タクシーから降りる間際
2009/09/26 23:18 登録: 痛(。・_・。)風
仕事帰りに乗ったタクシーの運転手から聞いた話です。
ある夜、駅ロータリーでいつものように客待ちをしていると血相を変えたリーマン風の男性が「〇〇病院まで急ぎで!」とタクシーに飛び乗ってきた。
男はどこかに電話をかけているようだが、相手が受け取らないようだ。
ヒーヒー言いながら男は平静を保っていた。しばらくすると男の携帯が鳴った。
男「もしもし!母ちゃんの様子は?…。
そうか、頼みがあるんだけど受話器を母ちゃんの耳にあててあげて!…。」
優しいが芯のある声で男が勇気づけるように語りだした。
男「おいおいいつまで寝てる気だよ、
朝散々人のこと叩き起こしてたくせによ。
今せっかく働いて、美味いもん食わしてやろうと毎日頑張ってんのに、」
「おれまだなんもしてねーよ!死ぬんじゃねーよ!おれが手握るまで息してろよな」と言って切った後、男は黙りこくっていた
しかし病院までの道のりはかなり遠い、男の苛立ちを背中でヒシヒシと運転手は感じ、信号を避けるため裏道など利用し最善を尽くした。
しばらく走ると再び男の携帯がなった
男「もしもし…そうか…わかった…もう着くよ」そう言い電話を切ると男は黙りこくった
そうこうしているうちに病院に着き、男は運転手にお詫びを言い病院の中に消えた
私はタクシーから降りる間際、お金を渡し、涙ぐんでこう言った
「覚えていてくれたんですね。これはあの時払えなかった運賃です。ありがとうございました。」
出典:母の泣ける話ください
リンク:http://www2.2ch.net/2ch.html
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