【韓国】姓が同じカップルは結婚できない

【世界おもしろ法律事典】祖先、姓が同じカップルは結婚できない
2009.5.25 08:19
　父系の祖先が同じで、姓も同じ男女は「９親等以上」離れていないと結婚できない−。韓国にはこんな民法の規定がある。

　例えば「金」さん同士、しかも「全州」など祖先の発祥地を示す本貫（ポングアン）が同じだと“血族”と見なされ、「８親等以内」なら２人は結ばれない。

　そもそも、「同姓同本」の血族結婚を“動物的”だとして禁じるようになったのは朝鮮王朝時代からだという。それ以来、儒教の伝統に基づく父系家族制度が守られてきた。そして、１０年ほど前までは何十親等離れていても結婚できなかった。

　結婚がかなわず、心中するカップルもいた。法律に違反して事実上の夫婦になっても、当人たちは社会的に排斥され、そればかりか生まれた子供には戸籍がなく“私生児”と扱われた。

　こうした問題を救済するため特例法が制定され、何年かに１度、１年間に限って婚姻届を受け付けた。１９７８年、８８年、９５年、９６年に実施された救済措置のおかげで、約４万４８００組の合法的な“同姓同本カップル”が誕生した。旧時代的な民法の規定への批判は多く、９７年には憲法裁判所も「平等の原則に反する」として、違憲との判断を下した。これ以降、「９親等以上」の結婚が認められるようになった。だが、儒学者からは「わが民族の美風良俗を捨て、なぜ欧米のまねをするのか。倫理に背く」と反発が出た。

　民法からは「同姓同本」の結婚禁止規定が削除される一方、新たに父系、母系ともに「８親等以内」の結婚を禁じることが明記された。この改正法が施行されたのは２００５年のことだ。ちなみに韓国では、いとこ同士の結婚は儒教的な考えから「犬畜生にも劣る」とされている。（ソウル　水沼啓子）


出典：産経ニュース
リンク：http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090706/kor0907061020002-n1.htm