毒まんじゅう

2009/09/23 09:04 登録: 痛(。・_・。)風

とても暑い夏の日の事

「赤川さーん、お届け物です」

小説家赤川鬼六のに御中元が届き、赤川の元で住み込みで小説の勉強をしている書生の山中依子が受け取った。
依子は配達員の顔を見て「おや?」と思った。どこかで会った顔なのだけれど‥‥‥

品物は赤川の小説家仲間の平石武からで、伝票には『生菓子』と書かれていた。赤川の好きなまんじゅうのようだ。依子はそれを赤川の書斎の机の上に置いておいた。

次の日の朝、小説家赤川鬼六が自宅書斎で毒物の中毒で死亡しているのが発見された。
発見したのは鬼六の甥で赤川家に居候中の正樹と住み込みの書生の依子の2人だった。赤川が夜のうちに食べた生菓子に毒が入っていたようなのだ。

警察による調査の結果
■依子の証言によれば、依子は届いたままの状態で机の上に置いている事から、赤川本人が自分で開封して食べたものと思われる。
■甥の正樹は1日中家にいたが、赤川の帰宅してきた時間もわからないとの事、まんじゅうの存在すら知らなかったと証言。赤川鬼六の昨夜の帰宅時間については不明
■依子が、まんじゅうを届けた配達員が、以前、赤川の元で小説を書いていた新谷という男だと思いだした。新谷は数年前、赤川から「才能が無い」と一方的に破門させられていた。
■送り主の平石は赤川とは友人であると同時にライバル関係にもあり、先日、大きな賞の選考で赤川に敗れ、賞を逃していた。恨んでいた可能性が全く無いとも言えない。
■甥の正樹も事あるごとに「この居候が!」と赤川に罵られていた。
■依子も赤川に半ば強引に男女の関係を結ばれ、書生とは名ばかりの家政婦みたいな事をさせられていた。
■まんじゅうを配送した配達員は新谷という人物に間違いなかったが、新谷はもう1〜2年も前から、この地域の配送を担当しており、毒殺計画の為、配達員になったとは考えにくいが‥‥

最初から毒が入っていたのか?配送の段階で毒物が混入されたのか?家にいた者が赤川が食べる前にこっそり毒物を入れたのか?どの可能性も否定できない状況下だった。

事件担当の風見刑事は元先輩で警察退職後は探偵業をしている渡瀬に知恵を借りに『渡瀬探偵事務所』に出向いた。風見は渡瀬に事件の概要を話して聞かせた。
「うむ、4人とも毒を入れるチャンスもあり、被害者に恨みがあったようでもあるな」
渡瀬も首を捻った。
「毒は残りのまんじゅうにも入っていたのかい?」
「いえ、赤川氏が食べたまんじゅう以外には毒は入っていませんでした。それと妙な事が1つあって‥」
「妙な事?」
「まんじゅうの箱に誰の指紋も付いていなかったんですよ」
「‥‥‥なるほどね。これだけじゃ犯人を特定する材料にはならないけど、誰が1番怪しいかは見当がつくよ」

渡瀬が怪しいと睨んだ人物は誰か?


解答編へ続く

出典:推理問題
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(・∀・): 42 | (・A・): 32

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