けいおん!バイハザ!【裏】
2009/10/06 22:26 登録: 痛(。・_・。)風
この物語は【表】では語られなかった話にスポットライトを当てるものです。
【表】を未読なかたは先にコチラ(http://moemoe.mydns.jp/view.php/18323)をお読みください
それでは・・・・・
もう 一つのバイハザ!へようこそ
律「バイハザ!」
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裏、ファイル1
紬編
それはバイオハザード発生の翌日に遡る─────
紬邸
コンコン
紬「失礼しますわお父様。今度の合宿の件なんですけど出来れば一番大きな別荘を…」
父親の書斎を訪れた紬だったがそこには先に先客がおり何やら話込んでいる
紬父「すまんな紬、今取り込んでる最中だ。それにその手のことに関しては全て斎藤に任してあるだろう。彼にいいなさい」
紬「はい……。あっ、あの……」
紬父「まだ何かあるのか?」
紬「今日…何の日かご存知ですか?」
紬父「ん?あぁ、そう言えばお前の誕生日だったな。」
紬「!お父様…覚えててくださって…」
紬父「お前がわざわざ構って欲しそうにこんな所に来るからまさかとは思ったが。まさか本当にそうだとはな」ハッハッハ
紬「……」
紬父「おめでとう紬。」
紬「────ありがとうございます」
バタン……
書斎の扉を閉めもたれ掛かる。
紬「なんで…こんな…」
「……予定……したに……ました」
中から何かが聞こえる…また仕事の話だろうか。あの忌まわしい…。
「あぁ……うだ、明日この街で代4回目の実験を開始する。」
紬「!?」
耳を当てて聞き入る紬
「しかしいいのですか?娘さんは…」
「私もさすがにそこまで悪い親ではないさ。明日の朝紬と家内には少し外へ出ていてもらう。そう斎藤に計らわすさ」
「とてもそうは思えませんけどね…先ほどの会話だって…」
紬「っ!」
紬は耳を扉から離し一目散に駆ける
紬「(聞きたくない…お父様の声なんて…もうっ…)」
「娘には嘘はつきたくないからだ。ありのままの私を見てほしい。紬は良い子だ、だから親の私のようになって欲しくはないのだよ」
「親心……ですか」
ヒック……ヒック……
また、あんなことをするんですね……お父様は…しかも今度は…この街で…
紬「唯ちゃん…りっちゃん…澪ちゃん…梓ちゃん…」
このままじゃみんなが死んでしまう…。
紬「私がみんなを守らないと……!」
早速行動に移す
紬「斎藤!斎藤はいる?」
斎藤「はっ!ここに」
紬「今から言う材料を持って来て。ケーキをつくるわ」
斎藤「はっ!」
紬「ゴニョゴニョゴニョ」
斎藤「はっ?ゴニョゴニョゴニョ?何言ってるんですか紬様!日本語でお願いします!」
紬「ニュアンスでわかるでしょ……普通」
斎藤「すみません…私空気だけは未だに読めないもので…」
紬「他は何でも出来るのにね…」
斎藤「では、あれを持って来ます」
紬「えぇ、お願いね。後このことはお父様にはご内密に」
斎藤「はっ、御意のままに」
紬「これで最悪の事態は免れる…」
後はここをどう脱出するかだけど…。ここのヘリを使うにしても誰も運転出来る人がいない…
でも斎藤なら…。きっとわかってくれるわ…斎藤なら
それがお父様に歯向かうことだとしても
・
・
・
翌朝、バイオハザード当日
紬「よし…出来た」
寝ずに徹夜で作った対Tウイルスの抗体入りケーキ……
これを食べれば空気感染は避けられる…。
ケーキをいつも通りラッピングし学校へ行く準備をする。
部屋を出ると斎藤がいた。私の行動を察したのか複雑な表情をしていた。
斎藤「紬お嬢様、いくら空気が読めない私でもわかります…」
紬「斎藤…。」
斎藤「」ケーキに抗体ウイルス剤など入れても美味しくなりませんよ?
紬「……」
この空気の読めなさは究極だ……
紬「斎藤、あなた知っているんでしょう?私が友達を逃がそうとしていることも…バイオハザードから生き残りを出してはいけないことも」
斎藤「紬お嬢様、私は空気が読めません。だからお嬢様が何をしたいのかも存じません。なのでお嬢様が考えていられることは杞憂です」
紬「斎藤…」
斎藤「ちなみに自分は夕方からどこへでも行けます。暇ですから」
紬「ありがとう…斎藤。じゃあ行ってくるわね」
斎藤「行ってらっしゃいませ、お嬢さ……ガハッ……グゥォ……」
紬「斎藤?」
斎藤「逃げ…てください…お嬢様…」
えっ…
斎藤「ぐ、オォォォォォ!」
紬「い、一体何が…」
紬父「ふん…任務を忘れ私情に走るのは若い者の悪い癖だな、お前もそうは思わんか?」
紬「お父様…何故」
紬父「私の使用人、特にお前の側近には少し工夫がしてあってな。紬、斎藤の首スジを見てみなさい」
言われるがままに紬は斎藤の首の後ろ、脊椎の辺りを見てみる…すると
紬「なに…これ…」
首の後ろに紫色の何かが蠢いている
紬父「通称ネメシス、Tウイルスの上を行くものだ」
紬「ネメ…シス…」
紬父「復讐の女神とは良く言ったものだ…首から生える触手がまるで羽のじゃないか、ククク」
斎藤「ガアア!!!」
紬「やめてお父様!私が悪かったから!早く斎藤を助けてあげて!」
紬父「それは無理だな。一度発芽したネメシスを元へ戻すことは出来ん。なーに心配はない。上手くネメシスが起動すれば斎藤はもっともっと強くなってお前を守ってくれるだろう」
紬「お父様!」
紬父「さあ見ろ紬!私の素晴らしさをな!」
斎藤「ウグォォォォォぉ!!!」
斎藤「ウグォォォぉぉぉ……オジョ……ウサマ…にげてくださ…」
紬「斎藤!」
紬父「ほぉ…これは驚いた。このネメシスに抵抗出来るとはな。さすがは私が見込んで紬の側近にしただけはある。だがいつまで持つかな?」
斎藤「グワアアアアア!グォォォォォ…オジョウサマ…ハヤク…」
紬「斎藤……」
斎藤「オジョウサマにツカエタコノ10ネンカン……ホントウニタノシカッ……」
紬「斎藤……」
斎藤「ウォォォ!はあ…はあ……お友達を、守ってあげてください。紬お嬢様。何より、あなたの為に」
バタン…
前のめりに倒れ込む斎藤。
紬父「こいつは驚いた。最後には完璧に自我を取り戻すとはな。しかしネメシスの支配に逆らったが故に死んだか。思えば惜しい男を亡くしたな。しかし失敗作だなネメシスは。これからまだまだ調整せねば」
紬「……」
紬父「紬、学校へはいかなくていい。お母さんと一緒にパリの別荘へ行きなさい。私も後で行く」
紬「……ま何なんて……」
紬父「なんだ?つむ(ry」
紬「お父様何か死んでしまえ!」
グサッ……
紬父「なっ……んだ……と」
紬「はあ…はあ…はあ…」
護身用に持っていた短刀で、紬が父の心臓を突き刺した。
滴り落ちる血を見てようやく正気に戻った紬
紬「お父様…私…」
紬父「ふふ…ゴホッ…父が憎かったか、紬」
紬「ただ…私…夢中になって…」
紬父「私が死…んでもバイオハザードは…実行される…、所詮は本部が決めたことだ…。紬、父を憎め…そして私の様には…決してなるな」
紬「お父様…?」
紬父「必ず……生きて、……幸せに……」
ガクッ…ドン…
膝をつき力なく倒れる。あぁ、私は何てことをしてしまったんだろう
今頃気づいてもすべては遅かった
そう、既に時は動き初めている。
ナイフを拭き鞘に納める。
父の死体を机の下に移動させる。
斎藤の死体も一緒に…
幸いこの部屋には人がほとんど来ない…。
お父様が気に入っていた暖炉がある部屋…。
制服も新しいのに着替えないと、血がいっぱいついた
最後に何であんな優しいことを言ったのだろう。まるで昔のお父様みたいだった…
でも、やったことは許されることじゃない
私はみんなを守るためなら親だって殺すの…それぐらいみんなのことが大事
だからみんなも私を大切にしてほしいの
私はただ、愛されたかっただけなのかもしれない
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裏、ファイル2
和編
私は何でこんなことしてるんだろうなってたまに思う時がある。
周りからは責任感がある、とか
しっかりしている、とか
賢そう、とか
良く言われる。そんな人から言われた体裁を守るために自分を演じて、みんなの期待を裏切らないように務める日々
退屈だった。
でも、一人だけは違った。
唯だけは、私を見てくれていた。
昔唯に「和ちゃんって普段はしっかりしてるけど時々抜けてるよね〜?」と言われたことがある
正直唯に言われると凄いショックだ。
でもそれが嬉しくもあった。
初めて私ってそんなところあるんだなって思えた。
まあたまに消しゴムやシャーペンの芯を買い忘れたのを唯に貸してもらったりしたことがあった。
きっと唯はそのことを言っていたのだろう
本当に良く見ている
だから、私の一番大切な友達だから
和「守りたいのよ、唯」
刀を握る力を強め巨人と対峙する。
和「はあああ!」
グゥニャ!
思いきり降り下ろした刃はタイラントの腕にめり込むだけで切断するに至らない。
和「(ゴムボールを斬ったような感触、Tウイルスで異常に発達した筋肉に弾かれているのね)」
ブゥン!
和「くっ…」
タイラントの拳をギリギリ避ける。
和「実戦は久しぶりだからなかなか体が動かない…っ。ブランクとは情けないわ」
S.T.A.R.S.のメンバーとして恥ずべきことは出来ない…
和「ブランクは実戦で取り戻すまでよ…!」
再び距離を詰めタイラントへ走り込む和…
・
・
・
私の両親は生粋な日本人だった。お父さんは日本刀が大好きで良く私にも見せてくれた
和父「ほ〜らのどか〜カッコいいだろう?!」
のどか「うわぁ〜すごいねぇお父さん!カッコいい!仮面ライダーみたい!」
和父「だろうだろう!ハッハッハ!」
和母「あなたまたのどかにそんなもの自慢して……のどかが変な趣味に走ったらどうするんですか?それにのどかが触って怪我でもしたら……」
和父「ハッハッハ、模擬刀だから大丈夫だよ。これじゃあニンジンもきれないよ。それにのどかは女の子だからそんな興味は持たないだろう」
のどか「私にっぽんとう好きだよ〜」
和父「えっ?本当に?」
和母「ほら〜変に興味持っちゃったじゃない」
和父「いや!カッコいいぞ〜日本刀を持って佇む女の子なんてそうはいない!俺ならぞっこんだ!」
和母「……まさかだから結婚したとか…」
和父「そ、そんなわけないだろ?」アセアセ
本当はそんなに興味はなかった。でも、お父さんは昔から男の子が欲しかったらしく私にもよくそう言う男の子の遊びを教えてくれたりした
見限られたくなかった。本当は男の子が欲しかったのに、女の子なんて……のどかなんて
そんな風に思われたくない一心で子供ながら良く父の言うことに合わせる節があった
両親がS.T.A.R.S.だと知ったのは中学生に上がったばかりのことだった。
お父さんがたまたま部屋に置き忘れていた手帳を見てわかったのだ
中学生ながら私は問い詰めた。S.T.A.R.S.と言えば対テロなどに特化し最近日本にもその支部を置かれる様になった国際の警察組織と言うことは少し調べればわかることだった
和「お父さん…何で黙ってたの?」
和父「……和に心配をかけたくなかったんだ。」
和母「黙ってたのはごめんなさい…でもお父さんは和のことを思って…」
和「いつ死んでもおかしくない仕事してるのにそれを黙ってるなんて…。」
和父「わかってくれ、和。誰かがやらなきゃならない仕事なんだ。私がそれをやっているだけのことさ」
その言葉を聞いて、一つの思いが浮かんだ
そしてその日が私がS.T.A.R.S.に入る為に訓練し始めた日でもあった。
聞けば母も元S.T.A.R.S.のメンバーでそこで恋に落ち二人は結婚したらしい。
まさにS.T.A.R.S.ファミリー。私に子供が出来るかは分からないけど出来ても絶対入れないわ…こんなチームに
S.T.A.R.S.に入るため毎日毎日格闘術、剣術を学んだ。
剣術にこだわったのはお父さんのこととお母さんも昔刀で戦っていたと聞いたのが原因だったのかも
当然両親は反対した、けど私はやめなかった。私がお父さんを、お母さんを助けるんだって
高校1年の時に試験を受けた。
S.T.A.R.S.に所属出来るのは16歳以上だったからだ。
結果は見事一発合格。当時は言わなかったが後に父から、難問と言われた試験を一発合格するとはさすが俺の娘だ!
と仲間に自慢しているらしい。
その時私は学校をやめるつもりだった。
けど両親はそれだけは絶対に駄目だと猛反対し結局学校へ行きつつの勤めになった。
お父さんはまあまあのお偉いさんらしく特例で認めてもらったらしい。
でも良かった、唯と離ればなれになるのは確かに嫌だったから
それからは訓練と実戦の連続だった。
実際にテロ活動を未然に防ぐ為に動いたことも多々あった。
けれど本当の実戦、そう、S.T.A.R.S.が作られた本当の目的
バイオテロの阻止
それにはここ最近まで出くわしたことはなかった。
今まで三回あり全てこちらの出鼻を挫かれ市民は全滅…。
S.T.A.R.S.の信頼は地に落ちていた…。
・
・
和「で…次はこの街ってわけ…ね!」
ザンッ!
ブゥン!
刀と拳の応襲が繰り広げられる。幸い拳の速度は早いが肩の動きなどでおおよそ飛んでくる場所はわかっていた。これも訓練の賜物か
和「でも……」
グサッ……グニャリ……
こう硬いと刀じゃ話にならない。
腕は駄目だ……異常に強化されすぎている。
和「なら!」
和はタイラントの拳を掻い潜り足を切りつける
「グォォォォォ…」
和「利いた!足はそこまで頑丈じゃないらしいわね」
重点的に足を狙って…でもおかしい
妙に弱すぎる
弱いと言うか…本気で殺しに来ていない。
なめてるのかしら
T002型は対バイオハザード装備のアンブレラの特殊工作員30人を返り討ちにするほどだって書かれていた…。
その割にS.T.A.R.S.では新米の私に手こずるようなことがあるのだろうか…
確かこうも書かれてたっけ…。プロトタイプに比べ命令を受け付ける知能を持ったって…。
私は殺す対象になってないのか…でも梓は…
「ウガアアォォオオ!」
和「あら、だいぶ叫ぶ様になって来たじゃない」
「ウォォォ!」
ブゥゥゥン!
和「(来たじゃない、人を殺す拳が。恐らく敵と認識したのね。賢い子)」
和「……ふっ」
一回深呼吸をし、和もスピードのギアを上げる。準備運動はこれぐらいでいいだろう
唯達もかなり遠くへ逃がせただろうしね
和「はぁっ!」
足、それもアキレス腱辺りを思いきり斬り込む。
いくらウイルスで巨体になったとは言え元の人間組織は変わっていないはずだ
「グォォォォォ!」
和の思い通りタイラントは足を自由に動かせず膝をつき、そのまま地面に倒れこんだ
和「今のうちに……」
倒れている梓を抱え体育館へ向かう。私の予想が正しければ梓は…
梓「……スゥ……スゥ……」
和「やっぱりね…。」
タイラントの威圧からか冷静な判断が出来ていなかった。あんな怪物にこんな小さい子が殴り倒されて生きているなんて誰が思うだろうか。
和「私達のとんだ早とちりだったわ。早く唯達にも知らせないと」
梓をおぶりながら体育館の裏を抜け国道に出る。
ポツ…ポツ…ポツポツ…
和「雨ね…ついてないわ」
そんな愚痴を溢しながらも和は紬邸へと向かった。
梓「…………ニヤリ」
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裏、ファイル2.5
俺編
その頃、隣街T市上空 。
一機のヘリが上空を旋回していた。
「悪いな、ここが限界だ。これ以上近寄ったら下手すりゃバックトゥーザフューチャーみたいに過去に飛ばされかねん」
「ここまでで十分だ。後は現地で足を確保する。」
「いいのか?仮にも警察が盗みなんてよ」
「ちゃんと後から返すさ。それに今は、」
ブォォォォォ
ヘリの扉が開けられ気圧差で激しい音が渦巻く。
「人命が最優先だ。」
ゴーグルをつけ背中にパラシュートを背負う。
俺「待ってろよ、澪」
俺「しかし悪かったなブラッド。こんなバカに付き合わせてよ」
ブラッド「全くだな。だがお前さんの気持ちもわからなくはない。クリスは立場的に動けないからな。」
俺「若いS.T.A.R.S.メンバーの独断とでも報告書は書いといてくれよ。じゃあそろそろ行くわ」
ブラッド「Good luckボーイ」
運転席から顔を覗かせ親指を立てるブラッドに俺も親指を立てて返した。そうして俺は雨の夜に飛び込んだ
バッ
ヒューーーー
俺「(おぅおぅ何も見えねーな見事に)」
ヘリからの落下傘じゃ距離が短いからそろそろか…。
バアアアアサァッ
飛ぶには最悪の状況だがなんとかパラシュートは開いてくれた。
俺「ぐっ……」
しかし雨と風を受けてパラシュートの向きが変わる。この高度じゃ向きも満足に返られない…このままじゃ目の前のビルに激突する……!
地面まで数m、このまま待っていては確実にぶつかる……
俺「うぉぉっ」
パラシュートを急いで外し勢いを止める為に四つん這いなりながら着地する。
ビルの手間3mと言うところで止まった。
俺「ふぅ…」
K市までおよそ約50Km。T市の民間人の避難は既に完了しているようだ
俺「誰もいねぇ」
俺「さて、足になりそうなもんは……っと」
丁度近くの駐輪場にバイクが止まっている。
俺「こいつはまたピーキーなチューニングされてんな」
それは所謂ヤン車であった。
俺「先端が出っぱって宇宙戦艦ヤ○トみたいになってんぞ…」
まあ仕方ない、これで我慢するかとそのバイクに股がる。
俺「おっ、偉い偉い。こうゆう災害と言うか事態にはキーはつけっぱなしにしなきゃいけないんだよな。見た目はヤン車だから根はいいやつなのかも。わりぃな、これ借りてくぜ!」
ドゥゥン…ブォォ〜
・
・
・
K市学校近くの一軒家─────
和「さすがに街中にゾンビが溢れてるとなると梓を庇いながらむぎの家にいくのは至難の技ね…。」
学校から出て鍵の開いている家に入り梓を着替えさせて雨を凌いでるとこまではいいのだけれど…
梓「くぅ…くぅ…」
ベッドでぐっすりと寝ている梓を見る
和「さすがにここに一人で置いておくのは危険よね…」
梓「くぅ…くぅ…」
和「憂ちゃんといい梓といい…この妹キャラは破壊力ありすぎよ…」
やっぱり妹も悪くない
車を借りていくのが無難か…でも運転何かやったことないし…。
それにいくら応急措置はしたと言ってもあちこち骨折してる人間を連れ回すわけにも…。
和「袋小路か…不幸だわ…」
和「雨が止むのを待ってから移動するしかないわね」
こんな時誰かいればいいんだけど…
・
・
・
ブォォォォォォォ!
俺「こいつの早さの源はこのごちゃごちゃしたパーツか!更にこのヤマ○擬きのヘッドが風を切り裂いて行きやがる!」
雨の中の道を200kでぶっ飛ばす俺
バカである
俺「そろそろ検問か」
ブラッドの話じゃ街全体はかなり頑丈な検問だとか言ってたな…。果たして突破出来るか否か…!
K市まで残り5K…
ブゥゥゥン!
よりアクセルを早める…。
検問───────
アンブレラ社員A「こちら中央通り、異常なし」
アンブレラ社員B「そりゃあこんなどしゃ降りの中わざわざ危険な地区に突っ込んでくる輩なんかいねーだろうよ。そうだな、いたら…だって本当はクレイジ〜♪だな」
アンブレラ社員A「それでも見張らないと行けないのは現場の辛いところだよな〜」
アンブレラ社員C「お、おい!何だあれは!」
社員が指を差した先には…
俺「嵐〜と共に〜やってぇ〜来た〜誰だ、誰だ、悪〜を蹴散らす嵐のお〜と〜こ〜」
アンブレラ社員A「なんだあいつは!猛スピードで突っ込んできやがる!」
アンブレラ社員B「ppppppp…なにぃ戦闘力5000だとぉぉぉ!?」
アンブレラ社員C「つ、突っ込んで来るぞぉぉぉぉぉぉ!」
┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛
俺「(思ってたより低いバリケードで助かったぜ、これなら!)」
門を超えるためには…!
門の前にある乗用車に目をつけそこにアクセルを全開で突っ込む!
アンブレラ社員A「バカめ!ハンドル操作を誤ったな!車に突っ込んでしねぇ!」
アンブレラ社員B「い、いや違う!あれは!」
俺「押し通ぉぉーる!!」
アンブレラ社員C「こいやぁぁぁぁ!」
その乗用車の更に前にある縁石に上手くタイヤを合わせる…。
斜行した縁石にタイヤが上手く乗りそのスピードも相まって飛び上がるヤマト、いやバイク
更に乗用車の上に乗りスピードの勢いを利用してバイクを力一杯上に引き上げる!
するとバイクは宙を舞い…
アンブレラ社員A「俺の車を踏み台にした!?」
ドスン!!!
バリケードの向こう側へと着地成功!
俺「いやっほ〜っ!」
アンブレラ社員B「やろぉ!」
カチャッ
アンブレラ社員C「やめとけ、矢の無駄だ」
アンブレラ社員B「いや拳銃なんだが…」
アンブレラ社員A「こちら中央通り!バイクで突っ込んで来た暴走族らしき男にバリケードを突破されました!オーバー」
ガガガ
『構わん、放っておけ。そんなガキが死のうと関係はない。だが次はないぞ?』
アンブレラ社員A「は、はいぃぃぃ」
俺のスーパーパロディタイム終了
全部わかった人は人生について考え直そう!
・
・
・
和「雨…止まないわね。このままずっとこうしてるわけにも行かないし…」
あれから何時たったろうか。唯達は無事でいるだろうか…
気になることが多すぎる。
和「仕方ない…何とか車を…」
そう思い和が玄関を出ようとした時だった
『パララララパラリララ〜♪』
和「えっ…何の音かしら…」
玄関を出て大通りを見る
『パララララパラリララ〜♪』
和「まさか…暴走族?いえまさかね…そんなバカな暴走族いるわけないわ…。いやもう寧ろ暴走族なら尊敬するレベルよ」
和は音がする方を眺める。小さかった影姿が段々…
・
・
・
生きてるやつがいればこの音に反応して何かしら対応があるはず…。
『パララララパラリララ〜♪』
さっきとは違い出来るだけ低速で走る。
目標は澪達のところだが他の要救助者を見捨てるほど俺は非、人道的ではない
俺「ん…あれは…」
遠くの一軒家の軒先に人影が見える…。
俺「生存者か!」
しかも見た感じ女の子っぽい……激熱……!
近づくにつれ段々と露になるその姿…。
おっとメガネっ子じゃねーか!ウホッ!更に制服着てるってことはJKか!なんたる僥幸!!!
神よ私は全力で貴方を支援します!!!
ん…でも待てよ、右手持ってんのあれ刀じゃねーか?
まさか…
家の前で止まる俺…。
和「こんなとこで何やってんのよ、俺」
俺「んだよ和かよ!!期待して損したぜ…。てかそれはこっちのセリフだって〜の」
和「話はともかく中で聞くわ。あなたびしょ濡れじゃない、風邪ひくわよ」
俺「お、おぉ。」
俺はバイクを降りて和に招かれるまま家の中に入る
和「はいこれタオル、後上は脱いで。脱水して乾かしておくから。代わりにこれ着なさい」
俺「おぉ…すまねぇな」
一通り着替えなども終わり梓のいる部屋で落ち着く
俺「この子は?」
一目散にベッドで寝ている美少女に目が行く。
妹キャラ、ツインテール、 ちっちゃい
俺「なんだこの反則キャラ…ぐっ…体が耐えられんっ…」
和「先に言っておくわね、触ったら殺すから」
俺「サーイエッサー!」
俺「冗談はさておき、民間人か?」
和「私の友達よ」
俺「……酷い怪我だな」
和「T002型にやられたのよ…」
俺「そんな厄介なやつもいるのか…。しかしよく生きてたな。S.T.A.R.S.隊員…いやクリスさんやジルさん、バリーのおっさんでも無事じゃすまないだろう…」
和「多分目標設定にされてなかったからでしょうね。私も戦ったけど明らかに殺す気じゃなかった。」
俺「和がS.T.A.R.S.隊員だとわからなかったのか…他に目標がいるのか」
和「最もさっきのいざこざで敵と認識されたでしょうけどね」
俺「で、この子どうするんだ?」
和「あなたが来てるってことはメンバーが来てるってことよね?」
俺「いや実は…」
和「単独潜行ですって!?」
俺「実はそうなんです…」
和「あんたって人は…」
俺「…お前はいいよ、のんきに学校行ってたまに顔出せばいいんだから。こっちは穴に火ついてんだよ!前の三回の失態で日本の信用もなくなりつつある…今回だって上の圧力で出動出来ずにいるんだ…。だから俺がこうやって一人で来たわけ」
和「……。言い返すこともできないわ。事実だしね。でも正直助かったわ本当に困ってた所なの」
俺「どうゆう意味だ?」
和「この子を…梓を守ってあげてほしいの」
俺「この子を?」
和「私はどうしても唯達の元へ行かないと駄目なの」
俺「し、しかし…俺には澪が…」
和「澪にはもう相手がいるから言い寄るだけ無駄よ。でもこの子はドフリー言いたいこと…わかるわよね?」
俺「ごくり…っ」
和「起きた時にあなたが命がけで守っていた…とわかれば…」
俺「もっと!」
和「つり橋効果って知ってるわよね?危険な場所は心が高揚するから一緒にいる異性を意識しやすい…無事ここを切り抜けた暁には…」
俺「ぬぉぉぉぉ!」
そ、そんな釣り針に…つ、つ、釣られるか…クマー!
恐らく釣られない輩は存在しないだろう
俺「(た、確かに澪が可愛いと決まったわけじゃない…。黒髪ストレートを逃すのは惜しいが…っ。この子も文句なしに可愛いしな…いやしかし…)」
和「あなたがどうしてもと言うなら私が残っても構わないけど…」
俺「ちっ、しかたねぇな!お前がそこまで言うなら残ってやらあ!(目の前のフラグ優先!命令、フラグを大事に!)」
和「助かるわ、ありがとう(計画通り…)」
和「あ、でも、寝込みを襲うなんて真似したら殺すわよ」
俺「そ、そんなことしませんって」
和「知ってるわ。だから頼んだのよ。でもまあ本人が望んだ場合は……好きにしなさい」
俺「あぁ。気をつけな。澪によろしく頼む」
和「えぇ。」
俺「あ、これ持ってけ。Tウイルス抗体剤。定期で射ってる俺らと違ってそろそろ切れるだろ?それと連絡の為の無線機な。携帯は電波障害がかけられてて繋」
和「本当にすまないわね。ありがたくもらっておくわ」
俺から二本の注射器を受け取ると一つは自分の射ち込み一つはポシェットへ入れる。
和「くれぐれも梓のこと頼んだわよ。脱出の算段が出来次第迎えに来るわ」
俺「あぁ。また連絡してくれ」
ガチャリ…
出ていく和を見送りさっきの部屋へと戻る。
俺「さて…二人っきりになったわけだが」
梓「くぅ…くぅ…」
俺「みゃ、脈拍計らないとな!」
ゆっくりと梓の手を取り脈拍を計る。
俺「……よし、正常だ。問題なし」
ドックンドックンドックンドックンッ!
俺「俺の方が問題あるっての……」
梓「くぅ……」
俺「はあ…」
俺「(やっぱり無理だな…妹キャラは。頑張ってはみたんだけど…。どうしてもそう言う気になれない…あいつのことを思い出したら)」
でも、絶対に守ってみせる。
俺の命に代えても
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裏、ファイル2
和編 続き
和「しかし困ったわね…。歩いて行くには結構な距離があるし…化と言って車は運転出来ないし自転車だと濡れる…。何かいい移動手段があれば…あれは!」
それらの条件を全て満たす完璧な乗り物が目に入った!
和「これだわ!自転車より早く…運転も出来屋根もある…そう!」
ピザ○ットのバイクだった。
和「鍵は…ついてるわね。少しだけ借りて行きます…すみません」
ガチャ、ブゥゥン…
和「快適ね〜。しかしゾンビがいないわね。ゾンビも雨の日は苦手なのかしら…ん?」
誰かいる…民間人かしら
クレア「うぅん…」
女の人が辛そうにしながら歩いている。
和はすかさずバイクを止め話しかけた
和「大丈夫ですか?(他にも民間人がいるなんて…でも何で感染してないのかしら…明らかにS.T.A.R.S.じゃないみたいだし…)」
クレア「えっ…まさか…あなた人間…よね?」
和「はい。具合悪いんですか?」
クレア「えぇ…この街に入ってから少しだけ目眩がね…。」
和「目眩…、ですか」
何でこれまで発症してないのかはわからないけど…とりあえずワクチンを射ってあげましょう。本当は念のために一本残して置きたかったんだけどそうも言ってられないわね
和「腕を出してください。」
クレア「?こうかしら…」
和「少しだけ痛みますが我慢してくださいね。」
クレア「注射器?!何するつもり?」
和「会ったばかりで厚かましいですけど…私を信じてくださいとしか言えません」
クレア「……。わかったわ。信じる。あなた悪そうな人じゃないもの」
和「ありがとうございます。」
チクッ……
クレア「うっ……」
和「これで大丈夫だと思います。一人で…大丈夫そうですね」
彼女が持っている銃を見て言う和。
クレア「えぇ、大丈夫よ」
和「差し支えなければ教えて欲しいのだけれど何でこんな場所に?取り残されたって感じじゃないですし…」
クレア「兄さんを探しに来たの。」
和「お兄さんを?」
クレア「えぇ。」
和「そうですか…見つかるといいですね。お兄さん」
他人に余り干渉するべきじゃないと思い和は話を切り上げる。こっちも暇ではないのだ
和「じゃあ私行きますね。行かなきゃならないところがあるので」
クレア「えぇ。お互い訳ありだし詳しい詮索はなしにしましょう。でも名前だけ、教えてくれない?」
和「真鍋和(のどか)です」
クレア「私はクレア、クレア・レッドフィールドよ。」
和「(レッド・フィールドですって…じゃあ彼女はクリスさんの…。)」
和「お兄さん、きっと見つかると思いますよクレアさん」
クレア「ありがとうのどか。」
和「もしこの先で男と女の子の二人組がいたら、良ければ力にあげてください」
クレア「わかったわ。じゃあね、またいつか会いましょう」
和「はい」
私って本当に薄情者よね…
ようやく和が紬邸についた頃、辺りは真っ暗になっていた。
雷も酷くとても出歩く状態ではない
和「早くむぎの家に入って暖まりたいわね…」
しかし立派な建物ね、アメリカのS.T.A.R.S.本部並じゃないのよ
開けてもらう為にインターホンを押すが、反応がない。
和「あれ?どうなってるの?」
鳴って出ないならまだ納得も出来る、いやそれはそれで怖いものがあるが音さえ鳴らないのはどの様な用件か。
和「もしかして…」
ピカッ…
ゴロゴロ…!
和「雷でブレーカーが落ちたとかかしら」
この時和は5分前に紬邸に来ただけで状況など全く知らない、予想する以前の問題である。
和「みんながブレーカーを上げてくれるまで待つしかないか…さすがにこの壁の高さは越えられないし…」
和「はあ…」
バイクにうつ伏せになる和。
和「(さすがに色々ありすぎて疲れたわ…眠りたい…)」
ん…
ボヤッと遠くに人の輪郭が浮かび上がる。
ゾンビかしら…
チャキン…
いつでも対応出来るように刀の柄を親指で少しだけ押し上げて抜く。
ゾンビ…いや、違う…しっかり直立歩行している…。
なら……生存者……
「フリーズ!!」
和「!?」
よくは見えないが拳銃を持っているのか何かをこっちに構えつつ前進してくる。
和「(喋れるってことはとりあえずゾンビではないみたいね…)私はゾンビじゃありません。銃を下ろしてください」
「……それは悪かった。すまない、許してくれ」
銃を下げこっちへ向かって歩いてくる。
男の人のようだ。
「少し雨宿り出来るところで話さないか?俺はレオン・S・ケネディ」
「和、真鍋和(のどか)よ」
和は今日二度目の自己紹介を口にした
・
・
むぎの家の向かいにあるマンションの階段に腰かける二人
レオン「君はどうしてここに?」
和「私はこの街の学校の生徒で友達と一緒に逃げていたのですが途中ではぐれてしまって。で、あの家が友達の家でもしかしたらいるかなと思って来たんです。」
レオン「なるほど、大変だったな君も」
和「レオンさんは?」
レオン「君と似たような理由さ。日本の警察を勉強する為にって何週間かこっちの警察にお世話になる予定だったんだけどね。今日初日でこの有り様さ」
和「それは…ついてませんね」
レオン「あぁ、泣けるぜ…」
レオン「良ければ君達の脱出を協力しよう。か弱い女の子達だけ残して男の俺だけ脱出するわけにも行かない」
和「ありがとうございます。けど私達なら大丈夫ですよ。」
そう言いながら刀を見せる。
レオン「まあここまで生き残ってる時点でただ者じゃないとは薄々思ってたがな。」
和「それにレオンさんも他にやることがあるんじゃないですか?」
レオン「……」
和「あんな雨の中を歩き回ってまでやりたいことが」
レオン「君は本当にただの女子高生じゃないみたいだ。ちょっとこの街で知り合ったエイダと言う女性を探していた」
和「エイダさんですか……知りませんね…。(まだ生存者がいるなんて…と言うか…)」
和「あの、変なこと聞くようで悪いんですが気分が悪くなったり体が痒かったりしませんか?」
レオン「いや、特にはないな。雨で濡れ続けていたから肌寒いのは寒いが」
和「そう…ですか」
雨でウイルスが弱まってるのかしら…。でもどのみち予備はもうないし…
和「あ、あの。またまた変なこと聞きますけど何かワクチンみたいなものうちました?」
レオン「いや、うってないな。本当に変なこと聞くな君」
和「(何なのこの人…)」
和「(まあ今まで発症してないってことはこの人がTウイルスに対して抗体が出来ているとしか考えようがないわね…。S.T.A.R.S.にほしいわ…)」
レオン「じゃあ俺はそろそろ行く。お互い無事にここを脱出しよう」
握手を求めて来たレオンに快く応じ握り返す和。
和「一つだけ頼めますか?」
レオン「あぁ、何でも言ってくれ」
和「そのエイダさんが見つかって脱出に困ったらここへ来てください。きっと力になれると思います」
レオン「その時は頼む。じゃあな」
再び雨の中を走って行くレオン。
和「世の中には色々な人がいるわね。」
さて、そろそろブレーカーを上げてくれてる筈
さっさと合流して色々話さないとね
───────。
ピンポーン
和「あ、鳴った。」
「……」
和「出ないわね…」
ガチャ
「ギイィィィ」
ガチャ
和「何あの鳴き声。……本当に大丈夫かしら…」
ウゥゥゥ
和「でも開いたからからいいか」
中に進む和。
和「ゾンビとかはいないわね…」
紬の家なら衛星電話とかあるかも…さすがにそれは期待し過ぎか
すんなり中に入れて安心してると入った瞬間緑の体の怪物が襲いかかってきた。
「ギイィィィ!」
和「さっき受け答えしてたのってハンターだったのね…」
右腕を突き出す様に飛びかかってくるハンターの左側に走り込みすれ違い様に斬りつける。
「ギ、ギイィィィ…」
和「ふぅ、タイラントに比べるとやっぱり劣るわね。」
さて、唯達は…
近くの部屋などを探してみたが見つからない。
和「ブレーカーを上げに行ったまま戻ってないのかしら…」
まあ敵にやられたってのはなさそうね。
銃痕にまみれた死体のハンターを見てそれは確信していた
・
・
和「まさか本当に衛星電話があるなんて…凄いわね」
ピッポッパ
プルルル、プルルル
クリス「どうした?何かあったのか?」
和「私よ。クリス、状況を的確に教えて」
クリス「おぉ居てくれたか。K市だからもしかしたらと思ったが。今は上の許可が出ないのと天候からそっちに行けずにいる」
和「なるほど…俺から聞いた通りね」
クリス「あのバカと会ったのか?」
和「えぇ。今は救助者を守ってもらってるわ」
クリス「帰って来たら覚悟しておけと伝えておいてくれ」
和「ふふ、わかったわ」
和「私はこれから友達…救助者と合流してあなた達が来るのを待つわ」
クリス「澪達のことよろしく頼む。後「俺」のこともな」
和「澪達も電話したのね。わかったわ。」
クリス「爆撃までには必ず迎えに行く」
和「爆撃?!どう言うこと?」
クリス「軍お得意の殲滅作戦だろう。今から数時間後に行われるらしい」
和「大丈夫なの?」
クリス「生存者がいるのは報告したから多少は猶予をくれるだろう。俺を信じてくれ」
和「……わかったわ、リーダー。あ、この電話したのは澪達には内緒ね」
クリス「あぁ、わかった」
ガチャ
和「さて、唯達の元に行こうかな」
しかしどこがどうなってるのか……
和「あっ、パソコンがあるじゃない。この屋敷の見取図とかあるかも…」
ウィィン
和「これも衛星…恐るべし」
え〜と見取図…見取図…
ん?
『琴吹の研究結果によりネメシス型の…』
和「何このファイル…。…ロックかけられてるのがますます怪しい…」
思いつくパスワードを片っ端から叩き込む
和「駄目ね…数字だけじゃなくアルファベットも入ってるのは解読不能に近いわ…。て言うか琴吹って紬の名字…。そう言えば日本のアンブレラ社の代表社長は琴吹だった筈…」
まさか…ね
和「……この琴吹って言うのが紬のお父さんだとすると……」
パスワード
TSUMUGI
和「解けた……。」
そこに書かれていたことは信じられないほど残酷な内容だった
ネメシスの人体実験による結果報告
Gウイルスについて
T002の改良型の計画
など…
和「まさかむぎの父親が日本のアンブレラの親玉とはね…」
でもむぎが悪いわけじゃない…。これで彼女を攻めるのは余りにも酷だ
和「尚更早く合流しないと…」
見取図に目を通しブレーカーのある電気室を目指す
和「参ったわね…まさか電気室にいないなんて…」
宛もなく途方にさまよっていると…
「……んな……に……」
和「声が聞こえる…。唯?」
声が近づく方へ行く。
和「ようやく合流出来るわけね…」
その声がする部屋へ入ろうとした時だった────。
唯「死のう?」
和「えっ……」
壁越しに絶句する…さっきのは間違いなく唯の声だった
その唯が、死のうって…
紬「唯ちゃん……」
唯「私には無理だよ…このままゾンビになる憂を見るのも…それを殺して生きるのも」
何言ってるの……唯
あなたがそんな……こと言うなんて
唯「憂とはね…ずっと一緒だったの。うちはお母さんやお父さんがよく出掛けたり単身赴任したりするから家で二人のことが多かったの。一緒に泣いたり笑ったり…アイス食べたり…」
和「(憂ちゃんが…発症したの…?)」
でも研究所があるここなら治せるはず…
むぎも知ってるはずなのに…何で黙ってるの?
唯「憂のこと…誰よりも大好きだからぁ…。」
どうして!
唯「ういが死んじゃう゛なん゛て…やだよぉ…」
むぎ……!ギリッ
和「そう…そう言うつもりなの…紬」
なら私も容赦はしない。
唯が悲しいことは私も悲しい…から
扉に手をかける、
この状況を打破するための情報を私は持っている……
「らしくないわね、あなたたちがこんなお通夜みたいな空気出すなんて」
唯は、私が守る
・
・
・
そうして表と裏は繋がった──────
-------------------------------------------
裏、ファイル3
梓編
頭が痛い……。身体中も。一体私に何があったんだろう
ただ、その痛みが自分が生きていると実感させてくれる。
梓「……ん…んん」
目だけは辛うじて開けられた。そこは学校でもなく…知ってる場所でもなかった
普通の一戸建ての天井、自分はベッドに寝ているのかな
「目が覚めたか?」
梓「えっ…」
聞いたことがない声に反応してそちらへ振り向く。
俺「体はどうだ?まだ痛いか?」
梓「あ、あの…あなたは……後、みんなは……?」
俺「あぁ、紹介が遅れたな。俺は「俺」。和の知り合いだ。みんなは紬って子の家に行ってる」
梓「そうだったんですか…いたたっ」
俺「無理しない方がいい。骨が三ヶ所も折れてるんだ、当分動けないよ」
梓「あ、あの……」ビクビク
俺「怖がることはない。和から君を守るよう言われている。ゾンビが来ても俺が退治してやらぁ」
梓「……」
悪い人じゃなさそう……男の人と二人きりなんて初めてだけど……大丈夫かな
俺「さて、何か食べるか?密封商品なら食べても大丈夫だろう。適当に身繕って持って来るよ」
梓「ありがとうございます」
梓「モグモグ……」
俺「悪いな、そんな缶詰しか食べさせてやれなくて。衛生面を考えてのことなんだ、悪く思わないでくれ」
梓「いえ、久しぶり物を口にしたからか凄く美味しいです。俺さんは食べないんですか?」
俺「食べられそうなものがそれしかなかったからな。あぁ、俺はいいよ、腹減ってないし」
ぐぅぅぅ……
俺「あ、アーッ。今のおならな」
梓「クスクス……これ、半分あげます」
俺「いらねぇっての。小さいんだからいっぱい食べとけ」
梓「あー!気にしてるのに!」
それから俺さんと色々なことを話した。俺さんと和さんは犬猿の仲で会うたび喧嘩しているらしい。
和さんが高校2年生の時に知り合ったなど色々話してくれた
でも、どこで知り合ったのだけは話してくれなかった
俺「でな?俺が和にこう言ったわけよ!……逃がした魚は……デカかったぜ?ってなぁ!これどう見ても俺が振ってるだろ?俺の勝ちだろー!」
梓「それって普通に振られてるんじゃ」
俺「ですよね……」
梓「俺さん……」
俺「ん〜?」
梓「私を置いて、一人で逃げてください」
俺「なんで?」
梓「私が一緒だと足手まといになるから……だから和さんも私をここへ置いて行ったんですよね…みんなも」
俺「……」
梓「私…本当に何やっても駄目だなぁ…やっぱり何にも役に立てなかった…」
俺「……。和はな、俺に君を押し付けたわけじゃないよ。確かにあいつとは仲はわりぃけど……どんなやつかはよく知ってる。和はきっとここで俺に任せた方が梓が安全だからって思ったんじゃねぇかな」
梓「……。」
俺「それにあのT002型に襲われても鍵を離さず届けた……誰も君を役立たずなんて思っちゃいないさ」
梓「本当……ですか?」
俺「あぁ、本当だ」
梓「良かっ……た」
涙が溢れ出して来る……人前で泣いたりなんてしたくないのに…
俺「……。俺にはな、妹がいたんだ。そうだな…生きていればちょうど梓と同い年くらいか」
梓「……妹さんは…なんで…」
俺「バイオテロに巻き込まれてね…。俺は丁度街にはいなかったから助かったんだが家族は全滅。全員ゾンビになった後射殺だかなんだかされたんだろうな」
梓「すみません…」
俺「俺から話し出したことだから謝らなくていいよ。まあだから…かな、梓を守りたいと思うのは」
俺「すまんな…人の事情を勝手に押し付けて、迷惑極まりないよな」
梓「そんなこと…ないです。俺さん……必ず、一緒に生き残りましょうね。」
俺「あぁ、当たり前だ」
二人は指切りをする、互いの約束を確かめる為に
俺「あっ!外の雨止んだみたいだな!」
もうすぐ世が明けまた明日が始まろうかと言う時間だった────
ボゴッォォォォォ……
ぐしゃり……
俺「えっ……」
梓「俺……さん?」
鋭い爪が窓を突き破り更に男の腹を突き破る
梓「俺さぁぁぁん゛!!!」
「ウォォォ!!!」
その爪が引き抜かれ……壁が崩れた先にはおぞましい怪物がいた
梓「何……これ……」
目の前には化物、下には血を大量に出して倒れている「俺」がいた
俺「あ゛ずさ……逃げろ……早く…」
梓「そんなっ…俺さんは……!」
俺「この傷じゃ…どのみち無理だ…」
梓「なら私が…くっっ…」
ベッドから降りるもまともに歩くことさえままならない…
俺「そう゛…だったな。お前も゛…歩けないんだった…」
タイラントが爪を振りかぶる
二人とももう駄目かと諦めた時だった───
ジュュワ
「ォォォォォ!」
何かが当たりタイラントの左肩部分が僅かに溶ける
クレア「さあ来なさい化物!あんたの相手はこっちよ!」
グレネードランチャーを構えたクレアが叫ぶ。
「ウォォォガァ!!!」
タイラントは目標を切り替えクレアに向かって走り込む
「ウガアアォォオオ!」
爪を横にスウィング
クレア「はっ!」
クレアはそれを低く姿勢を維持した前回転で避ける
そして後ろからまたグレネードランチャーを発射
「グワオォッ!」
四つん這いになり少し動きを止めるタイラント
梓「あなたは…」
クレア「話は後よ!捕まって!」
クレアは梓を抱える
梓「待ってください!俺さんが!」
クレア「……彼は……もう」
俺「俺がどうかしたって?」
クレア「そんな……!」
体の真ん中には穴が開きかけ血を大量に流しながらも男は立っていた。
梓「俺……さん」
梓は余りの痛々しい姿に直視出来ないでいた。
俺「クレアさんとか言ったなこれを。和絡みだと思うがそいつは和と通信出来る。あいつらと合流して脱出してくれ」
クレア「……えぇ。この子は任せて」
俺「任せたぜ…。」
梓「俺さん゛…」
俺「きったねぇな…可愛い顔が台無しだぞ。…お前は幸せになれ、梓。俺の妹の分もな」
そうしてタイラントの方へ向き直る
その背中は誰よりも大きく感じられた
梓「俺さん!約束…しましたよね!?一緒に生きて帰るって」
俺「クレア」
クレア「わかったわ。」
クレアが梓を抱きタイラントとは反対方向へ走る
梓「絶対…絶対生きて帰って来てください…約束…です。だから…逃げて…」
俺「あぁ、必ず迎えに行くよ。でもその後は愚問だな、逃げるなんて。梓、一つだけ聞こう。」
俺「このタイラント、別に倒してしまっても…構わんのだろう?」
銃を取り出す…
梓「死なないでね…お兄ちゃん…」
二人が走り去ったのと同時にタイラントは起き上がる
俺「あ〜ぁ、一生に一回は言いたいセリフと言われたいセリフを一日でコンプリートとはな。勿体無い勿体無い…。悪いがここは通すわけにはいかないんでな」
俺は命を賭ける、さあ、お前は何を賭けるんだ?
----------------------------------------
裏、ファイル4
律編
律「Shall we dance?」
とかっこ良く決めてみたは良いものの…どうしたものか
「グォォォォォ」
目の前には前のやつより獰猛そうなタイラントが一体
私はと言えば武器は残り弾の少ないコルトとマシンガン、手榴弾が4丁のみ
律「まあこれで何とかやってみるしかないか…」
「ウォォォ!!」
タイラントが律に向かって突っ込んで来る
律「右か左か…」
タイラントは右の爪を大きく振りかぶる
律「右か!」
律はその脇の間に素早く飛び込み回避
パァン!パァン!
後ろから二発コルトを撃ち込む
「ウガアア!!」
タイラントは振り向き様に左手で律を引っ掻く
律「くっ……」
胸の辺りが破け防弾チョッキにナイフで切り裂かれた様な跡が刻みつけられる
一旦間合いをとるため逃げ様にマシンガンをばら蒔いて牽制
10mくらいの距離が出来たところでようやく息を整えられた
律「はあ…はあ…はあ…。こりゃ…しんどいって…もんじゃ…ねーぞ」
弾はますます減り残り僅かになった。
「ウォォォォォォ!」
しかしタイラントは微塵も疲れを見せておらず今にも襲いかかろうとこちらを見ている
律「でもな…澪と約束したからな…絶対生き残るって」
なら、やるだけやらないと…後で怒られるな
「ウォォォォォォ!」
タイラントがまた突っ込んで来る────
律「(私の中にあるすべての力……今出さないでどうすんだよ!!!)」
火事場のバカ力、と言うものをご存知だろうか。人間は普段体に負担をかけさせない為に本来の1/10の力しか出せないようリミッターをかけている
だが、時と場合によってそれは外れる
それは自分が究極的に死が近づいた場合のみ、発動する────
タイラントが右腕を振りかぶる
全く避ける素振りを見せない律
「ウガァ!!!」
タイラントの攻撃が来ると同時に少しだけ動きそれをかわす…余りのギリギリ差に律の茶色の髪の毛が数本宙を舞う
コルトM19を構え、タイラントの顔面に、0距離
バァアン!
タイラント「グォォォォォギャア!」
さすがのタイラントもこれには悶絶する
更に律はタイラントのコアらしきところをマシンガンで撃ち続ける
ガガガガガガガガ
「ヌォォ!」
たまらずタイラントが律に爪を降り下ろす
が、律は冷静に見て、爪を降りそうとしている方の肘を左拳で殴りつける
するとタイラントの腕はピィンと真っ直ぐとなり…
また律の集中砲火が始まる
ガガガガガガガガ
「ウォォォ!!」
瞬時に学んだのかこのままでは殺されると言う動物の本能が働いたのか
今度は律を挟み込むように爪を左右から放つ
律は倒れるようにして回避、目の前を爪が通り過ぎるも顔色一つ変えない。
そしてギリギリ地面に背中がつく前に右足を後ろへ持って行き、踏ん張り体制を前へ移行する
目の前には渾身の一撃を避けられ体制を崩しているタイラント
手榴弾のピンを親指で弾く
律「お前、口開ける癖、治したほうがいいよ」
それを口に突っ込み、体制を崩したタイラントが地へつくと同時にそれは爆発した
律「いつっ…も〜駄目だ、動けない。」
壁に倒れ込むように横になる律
タイラントは顔が吹っ飛び倒れたまま動かない
どうやら死んだようだ
律「はあ…やっぱり開かないか…ドア」
澪が進んで行った方のドアを見つめるも開く気配はなさそうだ
律「あ〜ぁ…働き損だな」
肋骨が音を立てて軋むのがわかる。
律「そう言えば私…骨折れてたんだっけ…忘れてた」
律「そろそろ時間か…」
澪や他の人達は上手く逃げられたのだろうか…
律「私…死ぬんだな」
虚ろな瞳の中でタイラントが動いこっちへ来るのがわかる
律「顔潰しても生きてるなんて……凄いなお前……」
ゆっくりと、ゆっくりと、横になっている律へ近づくタイラント
律「まあいいさ……どうせ死ぬんだ……ここでお前に殺されても構わないよ」
ドス……ドス……ドス……
律「ごめん……澪。約束…守れなかった」
目から頬を伝い地面に涙が溜まる
タイラントが目の前まで来る─────。
今までもこんなシーンはあったけど…今回だけは絶対助からないってわかっていた。
だから、ゆっくり目を瞑り、その瞬間を待った
ドォォゥン…
律「銃…声…?」
誰もいるわけないのに…何で…
タイラントがふらっと倒れる
さっきまでタイラントが見えていた場所に、一人の男が立っていた
レオン「どうやら間に合ったみたいだな」
律「あんた…誰?」
レオンは黙って律に近づき肩を回す
律「いつっ…もうちょい優しく…」
レオン「そんなこと言ってる場合じゃないだろう。ここは後10分で爆発する。それまでにここを出るぞ」
律「それが出来ないから苦労してたわけで…ってあれ?じゃああんたはどうやって入って…」
レオン「普通に開いてたぞ」
律「えっ…」
レオン「まあ話は後だ。下に仲間もいる。少し走るが我慢しろよ」
律「走るなんてむっ…っつっ…」
レオン「全身ボロボロだな…。仕方ない、」
レオンは律の前でしゃがみこみ
乗れ、とだけ言った
───────。
律「しかし本当にあんた何者だ?全く知らない人のおぶられて行くのも嫌なんだけど…」
レオン「レオンだ。お前のしっかりとした友達にここへ来るよう言われていたんだが来たらこうなってた。本当に泣けるぜ…」
律「和が…」
本当に和には助けられっぱなしだったな…最初から最後まで
次に会ったらきっと何かお礼しよう
私のセカンドキスなんてどうだろう。ファーストはって?それは予約が入ってるから無理だよ
レオン「どうやらお友達はこれで全員みたいだな」
レオンは律を
クレア「そうみたいね。」
クレアは梓を
エイダ「急ぎましょう」
エイダは紬をかついでいる
律「梓ぁああああああああん!」
梓「率先輩…、生きてて良かった…」
律「むぎは…むぎは…大丈夫なのか?」
血が出ている紬を心配してレオンの背中から身を乗り出す律
エイダ「えぇ。傷は派手だけど幸い急所は外れてるわ」
律「良かった……でも一体誰が…。残りのみんなは上から脱出したのかな…でもあの部屋は確かにレオンが来るまでは密室だった…」
レオン「だが片方の方を見ても誰もいなかったぞ」
律「そう…か。きっとあんなえげつない部屋は私らのとこだけだったんだなきっと…よ〜しとにかく脱出するぞー!ヒュウィゴー!」
律の指示で下へ向かって走り出す3人と上に乗る3人
紬邸爆発まで残り5分を切っていた────
レオン「このまま走ってたら間に合ない!ショートカットするぞ!」
レオンは律の持っている手榴弾を壁に向かって投げつける
ドォォゥ…
轟音とともに崩れさった壁を抜け一気に中央の大広間に出た
クレア「後は直線だけよ!みんなしっかり捕まって!」
大人三人は全力疾走
子供三人はしがみつくと言う親子対抗リレー絵図が大広間の中で完成している
だが、本当に休ませてくれないのがバイオハザードと言うものだった
グォォォォォォォォォォ!
律「あのタイラント…まだ生きてんのかよ!」
レオン達の後ろを猛追してくる
律「あぉっ!もう頭が再生してるし!」
レオン「やれやれ…。律、外すなよ」
レオンは手榴弾を手に持つ
律「任せとけって!」
もう一発しか弾が装填されてないコルトM19を握る
ポイッ
まるでジュースの缶を投げ捨てる様に後ろへ手榴弾を投げた
律「偉い偉い。ちゃんと口閉じてるじゃん!まあ関係ないけどさ」
その手榴弾がタイラントとぶつかろうとする瞬間を律は狙い撃った─────
パァン!
弾は見事に手榴弾に命中し、空中で爆発を起こしまたタイラントの顔をふっ飛ばした
後は一目散にただひたすら走る
律はそれを応援していた
後残り20秒と言うところで玄関を抜け外へ走り出す
バババババ…
上には丁度飛び立とうとするヘリが、下には全力疾走の三人
そして屋敷は、耳を裂く音と共に爆発し…崩れさって行った…。
律「お疲れレオンちゃん!」
ぺしぺしと頭を叩く律に何も言い返せないほど疲労していた。
梓「クレアさん、本当にありがとうございました」
クレア「いいのよ…私は恩を返しただけなんだから」
エイダ「終わったのね……」
レオン「いや、これからが始まりだ」
クレア「そうね……」
律「うん……。あっそうだ!澪達に連絡しないと!」
レオン「もうヘリなら行っちまったよ……俺らに気づく事なくな」
梓「またきっと会えますよ……生きている限り」
律「……だな」
律「あぁ!!!そうだった!大切なこと忘れてた…」
レオン「なんだ?もう何言われても今なら驚かない自信がある」
律「確か軍がここ一斉爆撃するんだよ!多分後一時間もしない内に!」
レオン「それを!」
クレア「先に!」
エイダ「言いなさい!」
律「ごめんなさい…」
でも、きっと何とかなるさ。今までも何とかなって来たんだから
そして澪、みんな。また、いつかどこかで必ず
会おう─────
生きている限り、どんな可能性だってあるんだから!
-----------------------------------------------------
極秘ファイル
憂編
目の前には血だらけで倒れ込む紬の姿があった。失敗をした罰だ
でも殺しはしない、彼女はまだ次のステージに必要だから
憂「さて、お姉ちゃんに追い付かないと」
紬邸爆発まで残り30分───────。
憂「お姉ちゃんは……生きて」
唯「う……う……いぃ……」
泣きじゃくるお姉ちゃんは凄く可愛かったけどそろそろ時間がない。
姉妹の生き別れ演出には最高な物が出来ただろう
憂「じゃあね…お姉ちゃん。また生きてたら会おうね」
来た道へ戻り扉に手を当てる
「ガガガ、会員登録名、ヒラサワウイ、特別認定許可人……確認」
ウィィン
さっきまで開かなかったドアが開く
憂「ここじゃさすがに来れないからね……ちょっと下へ降りないと」
───────。
階段を降り普通の部屋がある場所に戻ってきた憂
憂「タイラント〜?いる〜?」
ドゴォォォォン
壁を突き破り緑のコートを着た巨体が現れる
憂「あなたは三人目の子かな?ご苦労。今回の演習はこれで終わりだからデータおくっといてね。私は帰るわ。来てるんでしょ?あの人」
タイラント「」こくり
タイラントが開けた穴を伝い外に出る。
そのまま紬邸を出てその側に止まってある車へと乗り込んだ
憂「遅くなってすいません」
「憂ちゃんは本当にお姉ちゃんが好きね〜」
憂「お姉ちゃんは暖かいから。他の人は嫌いだけど」
「まあいいわ。今回はいい実戦データも取れたし。T002型を5体も投入した価値があったわ」
憂「しかしビックリしましたよ初めは。ちゃんとそうならそうって言ってくれなきゃ〜」
「ごめんね〜。でもアンブレラの技術ならあれぐらい容易いってことぐらい知ってるでしょ?」
憂「それは勿論知ってますよ。さわ子先生」
終わり
-----------------------------------------
予告
あれから二年経った。
紬邸後─────
澪「これ……律の……」
瓦礫の中から律のカチューシャを見つける
澪「律……一体どこへ行ったんだ」
私は律を探すため、それとバイオハザードの実態を世間に明らかにするためにフリーのカメラマンになっていた
元々カメラを撮るのが好きだったのもあるけど…やっぱり一番の理由は律を探すためだった
他の軽音部のメンバーも消息がわかっているの唯だけとなっていた。
澪「でも…諦めないから、私」
某警察署────
「はいじゃあ自己紹介して」
唯「きょ、今日からこちらで配属になりました平沢唯でで、す!よろしくお願いします!」
パチパチパチ
唯「てへへ//」
あれから二年経ちました。私は私なりに考えて警察官になりました
これ以上憂や他のみんなみたいな悲しい人を出さない為に
和ちゃんからはすたぁず?ってところに入らない?って言わたけど…
私は自分の足で歩きたかったから
その一歩を今日踏みしめた
まだみんなでライブする夢を私は諦めない
だってみんなきっとどこかで生きている。
そんな気がするから
へっくしっ
「う〜さむっ…」
新聞を取りアパートへ戻る
「え〜と何々…またもバイオテロか?死人は推定5000人、だってさ、レオン」
レオン「…そうか」
律「はあ…。…そうか、じゃなくて良いのか?このまま野放しにして。私らはアンブレラを潰す為に動いてんだろ?」
レオン「……。まだその程度様子見だ。近い内にもっと大規模なやつが起きる…。」
律「ほんとかよ…」
レオン「あぁ、間違いない」
その時が奴等の最後の日だ
全ての始まりに、終わりを告げる日が来た。
再会、
澪「律…?」
律「伏せろ、澪」
──────。
衝突
和「あなたが行かないなら無理矢理でも連れて行くわ」
律「やってみろ…メガネっ子」
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S.T.A.R.S.VSアンブレラVS桜高軽音部
唯「バイハザ!」ラクーンシティ編
近い内に書きます
今回のスレではこれで終わりです
出典:唯「ばいはざ!」
リンク:http://www2.2ch.net/2ch.html

(・∀・): 86 | (・A・): 89
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