
ミルナコッチは驚いた顔をしてこうですか星人の方へ向き直った。
しかし、こうですか星人は既に事切れていた。
('A`) 「な、なんだったんだ今の」
(´・ω・`)「……大変だ!!ターゲットがこっちに集まってきてる!!」
ショボンの腕のレーダーには、いくつもの赤い点が集まっていた。
すぐに、大勢のこうですか星人が集まってきた。
アサピー、ょぅι゛ょはその様を見て、すぐに逃げ出してしまった。
('A`) 「なッ……おい、待ってくれ!」
(´・ω・`)「僕が追いかけよう。2人はあの外人を助けてくれ!」
ショボンはすぐに、2人の後を追いかけた。
( ゚д゚ )「…………ヴォドカ!!」
ミルナコッチはこうですか星人の群れに突っ込んでいった。
( ゚∀゚)「馬鹿、逃げろ!!」
ジョルジュが叫ぶが、時既に遅し。
ミルナコッチはあっという間に周囲を取り囲まれた。
そして、彼は瞬く間に袋叩きにされた。
( ゚∀゚)「ちっくしょお!!」
ジョルジュは一気に5体のこうですか星人をロックオンし、トリガーを引いた。
ギョーンという効果音と強い光。少しの空白。そして、一気に爆ぜる標的。
しかし、ミルナコッチは既に無惨なボロ切れと化していた。
('A`)「くそッ…くそッ!!」
( ゚∀゚)「悲しむのも自分を責めるのも、後回しにしとけ!」
('A`)「く……うぁああああああ!!」
2対12の、あまりに不公平な決戦が始まった。
#01-3
(#><)「許さないんです!!」
こうですか星人の一体がドクオに飛びかかる。
('A`) 「痛ッ!」
( ゚∀゚)「オラッ!」
すぐさま、ジョルジュがそいつを殴り飛ばす。
(;><)「フピッ」
吹っ飛んだこうですか星人はピクピクと痙攣した後、すぐに息絶えた。
( ゚∀゚)「……なんだコイツ等。数は多いけど、滅茶苦茶打たれ弱いぞ?」
('A`) 「そうみたいだな……よし、一気に片付けよう!」
ドクオは両手に銃―かつての仲間はXガンと呼んでいた―を構え、一気に全員をロックオンした。
('A`) 「……ごめん!!」
トリガーは引かれた。先程5体の同胞が吹き飛ばされた様を見せつけられた星人達は狼狽した。
そして、彼等はすぐさま青黒い肉片となり、爆散した。
( ゚∀゚)「ふぅ〜……どうやら、とんだ雑魚だったみたいだな」
('A`) 「まだ転送ははじまらないみたいだな……」
('A`) 「俺、ちょっとブーン達の様子見てくる」
( ゚∀゚)「おおっとぉ?気になるのはブーンよりも、クーなんだろ?」
('A`) 「なッ……違う!とにかく、ジョルジュはショボンと合流してくれ!」
( ゚∀゚)「はいはい。かしこまりました」
そう言い、彼等は2手に分かれた。この程度の星人ならば
単独行動を取っても問題はない。そう踏んだのだ。
(#^ω^)「……痛てーお!!」
後頭部をぶん殴られたブーンは、思わず背後目掛けて裏拳を放った。
(;><)「プジュッ」
側頭部がベッコリと凹んだこうですか星人は、糸の切れた操り人形のように
その場に崩れ落ちた。
川゚−゚)レ「ほう、見事なものだな」
( ^ω^)「ここは、これで最後かお?」
川゚−゚)レ「そうみたいだな」
( ^ω^)「なんだお、楽勝だお!」
川゚−゚)レ「……いつも、こんな調子だとは限らない。気をつけろよ」
( ^ω^)「は、はいだお……」
川゚−゚)レ「さて、みんなと合流するか」
( ^ω^)「あ、待ってくれお!聞きたい事があるんだお!」
川゚−゚)レ「何だ?彼氏ならいないぞ」
(;^ω^)「そ、そうかお。ていうか、そうじゃなく!」
( ^ω^)「どうして、クーさんやドクオみたいな若い人たちがこんなにいるんだお?」
川゚−゚)レ「……ここに来る連中の大体は、寿命、病気で死んだ人間じゃない」
川゚−゚)レ「不慮の事故、他殺、自殺……そうして死んだ連中が多いらしい」
( ^ω^)「クーさんも、そうなのかお?」
川゚−゚)レ「……もう半年程前か。新宿で、大規模な無差別殺人事件があってな」
( ^ω^)「……『新宿大虐殺』かお?」
川゚−゚)レ「知っていたか」
(;^ω^)「めちゃくちゃ大ニュースだったお」
川゚−゚)レ「そうだろうな。とにかく、私はそこで死んで、今こうしてここにいる」
川゚−゚)レ「ドクオも、ショボンも、ジョルジュも同じ。あの事件の被害者だ」
川゚−゚)レ「それから半年間、大体月に1〜2回、こんな夜を送っている」
( ^ω^)「……一体、どうなってるんだお?」
川゚−゚)レ「さぁな。半年こうしていても一向にわからん。わかった事と言えば……」
川゚−゚)レ「ミッション達成後の点数が100点に達すれば、この戦いが終わるということだけだ」
( ^ω^)「100点……?」
川゚−゚)レ「星人を一体倒す毎に、倒した者にガンツから点数が与えられるのだ」
( ^ω^)「ガンツ?」
川゚−゚)レ「あの部屋の、黒い球だ。かつての仲間はそう呼んでいた」
( ^ω^)「かつての仲間?」
川゚−゚)レ「……100点を達成し、元の世界に還った者。それと、志半ばで逝った者」
川゚−゚)レ「お前、さっきから疑問文ばかりだぞ?」
(;^ω^)「わけわからんことばっかで、頭痛くなりそうだお」
川゚−゚)レ「私も最初はそうだったさ。まぁ、覚えるより慣れろ、だ」
そうして喋りながらスタート地点まで歩いていると、ドクオと鉢合わせた。
('A`) 「2人とも、大丈夫だったか?」
川゚−゚)レ「あれ位朝飯前だ。それより、みんなは?」
('A`) 「さっきの場所で何体も襲い掛かってきて……子どもと眼鏡のオッサンは逃げてしまった」
('A`) 「デカい外国人は……助けられなかった」
川゚−゚)レ「そうか……あまり気を落とすなよ」
('A`) 「わかってる。それで、ショボンが逃げた2人を追いかけてる」
('A`) 「ジョルジュもその後を追ってる最中さ」
川゚−゚)レ「ならば、我々も合流しようか」
(;^ω^)(……このまま帰って寝るなんて言ったら絶対ブッ殺されるお)
( ^ω^)「そうすることにしようお!」
('A`) 「わかった。みんな、あっちの方に行ったはずだ」
ドクオが指差したのは、この辺りで唯一の商店街の方面だった。
( ^ω^)「よし、それじゃさっそく行k
突如、ドクオが指差した方向からドォオオオオオオンという轟音が鳴り響いた。
(;@∀@)「はぁはぁ……こ、これも役得ってヤツさ……フヒヒヒヒ!!」
シャッターの閉まりきった商店街の路地裏で
アサピーは粗末なイチモツをおっきさせていた。
J*;-;)「ゃだ、ゃめてょ、ぉじさん……」
その性欲の対象は、まだ幼い女の子だった。
(;@∀@)「はぁはぁ……もう辛抱たまらん!いただきまーs
ドズン、という鈍い音と共に、アサピーの身体が吹き飛んだ。
( ><)「こうですか?わかりません!」
助けてくれたのは、皮肉にも敵であるはずのこうですか星人だった。
J*'-')「ぁ……ぁりがとぅ」
( ><)「ボクのが大きいです!」
そういうと、こうですか星人はあきらかに異常なサイズの男根をおっきさせた。
J;>_<)「ぃゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そして響く、ギョーンという奇妙な音、少しの間を置き、吹き飛ぶ星人の身体。
(´・ω・`)「やぁ、大丈夫かい?」
駆けつけたのは、ショボンだった。
J;'-')「ぁ……ぁ……」
(´・ω・`)「安心していい。僕にはそんな趣味は無いよ」
J*'-')「ぅ……ぅん」
(´・ω・`)「さぁ、みんなの所に戻るよ」
J*^-^)「ぅん!」
少女の手を引き、ショボンは先程の道を引き返す。
ジョルジュは、どうも釈然としなかった。
( ゚∀゚)(……なーんか、嫌な予感がしやがるぜ)
どうにも上手く行き過ぎる。こんな時は、必ずシッペ返しを食らうものだ。
( ゚∀゚)(杞憂ってヤツだと、いいんだがな)
不安を掻き消すように、早足でショボンの後を追う。
すると、少女を連れてショボンが帰ってきた。
( ゚∀゚)「あの眼鏡のオッサンは?」
(´・ω・`)「自業自得さ」
( ゚∀゚)「……そうかい。ところで、残り時間は?」
(´・ω・`)「あと5分。結構ギリギリだったね」
( ゚∀゚)「ま、後は煙草でも蒸かして……っと、上着のポケットに入れっぱなしだ」
(´・ω・`)「子どももいるんだ。喫煙は避けてくれよ?」
( ゚∀゚)「わーかったよ……!?」
ふと、ショボンの背後に星人の姿を確認した。
(*'ω'*)「…………」
それは、こうですか星人よりも一回り小さく、顔も違う。
それに加えて両腕が無い、奇妙な姿だった。
しかし、ジョルジュの直感が伝える。
今、自分たちは最大のピンチだ。
(;゚∀゚)「ショボン、後ろだぁああああああ!!」
(´・ω・`)「え……うわぁ!?」
(*'ω'*)「ちんぽっぽ!!」
その星人が跳び上がると同時に、物凄い衝撃波が商店街を走った。
ブーン達が駆けつけた時には、商店街は酷い有様だった。
( ^ω^)「な、何があったんだお……」
道のど真ん中には大きなクレーターが出来ていた。
その周囲の店舗はことごとく倒壊していた。
多くの人が商店街へと出て来ていたが、誰もブーン達には気付いていないようだった。
それを少し不思議に思ったが、今はそれどころでは無い。
ジョルジュ達は、クレーターから随分離れた所まで吹き飛ばされていた。
川;゚−゚)レ「ジョルジュ!!大丈夫か!?」
(;゚∀゚)「な、なんとかな……」
そう強がるジョルジュの左腕は、グシャグシャに潰れていた。
(;゚∀゚)「それより、ショボンが……子どもを庇って、モロに食らっちまった」
J*;-;)「ぉじちゃん、ぉきてょ!!」
ショボンはグッタリと倒れていた。鼻や口、耳からも血を吹き出していた。
('A`) 「……まだ息はある!クー、残り時間は!?」
川゚−゚)レ「……3分だ。しかし、妙なんだ」
('A`) 「妙?」
川゚−゚)レ「この地点に、ずっと標的の表示がある。しかし、何処にも見当たらない」
(;゚∀゚)「……上だ。ずーーっと、空高くさ」
全員がバッと上空を見上げる。すると、闇夜にすごく小さな点がひとつ、浮かんでいた。
('A`) 「あれが、このクレーターの犯人か?」
(;゚∀゚)「ああ……跳び上がっただけでこの有様だ。落ちてきたらどうなる事か……」
川゚−゚)レ「悠長に話してる場合か!」
クーは慎重に、上空の白い点をロックオンしようとする。しかし、全く捕らえた様子が無い。
ドクオも同様に、両手の銃で空高く浮かぶ標的を撃ち落とそうとする。しかし、それもすべて不発。
川゚−゚)レ「クッ……ショボンが無事だったなら……」
4人の中で最も射撃技術に長けていたのは、ショボンだった。
しかし、そのショボンは今、生死の境をさ迷っている。
状況は、最悪だった。
( ^ω^)「…………」
('A`) 「ブーン、ボケッとしてないで早く銃を……ブーン?」
( ^ω^)「このスーツ、身体が頑丈になるだけなのかお?」
('A`) 「頑丈になるっていうより、身体能力が跳ね上がるって感じさ。それより!!早く銃を
( ^ω^)「なら、僕に考えがあるお!!」
そういうと、両手を広げ、アスファルトを踏みしめる両足に力を込めた。
( ^ω^)「僕は飛べる、僕は飛べる……」
('A`) 「ブーン、まさかジャンプであそこまで跳ぶ気か?」
川゚−゚)レ「無茶だ!スーツの力にも限界がある!!」
( ^ω^)「僕は……飛べる!!」
そう叫ぶと、ブーンは一気に商店街を駆け抜けた。
−=三⊂二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーーーン!!!
川゚−゚)レ「アイツ、何をする気だ?」
('A`) 「……あの走り方、小学校の時と同じだ」
川゚−゚)レ「それがどうした?」
('A`) 「……本気になった時の走り方なんだ。だから、きっと何かすごい事を考えたんだと思う」
ブーンは駆ける、駆ける。空気を切り裂くように、風を追い越すように。
ブーンの足は、この付近で最も高いビルへと向かっていた。
( ^ω^)「だおおおおおおおおおおお!!!」
そのまま、ビルの壁面を駆け上がる。速度はどんどん加速する。
そして、ビルの最上階の壁に達する頃には速度はピークを迎えていた。
( ^ω^)「僕は……飛べるッ!!!」
ビルの最上階の壁を、ブーンはありったけの力を込めて踏み抜いた。
そして、ブーンは夜空へと飛び立った。
−=====三三三三⊂二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーーーーン!!
(;^ω^)「って、超高ぇお!!」
小さい頃、ブーンは鳥になりたかった。自由に空を飛び回りたかった。
そして今、その夢は現実となった。思った程、気持ちの良いものでは無かった。
( ^ω^)「けど、作戦は順調みたいだお!」
ブーンの身体は、まだまだ上昇を続けながら、ちんぽっぽへと向かう軌道を維持していた。
空に浮かぶちんぽっぽの姿が、どんどん近付く。
しかし、近付くと同時にブーンは恐ろしい事に気が付いた。
ちんぽっぽの身体が、どんどん膨張しているのだ。
('A`) 「おい、なんかアレ、デカくなって無いか?」
川゚−゚)レ「……そんな、嘘だろう!?」
( ゚∀゚)「……おい、あれ!」
('A`) 「あれは……ブーンか!?」
−=====三三三三⊂二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーーーーン!!
(;^ω^)「うはwwwwwwwwテラデカスwwwwwwww」
ちんぽっぽの身体は、既に20メートルを越えようとしていた。
( ^ω^)「怖いけど……やるお!!」
ブーンは両腕に、銃を構えた。
(#^ω^)「だおおおおおおおおおおッ!!!」
ブーンはちんぽっぽの身体に何発も銃を撃ち込む。
ちんぽっぽの身体にどんどん穴が開いていく。
しかし、まるでダメージを意に介していないようだった。
(;^ω^)「……やべ、ぶつかるwwwwwwww」
ブーンの飛翔は十分すぎた。このままではちんぽっぽに正面衝突してしまう。
( ^ω^)「よし、こうなりゃ覚悟決めるお!!」
ブーンは勢いを殺さずに、ちんぽっぽの顔面を目指した。
( ^ω^)「食らえだおおおおおおお!」
ブーンは、ちんぽっぽの眉間目掛けて何度も銃を撃った。
ちんぽっぽの顔が、眉間を中心にどんどん潰れていく。
(*'ω'*)「い、いたいっぽ」
ブーンは構わず銃を撃ち続ける。ちんぽっぽの頭部は、クレーターの様になっていた。
(#^ω^)「これでとどめだお!!」
ブーンは銃を投げ捨て、右の拳にありったけの力を込めた。
そして、先程まで何度も銃で撃ち続けた眉間に、渾身の右ストレートを叩きこむ。
地上のドクオ達の目でも、ちんぽっぽの頭が爆散したのが確認できた。
('A`) 「よぉっし!!」
川゚−゚)レ「安心するのは、早いぞ」
('A`) 「え?」
川゚−゚)レ「まだ、胴体が残っている」
('A`) 「……あ」
胴体だけになったちんぽっぽの遺骸は、そのまま地上へと落下していった。
(;^ω^)「ヤバスwwwwww」
(;'A`) 「どどどどどどうしよう!?」
川゚−゚)レ「うろたえるな!的が近付いてきているんだ……撃つしかないだろう!!」
(;'A`) 「くっ……うおぉおおおおおおお!!」
( ^ω^)「墜落する前に、身体をふっ飛ばすしか無いお!」
(#^ω^)「だおおおおおおおおおおッ!!!」
地上と上空、ちんぽっぽの身体は銃撃のサンドイッチにさらされた。
どんどん迫る白い巨躯。落ちれば被害は甚大だろう。
('A`) 「うあああああああッ!!」
どんどん迫る黒い地面。落ちればみんな死んでしまう。
( ^ω^)「だおおおおおおおッ!!」
怖い、怖い、怖い。しかし、彼等はそれを撃つ。
そして、白い巨躯は爆音と共に弾け飛んだ。
( ^ω^)「や、やったお!!」
ブーンは青黒い体液まみれになりながらも、なんとか最悪の状況を脱した。
しかし、ふと冷静になり考えた。
果たして、この高さから落ちて身体は平気なのか?
(;^ω^)「スーツの強さを信じるお」
しかし、希望は儚く砕け散る。
ギョーン
川゚−゚)レ「しまった、勢い余って撃ってしまった」
('A`) 「おまwwwwwwwwww」
ブーンのスーツの、耳の下に当たるパーツからドロリとした液体が溢れだす。
その瞬間、スーツの機能は完全に停止する。
(;^ω^)「テラヤバスwwwwwwwwwww」
迫るアスファルト。衝突まで、あと3秒。
2秒。
1秒。
ドシーン!
( ×ω×)「ぶべッ!」
ブーンは、フローリングの床に尻を強かに打ちつけた。
あの黒い球の部屋に、帰ってきたのだ。
('A`) 「大丈夫か?ブーン」
(;^ω^)「あうあう……死ぬかと思ったお」
川゚−゚)レ「まぁ、平気だったんだ。それで良しだろう」
(;^ω^)「おまwwwww撃っておいて何いってるお!」
(;゚∀゚)「うああああ!!……あれ?」
(´・ω・`)「うわぁあああ!!……お?」
('A`) 「おかえり」
( ゚∀゚)「あのちっちゃい奴は?」
('A`) 「ブーンがきっちり仕留めたよ」
( ^ω^)「覚えてないのかお?」
('A`) 「ミッション中にでかいダメージを負うと、そこから先の記憶が無くなるんだ」
('A`) 「傷の完治と、一緒にな」
J*;-;)「ぉじちゃん、だぃじょぅぶ?」
(´・ω・`)「あ、ああ、大丈夫だよ」
J*;-;)「ょかったょぉ……」
(´・ω・`)「ハハ……どうやら、随分な大怪我しちゃってたみたいだね」
黒い球に、突如ヴィジョンが浮かびあがる
それぢわ、ちいてんをはじぬる
( ^ω^)「ちいてん……?」
川゚−゚)レ「採点の事だ。点数については、先程説明しただろう?」
( ^ω^)「だおだお!」
まず表示されたのは、ショボンの顔だった
(´・ω・`)
くそみそ 2点
やろうのしりをみて、おっきしない
(;^ω^)「…………」
(´・ω・`)「安心しなよ、ノンケは喰わないさ」
( ゚∀゚)
おっぱい星人 22点
おっぱいばかり、かんがえない
(;^ω^)「あの非常時に、なんて事を……」
( ゚∀゚)「おっぱいは男のロマンだろ?」
川゚−゚)レ
Dカップ 2点
こわしすぎは、いけません!
( ^ω^)「Dカップ……ハァハァ」
('A`) 「お前、また色々壊したのかよ?」
川゚−゚)レ「仕方有るまい。場合が場合だ」
J*'-')
ょぅι゛ょ 0点
ぼくも、おっきしそうです(笑)
J;'-')「ぅ……」
(;´・ω・)「こ、これはGANTZのただの悪ふざけさ!!」
('A`)
どくお 12点
( ^ω^)「あれ?コメントがついてないお?」
('A`) 「……俺、コメントもらったこと無いんだ」
(;^ω^)「そ、そうかお」
( ^ω^)
とぶぶた 32点
とべるぶたは、てらきもす
(#^ω^)「な、なんだおこれ!!」
('A`) 「落ち着けって!」
川゚−゚)レ「初戦で32点か……恐ろしい男だな」
( ^ω^)「これ、すごいのかお?」
川゚−゚)レ「中々驚異的な点数だぞ」
('A`) 「最後のボスが効いたんだろうな」
(´・ω・`)「この調子じゃ、すぐに追い越されてしまいそうだね」
('A`) 「まぁ、そうしたらみんなで一緒に出られるように頑張ろう」
(´・ω・`)「そうだね。それが一番いい」
( ゚∀゚)「さ、帰ろうぜ!」
( ^ω^)「あれ?そこのドア、さっきは開かなかったお?」
('A`) 「ミッションが終われば、開いて外に出られるようになるのさ」
( ^ω^)「そうなのかお!それじゃ、さっそく帰るとするお!」
マンションの一室を出て、みなそれぞれの家路に着く。
少女は、ショボンについていった。
ドクオとジョルジュは同じ方向なのだろう、喋りながら先に行ってしまった。
( ^ω^)「……こんな時間にバスも電車も通ってないお」
川゚−゚)レ「タクシーは呼べないのか?」
(;^ω^)「そんなブルジョワじゃないお」
川゚−゚)レ「そうか、なら私の家に泊まればいい。すぐ近くだ」
( ^ω^)「是非是非よろしくだお!」
(;゚ω゚)「って、えぇえええええ!?」
Returned...
( ^ω^) ブーン
('A`) ドクオ
(´・ω・`) ショボン
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
J*'-') ょぅι゛ょ
mission completed.
【Intermission】
( -ω-)「ZZZzzz...」
ボカッ
(;^ω^)「痛ッ!?」
ξ#゚?゚)ξ「いい加減起きろっつの!!」
(;^ω^)「おま、誰だおwwwwww」
川゚−゚)レ「ツン、もう少し優しく起こしてはやれないのか?」
ξ゚?゚)ξ「ねぇお姉ちゃん、コイツ一体何なの!?」
川゚−゚)レ「だから、道端に落ちてたから拾ってきただけだと言ってるだろう」
(;^ω^)(落ちてたって……もうちょいまともな言い訳用意して欲しかったお)
ブーンはクーのアパートに着いた途端、死んだように眠ってしまった。
そして目覚めは、見知らぬ女の、叩きつぶすかのようなゲンコツだ。
ブーンには状況がまるで飲み込めていなかった。
( ^ω^)「この娘は一体誰なんだお?」
川゚−゚)レ「紹介が遅れたな。私の妹の、ツンだ」
ξ゚?゚)ξ「よろしくね、白豚さん」
(;^ω^)「おまwwwwwwヒドスwwwwww」
川゚−゚)レ「ツン、だから豚ではなくてブーンだと言っているだろう」
ξ゚?゚)ξ「そうだったわね、ごめんね白豚さん」
(#^ω^)「ピキピキ」
川゚−゚)レ「それより、2人とも早く朝食を食べないと遅刻だぞ」
( ^ω^)「うはwwwwwwwお腹ペコペコだおwwwww」
ξ゚?゚)ξ「流石、豚さんね」
(;^ω^)「…………」
( ^ω^)「クーさんの作った朝ご飯、美味しかったお!」
ξ゚?゚)ξ「豚さんのお口にも合うなんて、姉さんも大喜びね」
( ^ω^)「豚じゃなくてブーンだお……」
朝食を摂り、身支度を終えたブーンはツンと共に
最寄りの地下鉄駅へと歩いていた。
( ^ω^)「ツン、VIP学園の生徒なのかお?」
ξ゚?゚)ξ「そうよ、豚でも入れる馬鹿高校とは違うのよ」
(;^ω^)「ひ、ひどすぎだお」
ξ゚?゚)ξ「ねぇ、アンタ本当は姉さんの何なの?」
( ^ω^)「……ちょっとした、知り合いだお」
ξ゚?゚)ξ「彼氏とかじゃない?」
(;^ω^)「そんな訳無いに決まってるだお」
ξ゚?゚)ξ「良かった、姉さんがキワモノ好きじゃなくって」
(;^ω^)「……と、ところで、クーさんは何をしているんだお?」
ξ゚?゚)ξ「あれ?アンタ知り合いなのよね?」
(;^ω^)「あ、いや。か、軽ーーく知ってるだけなんだお」
ξ゚?゚)ξ「クオリティ工科大学に通ってるのよ」
( ^ω^)「そうなのかお!姉妹そろって頭良いお!」
ξ゚?゚)ξ「豚の知能とは大違いなのよ」
(;^ω^)「…………」
ツンの毒舌は、ブーンを徹底的に叩きのめした。
( ^ω^)「それじゃ、僕はこっちの電車で行くお」
ξ゚?゚)ξ「御機嫌よう、白豚さん」
(;^ω^)「最後までヒドスwwwwww」
ブーンはツンと分かれ、深い深い、魂が抜け出るかのような溜め息をついた。
( ´ω`)「一生分の悪口を言われた気分だお……」
電車に乗り込み、ブーンはカバンの中身を確認した。
( ^ω^)「黒いスーツに、黒い銃……やっぱり、昨日の戦いは現実なのかお……」
クーに渡されたスポーツバッグは、ブーンの物では無かった。
川゚−゚)レ「いつガンツに召集されるかわからん。いつでも戦える準備をしておけ」
見知らぬバッグにきょどるブーンに、クーはそっと耳打ちをした。
( ^ω^)「とりあえず、学校着いたら着替えるお」
街の朝は、いつもと同じく賑やかだった。
(◎3◎)「おい内藤、今朝のニュースみたか!?」
寝不足で机に突っ伏したブーンに、友人が構わず話かけてきた。
( ^ω^)「ニュース?」
(◎3◎)「商店街のでっかいクレーターのニュースだよ!」
ブーンの脳裏に、昨夜の記憶が鮮明に蘇る。
(;^ω^)「ああ。あれは凄かったお……」
(◎3◎)「おっかない世の中になったよな〜」
( ^ω^)「全くだお」
そう、全くだ。いつから、死人が夜な夜な化け物と戦う世の中になったのだろう。
ξ゚?゚)ξ「やば、ちょっと間に合わないかも」
ツンは、いつもより少し遅めに家を出ていた。
このままでは、テニス部の朝練に間に合わない。
ξ゚?゚)ξ「……ちょっと近道しよっと」
ツンは、正規の通学路から少し逸れた裏路地へと入っていった。
ξ゚?゚)ξ「相変わらず、薄気味悪い道ね……」
ツンの歩く裏路地は、活気のある通学路とは打って変わって
猫も歩かない、静まり返った道だった。
ξ゚?゚)ξ「ま、たまには静かな朝もいいものよね」
ツンは少し早足で路地を突き進む。
男の姿を目に留めたのは、それからすぐだった。
ξ゚?゚)ξ(あ……ちょっとカッコ良いかも)
黒のパンツに黒のジャケット、黒いネクタイ。
白いシャツと長い銀髪だけが妙に眩しい男だった。
|||ー゚||「ねぇ君、ちょっといい?」
ξ゚?゚)ξ「すいません、今急いでるんで……」
勿体無いけど仕方ない。登校中の女子高生を口説こうとする
無神経さは、ツンには好きにもなれそうに無かった。
|||ー゚||「お願いがあるんだ」
男は、構わずツンに話し掛ける。
ξ#゚?゚)ξ「だから今急いで……ッ!?」
男の右手の掌から、ズルズルズル、と鈍く光る日本刀ような物が出てきた。
ξ;゚?゚)ξ「な、何……!?」
掌から抜け切った刀を男は左手で持ち、一気に横に薙いだ。
ザクッ
包丁で肉でも切ったかの様な音と同時に、ツンの首から鮮血がほとばしった。
ξ;゚?゚)ξ「え……?え……?」
|||ー゚||「俺の、朝飯になってよ」
ツンの意識は、男の声を聞いた瞬間に途絶えた。
―第二話 「クックル星人編」―
#01-1
(;^ω^)「結局丸一日爆睡こいてたお」
基本的に授業中はいつも寝ているブーンだが、今日ばかりは流石に寝過ぎた。
( ^ω^)「ま、しゃあないお。カップ麺でも買って帰るお」
一人暮らしのブーンは、基本的に料理をしない。食事と言えば
菓子パン、カップ麺、コンビニ弁当と相場が決まっていた。
献立は、その日の経済状況により決まる。
( ^ω^)「ハムッ、ハフハフッ、ハフッ!」
一心不乱にカップ麺をすするブーンの姿はどこからどう見ても
きめぇwwwwwwwの一言だった。
( ^ω^)「それにしても……クーさんも美人だったけど、ツンって子も可愛かったお」
空腹を満たしたブーンは、今朝の出来事を振り返っていた。
ツンは、口こそ凶悪そのものだが、顔だけ見れば随分美人だった。
(*^ω^)「……今晩はオカズに困りそうもないお!」
ブーンは早速、性欲の処理に取りかかった。
(´・ω・`)「それで、君はどうして……死んでしまったんだい?」
食卓には、ショボンと幼い少女がついていた。
J*'-')「……パパとママがね、ぃっしょにしのぅってぃったの」
J*'-')「それでね、みんなでぉててつなぃで、でんしゃにぁたっくしたの」
(´・ω・`)「……ごめんね、嫌な事聞いちゃって」
J*^-^)「だぃじょぅぶだょ、ぉじちゃん!」
ショボンは今朝見たニュースを思い出した。夫婦が駅のホームから飛び込み自殺をしたニュース。
少女は気丈に振舞っていたが、内心とても悲しいのだろう。
こらえきれぬほど、寂しいのだろう。
(´;ω;`)「うぅ……」
J*'-')「ぉじちゃん、どぅしてなぃてるの?」
(´;ω;`)「ごめん……ね。スパゲティにタバスコかけすぎちゃったみたいでね……グスッ、ヒッグ」
この子だけは、命に代えても守りたい。ショボンは素直にそう思った。
そして、その矢先である。ショボンの背筋に、悪寒が走った。
(´・ω・`)「……ッ!」
その直後、少女の方から転送が始まった。
(´・ω・`)「2日連続か……随分ハードだね」
そう愚痴をこぼしたショボンの身体も、頭の先から消えていった。
(*^ω^)「はぁはぁ……はぁはぁ……」
ブーンはいきり立った息子を、右手でゴシゴシとしごいていた。
(*^ω^)「ツンたん……ツンたん……ツンたぁあああん!!」
快感が絶頂に達した瞬間には、ブーンの転送は完了していた。
ドピュッ
黒い球体に、白い精子がぶっかけられた。
ξ#゚?゚)ξ「何してくれてんのよぉおおお!!」
ツンが振り上げた足は、ブーンのゴールデンボールを正確に叩き潰した。
(; ω ) ゜ ゜「ひゃうッ!!」
どうしてツンがここにいるのだろう?そう思う間も無く
ブーンは激痛の海に沈んでいった。
ブーンは、ガンツから流れるVIP STARで目を覚ました。
(;^ω^)「うッ……川の向こう岸で死んだばあちゃんが手を振ってたお……」
('A`) 「大丈夫か、ブーン?」
ドクオが心配そうに、ブーンの顔を覗き込んでいた。
(;^ω^)「な、なんとか回復したお」
ブーンはよろよろと立ち上がる。どうやら、クラッシュはしてないようだった。
すでにメンツは揃っていた。前回生存した面々に、若い男女が一組。
そして、ツンである。
ξ゚?゚)ξ「……いまいち、要領を得ないわね」
ツン等『新入り』3人は、ジョルジュからこれから起こる事の説明を受けていた。
( ゚∀゚)「まぁ、最初はそんなものさ。悪いけど、身体で覚えてくれよ」
(,゚Д゚)「つまり、宇宙人をヌッ殺せばそれでオッケーなんだな?」
(*゚ー゚)「ギコ君……私、怖い……」
(,゚Д゚)「しぃには指一本触れさせ無ぇよ!ギコハハハハハ!!」
(;゚∀゚)(うぜぇ……カップルうぜぇ……ごめんなさい、うらやましいです)
川゚−゚)レ「……やけに、帰りが遅いと思っていたんだ。そしたら、このザマだ」
おそらく、廊下でずっと泣いていたのだろう。目を真っ赤にしたクーがブーンに話しかけた。
( ^ω^)「一体、何だっていうんだお……」
('A`) 「……悲しい話だよな」
(´・ω・`)「けれど、なってしまった事は仕方ない」
( ^ω^)「……絶対、みんなで100点取って自由になるお!」
( ^ω^)「そういえば、今回のターゲットはどんな奴だお?」
金的攻撃によるダメージを回復していた最中に発表されたであろうターゲットを確認するため
ブーンは黒い球に浮かぶヴィジョンを覗き込んだ。
てめえ達は今から この方をヤッつけに行ってくだちい
( ゚∋゚)
クックル星人
特徴:つよい はやい なおるよ
好きなもの:ムリーロ・ブスタマンチ
口癖:なし
( ^ω^)「……ニワトリかお?」
ヴィジョンに浮かぶ標的は、ニワトリのような顔をした星人だった。
('A`) 「俺も好きなんだよ、ムリーロ・ブスタマンチ」
格闘技ヲタのドクオは、嬉しそうに言った。
( ゚∀゚)「おいドクオ、転送はじまってるぞ」
('A`) 「お、本当だ」
( ゚∀゚)「みんなが着くまで、星人と、ブスタマンチについて熱く語っててくれや」
('A`) 「ハハッ、熱いトークになりそうだな」
ドクオを皮切りに、どんどん転送がはじまっていった。
今回はラッキーな事に、全員がスーツを着込んでいた。
( ^ω^)「これなら、きっと楽勝だお!」
最後にブーンが転送され、部屋には黒い球だけが残った。
【2nd stage クックル星人】
Staring...
( ^ω^) ブーン
ξ゚?゚)ξ ツン
('A`) ドクオ
(´・ω・`) ショボン
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
(,゚Д゚) ギコ
(*゚ー゚) しぃ
J*'-') ょぅι゛ょ
Ready Go.
#02-2
('A`) 「ブーン……ここ、リンゴの森だよな?」
( ^ω^)「そうみたいだお!」
リンゴの森は、ブーンとドクオにとっては思い出の詰まった森だった。
小学生の頃は、日が暮れるまでこの森で遊んだものだ。
( ^ω^)「懐かしいお……あの頃から何も変わってないお!」
(,゚Д゚)「しかし、随分綺麗だな」
森は月明かりに青く照らされていた。
思えば、昨日も綺麗な月の夜だった。
(*゚ー゚)「本当……素敵だね」
(,゚Д゚)「しぃ、お前の方がずっと素敵さ」
(*゚ー゚)「もう、ギコ君ったら♪」
(#゚∀゚)(Uzeeeeeeeeeeeee!!でも、うらやましいな……)
(´・ω・`)「……イチャついている場合じゃないみたいだよ」
ショボンはそういうと、腕のレーダーを指差した。
赤い点が、ゆっくりとこちらへ近付いている。
標的は、一歩一歩ブーン達に近付いて来ていた。
( ゚∀゚)「……一気に片付けるぞ!!」
ジョルジュの怒号をきっかけに、ブーン、ドクオ、ショボン、クーも銃を構えた。
( ^ω^)「だおぉおおおおおおおお!!」
一心不乱に、標的目掛けてトリガーを引きまくる。
しかし、標的は突如姿を消した。
周囲の木々だけが、爆音と共に砕けちった。
(´・ω・`)「何処にいった!?」
ショボンが、レーダーで赤い点が自分たちのグループの真ん中にあるのを確認したのと
全員の耳にドズッという鈍い音が聞こえたのは同時だった。
J;'-')「ぉ……ぉじちゃ……ん……」
少女の身体を、クックル星人の左腕が貫いていた。
( ゚∋゚)「…………」
クックル星人が左腕をブンッと振ると、少女の身体はまるでボールでも投げたかのように
遠くへと吹っ飛んでいった。
(;゚∀゚)「う、うわぁあああああ!!」
ジョルジュは突如現れたクックル星人へ闇雲にトリガーを引いた。
しかし、銃から光が放たれるより早く、クックル星人はジョルジュの背後をとっていた。
('A`) 「うおおおおおおッ!!」
ドクオは、すかさずクックル星人にタックルをかました。
クックル星人は、数メートル吹っ飛んだが、何事も無かったかのように立ち上がった。
(;゚∀゚)「さ、サンキュー」
('A`) 「みんな、一旦離れろ!!」
ドクオの指示で、全員がクックル星人から離れる。
ただ一人、ショボンを除いて。
(;`・ω・)「うおおおおおおおおおお!!」
ショボンは、鬼の様な形相でクックル星人へと突っ込んでいった。
('A`) 「ショボン!!」
クックル星人もまた、ショボンへと突進していった。
ショボンの拳が伸びたのと、クックル星人の貫き手が放たれたのはほぼ同時だった。
ドゴォッッ
しかし、届いたのはショボンの拳の方だった。
クックル星人は、大きくバランスを崩した。
(;`・ω・)「よくも!よくもよくもよくもよくも!!!!」
無防備になったクックル星人に、ショボンの憎悪の塊のような拳が何度もぶつけられる。
(;`・ω・)「お前は、お前だけは絶対ぶち殺す!!」
クックル星人は、左腕で手刀を振り下ろした。
ショボンはそれを最小限の動作で交わし、右手でクックル星人の腕をがっちりと握る。
(;`・ω・)「食らえッ!!」
ショボンは左手に持った銃で、クックル星人の肩口を撃った。
クックル星人の左腕は、肩から吹き飛んだ。
( ^ω^)「ショボン、めっちゃ強いお!!」
( ゚∀゚)「……あんなに怒ったショボン見たの、初めてだ」
(,゚Д゚)「アイツ、このまま勝っちゃうんじゃないか?」
様子を見ていたブーン達は、ショボンの強さに驚嘆していた。
しかし、すぐさま形勢は逆転する。
ボッ
空気が弾け飛ぶような音と共に繰り出されたクックル星人の蹴りが
今度はショボンの左肩から先を切り落とした。
(;´・ω・)「うぐッ!!」
(;^ω^)「ショボン!!!」
ブーンはすぐさまショボンの元へ駆け出そうとした。
ビュンッ
しかし、それよりも早くクックル星人の左脚がショボンの首を切り落とした。
(*゚ー゚)「きゃああああああ!!!」
吹き出す血飛沫に、首の無い身体に、地面に転がる生首に。
あまりに現実離れした惨劇に、しぃは悲鳴を上げた。
(;^ω^)「嘘だお……こんなの、嘘だお!!!」
しかし、ショボンは死んでしまった。
両目がそれぞれ別々の方を見ている生首が、ブーン達の方へと転がった。
(;゚∀゚)「ショボン!ショボーーーーン!!」
取り乱す一同。しかし、すぐに、さらに恐ろしい光景が繰り広げられた。
クックル星人は切り落としたショボンの左腕を、自分の左肩にあてがった。
ボコッ、ボコッと傷口の周囲の肉が盛り上がったと思うと、そのまま
クックル星人の胴体とショボンの左腕は繋がった。
左手の動きを確かめるように、指を開いては閉じ、開いては閉じた。
ショボンの左腕は、見事にクックルの左腕と相成った。
(,゚Д゚)「ウッ……ゲボッ!」
ギコは、辛抱できずに嘔吐した。
クックル星人は、再び、ゆっくりとブーン達へと近付いた。
残り時間は56分。ミッションが開始から、まだたったの4分だった。
#02-3
ξ;゚?゚)ξ「何、これ?何コレ?何なの!?何なのよ!!!」
ツンは、目の前で起きた事を理解しきれていなかった。
女の子が身体を貫かれて、しょぼくれた顔の男がブチ切れて、ニワトリ男をぶん殴って
そしたら今度はニワトリ男がその男を殺して、男の腕を自分の腕にして?
意味が、わからない。
ξ;゚?゚)ξ「いやぁああああああああ!!」
ツンの慟哭と、クックルが次の標的を定めたのは同時だった。
(;゚∀゚)「ギコ!逃げろ!!」
(;゚Д゚)「うわ、わ、うわぁあああああああ!!」
ギコは背中を向けて、一目散に逃げ出した。
しかし、すぐに追いつかれる。
クックルは、ギコの首根っこを掴むと無造作に地面へ叩きつけた。
そして、そのままギコの身体に馬乗りになる。
ギョーン
クックル星人が音の主に振り返る。銃を撃ったのは、しぃだった。
そして、クックル星人の腹部が爆発した。
(;゚ー゚)「ギコ君は死なせない……ギコ君は死なせない!!」
身体はブルブルと震えていたが、それでもしぃは勇気を振り絞った。
腹を撃ちぬかれたクックル星人は、まだ地面に倒れている。
(;゚Д゚)「し、しぃ……」
(;゚ー゚)「ごめんね……怖かったよね……」
(;゚ー゚)「ギコ君は、私が守るから……」
川゚−゚)レ「2人とも、星人から離れろ!!」
2人は一斉にクックル星人から離れる。
川゚−゚)レ「今だ、撃ちまくれ!!」
みんな、我武者羅にトリガーを引いて引いて引きまくった。
遭遇してすぐとは場合が違う。今度は動かない的だ。
けたたましく鳴り響くギョーンという発射音、爆音。
クックル星人のいた場所は、まるで昨日の商店街のように
大きなクレーターが出来ていた。
激しく舞った土埃で、クックル星人の姿は確認出来なかった。
川;゚−゚)レ「……冗談だろう?」
クーの腕のレーダーには、先程と全く変わらぬ位置に赤い点が表示されていた。
突如、赤い点は瞬間移動する。
(;゚ー゚)「きゃッ……」
しぃが悲鳴を上げきる前に、その身体はクックル星人の手刀で縦に両断された。
白い皮膚は殆ど弾け、筋肉標本のような姿だ。おまけに腹には大きな穴が開いている。
しかし、それでもクックル星人は生きていた。
(;゚Д゚)「しぃいいいいいいいいッ!!」
クックル星人は、しぃの右半身を抱えると木の上へと跳躍した。
('A`) 「逃がすか!!」
ドクオはすぐさま木の上へと銃を乱射する。木々の枝だけが、バラバラと落ちてきた。
ザワザワ、ザワザワと、風も無いのにたなびく木々の枝。
クックル星人は、もの凄い速さで駆け回っているようだった。
ざわめく木々の上から、血がしたたり落ちる。まるで、血の涙のようだった。
そして、最後にはドサッという音とともに、無惨に喰い散らかされたしぃが落ちてきた。
川゚−゚)レ「なッ……」
そして、クックル星人が木の上から降りてきた。
その皮膚はまだ薄いが、既に完治しつつある。
腹の穴には、しぃの肉片が無造作に押し込められ、ボコッ、ボコッとせわしなく隆起している。
(;゚Д゚)「あ……あ……」
ギコは、そのまま卒倒してしまった。
(;^ω^)「……ちょっと、落ち着いたかお?」
ξ゚?゚)ξ「…………」
ブーンは、パニック状態に陥ったツンを見かねて、フィールドぎりぎりの位置まで避難していた。
ツンは、ずっと泣きじゃくっていた。
無理も無い。あんな光景を目の前で見せられて、平気でいられる方が本当はおかしい。
実際、平気でいられた者なんてあの場には誰一人いなかった。
ξ゚?゚)ξ「……ねぇ、ブーン」
ようやくツンは、ブーンの事を名前で呼んだ。
( ^ω^)「ん?」
ξ゚?゚)ξ「アンタは……お姉ちゃんは、ずっとあんな化け物と戦ってたの?」
( ^ω^)「僕は昨日がはじめてだったけど……クーさんは半年前位から戦ってるみたいだお」
ξ゚?゚)ξ「……そうなんだ」
2人の間に、沈黙が流れる。
ξ゚?゚)ξ「ブーン、私も戦う」
( ^ω^)「平気かお?」
ξ゚?゚)ξ「……お姉ちゃんが死ぬなんて、絶対に嫌!」
ξ゚?゚)ξ「だから、私もお姉ちゃんと一緒に戦う!!」
( ^ω^)「わかったお。それじゃ、みんなの所に戻るお!」
ξ゚?゚)ξ「うん!」
−−===三三三⊂二二( ^ω^)二⊃ブーーーーン!
ξ゚?゚)ξ「ちょwwwwwwテラハヤスwwwwwwww」
ブーンは全速力で戦場へ駆けた。
ショボンが、あのショボンが簡単に殺されてしまった。
次は、誰が殺されるかわからない。
ツンをなだめたいとも思ったが、それ以上に一刻も早く
みんなの元へと戻りたかった。戻らなくてはならなかった。
(;^ω^)「……!!」
ブーンの見た光景は、あまりに惨たらしいものだった。
ドクオも、ジョルジュも、クーもクックル星人を撃つ事は出来なかった。
(;゚∀゚)「ちッ……駄目だ、使い物にならねぇ!!」
そう吐き捨てると、ジョルジュは銃をホルダーへ戻し、腰の方へと手をやった。
( ゚∀゚)「おっかねぇから、あんま使いたくないんだけどな」
ジョルジュが取り出したのは、真っ黒い柄だけの剣だった。
構えをとると、柄から刃が伸びた。柄と同じく、真っ黒な刃だ。
川゚−゚)レ「接近戦を挑むつもりか!?」
( ゚∀゚)「当たらねぇ銃よりマシだろ!」
川゚−゚)レ「……それも、そうだな!」
クーも同じく、黒い柄を取り出した。
こちらは、柄が大きく伸びた後、刃が飛び出した。
槍のような形状の武器だった。
川゚−゚)レ「ドクオ、ギコを遠くへ連れていってくれ!」
('A`) 「わ、わかった!」
ドクオはギコを担ぎ、遠くへ駆け出した。
銃声を発したのは、クックル星人が握る銃だった。
しぃを捕食した際に、くすねていたようだった。
ドクオのスーツが、キューンというシャットダウン音と共に役立たずになる。
(;'A`)「くッ……嘘だろ!?」
背負ったギコの重みが、一気に伝わる。
しかし、構わずドクオは走り続けた。
ギョーン
またも響く銃声。今度は、ドクオの右膝から下が木端微塵に吹き飛んだ。
(;゚A゚)「うわぁああああああ!!」
あまりの激痛に、ドクオは倒れ、転げまわった。
クックル星人は、まるで「銃ではつまらん」とでも言うかのように
銃を後ろへと放り投げた。
その隙を、ジョルジュは見逃さなかった。
(#゚∀゚)「だぁりゃああああ!!」
渾身の力でもって振り下ろされた刃は、クックル星人を真っ二つとはいかなかったが
クックル星人の右胸から左腰に掛けて、浅くは無い傷を負わせた。
思わずよろめくクックル星人に、ジョルジュは追撃を試みる。
(#゚∀゚)「じゃあッ!!」
今度は、脳天目掛けた唐竹割り。先程の斬撃よりも、さらに力を込めた。
しかし、それは紙一重でかわされる。
そして、クックル星人はカウンター気味に右の拳をジョルジュの顔面に叩きこんだ。
ブーンが戦場の光景を確認したのと、ジョルジュの身体が吹っ飛んだのはほぼ同時だった。
少し離れた所では、無惨に食い散らかされた死体……あれは、しぃという女だろうか?
そして、もっと離れた所では、右脚を半分失ったドクオがのた打ち回っている。
ギコという男も、ここからではよく分からないが倒れている。
(;^ω^)「ジョルジュ!!」
(;゚∀゚)「ッ……まだだ、まだ大丈夫だ!」
ギリギリの所で、剣での防御が間に合った。
(;゚∀゚)「ブーン、ドクオの止血をしてやってくれ!」
( ^ω^)「わ、わかったお!」
クックル星人がブーンの後を追おうとする。
川゚−゚)レ「行かせるかッ!!」
しかし、クーに塞がれそれは叶わなかった。
(;^ω^)「ドクオ!!大丈夫かお!?」
(;'A`)「あ……あんま大丈夫じゃない……」
相当の量の血を失ったのだろう。ドクオの顔はまさに蒼白だった。
弾けとんだ右膝の回りのスーツの生地を無理やりひっぱり、太腿に巻き付ける。
随分乱暴なやり方だったが、一応止血は出来たようだ。
(;'A`)「ありがとう、ブーン……」
( ^ω^)「なるべく早くやっつけるから、それまでくたばるなお!」
ブーンはドクオに握った拳を突き出した。
ドクオも、力無くではあるが拳を握り、ブーンの拳と合わせた。
ξ;゚?゚)ξ「あー、もう!アイツなんて速さなの!?」
弾丸のような速度で飛び出していったブーンに追いつこうと
ツンも必死に夜の森を駆け抜ける。
ペースは随分速いはずなのに、不思議と息が上がらない。
ξ゚?゚)ξ(これも、このスーツの効果なのかしら?)
そして、遠くにぼんやりと人影が見え始めた。
クーとジョルジュが、クックル星人と戦っていた。
2人とも、黒い球の部屋では持っていなかった武器を手にしている。
しかし、押されていたのはクー達の方だった。
(;゚∀゚)「くっそ!!有り得ねぇッ!!」
武器を持ったジョルジュとクーが、星人とは言え素手の相手に押されている。
川゚−゚)レ「下がれ、ジョルジュ!」
ジョルジュより少し離れた間合いから槍での刺突を繰り出していたクーは
ジョルジュと入れ替わり、クックル星人との接近戦に挑んだ。
川゚−゚)レ「なんとか隙を作る、上手く仕留めてくれ!」
( ゚∀゚)「あ、ああ!」
クーは槍を器用に振り回し、クックル星人の打撃を捌いていった。
川゚−゚)レ「はぁあッ!!」
気合と共に、石突をクックル星人のまだ再生しきっていない腹部にブチ込む。
ズブリという感触と共に、石突はしぃの肉片だったものに突き刺さった。
川゚−゚)レ「ジョルジュ、今だ!!」
ジョルジュは、すぐ側の大木の、最も高い枝に登っていた。
(#゚∀゚)「ふんッ!」
飛び降りた刹那、下から枝を蹴り上げ、落下速度を更に加速させる。
切っ先はまっすぐクックル星人の首筋を狙っていた。
ガキィッ
刃は、クックル星人にがっちりと掴まれた。
(;゚∀゚)「う、嘘だろ!?」
ジョルジュの顔面に、再びクックル星人の拳が迫る。
しかし、その刹那。
ξ#゚?゚)ξ「死にさらせッ!!」
ツンの跳び蹴りが、クックル星人の後頭部に突き刺さった。
(;゚∀゚)「い、今だ!!」
ジョルジュは全力で刀を振り切り、クックル星人の指ごと刀を取り返した。
川゚−゚)レ「ツン!危険だ、下がっていろ!!」
ξ゚?゚)ξ「やだ!!私だって戦える!!」
すぐに体勢を整えたクックル星人は、ツンへと突っ込んだ。
ξ;゚?゚)ξ「ひッ……!」
その余りの速度に、思わず身動ぎする。
(#^ω^)「だおぉおおおお!!」
ブーンのラリアットを喰らい、クックル星人は一回転して地面に倒れた。
続けざまにブーンは、クックル星人の両脚めがけて銃を撃った。
ギョーン、ギョーン
クックル星人が立ち上がった瞬間に、その腰から下が爆発した。
ξ゚?゚)ξ「ブーン!!」
( ^ω^)「怪我は無いかお?」
ξ゚?゚)ξ「こ、こんな奴相手に怪我なんてするわけないでしょ!」
川゚−゚)レ「ドクオとギコはどうだった?」
( ^ω^)「ギコさんは平気そうだったお。でも、ドクオは早くしないと……」
川゚−゚)レ「そうか、ならさっさととどめを……」
(;゚∀゚)「おいおい、どういう事だよッ!?」
クックル星人の上半身が、姿を消していた。
#02-4
ふたたび、風も無いのに激しくざわめく木々。
クックル星人の血の跡は、倒れた地点から木の樹皮まで、ベットリとこびりついていた。
(;゚∀゚)「腕力だけで跳び回ってるのかよ!」
川゚−゚)レ「つくづく、化け物だな……」
クックル星人は、木の上から4人の頭上を狙っていた。
( ^ω^)「だぉおおおお!!」
ブーンは銃を乱射するが、弾け飛ぶのは木々の小枝と葉だけだった。
そして、ジョルジュは奇妙な事に気がついた。
( ゚∀゚)「アイツ、遠ざかってるぞ?」
( ^ω^)「まさか……ギコさんの脚を!!」
クックル星人の狙いは、樹上からの奇襲攻撃などでは無かった。
遠くで倒れているギコを殺し、脚を奪う事だった。
ブーン達は、急いで2人の元へ駆け寄る。
クックル星人が気絶しているギコの上へ現れたのと
ビュンッという風を切る音が聞こえたのは同時だった。
ドズンッ
クーの放り投げた槍は、見事にクックル星人の頭をブチ抜き、砕け散らせた。
ギコの身体のすぐ横に、クックル星人の両腕と胴体だけになった身体が落ちた。
川゚−゚)レ「はぁ……はぁ……」
( ^ω^)「なんとか、勝ったお……」
( ゚∀゚)「クーの槍が外れていたら、終わりだったかもな……」
ξ゚?゚)ξ「…………」
ツンは、クーが半年前から夜中に突然居なくなることを不審がっていた。
といっても、心配していたというわけではなく、男でも出来て
通いつめているだけなのだろうと考えていた。
しかし、実際は違っていた。
クーは、こんな過酷な夜を何度も往き抜いてきたのだ。
( ^ω^)「……残り時間、どれくらいだお?」
( ゚∀゚)「40分ってとこかな」
(;^ω^)「そんな……!それじゃ、ドクオが死んじゃうお!」
( ゚∀゚)「なぁに、星人がおっ死ねばすぐに転送がはじまる」
(;゚∀゚)「……今日は、コイツ一匹だけだよな?」
不安になり、ジョルジュはクーに尋ねた。
もしあんなのがもう一体いれば、勝てる確率は極めて低い。
川゚−゚)レ「流石に大丈夫だとは思うが……ッ!?」
クーはレーダーを見て、自分の目を疑った。
赤い点は、未だ自分達のすぐ側にあった。
川;゚−゚)レ「何で……どういう事だッ!?」
樹上からギコの上へと転落したものは
身体の中心を無理やり押し込み繋がれて、その上で両脚を奪われたしぃの残骸だった。
(;゚Д゚)「んん……え、うわぁあああ!!!」
目覚めたギコは、隣で倒れていた恋人の無惨な姿を目の当たりにした。
その身体はあちこち食い荒らされて、頭と両脚が消失していた。
(;^ω^)「一体どうなって……」
ブーンの背後に異形の影が降り立つ。
それは、継ぎ接ぎだらけで、それでも表情ひとつ変えない
クックル星人だった。
(;゚ω゚)「うああああああああ!!」
クックル星人はブーンの脳天目掛けて、スレッジハンマーを振り下ろした。
モーションの大きさが幸いし、ブーンはかろうじてそれを避けた。
それは、殆どラッキーといっても良い事だった。
それほど、振り下ろされた両の拳の速度は凄まじいものだった。
(;゚∀゚)「おおおおおおおおおッ!!」
ジョルジュが、クックル星人の左胸目掛けて刺突を繰り出す。
それをあっさり回避したクックル星人は、柄を握るジョルジュの両手首を
手刀の一撃で、両断した。
噴き出す鮮血。ジョルジュは、声にならない絶叫を上げた。
間髪いれず、クックル星人はジョルジュを蹴り飛ばした。
まだ両脚が身体になじんでいない所為か、ショボンを殺した時ほどの威力は無いようだった。
それでも、ジョルジュのスーツは機能を停止し、ジョルジュ自身も
意識を失った。また一人、戦力が失われた。
(;^ω^)「ジョルジューーー!!」
川;゚−゚)レ「そんな……クソッ!!」
クーは再び銃を手にし、クックル星人を警戒しながら槍の回収に向かった。
ξ;゚?゚)ξ「いやぁああああああ!!」
ツンは、クックル星人に狙いを定めるでもなく、無闇矢鱈に銃を連射した。
抉れる地面、樹木。ブーンは、誤射されない事をひたすら祈った。
そして、クックル星人はツンに狙いを定めた。
( ゚∋゚)「……今度こそ、お前だ」
クックル星人は、たどたどしいものではあったが、確かにそう言った。
(;^ω^)「だぉおおおおお!!!」
ブーンがツンとクックル星人の間に割って入ろうとする。
クックル星人は貫き手で、ツンの喉元を狙っている。
ザシュッ
真っ赤な鮮血が舞った。
ギコは、今日この瞬間ほど自分を恨んだ事は無かった。
守ると約束した、この世の誰より、どんなものよりも大切だった、しぃ。
その彼女が無惨に真っ二つにされ、挙句の果てには喰い散らかされた。
どうして、あんなに優しいしぃが。どうして、あんなに可愛いしぃが。
どうして、あんなに愛していたしぃが、惨殺されなければならないのか。
憎い。あのクックル星人とかいうニワトリ野郎が、心底憎い。
憎い。憎い。憎い。何度殺しても足りない程、心底憎い。
しかし、身体は動かない。足は竦み、腰も抜けてしまっている。
怖い。怖い。怖い。目の前で殺戮を繰り返す化け物が、心底怖い。
(;゚Д゚)「クソ……クソッ、クソッ!!」
ギコは何度も地面へ拳を打ちつける。
その手を止めたのは、槍を手にしたクーだった。
川゚−゚)レ「……恐れる事は、恥では無い」
川゚−゚)レ「自分を責めるなとは言わん。しかし、絶対生き残れ」
クーは常用する銃とは別の、ブーン達が使う小型の銃をギコに手渡した。
川゚−゚)レ「震えが止まって、立てるようになった時にまだ戦闘が続いていたら、力を貸してくれ」
槍を手にしたクーは、再び戦場へと走り出す。
その後ろ姿は、神話に出てくる戦乙女のようだった。
血を噴き出したのは、クックルの伸ばした左腕……元・ショボンの左腕だった。
手首に筋と平行に、ジョルジュの物であった刀が貫いていた。
ブーンは、咄嗟の判断でジョルジュの手首を外し、刀を手に取っていたのだ。
(#^ω^)「ふんんんんッ!!」
そのまま、乱暴に刀を真横に薙いだ。
クックル星人の腕は、ズタズタに切り裂かれた。
(#^ω^)「だぁあああああッ!!」
返す刀で、ブーンはクックル星人の腹部を切り裂く。
刀は、肋骨か何かに引っかかり動かなくなった。
すぐさま柄を手放して、今度は素手でクックル星人を殴る、殴る、殴る。
いくらショボンやしぃの身体を繋ぎ合わせていても、ダメージは大きい様だった。
(#^ω^)「うりゃあッ!!」
再び刀の柄を握り、そのままクックル星人の胴を蹴り飛ばした。
刀身はおびただしい量の血液と、微量の肉片を纏い真っ赤になっていた。
倒れ込んだクックル星人の上に、ブーンが馬乗りになる。
そして、顔面へ何度も何度も拳を振り下ろした。
ガツッ、ガツンッ、ガシュッ、ゴチュッ
顔を殴る音はどんどん湿り気を増している。クックル星人の顔はすでにめちゃくちゃだった。
(#^ω^)「喰らえお!!」
握った拳をクックル星人の顔へ、思い切り振り下ろす。
その腕を、クックル星人はガシリと掴んだ。
そして、凄まじい握力で以って、ブーンの右腕を握り潰した。
(;゚ω゚)「ぐぁああああああ!!」
ブーンはひしゃげた右腕を押さえ、絶叫した。
そのままクックル星人はスクリと立ち上がり、ブーンの顔へ
ヒザ蹴りを叩きこんだ。
(;゚ω゚)「ゴブッ!!」
ブーンはそのまま仰向けに倒れこんだ。
その一撃で、ブーンの意識は完全に途絶えた。
ξ;゚?゚)ξ「ブーーーン!!」
ツンは悲鳴を上げた。しかし、次の獲物は自分であると確信していた。
予感は的中、クックルは悠々とした感じで、ツンの方へと向き直った。
ξ;゚?゚)ξ「いや……来ないで!!」
ギョーン
銃声が響いた。それは、随分と離れた位置から聞こえた。
完全に油断していたクックル星人の、顔の右半分が爆発した。
(;゚Д゚)「い、今だ!行けぇええええ!!」
ギコの銃撃と叫びと共に、槍を構えたクーが凄まじい勢いで樹上から襲い掛かった。
先程ジョルジュと共に繰り出した連携攻撃と同じだが、今回は敵も相当弱っている。
川#゚−゚)レ「おおおおおおおおおッ!!!」
ドズンッ
クーの槍は、クックル星人の後頭部から下腹部までを貫通した。
クックル星人は、そのまま力無く崩れ落ちた。
(;゚Д゚)「や、やったのか!?」
クーはレーダーを確認する。赤い点は、消えていた。
川゚−゚)レ「ああ……今度こそ、終わりだ」
ξ゚?゚)ξ「私達、帰れるの?」
川゚−゚)レ「ああ、もちろんだ」
ξ;?;)ξ「良かった……怖かったよぉ……」
ツンは、その場で泣き崩れた。
川゚−゚)レ「……」
クーは、無言でツンを抱きしめた。
それは、母親が赤ん坊をあやす姿のようだった。
(,゚Д゚)「お……」
ギコの転送がはじまった。程無くしてツンの転送もはじまる。
川゚−゚)レ「先に部屋で待っててくれ」
ξ゚?゚)ξ「うん……わかった」
ツンの額の部分までの転送が終わった時の事だった。
クックル星人が、槍に貫かれたままユラリと立ち上がった。
ξ;゚?゚)ξ「お姉ちゃん、逃げてぇえええ!!」
クーはバッと振り返る。そして、その光景に驚愕した。
頭から腹まで、縦に貫かれているクックル星人が立ち上がっているのだ。
クーは目の前の光景を信じきる事が出来ず、腕のレーダーを確認した。
レーダーの反応はもう無い。しかし、クックル星人は立ち上がっている。
川;゚−゚)レ「……ッ!!」
クーは銃を構える。クーやギコのものよりも、ずっと大型のショットガン。
クックル星人の眼に、鋭い光が宿る。一歩目は、ゆっくりと踏み出す。
二歩目は、それより早く足を踏み出す。三歩目は、もっと早く。
クーは震えを堪え、右腕一本で銃を構え、クックル星人に照準を合わす。。
最大の威力で敵を迎撃する為、最大限に接近した所を撃つ心積もりだ。
クックル星人が、突如駆けだす。
クーは一歩たりともその場を動かない。
そして、そこでツンの視界は夜の森から黒い球の部屋へと切り替わった。
部屋には、ギコだけはなくブーンも、ドクオも、ジョルジュも戻ってきていた。
( ^ω^)「あ、ツン!!お帰りだお!」
('A`) 「ギコさんから聞いたよ。クーが、アイツをやっつけたんだってね!」
ξ;゚?゚)ξ「違うの、それが……!!」
ツンは、転送される直前の光景をみんなに告げた。
(;゚∀゚)「おいおい……冗談だろ?」
ξ;゚?゚)ξ「冗談なわけないじゃない!馬鹿!!」
(;゚∀゚)「う……と、とにかくだ!すぐにクーも転送されるはずだろう!」
ツン達は、その場で待機する事になった。
しかし、3分経ってもクーは戻って来なかった。
ξ;゚?゚)ξ「嘘よ……ねぇ、絶対帰ってくるよね?」
ジョルジュとドクオは、何も言えなかった。
今までのミッションで、ここまで転送の間が空く事は無かったからだ。
ξ;゚?゚)ξ「なんで、なんでよ!!」
( ^ω^)「……ツン。ツンが信じなかったら、誰がクーさんを信じるんだお?」
ξ゚?゚)ξ「……!!」
川゚−゚)レ「そうだぞ、ツン」
Σξ;゚?゚)ξ「!?」
(;^ω^)「ちょwwwwwwwいつの間にwwwwwwwwww」
川゚−゚)レ「いや、ブーンがツンを励ますちょっと前から」
ξ;?;)ξ「うッ……ふぇ……うわぁ〜〜ん!!」
ツンは、再びクーに抱きつき、泣きじゃくった。
川゚ー゚)レ「……お前は、いくつになっても泣き虫だな」
そういうクーの目からも、涙がこぼれていた。
Returned...
( ^ω^) ブーン
ξ゚?゚)ξ ツン
('A`) ドクオ
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
(,゚Д゚) ギコ
mission completed.
【Intermission 2 】
2日間の連戦の後は、しばらく平穏な日々が続いた。
(◎3◎)「内藤、ずいぶんグッタリしてるけど何かあったのか?」
( ´ω`)「なんもねぇお」
(・θ・)「女にでも振られたか?wwwwww」
( ´ω`)「ちげぇお」
激戦による寝不足からは逃れられたが、今度は
どうにもならない倦怠感と無気力に襲われた。
( ´ω`)「たりぃお……」
この気だるさを吹き飛ばす方法を、ブーンは知っている。
しかし、それを認めることはしたくなかった。
越えてはいけない壁を、越える気がしたからだ。
(◎3◎)「そんな時はアレだ」
( ´ω`)「お?」
(◎3◎)「Let's Go To とらのあn
( ´ω`)「一人で行けお」
(◎3◎)「むぅ……」
(・θ・)「こりゃあ重症だな」
しかし、以外な形でカンフル剤が投与された。
モスカウ♪モスカウ♪ナンタラランタ ラッタッタッ♪
ブーンの携帯が、メールの着信を告げた。
送信者は……誰だろう、知らないアドレスだ。
件名: ドクオです。登録よろしく。
本文: 今週日曜、リンゴの森で会おう
(;^ω^)「どっから僕のメアドがバレたんだおwwwww」
とりあえず、適当に返事を返し、集合時刻と場所を決めた。
戦友となら、この気だるさも紛らわせるかもしれない。
そんな、些細な期待を抱いた。
日曜日
(;゚∀゚)「ちっくしょお……マズイぞ、大変マズイ」
ジョルジュの財布の中身の9割方が、パチンコ台へと飲まれて消えた。
( ゚∀゚)「あーあ、今週も負け越しか」
ジョルジュが勝負をあきらめて帰ろうとした間際
ずいぶん派手な勝ち方をしている男の姿を目に留めた。
( ゚∀゚)「あ」
(,゚Д゚)「あ」
ギコだった。
( ゚∀゚)「いや〜、悪いね!昼飯ごちそうになっちゃって!」
(,゚Д゚)「ああ、気にしないでくださいよ……」
(;゚∀゚)「……お前、キャラ変わった?」
(,゚Д゚)「おかしなもんですよね。こんなに悲しいのに、ツキだけは回ってきて……」
ギコは、未だにしぃの死を引き摺っているようだった。
(,゚Д゚)「よく怒られてたんですよ。パチンコなんて、お金の無駄遣いだ!ってね」
( ゚∀゚)「……まぁ、引き摺るな。だなんて言わないけどよ」
( ゚∀゚)「まぁ、その……元気だせや」
ギコは目つきを変え、ジョルジュの胸倉をつかんだ。
(#゚Д゚)「アンタに何がわかるってんだよ!!」
( ゚∀゚)「わかってるさ。悲しいくらいな」
ジョルジュはギコの手をほどき、携帯電話の裏を見せた。
そこには随分と色褪せた、しかし随分と幸せそうな
ジョルジュと女が写ったプリクラが貼り付けてあった。
( ゚∀゚)「俺より先に、あの部屋に来ていた娘だった」
( ゚∀゚)「はじめはあーだこーだと喧嘩ばっかしてたけどよ」
( ゚∀゚)「まぁ、その……結果的に惚れちまったんだ、お互い」
( ゚∀゚)「で、付き合いはじめた。誰にも内緒でな」
あ、これ誰にも言うなよ!と、ジョルジュはおどけて付け足した。
( ゚∀゚)「すごく、幸せな日々だったよ」
( ゚∀゚)「けど、夏のド真ん中に、アイツは死んじまった」
( ゚∀゚)「海に行く約束も、夏祭りに行く約束もほったらかしてな」
ジョルジュは煙草に火をつける。
( ゚∀゚)「そりゃあ、引き摺ってるよ。ズルズルズルズル。アホかって位な」
( ゚∀゚)「けど……カラ元気でも、元気を出すことにした」
( ゚∀゚)「元気がなけりゃ、死に向きあう事も乗り越える事も出来ないからな」
(,TДT)「ジョルジュさん……俺、俺……」
( ゚∀゚)「まぁ、泣け泣け!今はとりあえず、死ぬ程泣いとけ」
ギコは、声を出して、人目もはばからず泣いた。
同日 クーとツンの家
ξ#゚?゚)ξ「もう!片付けなよ、って何回言ったと思ってるの!?」
川゚−゚)レ「すまんすまん」
ξ#゚?゚)ξ「謝り方ってのがあるでしょ!?」
川゚−゚)レ「大変申し訳ございません」
ξ#゚?゚)ξ「ムッカーーーー!!」
ツンがバタバタとクーの部屋の片付けをする傍ら、当の本人はコミック誌を読みふけっていた。
ξ#゚?゚)ξ「マンガばっか読んでないで、手伝ってよ!!」
川゚−゚)レ「お願いします、は?」
ξ###゚?゚)ξ「お姉ちゃんの部屋でしょうが!!」
クーは、今のこの状況が幸せで、嬉しくて仕方が無かった。
あの日、新宿で死んで、ガンツに選ばれて、戦士になった。
戦いの夜が続いてからは、ツンはどこか余所余所しい雰囲気を醸し出していた。
ブーンを連れて帰った夜だって、ツンは必要以上にブーンにきつく当たった。
あの娘なりに心配や、不安に思ったりしてくれていたのだろう。
それが、姉妹の距離を遠くした気がした。
しかし、あの夜。ツンと共に戦ったあの夜からは、少しずつ距離が縮まっていった。
そして、現在に至る。今まで通りの、騒がしくて、とても素敵な生活。
ξ#゚?゚)ξ「もうッ!ニヤニヤしてないで手伝ってってば!!」
川゚ー゚)レ「お願いします、は?」
ξ###゚?゚)ξ「コノヤローーーー!!」
こんな日が、ずうっと続くようにとクーは祈った。
同日 リンゴの森にて
('A`)「しっかし、ブーンがあの部屋に来たときは本気でビックリしたぜ?」
(;^ω^)「僕は、ドクオの変身っぷりにビックリしたお」
('A`) 「まぁ、小学4年生の頃からだから……7年振りだもんな」
ブーンとドクオは、同じこの街で生まれ育った。
しかし、小学4年生の夏に、ブーンは遠くの町へと引っ越してしまったのだ。
( ^ω^)「この街が好きだから、高校もこっちにしたんだお!」
('A`) 「高校、か」
ブーンとドクオは、他愛無い話をしながら秋の森を歩いて行った。
あの時は、月明かりで青く見えた森も、太陽の下では赤や黄色、茶色と
色とりどりに姿を変えていた。
( ^ω^)「やっぱり、最近の子どもは森なんかじゃ遊ばないみたいだお」
たまにすれ違うのは、犬の散歩をしている老人だけだった。
( ^ω^)「そういえばドクオ、妹と弟は元気にしてるかお?」
('A`)「あ、ああ!当然だろ?」
ドクオには、2つ下の妹と、年の離れた双子の弟達がいる。
ブーンが最後に見た弟達は、立つこともままならない赤ん坊だった。
2人が思い出話に花を咲かせていると、見覚えのある場所にたどり着いた。
その辺りの木は、葉が落ちきってしまっていて、枝や幹もボロボロだった。
( ^ω^)「……ここで、ショボン達は死んじゃったんだおね……」
鮮明に蘇る、恐怖と興奮の夜の記憶。不意に訪れる沈黙。
沈黙を破ったのは、ドクオだった。
('A`) 「……頼みが、あるんだ」
('A`) 「100点を取ったら、ここから出られるっていうのは説明したよな?」
ブーンは、黙って頷く。
('A`) 「……100点の報酬は、それだけじゃないんだ」
( ^ω^)「……どういう事だお?」
('A`) 「選択肢は、3つ。一つ目は、お前も知ってる報酬……『自由』だ」
('A`) 「二つ目は、今よりももっと強い『武器』」
('A`) 「そして、三つ目……死んだ仲間の『復活』」
( ^ω^)「…………」
('A`) 「頼みっていうのはな、ブーン……」
('A`) 「もし、俺が死んでしまって、お前が100点を取ったら……」
('A`) 「俺を、生き返らせて欲しいんだ」
わずかな沈黙の後、ブーンはドクオを殴り倒した。
(#^ω^)「みんな、命を賭けて戦ってるお!!お前だけ、何甘ったれた事言ってるんだお!!」
('A`) 「命が惜しいわけじゃない!!」
予想外の反論に、ブーンは押し黙る。
('A`) 「家族の……為なんだ」
('A`) 「お前が引っ越した年の冬……親父は俺達を捨てた」
('A`) 「中学3年生の夏……働き詰めだった母さんは病気で倒れた」
ブーンには、想像がつかなかった。
あんなに優しかったドクオの父親の、あんなに元気そうだったドクオの母親のそんな姿が。
('A`) 「お前が高校に通ってる間、俺は隣町の工場で働いてるんだ」
('A`) 「俺が死んだら、母さんも、妹も、弟も喰わせてやれない……」
ドクオの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
('A`) 「……この前の点数、覚えているだろ?」
ブーンは、クックル星人を倒した夜の得点を思い出した。
確か、クーが40点。他のメンバーはそれぞれ5点。ドクオの点数は……0点。
('A`) 「クーは、あと3点で自由になれる。ジョルジュだってあと少しだ」
('A`) 「俺だけ、ずっとずっと、100点が遠いんだ」
('A`) 「それに……俺は、弱いんだ」
('A`) 「クーよりも、ジョルジュよりも、ショボンよりも……ブーン、お前よりも」
ブーンは、うっすらとではあるが、それを感じとっていた。
同じ数の死線を潜り抜けたはずなのに、何故か生じている決定的な戦力差。
('A`) 「自分勝手な理由さ。信じてくれなくたって構わない」
('A`) 「けど、俺、死ねないんだよ!!絶対、絶対死ねないんだよ!!!」
( ^ω^)「……なら、死ななきゃいいお」
ブーンは、あっさりと言ってのけた。
( ^ω^)「死ねない死ねないって、そんなの誰だって同じだお」
( ^ω^)「だからこそ、みんな死ぬ気で戦ってるんだお」
( ^ω^)「ドクオだって……そうなんだお?」
ドクオは、何も言わずブーンの顔を見ている。
( ^ω^)「それに、いつかみんなで約束したお」
( ^ω^)「全員で、必ずここから出るって」
( ^ω^)「……だから、ドクオも頑張って、100点目指すお!」
('A`)「けど、けどよ……」
( ^ω^)「なら、お互いに約束するお」
( ^ω^)「僕は死ぬ気でドクオを助ける。ドクオは死ぬ気で100点目指す」
( ^ω^)「これで、文句ないだお?」
それは、あまりにも強引で、あまりにも乱暴な約束だった。
( ^ω^)「……よし、お腹減ったからさっさと帰るお!」
ブーンは両手を広げて走り去った。ドクオには、ブーンの耳が真っ赤になってるのが見えた。
('A`) 「……絶対守るさ、約束」
ドクオは、声を押し殺して泣いた。
・・・
・・
・
平穏な日々は、ゆっくりと崩れていく。
从'ー'从「あれれぇ〜?私の自転車が無いよぉ〜?」
(*゚ス゚)「まさか、また盗まれたの!?」
彼女の名は渡辺さん。現役女子高生。どこのクラスにもいる、おっちょこちょいキャラだ。
ただひとつ違うのは、規格外のおっちょこちょいという事だけだ。
(*゚ス゚)「ちゃんと鍵閉めなきゃ駄目だって、言ってるでしょ!?」
从'ー'从「うん、わかった〜」
(*゚ス゚)「はぁ……駄目だこりゃ。っと、バイトの時間ヤバいから、先行くね!」
从'ー'从「バイバ〜イ!!」
渡辺さんは、やたらと元気良く、友人の姿が見えなくなるまで手を振った。
从'ー'从「仕方ない、歩いて帰ろ〜っと」
自転車に轢かれそうになりつつも、渡辺さんはトコトコと歩きだした。
そして、家まであと数分で、ようやく異変に気付く。
从'ー'从「あれれぇ〜?カバンが無〜い」
トコトコと、着た道を引き返す。
(;´_ゝ`)「うわぁああああああ止まらん!!」
(´く_`;)「無茶なドリフトかますからだ!!」
タンデムライドのバイクが、渡辺さんを巻き込み大転倒する。
3人は、即死だった。
・・・
・・
・
男は、13段の階段を登りきり、首吊り縄を首に通す。
1人目を殺したのは、ほんの小さなアクシデントがきっかけだった。
2人目を殺した時、震える程の快感を感じた。
14人目を殺して、ついに足が着いてしまった。
19人目を殺す前、とうとう檻へとブチ込まれた。
死刑は既に、確定していた。
精神異常者の振りをするでもなく、模倣囚になるわけでもなく
淡々と取り調べに答え、判決を受けた。
それからの日々は、空虚だった。
しかし、随分と色んな物が輝いて見えた。
世界は、こんなにも輝かしいものだと、彼は感じた。
もし、次に生まれ変わる事が出来るとしたら
そんな事が、本当に可能ならば
( ・∀・)「次も、人間に生まれたいな」
床の感触が消え失せ、首に凄まじい重力がかかる。
そして、かつてこの国を震え上がらせたシリアルキラー
モララーの生涯は潰えた。
―第三話 「ニダー星人編」―
#03-1
(;^ω^)「ぬお〜〜〜!!雨振るだなんて聞いてないお!!」
少し遠出して、久々のショッピングを楽しんだらこれである。
本屋の軒先で雨宿りをしてみてはいるものの、一向に止む気配は無い。
途方に暮れるブーンの肩を、不意に背後の誰かが叩いた。
ξ゚?゚)ξ「お久しぶりね、白豚さん」
傘を持ち、ファッション誌か何かだろう、大きめだが薄い紙袋を抱えたツンだった。
ξ゚?゚)ξ「傘、入ってく?」
( ^ω^)「相合傘かお?」
ξ////)ξ「かッ、勘違いしないでよね!」
ξ////)ξ「雨に降られてオロオロしてるアンタが哀れだから、同情してやってるのよ!」
ξ////)ξ「べッ、別に、アンタと一緒に帰りたいわけじゃ無いんだから!!」
(;^ω^)「今ひどいツンデレを見たお」
ブーンは、ツンの傘を受け取った。
同じ傘の下のふたりは、終始無言だった。
別に話題が無いだとか、仲が険悪だとかではない。
ひたすら顔を真っ赤にしてうつむき続けるツンに、ブーンは声を掛けあぐねていたのだ。
そして、共通の目的地である駅へと到着する。
( ^ω^)「それじゃ、僕はこっちに行くお。傘、ありがとうだお」
ブーンは、ツンに傘を返し、背を向ける。
ξ;゚?゚)ξ「あ、あのッ!!」
ブーンはツンの突然の大声に、驚きつつも振り返る。
ξ////)ξ「……この間のブーン、カッコ良かった」
( *^ω^)「……ありがとだお」
ブーンは、生涯で初の賛辞を受けた。
ブーンは、ベッドの中で悶々と悶えていた。
目を瞑っても、羊を数えてみても、真っ暗な頭に浮かぶのはツンだった。
家に着いてから、ブーンは珍しく部屋の掃除をした。
自分の服のチェックなどもしてみた。
どうせまたすぐに引っ張りだすのに、エロ本を隠した。
ブーンは、生まれて初めての恋をした。
( *^ω^)「早く……早くツンに会いたいお……」
ふと、ブーンの背筋に悪寒が走る。
この感覚は2度目だ。1度目は、自慰行為の途中で味わった。
その時も、考えていたのはツンの事だった。
( ^ω^)「早く、早くイキてぇ!!」
そして、ブーンの転送が始まった。
そこには、ただ黒い球だけがあった。
( ^ω^)「……僕が最初かお」
ブーンは、その場にドカッと座り込んだ。
( ^ω^)「…………」
随分と不思議な気分である。これは、紛れも無い生命の危機なのに。
それなのに、何故かどうしようも無くワクワクしている。
心の奥底で、この日を待ち焦がれていた。
生命を賭けた、戦いの興奮を。敵を討ち倒すあの快感を。
ブーンは焦がれて待っていた。
そして、ツンとまた会える……それも大きな理由だろう。
(*^ω^)「早くこないかお」
ワクワクテカテカしていると、2人目の転送が始まった。
( ^ω^)(ツン!ツン!!ツン!!!)
从'ー'从「あれ〜?ここ、私の家じゃないよ〜?」
(;^ω^)「おまwwwwww誰だおwwwwwwwww」
3人目と4人目の転送は、同時に始まった。
(*^ω^)(きっとツンとクーさんだお!)
( ´_ゝ`)「おお、なんか知らんが生きてたぞ」
(´く_` )「流石だな。でも、ここ何処だ?」
(;^ω^)「…………」
随分個性的な新メンバーが増えたようだ。
5人目の転送が始まる。
(;^ω^)「こ、今度こそ……」
( ゚∀゚)「アッア〜♪なんかいいカンジ〜♪……て、転送されてんじゃねぇか!!」
カラオケマイクを手にしたジョルジュだった。
6人目。
(´;゚;ё;゚;)「しょこたぁあああああん……あれ?ここどこ?」
(;^ω^)「うはwwwwwwwキモスwwwwwwwwっうぇwwwwwwww」
7人目。
( ゚д゚ )「…………Yes, I am」
(;^ω^)「何処かでお会いしましたかお?」
8人目。
m9(^Д^)「プギャーwwwwwwww」
(#^ω^)「てめ、ブッ殺すお?wwwwwwww」
9人目
( ∵)「ここは……?」
(;^ω^)「いい加減コメントに困るお!!」
ここに来て、ブーンは僅かな違和感を感じた。
多いのだ。転送される人数が、今までの2回よりも。
未だドクオも、ギコも、クーも、ツンも来て居ない事を踏まえて、最低13人。
( ^ω^)(……まぁ、こんな事だってあるお)
ブーンは再び、ツンを待ちわびた。
ξ゚?゚)ξ「あ……」
17人目で、ようやくツンが転送された。
ξ゚?゚)ξ「…………」
ツンはブーンと目が合うと、顔を赤くしてそそくさと廊下……女性更衣室に隠れ込んだ。
ブーンは少し、悲しい目をした。
('A`) 「どうしたんだ、ブーン?」
( ^ω^)「な、なんでも無いお!」
( ^ω^)「それにしても、ちょっと人数多すぎじゃないかお?」
('A`) 「17人か……こんなに多いのは、初めてだな」
そして、18人目が転送された時、部屋のどよめきは更に大きくなった。
( ・∀・)「……生まれ変わった……のかな?」
( ゚ф゚)「おい、コイツ……モララーじゃないか!?」
(`・ж・´)「あの連続殺人犯の!?」
(,,゚Д゚)「マジかよ……」
ざわつく声を静めるように、あの歌が流れ出す。
I wanna be a VIP STAR
君をもっと夢中にそれなんてエロゲ?
テラワロス VIP STAR 腕を広げ
ブーンをさせてあげよう君だけに〜♪
戦士を送り出すにしては、やけにポップな。
死者への葬送曲にしては、やけに賑やかな。
そんな、どうにも能天気な、戦いの始まりを告げる音楽。
そして、黒い球に、にガンツからのメッセージと、今回のターゲットが表示される。
てめえ達の命は、無くなりました。新しい命を
どう使おうと 私の勝手です。という理屈なわけだす
てめえ達は今から この方をヤッつけに行ってくだちい
<ヽ`∀´>
ニダー星人
特徴:つよい いっぱい ずるがしこい
好きなもの:キムチ、韓流、自分
口癖:ウリナラマンセー!
( ^ω^)「あれ?なんか様子が変だお?」
ヴィジョンの表示が、切り替わる。
今回は、ついでにこの方もヤッつけてくだちぃ
|||ー゚||
神崎
特徴:超つよい ちうちう
ξ;゚?゚)ξ「!? こ、コイツ……!!」
( ^ω^)「ツン、何か知ってるのかお?」
ξ゚?゚)ξ「……私を、殺した奴」
( ^ω^)「……そうなのかお」
ξ゚?゚)ξ「一体、コイツは何なの……?」
( ^ω^)「……とっつかまえて、答えてもらおうお」
川゚−゚)レ「しかし、なんだ?ちうちうって」
( ゚∀゚)「なんかやらしいな」
そして、また切り替わるヴィジョン。
今回は、特別にサービスしちゃうだす。
すると、いつも通り黒い球が展開すると同時に、
部屋の隅にあった引き戸がガラガラガラッと音を立てて開いた。
引き戸の向こうには、奇妙な柄だけがいくつも置かれていた。
てめえ達のために、ぼくがんばっちゃいました。
あと、てめえ達のあたまのなかのバクダンも無しだす。
そのかわり、てめえ達は絶対逃げられません。
てきの方々をヤッつけきるまで思う存分戦ってくだちぃ。
(;^ω^)「ど、どういう事だお……?」
('A`) 「何かがおかしいぞ。今回は、全部が」
川゚−゚)レ「ああ、あそこの戸には……」
( ゚∀゚)「結構前から、入れたんだぜ」
('A`) 「ちょwwwwww俺仲間はずれかwwwwww」
(;゚∀゚)「悪気があったわけじゃないんだ。ただ、毎度毎度うっかりしてな」
川゚−゚)レ「まぁ、気にするなよ」
ドクオは、釈然としないまま新たな武器を手に取った。
川゚−゚)レ「ほら、このように女の腕でもこんな事が」
从'ー'从「すご〜い!」
(;゚ω゚)「じまっでる!!めっぢゃぐびじまっでぶぐげぶごぶ」
(;´_ゝ`)「うわ!泡吹いてるぞ、泡!!」
今回も、ブーンの身体を張った実演のおかげで全員にスーツを着用させることが出来た。
そして、戦地への転送が始まる。
(;^ω^)「死ぬかと思ったお」
川゚−゚)レ「死ねばいいのに」
(;^ω^)「ちょwwwwwおまwwwwww」
川゚−゚)レ「冗談だ。さて、そろそろお迎えが来たようだ」
部屋には、ブーンとツンだけが残った。
ξ゚?゚)ξ「ねぇ、ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ////)ξ「あの……その……」
ξ////)ξ「帰ってこれたら、一緒に映画観に行こう?」
( ^ω^)「何の映画だお?」
ξ////)ξ「な、なんでもいいでしょ!とにかく、行くわよ!!」
一方的に約束を成立させ、ツンも転送される。
(*^ω^)「……ツンと、デートかお……」
ブーンの妄想がどんどん膨らむ中、またもヴィジョンの表示が変わった。
がんばれ、恋するブタ野郎(笑)
(#^ω^)ピキピキピキ
そして、ブーンの転送が始まった。
同時刻・某所にて
《 ◆3◆》「まさか、お前たちまで動いているなんてな。想定外ニダ」
|||ー゚||「オニ星人の件、アンタも知っているだろう?用心しないとね」
<ヽ`≧´>「貴様!将軍様になんて口を!!」
《 ◆3◆》「良い。ホンマン、下がってるニダ」
ホンマンと呼ばれた、2mを遥かに越す巨躯のニダー星人は押し黙った。
|||ー゚||「一応、危険な奴をリストアップしといたよ」
神崎はそういうと、将軍とよばれた肥え太ったニダー星人に数枚の顔写真を渡した。
川゚−゚)レ
( ゚∀゚)
( ^ω^)
|||ー゚||「この3人が、要注意人物ってワケさ」
《 ◆3◆》「ウリ達の軍勢に敵はいないニダ!」
|||ー゚||「クックル星人、知ってるかい?」
《 ◆3◆》「当然ニダ。あの凶暴な星人だろう?」
|||ー゚||「こいつ等に、殺られたよ」
将軍の眉が、ピクリと動いた。
《 ◆3◆》「……それは、油断ならないニダ」
|||ー゚||「それと、一応付け足しておくけれど……」
神崎は、ブーンの顔写真を指差した。
|||ー゚||「こいつは、ガンツに『選ばれた』可能性がある」
将軍の顔に、今度ははっきりと脅威と焦燥が浮かんだ。
《 ;◆3◆》「…………」
|||ー゚||「まぁ、今回は僕達も参加するから、問題無いよ」
(゚=゚)「…………」
銀髪の後ろに立つ大男が、黙って頷いた。
《 ◆3◆》「期待しているニダ」
|||ー゚||「さて、それじゃそろそろ行こうか、篠田」
後ろの大男、篠田とともに去ろうとする銀髪を、将軍は引きとめた。
《 ◆3◆》「腹ごしらえに、キムチでも食わないニカ?」
|||ー゚||「遠慮しておくよ。辛い物、好きじゃないんだ」
再び背を向け、銀髪は続けた。
|||ー゚||「それに、ごちそうを頂く前はお腹を空かせておかなきゃね」
ブーン達の、もっとも長い戦いが始まろうとしている。
夜明け前の空には、雪がチラついていた。
【3rd stage ニダー星人】
Staring...
( ^ω^) ブーン
ξ゚?゚)ξ ツン
('A`) ドクオ
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
(,,゚Д゚) ギコ
从'ー'从 渡辺さん
(^Д^) プギャー
( ,' 3 )荒巻
( ・∀・) モララー
( ´_ゝ`) 兄者
(´く_` ) 弟者
( ゚ф゚) 熊ケ谷
(`・ж・´) 水戸
(´;゚;ё;゚;) ノリヲ
( ∵) ビコーズ
(-_-) ヒッキー
( ゚д゚ ) プレストン
Ready Go.
#03-2
ブーン達が転送されたのは、とあるビルの屋上だった。
( ^ω^)「ここは……?」
ξ゚?゚)ξ「パ○コの屋上……かしら?」
(,,゚Д゚)「みたいだな」
そこは、ブーン達の街でももっとも栄えている地区だった。
川゚−゚)レ「む?レーダーがおかしいぞ」
クーの腕のレーダーには、LimitLess の表示だけが映されていた。
('A`)「今回は時間もフィールドも無制限……てことか?」
(`・ж・´)「なら、よくわからないけど帰らせてもらうよ」
( ∵)「ああ、明日も仕事だよ……」
水戸とビコーズが階段を降りる。
( ゚∀゚)「おい、待てって!!」
ジョルジュが引きとめようとした次の瞬間
下のフロアから、いくつもの爆発音が響いた。
( ゚ф゚)「え?ちょ、えぇ!?」
ビルは、一気に倒壊を始めた。
(;^ω^)「うわぁあああああ!!」
いくらスーツを着ているとは言え、9階分もあるビルの崩落に巻き込まれては
タダで済むわけがない。
(,,゚Д゚)「と、飛び移るぞ!!」
ギコは隣のビルの窓に飛び込んだ。
それに触発されたように、次々と周囲のビルへと移っていく。
从'ー'从「あれ〜?みんなどこいくの〜?」
(;^ω^)「ちょwwwwwwwちゃんと、つかまってるんだお!」
ブーンは渡辺さんを抱き上げ、隣のビルへと飛び移ろうとする。
しかし、出遅れ過ぎていたようだった。
すでにビルの高さは、2階分も無かった。
( ^ω^)「だぉおおおおお!!」
ブーンは、路上駐車してあったワゴンの屋根へ飛び降りた。
<ヽ`∀´>「何人逝ったニダ?」
<ヽ`∀´>「階段降りた2人だけみたいニダ!」
<ヽ`∀´>「お、あそこに2人チョパーリ発見ニダ!!」
路上へ降りたブーンと渡辺さんを、ビルを爆破したニダー星人の部隊が発見した。
( ^ω^)「よーし、やったるお!」
ブーンは銃を手に、ニダー星人の群れを迎え撃つ。
从'ー'从「あれ〜?向こうからも来たよ〜?」
ブーンは背後を向く。すると、そちらからもニダー星人が迫ってきていた。
(;^ω^)「テラヤバスwwwwwww」
ふと、ブーンの前方のニダー星人の群れが横に吹っ飛んだ。
('A`)「ブーン、大丈夫か!?」
ドクオの手には、やたらと大型で、銃身も長い銃があった。
( ^ω^)「ドクオ!なんだおそれ!?」
('A`)「新しい武器!なんか、こんなんなっちゃった!」
( ^ω^)「なんでもありかお……」
<ヽ`∀´>「ウリナラマンセー!」
从'ー'从「きゃ〜〜」
振り向くと、ニダー星人がすぐ側まで接近していた。
( ^ω^)「くッ……だおぉおおお!!」
銃では、間に合わない。ブーンは銃をしまい肉弾戦に持ち込んだ。
(#^ω^)「だおおおおッ!!」
ブーンはニダー星人の一体に殴りかかる。
<ヽ`∀´>「アイゴー!!」
ニダー星人はきりもみ回転をしながら、地面に倒れた。
<ヽ`∀´>「チョパーリが同胞を殺したニダ!!」
<ヽ`∀´>「生意気ニダ!!」
<ヽ`∀´>「謝罪と賠償を要求するニダ!!」
ブーンは、ニダー星人に袋叩きにされた。
('A`)「ブーン、伏せろ!」
そういうと、ブーンは叩かれながらも亀の様に丸くなる。
そして、ドクオの新しい銃……大砲の方が、表現として適切だろう。
とにかく、その銃を撃ちはなった。
ギョーンという、いつもの音。すこしの空白。そして、肉の弾け飛ぶ音。
砲身の先から放射線状に立っていたニダー星人が、一気に吹き飛んだ。
<ヽ`∀´>「アイゴー!!」
<ヽ`∀´>「撤収ニダ!!」
ニダー星人は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
( ^ω^)「た、助かったお」
('A`)「さ、追いかけるぞ!」
ブーンとドクオは、ニダー星人の殲滅に繰り出した。
从'ー'从「あれ〜?私なんもしてないよ〜?」
渡辺さんは、とりあえずブーン達を追いかけていった。
( ゚д゚ )「…………ガッデーム」
ミルナコッチ……もとい、そのそっくりさん。プレストンは
逃げ込んだビルの一角で、ニダー星人に包囲されていた。
プレストンは両手に拳銃を持った。
( ゚д゚ )「…………ジェノサイッ!!」
彼の叫びに呼応するように、ニダー星人が一斉に飛びかかった。
ギョーン、ギョーン、ギョーン
プレストンの銃が、一気に光を放つ。
そして、ニダーの繰り出すカカト落としや回し蹴りを舞うように回避する。
<ヽ`∀´>「アイゴー!!」
弾け飛ぶニダー星人。撃ってから炸裂するまでの数秒の間に戸惑ったが、コツは掴んだようだ。
プレストンは、ただのミルナコッチのそっくりさんでは無かった。
彼は、一子相伝の武術『ガン=カタ』の使い手だった。
それは、二丁拳銃を用い、近接戦闘にて一気に敵を殲滅するための武術。
顔目掛けて飛んでくる足刀を避け、逆に相手の顔を撃つ。
足払いと中段蹴りを、高いバク宙で回避し、そのまま両サイドのニダー星人を撃つ。
着地の間際、まだ撃っていなかった3体を一気に撃つ。
( ゚д゚ )「…………Amen(エイメン)」
次々と、ニダー星人が肉の塊となって弾けとんだ。
プレストンは、悠々と1階を目指した。
ξ゚?゚)ξ「ちょっと……どうしよう」
ツンは、十数体のニダー星人のよって、追い詰められていた。
崩れ落ちるビルから、ツンはこのビルへ飛び移った。
しかし、飛んだタイミングがずれてしまった所為で、クー達のフロアとは別の階に着地した。
そして、最悪な事に、ツンは跳んだ拍子に銃を落としてしまった。
ξ゚?゚)ξ「早く取りにいかなきゃ……」
ツンは、地面に落ちたと思われる銃を回収するべく未だ動いているエレベータへと向かった。
しかし、ツンは気付く。何故エレベータが動いている?こんな誰もいない時に?
エレベータは、ツンのいる階で動きを止める。ドアが、開いた。
<ヽ`∀´>「ウェーハハハ!チョパーリのメス発見ニダ!」
<ヽ`∀´>「上玉ニダ!チマチョゴリ着せたいニダ!」
<ヽ`∀´>「チョパーリには勿体無いニダ!ウェーハハハ!!」
ξ゚?゚)ξ「きゃあああああああッ!!」
ヤる気マンマンのニダー星人から逃げるツン。しかし、数が違いすぎる。
そして、ツンは囲まれてしまった。
<ヽ`∀´>「お、あの車、ヒュンダイ製ニダ!」
<ヽ`∀´>「やっぱりイルボンの車と違って優雅ニダ!」
ツンは、バッと背後を見やる。そこには、ヒュンダイ製の自動車が展示してあった。
このビルのこのフロアは、自動車の展示販売所だったのだ。
そう。そこには、自動車があった。
ξ#゚?゚)ξ「どりゃあ〜〜〜〜ッ!!」
ツンは、自動車を持ち上げ、ニダー星人の群れへと放り投げた。
<ヽ`∀´>「ギャー!!」
ニダー星人のうち一体に、車が直撃する。
絶命にこそ至らなかったものの、気絶はしたようだ。
空飛ぶ車。そんな夢のような光景を目撃したニダー星人たちは、一瞬呆然とした。
そして、その一瞬の隙をツンは逃さなかった。
すかさず、腰に差してあった新兵器の柄を握る。
柄は、そのままズルッと伸び、その先には三日月のような大きな刃が形成された。
ξ;゚?゚)ξ「何これ……鎌?」
その、死神や悪魔が持つような非常識なサイズの鎌に、ニダー星人は恐れおののいた。
ξ゚?゚)ξ「ま、ちょうどいいわね!」
そういって、ツンは鎌を一気に横に薙いだ。
ニダー星人の上半身が、一斉に宙へと舞った。
ξ;゚?゚)ξ「うッ……」
その光景に、犯人であるツンが吐き気を催す。しかし、なんとか堪えてクー達のいるであろう
2階上のフロアを目指した。
当座の武器を手にしたので、銃を回収するのは、後でもいいと踏んだのだ。
そして、その2階上のフロア。
そこは、地獄と化していた。
#03-3
クー、モララー、プギャー、熊ケ谷が飛び移ったフロアは、ニダー星人達の拠点だった。
4人は、あっという間に取り囲まれる。
川゚−゚)レ「クッ……」
クーは槍を振りつつ、隙を見ては銃を撃つ。
しかし、このままではラチが開かない。
<ヽ`∀´>「ウェーハハハハハハ!!」
ニダー星人の一体がクーへと跳びかかる。前方の群れへの防御に、槍は使ってしまっている。
そして、回避すれば今度は後ろの3人に被害が及ぶ。
川;゚−゚)レ「仕方ない、か」
クーはダメージを覚悟した。その時、3人のうちのひとりが空中のニダー星人を撃ち落とした。
( ・∀・)「ふむ……。威力はすごいけど、遅いね」
モララーは銃の性能を把握し、しまう。今度は、黒い柄を手にした。
柄は、一瞬でナイフへと姿を変えた。
( ・∀・)「これはこれは……」
ナイフは、モララーにとってもっとも身近な武器だった。
それもそのはず。彼の被害者18人は、みなナイフで喉を掻っ切られていたのだ。
( ・∀・)「あつらえ向きだね」
そういうと、モララーはニダー星人の群れへ飛び込んだ。
たちまち、群れのあちこちから血飛沫が上がる。
ニダー星人達は、突然の事にパニックを起こした。
川゚−゚)レ「今だ!」
クーも、防御に使っていた槍で攻撃に転じた。
たちまち、上る血煙が2倍になった。
生きているニダー星人が撤退を終えた頃には、フロア一杯に死骸が転がっていた。
モララーもクーも、血まみれになって佇んでいた。
( ・∀・)「へぇ……君、強いね」
川゚−゚)レ「貴様程じゃないさ、斬り裂き魔」
その圧倒的すぎる光景を呆然と見ていたうちのひとりが声をあげた。
m9(^Д^)「ニダー星人超弱ぇ!!プギャーーーwwwwwwww」
川゚−゚)レ「お前何もしてないだろ」
クーが淡白なツッコミをいれた後、プギャーと熊ケ谷の背後の窓に、人影が現れた。
窓ガラスを突き破ったそれは、黒い球の部屋の人間ではなかった。
<ヽ`≧´>「随分好き勝手やってくれてるようニダね?」
それは、2mを遥かに越す巨躯を誇るニダー星人の幹部、ホンマンだった。
(^Д^)「ちょ、でか
でかい、そう言いかけたのだろうか。とにかく、プギャーは一瞬のうちに頭を掴まれ
そのまま膝蹴りをブチ込まれた。スーツが故障するより早く、頭が砕けた。
(;;゚ф゚)「ひ、ひ、ひぃいいいいい!!!1」
熊ケ谷が背を向けて逃げ出そうとする。しかし、すぐに首根っこを掴まれる。
キューンという、シャットダウン音。首を強く握っただけで、スーツは機能を停止された。
<ヽ`≧´>「ふんッ!」
ホンマンはそのまま熊ケ谷を外へと放り出す。生身の人間が落ちて助かる高さではなかった。
<ヽ`≧´>「これで、あと2人ニダ」
クーは、冷や汗を垂らした。
こいつの強さは、クックル星人に匹敵するかもしれない。
そう、直感的に判断した。
ホンマンの腕がクーの喉へと伸びる。
川゚−゚)レ「遅いッ!」
クックル星人のそれと比べたら遥かに鈍重な動きの腕を軽々と回避し、
クーの槍が弧を描く。標的は、ホンマンの手首だった。
ガキィン
肉と血管は切れた。しかし、骨を断つまでにはいたらなかった。
川゚−゚)レ「くッ……なんて硬さだ!」
そして、先程の腕の動きはフェイクであったかのように
空気を切る凄まじい音と共に、ホンマンの膝がクーの顔面へと迫った。
川;゚−゚)レ「うあぁッ!!」
クーは槍でそれを防ぐ。直撃こそしなかったものの、クーは遠くへ吹っ飛ばされた。
<ヽ`≧´>「女の方は後のお楽しみニダ」
ホンマンはモララーの方へ顔を向けた。
<ヽ`≧´>「まず、お前を潰す事にするニダ」
( ・∀・)「…………」
モララーの瞳の色に、狂気が浮かんだ。
( ・∀・)「とても、とても楽しめそうだ!!」
モララーは、ホンマンの懐目掛けて飛び込んだ。
( ・∀・)「フハハハハハハハハ!!最高だ!!」
モララーはホンマンの攻撃をかわしながら、笑っていた。
<ヽ`≧´>「ちょこざいなぁあああ!!」
( ・∀・)「そこッ!」
伸ばされた腕に、モララーはナイフを突き立てた。
<ヽ`≧´>「うぐッ」
( ・∀・)「いい骨してるね。けど、肉だけ断たせてもらうよ」
モララーはそう言い放つと、一気に間合いを詰めた。
そして、右腕のナイフで超高速の刺突を繰り出した。
狙いは、肋骨と肋骨の隙間。心臓目掛けて、一気に貫く。
ガキィッ
(;・∀・)「くッ……」
<ヽ`≧´>「キャオラッ!!」
ニダー星人と地球人の骨格の僅かな違い。それにまんまとしてやられた。
ホンマンの膝が、ぐんぐん迫っていた。
ドパァン
ホンマンの膝から先が、吹き飛んだ。
(,,゚Д゚)「よっし、命中!」
ギコの精密射撃が、ホンマンの脚を破壊したのだ。
ξ゚?゚)ξ「お姉ちゃん、大丈夫?」
川゚−゚)レ「ああ……すまなかったな。ツン、ギコ」
( ゚∀゚)「俺は無視かよ!?」
川゚−゚)レ「これから、あのデカブツを仕留めるんだろう?礼はその後まとめて済ます」
( ゚∀゚)「あ、そーいう事ね」
<ヽ`≧´>「……うおぁああああああああああああ!!」
それは、ビルの窓ガラスが割れる程の大きな叫び声だった。
( ゚∀゚)「うるせぇ!!」
ジョルジュの銃が光を放つ。ホンマンの頭が、砕け散った。
川゚−゚)レ「大丈夫か、モララー」
( ・∀・)「……余計な事を」
( ゚∀゚)「おいおい、助けられといてそりゃ無ぇだろ」
( ・∀・)「今度、獲物に手を出したら、殺す」
そう吐き捨て、モララーは窓から飛び降りた。
モララーと入れ違いに、ブーン達が現れた。
(;^ω^)「凄い音したけど、大丈夫かお!?」
( ゚∀゚)「ああ、大丈夫みたいだ」
その直後、2人、殺られちまったけどな。と、付けたした。
ξ゚?゚)ξ「……はやく、あの神崎ってヤツも倒さなくっちゃね」
('A`)「無制限とはいえ、早くどうにかしないとな」
7人は、ビルを出て神崎やニダー星人のボスの捜索を開始した。
空には既に、朝日が昇っていた。
同時刻、某所にて
<ヽ`∀´>「戦況、報告しますニダ!」
《 ◆3◆》「うむ」
<ヽ`∀´>「我等が同胞の被害、ホンマン隊長を含め約600!敵の撃破数、6でありますニダ!」
(゚=゚)「7だ」
篠田は、血をすべて吸われて干からびたノリヲを投げ棄てた。
(゚=゚)「やっぱり、見た目と味は比例するものだな」
|||ー゚||「さて、どうする?まだまだ優勢みたいだけど」
《 ◆3◆》「……ホンマンがやられたとは、以外にだ」
《 ◆3◆》「尚早かもしれないが、助力をお願いするニダ」
|||ー゚||「賢明だね」
(゚=゚)「次は美味い血吸いてぇな」
2人組の吸血鬼は、朝日の差し始めた街へと消えていった。
( ´_ゝ`)「ふー……ようやく片付いたな」
(´く_` )「流石だな、俺達」
流石兄弟は、無数のニダー星人の屍の上に立っていた。
兄者の手には黒い棍棒、弟者の手には黒いメリケンサックが握られていた。
<ヽσ_σ>「へぇ、流石ニダ」
( ´_ゝ`)「なんだお前?」
そのニダー星人は、他のニダー星人とは違い、長いマフラーを巻いていた。
<ヽσ_σ>「これから死ぬ君達には教える意味は無いニダ」
(´く_` )「おいおい……それは、死亡フラグというんだぜッ!!」
弟者はマフラーを巻いたニダー星人……ぺヨンに急接近する。
(´く_` )「ドラッ!」
身を屈め、一気に伸び上がりアッパーカットを叩きこむ。手ごたえは、無い。
ギョーンギョーンギョーンギョーン
(´く_`;)「え……?」
どうして、マフラー野郎が後ろに?てか、何今の音?アイツの持ってる銃、俺等のと同じだよな?
やべ、なんか耳のとこから変な液出てきた。何これ、故障か?どうなって
弟者の意識は、そこで途絶えた。彼の上半身は粉々になって散った。
(;´_ゝ`)「弟者ァアアアア!!」
兄者は怒りと憎しみ、悲しみに任せてぺヨンに襲い掛かった。
大振りの攻撃は、どんどんかわされる。そして。
ギョーンギョーンギョーン
(;´_ゝ`)「……糞ッ」
兄者の頭が飛び散った。
<ヽσ_σ>「これは、いいもの拾ったニダ」
ぺヨンは部下に、に流石兄弟や現段階で死体となっている者の銃も回収させるよう命じた。
#03-4
ブーン達は、2手にわかれて敵の捜索をはじめた。
( ^ω^)「ああもう、すっかり朝だお!」
ξ゚?゚)ξ「学校どうしよう」
(;^ω^)「おまwwwww余裕かおwwwwww」
从'ー'从「あれ〜?なんかおかしいよ〜?」
渡辺さんは、突如そう言い立ち止まった。
( ^ω^)「どうしたんだお?」
从'ー'从「普通の人、誰もいないよ〜?」
そう、今はもう朝だ。それなのに、人っ子一人見当たらない。
人だけじゃない。ゴミを漁るカラスもいなかった。
ξ゚?゚)ξ「確かに、ちょっと変よね」
( ^ω^)「あ、向こうにミルナコッチ!!」
ξ゚?゚)ξ「の、そっくりさんね」
3人は、ニダー星人を次々と倒すプレストンの姿を発見した。
( ゚д゚ )「…………Amen」
ニダー星人を片付けたところで、ブーン達に気付く。
从'ー'从「Would you come together with us?」
( ゚д゚ )「…………Okay」
( ^ω^)「ちょwwwww英語wwwwwww」
ξ゚?゚)ξ「意外な特技ね……」
ふと、後ろから気配を感じ振り返る。そこには、自分達の銃を構えたニダー星人と、
幹部であろうマフラーを巻いたものまでいた。
<ヽσ_σ>「行くニダ」
ぺヨンが右手を上げると、銃を持ったニダー星人が一斉に構えた。
( ^ω^)「ヤバイお!!」
幾重にも重なったギョーンという音が響いた。
|||ー゚||「あ、いたいた」
(゚=゚)「おぉ、どれも結構美味そう」
(;゚∀゚)「おい、あの銀髪……」
川゚−゚)レ「……神崎、か」
(,,゚Д゚)「後ろのも仲間か?」
('A`)「多分、そうじゃないかな」
4人は、こちらへ向かってくる黒服に武器を構えた。
<ヽ`∀´>「ちょ、これどうやって撃つニダ!」
<ヽ`∀´>「何度やっても弾も出ないニダ!!」
<ヽ`∀´>「ファビョーン!!」
ブーン達の銃は、上のトリガーで標的をロックオンし
そのまま下のトリガーを引くことではじめて射撃が成立する。
しかし、ニダー星人達はそんな事を知らない。ぺヨンも、教えていなかったのだ。
なら、先程のけたたましい銃声は?
( ゚д゚ )「…………Amen」
最前列のニダー星人達が、一斉に弾け飛んだ。
<ヽσ_σ>「アメリカ人が……調子こくなニダ!!」
再度、ぺヨンが右手を挙げる。
今度は、ガンツから支給されたものでは無い銃を携えたニダー星人達が現れた。
<ヽ`∀´>「蜂の巣になるニダ!!」
<ヽ`∀´>「今度は本当の銃ニダ!!」
そう、本当の銃だった。凄まじい速度で、鉛の弾が撃ち出される、本物の銃。
バチバチという音と共に、プレストンの身体に当たった弾丸が弾かれる。
プレストンはそのまま間合いを詰めながら、どんどんニダー星人を屠っていく。
銃を持ったニダー星人の、最後の一体を仕留めた時には、既にスーツの機能が停止していた。
<ヽσ_σ>「チェックメイトニダ」
ぺヨンの手には、ツンのものだった銃が握られていた。
俺は、生まれ落ちたその日から、明るい道を選ぶことは出来なかった。
来る日も来る日も、地下の訓練施設でのガン=カタの修行。
組織の裏切り者を殺すための道具としてだけの、人生。
しかし、一人の女性を失って、俺は変わった。
組織を潰して、自由を手に入れた。
おかげで、観光先のセントーだかいう風呂屋で転んで、頭を打って死ぬなんて恥をかいたが
まぁ、後悔などはしていない。
この戦場に送られて来なければ、の話だがな。
しかし、なってしまったものは仕方ない。この戦場も、俺は乗り越えてみせる。
そして、もう一度自由を……。
ギョーン
あ、やべ。
( ゚д゚ )「…………Shit」
プレストンの胸の辺りが吹き飛んだ。彼は、自由を取り戻す前に、死んだ。
<ヽσ_σ>「やっぱり、我等が同胞は無能ばかりニダ」
転がるニダー星人の首を、ぺヨンが蹴り転がした。
そのおかげで、死体と目が合ってしまう。舌打ちをし、ぺヨンはもう一度その首を蹴った。
从'ー'从「そんな事したら、バチが当たっちゃいますよ〜?」
渡辺さんが、まるで見当違いの事を指摘する。
その間に、ブーンとツンはぺヨンの視界から姿を消した。
ビュンッという音に、ぺヨンは反射的に屈んだ。
その頭上数ミリほどを、鋭利な黒い鎌が通過していった。
(#^ω^)「どぁあああああああ!!」
続けざまに、ブーンがしゃがみこんだぺヨンの顔面目掛けて蹴り込む。
ぺヨンは、後方にバランスを崩し、尻もちをつきながらもそれを回避する。
そして、ブーン目掛けて銃を放つ。しかし、撃った先にブーンの姿は無い。
遠くの電柱の中ほどが砕け、崩れ落ちる様を確認するのと
頭上に高く跳躍したブーンの姿を見たのは同時だった。
<ヽσ_σ>「くッ……!」
ぺヨンは、頭上目掛けて銃を構える。
ξ゚?゚)ξ「返してもらうわよ」
ツンは、ぺヨンの手から強引に銃を奪いとった。
<ヽσ_σ>「なッ……ゴブッ!」
突如、ぺヨンが血を吐き出す。
ブーンの身体は、まだぺヨンの上空にあった。
ツンも、渡辺さんも、ぺヨンにダメージは与えていない。
突如、ぺヨンの背後の空間が揺らいだ。
(-_-)「……これで、700匹目」
揺らいだ空間から姿を現したのは、スーツを血でベトベトにした少年……ヒッキーだった。
その手に握られた剣は、ぺヨンの背中から胸までを貫通していた。
ぺヨンが事切れたのを確認すると、再び少年の姿がフェードアウトする。
ξ゚?゚)ξ「ちょ、ちょっと!待ちなさいよ!!」
しかし、少年は姿も現さなければ、声も発さなかった。
ξ゚?゚)ξ「一体、今のは何だったの?」
( ^ω^)「さぁ……わかんないお」
あれは、スーツの機能なのだろうか?
とにかく、ブーン達は目の前の脅威を片付ける事が出来た。
从'ー'从「……なんで、宇宙人が銃持ってたのかな〜?」
ξ゚?゚)ξ「死んじゃった仲間から、奪ったんでしょ」
从'ー'从「ううん、そうじゃなくって〜……本物の、銃の方」
ツンは、そこにきてようやくそれが奇妙な事だと気が付いた。
そう、それは、余りにもおかしな事だった。プレストンのスーツを破壊した、実弾の出る銃。
ニダー星人の星にも……ニダー星?にも、地球と同じような銃があるとでもいうのだろうか?
しかし、もし、その銃が、地球で生産されたものだとしたら。
もし、それが盗品ではなく、何者かの手でニダー星人に与えられたものだとしたら。
そこまで考えて、ツンは思考を切り替えた。
そう、余りにおかしすぎる。地球人と宇宙人の、国際貿易など。
#03-5
( ・∀・)「……何の、つもりかな」
おびただしいニダー星人の死体と、それが作った血の海の上に立つ2人の男。
荒巻は、モララーに銃を向けていた。
( ,' 3 )「……カタリーナを、覚えているか?」
モララーは記憶を辿った。しばし時間がかかったが、思い出せた。
金髪碧眼の、美しい女だった。そして、彼の7人目の被害者だった。
( ・∀・)「……思い出したよ」
( ,' 3 )「俺は、彼女の父親だ」
そう言うと、荒巻はトリガーに掛けた指に力を入れた。
しかし、トリガーが引かれるより早く、モララーの投げたナイフが荒巻の銃を破壊した。
( ,' 3 )「なッ……」
モララーは、そのまま荒巻へと突っ込んだ。そして、腹へと拳を打ち込んだ。
そして、そのままナイフを拾いあげる。狙いは、荒巻の太腿だ。
殺すつもりは、無かった。ただ、動きを止めて、無力化できればそれで良かった。
しかし、荒巻は鋭い一突きを紙一重の所で回避する。そして、モララーの肩へ黒いナイフを振り下ろす。
彼の武器も、モララーと同じ漆黒の刃を持つナイフだった。
( ・∀・)「くッ!」
モララーはそれを防御する。相手は、ズブの素人だ。動きは読める。
しかし、隙が生まれない。ぶつかり合う黒い刃。
殺戮者と復讐者の戦いは、長引きそうだった。
(;゚∀゚)「うぉおおおお、やべぇええええぞぉ!!」
(,;゚Д゚)「なんッ、何なんすかアイツッ!!」
話は、30分程前に遡る。
川゚−゚)レ「どうする?」
( ゚∀゚)「どうするもこうするも……」
|||ー゚||「戦うか、それとも逃げるか?」
|||ー゚||「アドバイスしてあげるよ」
そういうと、神崎は左の掌を上を向けた。そこから、ジョルジュのもととは対称の
刃も柄も銀色の刀が姿を現した。
|||ー゚||「見てなよ」
神崎の刀の刀身が、どんどん伸びる。
それが10mもの長さに達した時、凄まじい速度でその刀を振るった。
その途端、神崎の右側に建っていたビルが切断される。
鉄筋コンクリートのビルが、真っ二つである。
崩れ落ちるビルを横目に、神崎が微笑む。
|||ー゚||「さ、どうする?」
(;゚∀゚)「逃げろおおおおおお!!」
ジョルジュ達は、一斉に駆け出した。そして、100m程走った先のT字路で2手にわかれた。
(゚=゚)「やりすぎたんじゃね?」
|||ー゚||「そうみたいだね」
(゚=゚)「面倒っくせぇなぁ、オイ」
そういうと、神崎達も二手に分かれ追跡を始めた。
神崎は、何事も手間をかけるだけ良いものになる。という、自論を持っていた。
例えば、部屋に飾る観葉植物ならば自分で苗から育てるし
獲物を倒す時だって、いきなり首筋に牙を突き立てるような事はしない。
彼にとって、過程とは結果を向上させるスパイスだった。
|||ー゚||「楽しいな、鬼ゴッコは!!」
( ゚∀゚)「俺は御免だぜ。疲れるし」
不意に、ジョルジュの声が聞こえた。
その手には、先程彼がしてみせたような長い長い、黒い刀があった。
そして、ビルを斬る。
斜めに斬られたビルは、今神崎が立っている所へとずり落ちて来ていた。
|||ー゚||「へぇ……」
突如、神崎の足元のアスファルトが弾け飛ぶ。
(,,゚Д゚)「逃がすか、ヴィジュアル野郎!!」
ギコは、悪態を吐きながら崩れ落ちるビルの上から飛び立った。
ズゥウウウンという轟音と共に、ビルは神崎を押し潰し、地へと堕ちた。
土煙が失せた頃、ジョルジュは煙草を咥えた。
ライターをガサゴソと探すが、見つからない。
それを見たギコが、自分のライターで火をつけた。
そして、自分も煙草を咥え火を付ける。
( ゚∀゚)「作戦成功、だな」
(,,゚Д゚)「上手くいくなんて、思いもしませんでしたけどね」
( ゚∀゚)「バーカ、俺を信用しろっつの」
突如、沈静化したはずの瓦礫からガラッという音が鳴った。
そして、そこからは腕が伸びていた。真っ黒なベロア生地に包まれた、細い腕。
ギコの口から、煙草がポロリと落ちた。
|||ー゚||「面白い事するじゃないか。パクリだけど」
(,;゚Д゚)「は!?う、うわ!!うわぁあああああ!?」
ギコとジョルジュは、瓦礫の中の神崎に背を向け逃げ出した。
( ・∀・)「はぁッ……はぁッ……」
モララーは、血にまみれて立っていた。
その血は、自分のものでは無い。
足元に横たわる、荒巻のものだった。
( ・∀・)「死にたがりが……」
モララーは、葛藤していた。
死刑が確定してからは、世界すべてが輝いて見えた。
だからこそ、彼はもう一度人間に生まれたかった。
今度こそ、人間に生まれたかった。というべきかも知れなかった。
毎朝満員電車に揺られて、上司に怒鳴られて、同僚の愚痴を肴に酒を飲んで。
休日は、庭の手入れをしながら隣人と談笑したり、自宅でパンでも焼いてみたり。
そういう、穏やかな生活を心から望んでいた。
しかし、それよりもっと深い所で……魂で、彼は今のこの状況を望んでいたのかもしれない。
事実、先程の巨躯のニダー星人との戦いは、純粋に興奮し、生を実感できた。
やはり、ケモノはケモノにしかなれないのだろうか?
そんな事を考えていると、遠くから刃と刃のぶつかり合う音が聞こえた。
モララーは、頭の片隅で、その勝者は標的であることを望んで音のした方へと向かった。
ヒッキーは連番が好きだった。何故かそれが、とても美しいものだと感じているのだ。
だから、自分の誕生日、12月2日が嫌だったし、出席番号11番も嫌だった。
自分の出来る範囲は、自分で調整した。財布の中身、コンビニでの買いものの金額、自転車のチェーンのダイアル。
そして、殺戮した標的の数。
(-_-)「こいつで、1233……」
ヒッキーは、インターネットが趣味だった。そして、最も好きだったホームページは
『黒い球の部屋』という、小説のページ。
今起きている事は、それとまるで同じだった。
だから、彼は生き延びる事が出来た。
読んだ通りの位置にある機械を、読んだ通りに調節すると、彼の姿はたちまち透明になった。
そして、読んだ通りにトリガーを引くと、読んだ通りの効果が起きた。
ヒッキーは、おもしろくておもしろくてたまらなかった。
星人達が、みえない敵に恐怖し、恐慌し、死に絶える様が面白くて仕方ない。
そして今、彼は立派な黒い革張りの椅子に腰掛ける、肥え太ったニダー星人を射殺する。
《 ◆3◆》「ぶぐぇえええ!!」
下半身を吹き飛ばされた標的の頭を、撃つ。脳みそと血が飛び散った。
(-_-)「……1234」
ヒッキーは、ニタリと笑った。そして、ふと将軍の側に居る生物に目をつけた。
(,,,・Д・,)「………ぃぇ……ぁ……」
その生物は、出来損ないのテディーベアの様だった。
ヒッキーは、それを撃つ。この動物は、カウントしない事にした。
しかし、その生物の身体は数秒グニャリと歪んだだけで、弾け飛ぶ事は無かった。
そして、気付けばその生物の身体はベキボキという音と共にどんどん大きくなっていった。
ヒッキーは、震える腕を押さえて銃を構え直した。
7
(゚=゚)「くッ……手間ぁとらせやがって……」
片腕を失った篠田の足元に、血にまみれたクーが倒れていた。
('A`)「糞ッ……糞ぉおおおおおお!!!!」
ドクオは吼えた。そして、砲を振り回し篠田へと突っ込んだ。
川゚−゚)レ「私がヤツを喰い止める。お前は遠くから狙撃してくれ」
そうして、ドクオは側のビルへと登り、窓からチャンスを伺っていた。
クーと篠田の勝負は接戦だった。一進一退の攻防が、延々と続く。
そして、クーの振り上げた槍が篠田の右腕を切り落としたのと
篠田の左腕がクーの鳩尾を打ち抜いたのは同時だった。
そして、ブチ切れた篠田は倒れたクーを何度も蹴った。
(゚=゚)「このッ!この糞アマがッ!」
ドクオが窓をブチ破り、ビルを飛び降りて駆けつけた時にはクーは虫の息だった。
川;´−゚)レ「ドク……オ、私はいい……逃げて、生き……延びれ……」
しかし、ドクオは篠田との戦いをやめない。
('A`)「俺は、こいつを許さない!!」
(゚=゚)「こいてんじゃねぇぞ、ボケがァッ!!」
篠田の蹴りが、ドクオの腹に食い込む。
('A`)「うッ……ゲボッ!!」
とてつもない衝撃に、ドクオは思わず嘔吐した。
(゚=゚)「きったねぇ……もういい、死ねッ!!」
轟音とともに、篠田の左腕が唸りをあげる。
その先のドクオの前に、クーが立ち塞がる。
(;'A`)「クー!!」
クーは、ここで死ぬ覚悟を決めていた。
この気持ちに気付いたのは、いつからだろう。
身体は大きいのに、とても弱い心を持ったこの男が、気になっていた。
しかし、彼の心は弱いのではなく、とても優しいのだと気付いた時からか。
クーは、ドクオに僅かばかりの恋心を抱いていた。
妹と同い年のこの男が、クーには可愛くて、愛しくて仕方なかった。
だけど、ミッションの時以外に出会う約束を付ける勇気が、クーには無かった。
もし、このままお互いに100点を取ってしまったら?
2人の関係は、それで終わってしまう。
そんなのは、嫌だ。
そして今、彼は生命の危機にさらされている。
彼の前に立ったのは、咄嗟の事だった。
頭で考えるより、身体が先に動いてしまった。
けれど、ここで死んでも後悔は無い。愛した男を守って、死ねるのだから。
そこで、ふとツンの顔が頭を過ぎった。
そうだ、後悔が無いわけが無いではないか。
たった一人の肉親を残し、死ねるか。
けれど、もう手遅れのようだ。
さようなら、ツン。
どうか、ブーンと幸せに、いつまでも、元気で……。
さようなら、ドクオ。
せめて、一度位は普通の男女として、触れ合いたかった……。
骨のひしゃげる音が聞こえた。
しかし、自分には何の痛覚も無い。
ドクオの砲のフルスイングが、篠田の鼻っ面を捕らえていた。
(゚=゚)「オグッ……げぇッ」
(#'A`)「お前にだけは、心を痛めない」
砲口を倒れた篠田の顔面に打ちつける。そして、トリガーを数度引く。
そして、篠田の頭部は、アスファルトごと吹き飛んだ。
川゚−゚)レ「……すまなかったな」
('A`)「気にするなよ。それより、怪我が……」
川゚−゚)レ「流石に、ちょっと効いたな」
川゚−゚)レ「……ドクオ。先に、ジョルジュ達と合流してくれ」
川゚−゚)レ「あの神崎とかいう男……相当、ヤバそうだ」
('A`)「わかった。けど、クーは?」
川゚−゚)レ「一休み、させてくれ」
('A`)「……わかった」
ドクオはクーに背を向けて、もう昼下がりになってしまった街を駆けて行った。
川゚−゚)レ「ふぅ……」
クーは、浅くまぶたを閉じた。
そして、そのまま意識を失ってしまった。
Remaining...
( ^ω^) ブーン
ξ゚?゚)ξ ツン
('A`) ドクオ
川゚−゚)レ クー
( ゚∀゚) ジョルジュ
(,,゚Д゚) ギコ
从'ー'从 渡辺さん
( ・∀・) モララー
(-_-) ヒッキー
to be continue.
―最終回 「LAST KISS」―
100点のめにゅ〜を選んでくだちぃ。
私が、選ぶのは……
The End of BoonGANTZ
-LAST KISS-
・・・
・・
・
#04-1
( ゚∀゚)「くッそぉお、これじゃラチあかねぇな!」
そういうと、ジョルジュはきびすを返し神崎へと向かって行った。
(,,゚Д゚)「え?ちょ、ジョルジュさん!?」
( ゚∀゚)「俺が喰い止める。その間に、誰か連れて来てくれ!」
(,,゚Д゚)「はぁ!?」
(#゚∀゚)「いいから、さっさと行きやがれ!!」
ジョルジュとギコは反対方向に、同時に駆け出した。
|||ー゚||「あ、やっと覚悟が決まったのかい?」
( ゚∀゚)「ああ、決まったぜ」
( ゚∀゚)「お前をブッ殺す覚悟がな」
両者の手に、刀が握られる。黒と銀、対称的な2本の刀。
一瞬で2人の間合いは縮まり、火花とともに甲高い音が響き合った。
銀の刃と黒の刃が音を立てて押し合う。鍔迫り合いだ。
|||ー゚||「君の評価、結構高いんだよ?」
( ゚∀゚)「へぇ、そりゃあ嬉しいねぇ」
|||ー゚||「始末するべき敵ランキングの、3位」
( ゚∀゚)「はぁ?今の撤回だ。そんな意味不明なランキングに選ばれてもな」
均衡を破ったのは、ジョルジュだ。
おもわずバランスを崩し神崎に、黒い刃が迫る。
(#゚∀゚)「うぉらぁあああああ!!」
神崎はジョルジュの回転数の速い、しかし正確に急所を狙った斬撃を捌いていく。
流石に要注意人物とされているだけある。気を抜いたら、腕の一本は持っていかれそうだと思った。
(#゚∀゚)「ふんッ!!」
ジョルジュの突きが顔面に迫る。捌ききれずに、神崎の頬に赤い線が一筋走った。
|||ー゚||「へぇ、これは想像以上だ」
ジョルジュの追撃を捌きながら、神崎は後ろへ跳び下がった。
|||ー゚||「あんまり使いたくないんだけど、仕方無いか」
そういうと、両手で持っていた刀を左手に持ち替える。
そして、人差し指を突き出す形で、右手をジョルジュへ向けた。
指が、みるみる内に拳銃を形作る。
そして、放たれる弾丸。
( ゚∀゚)「ちッ……!」
ジョルジュは最大限の速度で動き回る。しかし、何発か被弾してしまう。
|||ー゚||「これで、ラスト」
弾丸は、まっすぐにジョルジュの眉間へと放たれた。
( ゚∀゚)「らぁああああ!!」
それは、一瞬の判断だったし、あまりに危険な賭けだった。
しかし、これ以上被弾すればスーツが壊れると判断したジョルジュは
弾丸を、刀で両断した。
|||ー゚||「わお、五右衛門みたい」
( ゚∀゚)「おおおぁああ!」
凄まじい速度で突っ込むジョルジュの眉間に、もう一度銃が突き付けられる。
(;゚∀゚)「なッ!?」
|||ー゚||「ごめんね、嘘ついた」
正真正銘、最後の弾丸はジョルジュの眉間を捉えた。
スーツのシャットダウン音が聞こえた。
#04-2
モララーは、その目を疑った。
ニダー星人の死骸を喰らう、異形の怪物。
そして、それは死骸を喰らう毎にどんどん大きくなっている。
(,,,・Д・,)「い……ぇあ゛……」
( ・∀・)「……これも、敵なのか?」
モララーは、不用意な近接戦闘は危険と踏んだ。
そして、久々に銃を取り出し、胸部を一度だけ撃ってみる。
ギョーン
その生物の身体は、一瞬だけ歪んだ。そして、すぐに元通り。
( ・∀・)「くッ……!!」
今度は、頭部や胸部、所構わず連射した。
最も攻撃が集中した右耳の辺りが、爆ぜる。
しかし、すぐに体液も肉片も収束し、すぐに元通りになった。
(,,,・Д・,)「ぁ゛……あ……」
巨大な異形は、ゆっくりとモララーへ接近する。
( ・∀・)「ちッ!!」
モララーは、ナイフを構えた。相手だって生物だ。急所を捉えれば、息絶える。
そして、みつけた。右の脇腹あたりの、ドクン、ドクンと一定のリズムで動く一部分。
( ・∀・)「そこだ!!」
モララーのナイフが、深々と突き刺さった。
しかし、脅威はそこからだった。
刺さったナイフが、どんどん異形の体内へと吸い込まれて行く。
そして、柄の最後までを飲み込んだ辺りで傷口が消えた。
(;・∀・)「う……うわぁああああああああ!!」
背を向けたモララーの頭を、何かが貫いた。
それは、異形の生物の身体から伸びた触手だった。
モララーの身体はそのまま巻き取られ、異形の口へと運ばれた。
#04-3
なぁ、神様。
いや、いてもいなくても関係無いけどさ。
時々考えるんだ。パチンコで大勝ちする位、本当に時々だけどよ。
この世界が、もしアンタの創りしものだったら
この終わる事もないクソッたれた戦いも、アンタの意思だとしたら
俺は、アンタを殺してしまいたい。
けれど、ひとつだけ感謝している事があるんだ。
アイツに……京子に会えた事。
それだけは、本気で感謝している。
まぁ、でもそれだけだ。
( ゚∀゚)「京子……これでまた、お前と会える……な」
全身を斬り傷だらけにして、血の海に横たわったジョルジュは
虚空へと、そう呟いた。
|||ー゚||「……楽しかったよ、すごく」
自慢の黒いジャケットをボロボロにされた神崎が、事切れたジョルジュにそう伝えた。
#04-4
駅にほど近い十字路で、ギコはブーン達を見つけた。
( ^ω^)「あ、ギコ!!」
(,,゚Д゚)「ブーン!ジョルジュさんが神崎と戦ってる、お前も手伝ってくれ!」
( ^ω^)「わかったお!」
('A`)「待ってくれ、俺も行く」
ジョルジュの来た道の丁度反対方向から、ドクオもやってきた。
('A`)「篠田って奴は倒した。あとは神崎さえ倒せばオッケーのはずだ」
ξ゚?゚)ξ「ねぇ、お姉ちゃんはどうしたの?」
('A`)「……ちょっと、休んでる。後で追いつくってさ!」
それは、嘘というよりもドクオ自身の願いでもあった。
けれど、あの怪我では立てないだろう。最悪の場合、手遅れかも知れなかった。
( ^ω^)「よし、行こ
(,,,○Д○,)「い゛え゛ぇえええええあ゛ぁああああ゛あ゛あ゛」
咆哮が、陽の傾きかけた街に響き渡った。
(;^ω^)「んなッ、なッ、なんだおアレ!!」
数十メートル離れたビルの影から、そのビルと同じ位の巨躯を誇る
異形の生物が姿を現した。
(,;゚Д゚)「あれも……敵なんだよな?」
|||ー゚||「そう、それも、一番厄介な敵さ」
ギコ達が振り返ると、そこには全身を血で真っ赤にした神崎が立っていた。
(,;゚Д゚)「……なんで、お前がここにいる?」
|||ー゚||「彼が、死んだから」
神崎は、事実だけを簡潔に伝えた。ギコの顔が、見る見る内に怒りに染まる。
(,#゚Д゚)「ブッ殺してやる!!」
ギコは、得意武器であるはずの銃すら使う事なく、殴りかかる。
(##゚Д゚)「ごるぁああああああッ!!」
|||ー゚||「ふんッ……」
神崎は、ギコの攻撃を軽くいなすと、その背に裏拳を振り下ろした。
メゴッという鈍い音と共に、ギコの身体がアスファルトに叩きつけられる。
|||ー゚||「今、君に用は無いんだ」
地に伏せ、もがくギコを見下ろして神崎は言った。
ξ;゚?゚)ξ「あ……あ……」
ツンは、神崎の姿を見てから恐慌状態にあった。ブーンは、その理由を知っている。
|||ー゚||「また会えるなんて、嬉しいよ。君の血は、すごく美味しかった」
|||ー゚||「すぐガンツに召集されたから、味見位しか出来なかったけどね」
神崎がそこまで言うと、ブーンが右拳を振り上げ突進した。
それは、神崎の左掌で受け止められた。
|||ー゚||「安心しなよ。今は、この彼に用があるんだ」
|||ー゚||「ご馳走は、仕事が終わってからゆっくりとね」
(#^ω^)「黙れお……お前だけは、絶対殺してやるお!!」
|||ー゚||「嬉しいね……場所を移そう。ここじゃ、あの怪物……ぽろろが邪魔で仕方ないからね」
異形の怪物、ぽろろはゆっくりと、しかし確実にブーン達へと近付いていた。
( ^ω^)「……みんな、ちょっとの間だけ、あの化け物と戦っててくれお」
( ^ω^)「こいつは、僕が倒すお」
|||ー゚||「綺麗な夕日だね……」
神崎は、まるで恋人に囁くような台詞をブーンに言った。
( ^ω^)「…………」
ブーンと神崎は、この街で最も高いビルの屋上に立っていた。
そこからは、夕日に染まり真っ赤になった街を見下ろす事が出来た。
街には、未だに人の影も喧騒も無い。崩れたビルと、死臭だけがそこにはあった。
ブーンは黒い柄を握る。それは、禍々しい程の巨大な刃を持つ斧と化した。
|||ー゚||「僕等はね、君の事を一番警戒していたんだ」
|||ー゚||「君の仲間のジョルジュや、クーよりもね」
ブーンは何も答える事なく、斧を構える。
|||ー゚||「ここで、君を倒す。それが、僕の仕事さ」
|||ー゚||「さぁ……行くよ」
神崎が一気に飛び出す。ブーンも迎撃すべく前へと踏み込む。
そして、最後の決戦の火蓋が切って落とされた。
それは、どこまでも赤い空の下の事だった。
#04-5
ドクオは砲を、ギコは両手の銃を、ぽろろの身体目掛けて乱射する。
その身体は、弾け飛んでは復元し続けた。
ツンが一気に間合いを詰めて、鎌でぽろろの胴を斬り付ける。
傷口は、刃が通過して数秒と経たない内に閉じて見えなくなった。
从'ー'从「…………」
渡辺さんは、この戦場で何も出来ていなかった。
誰一人倒す事なく、ただの一度も銃を構える事もなく
ただひたすらに、ブーンやドクオの後を付いていくだけだった。
だから、今、この危機ぐらいは。
从'ー'从「私だって、戦えるもんッ!」
渡辺さんは、ツンやドクオがしたように黒い柄を握る。
それは、小さな銃に姿を変えた。
从'ー'从「あれ〜?なんか弱そう……」
しかし、渡辺さんは銃をぽろろへと向け、トリガーを引く。
小さな火球が、ぽろろの肩を焦がした。
それが、戦況を大きく変えた。
#04-6
(#^ω^)「だおぉおおおおおおおおおッ!!!」
|||ー゚||「はぁあああああああッ!!」
振り下ろし、横に薙ぎ、突き、振り上げる。
神速の斬撃同士が、何度となく交錯する。
武器と武器がぶつかり合う度に、青白い火花が散った。
どちらかが回避する度に、屋上の手すり、床、壁が切断される。
しかし
ザグッ
(;^ω^)「ッ……!」
ブーンの武器は、その重量故に神崎の刀の速度を追い切れなくなっていた。
ブーンの太腿を、神崎の刀が貫いた。
|||ー゚||「これで、厄介な脚は封じたよ」
神崎は刀を抜く。ドロリとした血液が、銀の刃を汚した。
ブーンは、思わず片膝をついてしまう。
|||ー゚||「これで、ミッション終了っと」
夕日を浴び、金色に輝く刀を振り下ろす。
(#^ω^)「おおぉおおおおおおッ!!」
ブーンは、刺されて血を流す脚で、大きく前へ飛び込んだ。
そして、無防備な神崎の顔面に跳び膝蹴りを叩きこんだ。
#04-7
(,,,○Д○,)「い゛あ゛ぁああああ、ごあ゛ぁあああああ!!!」
それは、小さな火傷のはずだった、しかし、ぽろろは大きく苦しんでいる。
ξ;゚?゚)ξ「まさか、コイツ火に弱い……?」
('A`)「渡辺さんッ!!もっと、もっと撃って!!」
从'ー'从「ふぇえええ!?わ、わかりました〜!」
渡辺さんは再び銃を撃つ。今度は2回トリガーを引く。
小さな火球が2つ、今度はぽろろの尻の辺りに命中した。
(,,,○Д○,)「え゛ぁああああああああ゛あ゛あ゛」
ぽろろが、苦しみで腕を振り回す。その腕の一振りで、ビルが抉れ、崩れ落ちた。
(,;゚Д゚)「駄目だ……これじゃ、話にならない」
あの巨体にダメージを与えるには、余りに火力が足りなさすぎる。
ツンは、道路を見回した。そして、見つけた。一台のバスを。
ξ゚?゚)ξ「渡辺さん!これ投げるから、狙って撃って!」
从'ー'从「ふぇ、う、うん、がんばる……」
渡辺さんは、半べそをかきながらもツンの言葉に頷いた。
ξ#゚?゚)ξ「うぅぅりゃあああああああ!!」
ツンの投げたバスは、ぽろろの顔面へと迫った。
バグゥッ
ぽろろは、そのバスを、噛み砕き、飲み込んだ。
ξ゚?゚)ξ「……徹底的に化け物ね」
ツンは、悪態を吐いた。
ξ゚?゚)ξ「けど、まだ終わりじゃないわ!」
ξ゚?゚)ξ「ギコさん、ドクオ、手伝って!」
ツンはドクオとギコに、指示を出した。2人は、すぐに頷いた。
ξ゚?゚)ξ「渡辺さん、もう一度、お願いね」
从'ー'从「うん!」
渡辺さんは、涙目でこそあるが今度は力強く頷いた。
ドクオは、ギコに自分の砲を渡す。
('A`)「全部はアンタに懸かってる……どうか、よろしく」
(,;゚Д゚)「プレッシャー掛けるなよ……」
ギコは、ドクオの砲を持ち、ぽろろから遠ざかる。
ドクオとツンも渡辺さんも、先程よりも間合いを取った。
ξ゚?゚)ξ「行くわよ、ドクオ!!」
('A`)「おう!!」
ツンとドクオは、両手にバスを持っていた。
ξ##゚?゚)ξ「だぁりゃぁああああああああッ!!」
(##'A`)「うおぉおおおおおあああああああッ!!」
合計4台のバスが、宙へと投げ出された。
(,,゚Д゚)「そこだッ!!」
ギコがバス目掛けて砲を放つ。4台すべて、確実に捉えた。
从'ー'从「えいッ!!」
渡辺さんが、火球を放つ。
バスがぽろろの眼前で破裂し、ガソリンが飛び散るのと
渡辺さんの放った火球がぽろろの身体に着弾したのは、ほぼ同時だった。
(,,,○Д○,)「い゛ぇあ゛……あ……」
ぽろろの巨躯は炎に包まれ、しばらくもがいた後にそのまま倒れ込んだ。
#04-8
神崎は鼻から血を流し、コンクリートの床に倒れ込んだ。
倒れた神崎を飛び越える形になったブーンは、着地するとすぐさま神崎へと向き直った。
ブーンは、斧を上段に構える。
この一撃で、神崎を叩き斬る。
ブーンのスーツに、神経のような、血管のような筋がボコボコと浮き上がる。
腕が、脚が、スーツに包まれた部分すべてがビキビキという音を立てた。
ブンッ
そして、斧が振り下ろされた。
床が轟音と共に砕け散った。肉や骨を断つ手ごたえは、無かった。
|||−゚||「……終わりだ」
神崎は、ブーンの背後に立っていた。
そのの口元から笑みが消えていた。
銀の刀身が、ブーンの背中の肉へ突き刺さる。
そして、それはブーンの心臓を貫き、胸の肉を突き破った。
( ゚ω゚)「……ゴボッ」
血の泡を吐き、ブーンは倒れた。生死の確認は、必要無かった。
#04-9
そこは、とても寒い、真っ暗闇だった。
( ^ω^)「ここは……?」
ブーンは、さっきの感覚を思い出した。
背中が突き破られ、心臓が突き破られた、あの痛覚を。
( ^ω^)「そうか……死んじゃったのかお……」
ブーンの頭に色々な記憶が過ぎる。
川゚−゚)レ「お前、さっきから疑問文ばかりだぞ?」
最初の戦いの時、クーには色々な事を教えてもらった。
ξ゚?゚)ξ「御機嫌よう、白豚さん」
ツンとの出会いは、あまりに痛烈だった。
( ゚∀゚)「……一気に片付けるぞ!!」
ジョルジュは、真っ先に状況を判断する、みんなのリーダーだった。
('A`)「けど、俺、死ねないんだよ!!絶対、絶対死ねないんだよ!!!」
ドクオの決意を知った時、絶対にこいつを守ると決意した。その決意を、僕は守れたのかな?
ξ////)ξ「帰ってこれたら、一緒に映画観に行こう?」
ツンとの約束、破っちゃったな。
( '∀')「……まだ、終わりじゃないよ」
#04-10
その顔を、ブーンは鮮明に覚えていた。
( '∀')「キャッ!」
( ^ω^)「ぶべッ!」
(;^ω^)「ケガは無いかお?」
( '∀')「だ、大丈夫です……」
( ^ω^)「それなら良かったお、それじゃ!」
あの突然の雨の日、ブーンが死ぬ前に最後に出会った、そして、今際の際に見た少女だった。
( '∀')「どちらかを、必ず選んでね」
( ^ω^)「君は、一体……」
( '∀')「……ひとつは、今この場で死んで、誰かが生き返らせてくれるのを待ち続ける」
( '∀')「もうひとつは……今この場での再生。けれど、二度と元の世界に帰れない」
今をあきらめて、あてもない未来に期待をするか。
今にすべてを捧げて、明日さえ捨てるか。
ブーンは、絶望的な2択を叩きつけられた。
( ^ω^)「…………」
今この場をあきらめれば、また生きて帰る事が出来るかもしれない。
もしドクオか、あるいはツンが神崎を倒して生還すれば、復活させてくれるかもしれない。
けれど、神崎は間違いなく全員を殺しに行くだろう。
あの異形の化け物との戦いで、疲弊しきったツン達を。
そして、ツンの血を飲み悦に浸るのだろう。
そう、ツンが殺されてしまう。
( ^ω^)「……今生き返って、神崎を倒すお」
( '∀')「……後悔は、無い?」
ブーンは無言で頷く。
急に、真っ暗な空間に光が差す。
それは、真っ白な光だった。
( '∀')「……それぢわ、行ってくだちい」
そう、後悔は無い。
約束は守れないけど、守ることは出来るのだから。
最初で、最後の恋人を。
―― チャンスをくれてありがとう、ガンツ。
#04-11
神崎は、階段を降りようとした途端に凄まじい悪寒に襲われた。
振り返ると、ブーンが立ち上がっていた。
その胸にも脚にも、傷は無かった。
|||ー゚||「……やっぱり、ガンツに『選ばれて』いたか」
神崎は銃を取り出し、ブーンの身体を撃つ。撃つ。撃つ。
ブーンは構わず神崎目掛けて突進する。
スーツは既に壊れているはずだった。
しかし、弾丸は次々に弾かれていく。
|||ー゚||「くッ……」
弾切れの銃を放り捨て、銀の刀を構える。
(##゚ω゚)「だおぉおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」
強烈な横薙ぎの一撃が、銀の刀を打ち砕いた。
|||ー゚||「……終わり、か」
返す斧の一撃で、神崎の身体は真っ二つになった。
千切れた上半身が、ビルの屋上から転げ落ちた。
#04-12
(,,゚Д゚)「あ、帰ってきたぞ!!」
ブーンの身体には、何処にもダメージが無さそうだった。
ξ゚?゚)ξ「大丈夫!?怪我は無い!?」
ツンがブーンに掛け寄る。
( ^ω^)「戦いは、終わったお」
ブーンは、ツンを抱きしめた。
(;^ω^)「また、随分メチャクチャな事したお……」
ぽろろ撃破の顛末を聞いたブーンは、あきれ返った。
( ^ω^)「…………」
ξ゚?゚)ξ「……何よ」
ブーンは、ツンの手を見つめていた。
とても大鎌を振り回し、バスすら投げ飛ばすようには見えない、小さな手。
ブーンは、ツンの手を取り、その指にキスをした。
ξ////)ξ「んなッ、なッ、何してくれてるのよッ!!」
ツンは顔を真っ赤にして叫んだ。周囲も、その突拍子も無い行動にポカーンとしていた。
(;^ω^)「いや、なんとなくだお」
ツンは、ブーンの胸をポカポカと叩いた。
(;^ω^)「あうあう、痛いお」
('A`)「あーあ、アテられちゃうな」
ふと、ドクオは自分の身体の転送に気付いた。
('A`)「じゃあ、先に行って待ってるぜ」
ドクオの身体が、完全に消えた。
(,,゚Д゚)「……長かったな」
ギコは、涙を拭いながら転送されていった。
川゚−゚)レ「ん……終わった……のか?」
目を覚ましたクーは、夕陽に目を細めて転送された。
从'ー'从「ふぇぇええん……」
緊張の糸が切れて、泣いていた渡辺さんも、転送された。
ξ゚?゚)ξ「ねぇブーン、約束、覚えてる?」
(;^ω^)「約束ってより、強制イベントだお」
ξ////)ξ「どっちでもいいでしょ!?いいから、予定開けときなさいよ!!」
そして、ツンも転送されていった。
( ^ω^)「……後悔は、無いお」
夕陽と血で真っ赤に染まった街が、かりそめの世界が、ガラガラと音を立てて崩れはじめた。
そして、ブーンは2度と帰ってこなかった。
#04-13
ξ゚?゚)ξ「…………」
ツンを含め、生還したメンバーはほぼ全員100点を取った。
渡辺さんも、1体だけの撃破にも関わらず60点という得点を叩きだした。
ドクオは、脱出を選んだ。
誰も責めるものはいなかった。みな、祝福しながら見送った。
ギコは、散々悩んだ末にジョルジュの復活を選んだ。
そして、ギコとしぃとジョルジュと京子と、4人で一緒に帰ろうと約束した。
クーは、ショボンの復活を選んだ。
ショボンは涙を流し、クーに頭を下げた。クーは黙って、微笑んだ。
ツンは、黒い球の部屋で一晩中考えた。
ドクオのやったように、球の中にいた少女の耳に指を差し込む。
そして、死亡者のリストを見直す。
昨日から、何度もやっている作業。
しかし、何度見てもブーンはリストにいなかった。
100点のめにゅ〜を選んでくだちぃ。
答えを出した頃には、黒い球の部屋に朝日が差し込んでいた。
ξ゚?゚)ξ「私が、選ぶのは……」
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
【extra stage 】
てめえ達の命は、無くなりました。新しい命を
どう使おうと 私の勝手です。という理屈なわけだす
てめえ達は今から この方をヤッつけに行ってくだちい
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:| +
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| +
\ `ニニ´ .:::::/ +
,,..イ.ヽヽ、ニ__ ー-/ や ら な い か ?
,.、- / | l / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
( ゚∀゚)「ねーよwwwwwww」
(,,゚Д゚)「つうか、デカッ!!」
(´・ω・`)「ウホッ、いい男……」
川゚−゚)レ「…………」
ξ゚?゚)ξ「さぁ、とっととブッ飛ばすわよ!!」
ツンは戦い続ける。この世界で、いつかまたブーンと出会えると信じて。
Fin.
出典:ブーンがGANTZに選ばれたようです
リンク:http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1145800030/

(・∀・): 224 | (・A・): 72
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