忘れ物
2009/08/07 01:04 登録: えっちな名無しさん
今俺は学校まで自転車を飛ばしている。決して朝寝坊したわけではない。今日は金曜日だが、時刻はもう22時を回っている。学校に忘れ物をしたのだ。
俺は高校でバスケをしていて日曜日には試合を控えていた。明日は土曜日で授業はなく、練習も午後からだったのでいつもより練習に気合いが入っていた。練習は20時に終わったが、いつも通り体育館が閉まる21時まで自主練をするつもりだった。しかし、その日はいつもより戸締りが早く20時45分には戸締りのおじさんが来た。すぐに部室に戻った。慌てて帰る準備をしたので携帯を忘れてしまった。すぐに気づいたらよかったんだが、家についてしばらくしてからやっと気づいた。
学校に着くと、当たり前だが門は閉まっていた。門近くに自転車を止め、さっと門を乗り越えた。門から部室までは結構な距離がある。というか、学校自体割りと綺麗で、大きさも中々のもんである。部室に着き電気をつけ、椅子に置き忘れていた携帯を取り、さぁ帰ろうかというときに、入り口付近に何かが落ちているのが目に入った。チームメイトである中田(仮名)の定期入れだった。あいつも忘れたんだなぁと思いながら、届けてやるため(家が割りと近いため)持って帰ることにした。そして部室を出た。門付近の外灯が見え始める距離に来た時、門をさっと飛び越える人が見えた。門を越えた後すぐに走り去り顔は横顔だけ一瞬しか見えなかったが、スポーツマンらしくない長髪、金髪に、あの長身、さらに腕につけた赤いリストバンド。間違いない、中田だ。さっきの忘れ物を今渡そうと急いで自転車に乗り追いかけることにした。しかし、しばらくしても中田は見つからなかった。俺の家も中田の家も学校までは同じ方向であり、俺は自転車、中田は走り、追いつかないはずはなかった。その後も見つからなかったので、途中に車で迎えに来てもらったのかなと思い、明日の練習前に渡すことにした。
次の日の午後、中田に定期入れを渡した。
俺「昨日の夜お前も学校いてんなぁ。それホンマは昨日追いかけて渡そう思っててんけど見失ってしもてなぁ。」
中田「夜って何時頃?」
俺「10時頃やで。」
中田「え?俺練習7時に終わった後すぐに家帰ってそのまま家から出てへんで。」
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