魅上はデスノートが偽物だと気づいたようです。

2009/10/21 19:15 登録: えっちな名無しさん

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:38:06.57 ID:/Z0N4KIW0

-YB倉庫-(月)

松田「し……死なない……。1分は経った……」

月「……!?」

 どういうことだ!? なぜ死なない!

ニア「ジェバンニ、ノートを。自分達の目で確認してください」

 ニアはノートを受け取ると、それを広げ、こちらに向ける。

ニア「ここにいて、唯一名前が無いのが……。……!?」

 そこに書かれていたのは、まずSPKメンバーのものであろう名前、次に日本捜査部の者の名前。
そして最後に書かれていたのは……夜神月……僕の、名前!?

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:39:32.13 ID:/Z0N4KIW0

-時間・場所-(主観の人物) 「普通の会話」 『通信などの会話』 で進行。

-----

 待て、これはどういうことだ……? 
 まさか魅上が僕を裏切って……いや、だとしてもデスノートに書かれているはずなのに、なぜ誰も死なないんだ?

相沢「SPKのメンバーは4人……だがそこに書かれているのは3人……」

伊出「ということは……」

 ……! そうか、あのノートは偽物! 
 理由は分からないが、ノートが偽物にすりかえられ、魅上はそれに気づいた……。
そして機転を利かせ、僕の名前を書いた。やはり魅上は裏切ってなどいない! 

 仮にニアが魅上をなんらかの形で取り込んだとしても、最も殺したい相手は僕のはず。
だが、魅上は最後に僕の名前を書いている。
これは、魅上から僕に対するメッセージ……! ならば……。

月「おや、ニア、これはどういうことでしょうか? 相沢の言うとおり、そちらのメンバーの名前が足りないようだ。
   Halle Bullookというのはそちらの女性として……書かれていないのは男性3人の誰かのようですね」

 そう、そしてそれは、間違いなくニア、お前だ!

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:41:06.91 ID:/Z0N4KIW0

ニア「魅上……ノートが偽物だと気づいたというわけですか……」

月「……ニア、その言い振りだと、どうやら名前がないのはあなたのようですね」

相沢「まさか……」

松田「お前がキラだったのか!」

 松田はニアに銃を向ける。やれ松田! 撃て! 殺せ!!

レスター「うおおおおおお!」

 次の瞬間、叫び声と同時に銃声が鳴り響く。だが、撃たれたのは松田だった。正確には松田の銃が、だが。

レスター「ニア! ここは一旦引くべきだ!」

ジェバンニ・リドナー「!」

レスター「お前も来い、魅上!」

月「キラ達が逃げます! 追いましょう!」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:41:27.90 ID:xSaC+zvO0
俺もこういうの妄想したなw

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:43:34.81 ID:/Z0N4KIW0

-ニア追跡中の車内-(月)

松田「逃げたってことは、やっぱりあいつがキラってことでもう間違いないッスよ!」

相沢「松田、そうまくし立てるな。まだ話もしていないじゃないか」

 相沢……まだニアを信用しているというのか? 
いや……魅上の起点のおかげで、あそこにいた者は皆、ニアが自分達を殺すために魅上を呼んだと思うだろう。
勿論ノートをすり変えたのもニア達だろうが、それも含めて、SPK内でも動揺しているに違いない。

 このままキラとして捕まえるのもいいが……あいつは殺すべきだ。
……腕時計の中のデスノート……ほとんど書くスペースはないが、ニアの名前を書くくらいなら……。

 ニアの名前……? しまった! SPKの奴らの名前は、あそこに書かれたものは覚えた。
しかし、ニアをキラにするために、ニアの名前だけが無かった……。つまり、今の時点では殺せないということに……。
なんてことだ……。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:45:04.07 ID:/Z0N4KIW0

伊出「く……やつら早い……! 俺達だけでは追いつけない!」

松田「でも応援を呼ぼうにも僕達は通信機器を持ってないですよぉ」

 ならばやることは1つ……。人を巻き込む死に方は出来ない……まずは一旦止めて……。

月「相沢さん止めてください! あそこに公衆電話があります! 応援を!!」

 もうどうせ追っても無駄……ならば相沢の持つデスノートだけでも……。

松田「月くん! どうだった!?」

月「く……ダメです……やはりキラに対抗しないとする警察は……」

 無論、電話なんてしていない。警察のキラに対する声明は建前……必ず捕まえようとするはずだからだ。
そうなってから殺すのもいいが、あのニアのことだ、大人しく捕まるとは思えない。
そしてそうなれば、捜査員は増やされ、僕が動きにくくなるだけだ。

 それはそうと……あと10秒……。

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:47:05.31 ID:/Z0N4KIW0

伊出「なんてことだ! 相沢! なんとしても俺達だけで捕まえるんだ! 車を出してくれ!!」

相沢「分かっ……ぐあ!?」

伊出「相沢!?」

月「相沢さんっ!」

 ここは少し取り乱すくらいのほうがいい。デスノートはコートの下の……。

月「あ、相沢さん!! し……死んでる……。ニア……。ニア! お前だな!!」

松田「ニアがノートを!? こ、殺される!!」

月「くそう! 殺される前にやってやる……!」

松田「月くん! だ、ダメだ!!」

 僕は松田に抑えられる。だが、これでいい。松田、お前は僕の予想どおりの行動を取ってくれた……。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:49:03.44 ID:/Z0N4KIW0

-翌日・日本捜査本部-(月)

 さて、これからどうするか。一応ノートは手にしたが、他の3人もそのうち僕がノートを持っていることに気づくだろう。
やはりこいつらも殺しておくべきか……。

松田「ら、月くん! 通信が……ニアから!」

月「!」

 通信……!? となるとやつらはやつらの本部に戻ったということか。こちらはその場所を知らない、当然か……。

月「なんでしょうか、ニア。いや、キラ」

ニア『昨日はすみませんでした、L。いや、キラ』

 こいつ……。

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:51:26.49 ID:/Z0N4KIW0

月「何を言っているんでしょうか、あなたが……」

ニア『L以外にお聞きします』

 僕の話を遮って……!

ニア『昨日、Mr.相沢が亡くなった、ということはありませんでしたか? 
    もしそうならば、彼の持っていたノートはそこにありますか?』

 読まれている……! いや、それはニアがやったということにしてある……大丈夫だ。だが……ノート……。

松田「相沢さんを殺したのはお前だろうが!」

伊出「松田、落ち着け! ……月くん、ノートはどこへ……?」

月「ニア、一度通信を切ります。……僕の部屋に置いてあります、今から取ってきます」

 ……もういいだろう……。ここまでくれば、やはり用済みだ……。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:54:00.33 ID:/Z0N4KIW0

-10分後-

リューク「ククク……やっと話せるようになったなぁ、ライト。全員、自宅に帰って自殺……か。
      まぁここに死体が転がってたんじゃ邪魔だしなぁ。それにしても……あの模木ってデカブツ、空気だったなぁ」

月「リューク、ニアとの通信を再開する。あいつが本物のデスノートを持っているのだろうから、
   お前の声が聞こえる、黙っていろ」

リューク「さて、どうなるのか見せてもらうぜ」

月「ニア、お待たせしました」

ニア『L……他の方々と変わってもらえますか?』

月「今、警察庁にノートを取りに行ってもらっています」

ニア『なるほど、それはやはり……いえ、あえて言うこともないでしょう』

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 17:56:27.54 ID:/Z0N4KIW0


 ニア……お前が僕の取る行動を予測していることなど承知の上。だが、なんとでも言うがいい。

 お前をキラとして仕立て上げ、名前を知ることが出来れば僕の勝ち……。
お前が僕はキラだという証拠を出してくれば僕の負け……それだけのこと。今までと何も状況は変わっていない。
 
 いやむしろ、僕の周りの邪魔者は消え、ニアの周りの者は、もしかしたらニアに疑念を抱いているかもしれない……
僕がそう仕向ける。つまり、僕の方が有利なんだ!

月「ニア……キラ……あなたのことは、必ず私が捕まえます」

ニア『L……キラ……あなたのことは、必ず私が捕まえます』

月「ニア……」

ニア『L……』

月・ニア「お前がキラだ!」

------

デスノートアナザーストーリー
魅上がノートは偽者だと気づいたようです。

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22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:00:02.01 ID:/Z0N4KIW0

-数時間後-(月)

 ニアの名前……それを知るにはどうするべきか。一番簡単な方法は、魅上から聞き出すことだ。
だが、ニアだってそんなことくらいは分かっているはずだ。あのLの息のかかった者ならば、
隔離して拘束程度のこと、平気でやるだろう。この策は期待できない。

リューク「そういえばライト、あの娘はどうなったんだ?」

月「娘? ……ミサか。あいつは前と同じ部屋にいるよ。そうすれば、SPKもそちらを注目すると思ったからね。
   この捜査本部はあっちには知られていないし、ミサも知らない」

リューク「ククク……囮ってわけか」

 ミサ……またあいつに死神の目を持たせて、接触してくるであろうSPK達を……いや、これも無理だろう。
SPKはミサを注目せずにはいられない。よって、所有権のことを知らないニアはミサの前に姿を表すことはまずないからだ。

月「ならばやることは……」

リューク「お? 何か決まったのか?」

月「ああ。とりあえずは、ニアがこれからどう動くか考えることだ」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:04:07.44 ID:/Z0N4KIW0

 SPKの者の名前は、ニア以外分かっている。いつでも殺せる状態にあるが……利用できる数少ない者達でもある、
そう簡単に殺すわけにはいかない。そしてそれはニアも分かっているだろう。
 そうすると、今まで以上に大胆に動いてくるはずだ。僕は少なくとも、この場所にいることを知られないようにしなくては。
となれば……。

prrrrrrr

リューク「おいライト、さっきから電話が鳴ってるぞ」

月「分かってる。でも今はそんな邪魔なものにかまっている場合じゃない」

リューク「だがもう5分近くなりっぱなしだ。そっちのほうがうざくないか? 
      かけてきてるやつは……弥海砂みたいだな」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:06:30.46 ID:/Z0N4KIW0

 ミサ……ホントに邪魔なやつだ……。リュークの言うとおり、囮ではあるが、実際のところほとんど意味はないだろう。
ならば、そろそろ殺しておくべきか……?

リューク「いいかげん出てやれよ。というか鳴りっぱなしでうざい」

月「分かったよ……。もしm」

ミサ『月! 大変だよ!!』

 こいつ……本当に殺すぞ。

ミサ『今手紙が届いたの! 中身を見たらもう大変なんだってば!!』

月「落ち着けミサ。で、その用件は?」

ミサ『それがね、”弥海砂。私はお前の顔と名前を知っている。殺されたくなければ、今日の19時に○×レストランまで来い。”
    だってぇ!! ねぇ、これってどういうことぉ!?』

 なに……!?

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:09:00.34 ID:/Z0N4KIW0

ミサ『ねぇライt』 ツーツー

 どういうことだ……? 顔と名前、そして殺す……どう考えてもデスノートの存在を知る人間。
思いつくのはSPKだが、これは彼らのやり方とは違うような……。

 確かにさっき考えた、ミサに注目すること、大胆に動くことの2点に当てはまるが、何かしっくりこない……。
ニアは誰であれノートで殺しを行うつもりはないだろうし、僕がそう分かっていることも、分かっているだろう……。

リューク「面白いことになってきたなぁ!」

月「少し黙ってろ!」

 くそ……仮にこれがニア達じゃないとしたらどうだ? 新たなノートが人間界に出現したってことじゃないか! 
いや……だがやはりニア達だということも……。ニア達だとすれば、確実に僕の居場所を知る、又は揺さぶりをかけてくる策だろう……。

 だが、やはり何か違う気が……。

リューク「どうするんだぁライトぉ……ククク」

月「……ミサの代わりに、僕が行く」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:12:24.34 ID:/Z0N4KIW0

-翌日・SPK本部-(ニア)

リドナー「ニア、大変です!」

ニア「どうしました?」

リドナー「ジェバンニが……心臓麻痺で亡くなりました!」

レスター「心臓麻痺……!」

 ジェバンニが死亡……心臓麻痺で……デスノートか……? ならば夜神月の仕業となるが……。

レスター「これはL……キラのやったことに違いないな」

リドナー「……」

 本当にそうなのか……?

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:16:12.36 ID:/Z0N4KIW0

 ジェバンニが私達の仲間だということはYB倉庫で夜神月も知っている……。
ジェバンニを殺す理由はSPKだから、ということが考えられるが、ジェバンニだけ、というのが不自然だ。
いや、死の前の行動を操れるとするならば、リドナーとレスターは利用するために残した……?
ならば余計に、何も操らずにジェバンニを殺すのはおかしい。そしてこのタイミングもだ。

レスター「ジェバンニは魅上と、ほぼ直接といっていいほどに接触していた……。
      もしかしたら、私達が気づいていなかったことを、ジェバンニは知っていたということか?」

 新たな証拠……そんなものがあるとは思えない。
 尾行者がいると気づいて、証拠が出るのが恐れるとしたら、そのとき殺すはずだ。
魅上は死神の目を持っている……名前を知るのは容易なはず。

レスター「……? ニア、どうした?」

ニア「いえ……これは本当に夜神月の仕業なのかと思いまして」

レスター「ニアは、これがキラのやったことではないと? まさか、偶然な心臓麻痺とでもいうのか?」

ニア「その可能性もなくはないです、が……私が疑問に思っていることは、
    ジェバンニを殺すことで、夜神月は得をするのか、ということです」

レスター「それは……」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:19:06.61 ID:/Z0N4KIW0

ニア「ジェバンニはSPKメンバーであり、夜神月に顔も名前も割れている。ですが、そのことを私達は知っています。
    そんな状態でジェバンニを殺せば、自分がキラであると言わんばかりです」

レスター「確かに……」

ニア「仮にジェバンニを操り、例えば私達の居場所を知ろうとしたとしても、死の時間は23日後に設定するはずです。
    こんな早くに死ぬのでは意味がない。私達は場所を移動すればいいんですから。
    ジェバンニが死ぬ前に突入する、その行動がなくてはおかしい」

レスター「ならばなぜ……? やはり偶然なのか……?」

ニア「勿論偶然という可能性もあります……が、私が考えているのは……新たなキラの存在です」

レスター「新たなキラ……!」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:22:43.15 ID:/Z0N4KIW0

ニア「はい。私の中でジェバンニを殺したのが夜神月だという可能性はかなり低い。
    となれば、そう考えるのが自然です。本当の心臓麻痺が自然でない……
    というのはなんともおかしな話ですが」

リドナー「……ニア」

 リドナー……さきほどから何か考えていたようだが……。

リドナー「その話は少し飛躍し過ぎでは? それに、それではおかしな点が……」

ニア「……新たなキラの仕業として、なぜジェバンニがターゲットになったか、ということですか?」

リドナー「……はい」

 それを言ってくるということは、リドナーが疑っているのは……。

リドナー「ジェバンニが死亡……これは夜神月にとって都合のいいものではないはず。
      さっきレスターさんが言っていた、何かジェバンニが証拠を掴んでいた場合……
      夜神月は、新たな証拠の存在を知る術があったとは思えません……。
      ですがジェバンニが魅上を探っていたと知る者ならば……そしてこのタイミング……。
      あの……ニア……すりかえた本物のデスノートはどこへやったのですか……?」

 やはり、私か……。

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:26:37.77 ID:/Z0N4KIW0

レスター「リドナー、何を!」

 しかし、さきほどのレスターの意見を経た考え……つまり、リドナーは今揺れていて、
流されやすい状態にあるということ……。

ニア「いいんです、レスター。リドナー、ノートはその引き出しに入っています。鍵はレスターが持っています」

レスター「ああ、確かに持っている……」

ニア「……これはあえて言わなかったことですが、ジェバンニの死は、私も含めた内部犯である可能性があります。
    確かにノートはそこにありますが……その切れ端を持つことはこの中の誰でも可能な状況にありました。
    ゆえに、誰でも犯行は可能だったということになります」

 今や内部の人間は極わずか……だが、これを言ってしまったほうが都合がいい。
自分から言うことで、ということもあるが、この後の話の発展が楽になる。

レスター「確かにそうだが……」

ニア「ジェバンニが何か証拠を持っていたとして、私達に伝えないのはおかしいですが……
    リドナーは、その証拠が私達には気づけないものだったか、もしくは私があえて隠しているか、
    そう考えたのでしょう。
    そしてYB倉庫の一件は、結果だけ見れば私が夜神月を殺そうとした策、そう取れなくもない。
    それが失敗し、ジェバンニの持っているかもしれない証拠が露呈するのを恐れ……
    こんなところでしょうか」

リドナー「はい……」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:29:42.37 ID:/Z0N4KIW0

ニア「ということは、少なくとも、私をキラかもしれない、くらいには考えているのでしょう。
    ですが、それは確信にはとうてい繋がらない程度の」

リドナー「私もあのYB倉庫の一件だけでニアがキラだとは思いません……。
      ただ、夜神月がキラだとも思えなくなってきましたが……」

ニア「今はそれでいいです」

 今考えると、まさかこれは、SPK内をかく乱するための夜神月の策か……? 
いや……それならばSPKメンバーの誰かを操ればいいだけのことになるか……それこそジェバンニを……。
これは考えても分からないこと……分からないことを考えてもしょうがない……。

 何にしても、これからどう動くか……。
とりあえず取るべきことは1つ……それをするには、そろそろ彼女の存在を皆に言っておかねばならないか……。

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:32:23.83 ID:/Z0N4KIW0

ニア「では、この件はとりあえず保留ということでいいですか?」

リドナー「分かりました……」

ニア「ありがとうございます。ではここからは、今回のジェバンニ殺しは夜神月の策だった、
    という考えで進めていきます。いいですね?」

リドナー「……はい」

レスター「分かった」

ニア「まず最初に、紹介したい人がいます。実はSPKメンバーは、ここいる3人以外に、もう1人いたんです」

リドナー「……!」

レスター「どういうことだ?」

ニア「キラ捜査時……特にジェバンニは、死神との接触の危険性があり、よりその行動に注意せねばなりませんでした。
    そこで、可能な限り皆さんが外で捜査するときの様子を、そのもう1人に監視してもらっていたんです。
    今は魅上を管理しています」

リドナー「そのもう1人とは……?」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:35:07.16 ID:/Z0N4KIW0

ニア「名を……Mといいます。Mのことについて詳しくは話せません。ですが、ワイミーズハウス時代からの知り合いです。
    そして、今まで捜査にずっと協力していてくれました。仮に私が死んだ場合、この中の誰も知らない存在……
    ノートで操れられて吐かされたら困りますので……そんな存在に、私の意志を継いでもらう必要があったんです」

レスター「それで私達には黙っていたのか……」

ニア「はい、申し訳ありません。ですが今後は、Mにも皆さんと共に捜査してもらいます。いいですね、M?」

M『分かりました』

レスター「通信が繋がっていたのか」

M『皆さん、よろしくおねがいします』

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:38:35.51 ID:/Z0N4KIW0

リドナー「それで、ニアのこれから先の考えは?」

 これからの策で考えられることは2つ……。1つは夜神月の所在を明らかにする……つまり積極策……。
もう1つは夜神月の動きを見る受身の策……。ただ前者は、夜神月も予想しているだろう。私達の名前はほとんど割れているのだから……。

 となれば後者……。以前ただ見ていただけで彼はボロを出した……そう考えると、やはりこちらが得策……。

ニア「夜神月の出方を見ます。私の考えでは、いくら名前が分かっているとはいえ、しばらくあなた方を殺すことはないでしょう。
    となれば、そのほうが良いと思えるからです」

レスター「だがそれでは結局こちらは何もしないことに……」

ニア「いえ、私の予想では、奴は1ヶ月以内に動きます。そうなればこちらも動くことになる」

 そして今回のことが奴の策であるか否かに関わらず……。

ニア「その行動とは、私達と共に捜査する、と言い出すことです」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:42:02.20 ID:/Z0N4KIW0

レスター「私達と捜査……!? だが、もしジェバンニの死を夜神月が知らない場合、その行動はないのでは……」

ニア「最初に言ったはずです。今回のことは夜神月の策だったと仮定すると」

レスター「だが、そうだとしても……」

ニア「私の中では、奴がこの動きをする可能性は80%以上です。現状、彼のできる策は本当に限られている」

 それはこちらも同じことだが……。

ニア「そしてこの先、犯罪者以外の心臓麻痺や不自然な死が頻発するようであれば……99%になります」

リドナー「ほぼ100……」

ニア「はい。初代Lのときがそうであったように、今回もそう出てくると思います。犯罪者以外の死は、その口実です。
    新たなキラが現れた、と」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:44:27.84 ID:/Z0N4KIW0

ニア「その行動を取った場合、私達はそれを受け入れましょう」

レスター「!」

M『待ってください、ニア。それでは奴にニアの顔をまた晒すことになります。それは危険なのでは?』

ニア「はい、それは避けます。そのために、奴が今私が言った策を取るにしろ取らないにしろ、
    今後私達は、一緒に捜査するのをやめます」

レスター「どういうことだ、ニア!?」

M『ニア……私の理解が正しいのであれば、その言い方は語弊を招くかと。同じ場所で捜査するのではなく、
   モニターなどで連絡を取り合いながら、それぞれ別の場所を拠点に捜査を行う、そういうことでしょうか?』

ニア「はい、そういうことです……すみません」

 これはここで言うことはできないが……仮にノートでレスター達が操られて、居場所を知られたとしても、
少なくとも私の場所は分からない……。

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:47:26.03 ID:/Z0N4KIW0

-5分後-

ニア「私とMはそれぞれ今いる場所を拠点とし、レスターとリドナーはこのようになります」

M『夜神月が共に捜査をすると言い出した場合、ニア以外の誰かと捜査をさせるわけですね』

ニア「はい。そしてその人物は……レスター……ですね」

レスター「私!?」

ニア「夜神月のこれまでの動き……弥や高田のことを考えると、奴は女性に強い……よってリドナーは不適切です」

 何より今の状態のリドナーを夜神月と接触させるのは危険だ……。

レスター「それで私ということか……」

ニア「はい、おねがいできますか?」

レスター「……分かった」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:50:23.21 ID:/Z0N4KIW0

 この策は、レスターは常に死と隣合わせの危険なもの……それはレスターも理解しているはず……。
夜神月が来るようになったら、Mにはそこを重点的に見てもらうことになるか……。

 リドナーにも一応注意しておかねばならないが……そちらは私がなんとかするしかないな……。

ニア「では皆さん、そういうことでこれからおねがいします。まずは、心臓麻痺で死んでいく者がいるかどうか調べることです」

一同「了解」

 夜神月……キラ……お前はこちらの動きをどこまで読んでいる……? 

 今回のことがお前の策であるにしろないにしろ、お前なら絶対に利用してくるはずだ……。
といっても、心臓麻痺で死んでいく者が出なければどうしようもないことだが……ほぼ間違いないだろう。

 さぁ、キラ……いらぬ延長戦になってしまったが、必ずお前を捕まえてみせる!

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:52:42.85 ID:/Z0N4KIW0

-20日後・日本捜査本部-(月)

リューク「お? ニアに連絡するのか?」

月「ああ、この時期が一番いいんだ」

リューク「へぇ……まぁ、しばらく何もなくて退屈だったんだ、面白いものを期待してるぜ」

月「ニア、Lです」

ニア『……お久しぶりです』

月「なぜ連絡したかは言うまでもないでしょう」

ニア『新たなキラが出現したかもしれない……ということですね』


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:55:13.38 ID:/Z0N4KIW0

月「そうです。そのことで1つ言っておきたいことが……私はあなたをキラだと疑っていましたが、
   そうではない気がしてきました。そしてあなたは私をキラだと疑っているが、私はキラではない。
   2人とも間違ってしまったんです。ならば……」

ニア『一緒に捜査しよう……そういうことですか?』

月「はい」

 やはり僕がそう言い出すことを読んでいたか……しかし、それならそれで都合がいい。
もし拒まれた場合はSPKの誰かを操るつもりでいたが、ニアがそう言ってきたとなれば……。

ニア『私もそう考えていました。共に捜査しましょう』

 やはり!

月「ありがとうございます」

ニア『ただ、先に謝っておくことがあります。今少しこちらは立て込んでいまして、そうですね……
    4日後くらいにこちらから連絡し直してもいいでしょうか?』

月「分かりました。では4日後に」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 18:58:33.44 ID:/Z0N4KIW0

リューク「この時期が一番いいんじゃなかったのかぁ?」

月「ああ、僕の読みどおりだった」

 ニアはノートで操れるのが23日間であることを知っている……が、操れる範囲を知らない。
そこでニアは、僕自身、または僕が誰かを操り、殺しを行っていると読んだのだろう。
 となれば、僕と共に捜査をするにしろ、23日間に含まれる日ではできない……そのとき不自然に殺しが止まれば、
一緒に捜査するのを止める。そして止まらなければ、そこからまた23日以内に、僕が何か行うか見ている……。

 それらの理由から、新たな殺しが始まった時から24日後……つまり今日から4日後を選んだ……。これは、やはりまだ僕を疑っている証拠だ。
これでいい。これならば彼女は動きやすくなる……そして僕の策が進む!

リューク「だがライト、一緒に捜査したら俺の姿も奴らに見えるんじゃないのか?」

月「バカだなリュークは。あいつらの持っているノートは偽物……つまり本物に触れていない彼らにはリュークの姿は見えない」

リューク「ああ、そういえばそうだったな」

 本物のノートは、彼女……鷹野三四が持っているのだから! さぁ、しっかり働けよ三四……そして最後は僕の手で殺してやる!

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:01:32.11 ID:/Z0N4KIW0

-21日前(ミサの所に手紙が来た日)・○×レストラン-(月)

 僕がミサの代わりに来たはいいが、手紙を送ってきた相手が分からないことには……。
相手はミサの顔を知っているのだから、声をかけるつもりだったのだろうが、僕では分からないだろう。

 やはりミサを連れてくるべきだったか? いや……あいつがいては話がややこしくなるだけ……。
それに今回相手がミサに会えなくても、僕に被害が及ぶことはない……ミサが死ぬだけだ。
 つまり重要なのは、ミサをここに来させてはいけなかった、それだけだ。
僕にとって相手が分からないことは、結局何の問題もない。

?「あらぁ? 私が呼んだのは弥海砂だったはずだけど?」

月「!」

?「まぁいいわ、私にとって誰が来ようと問題ではない……それがデスノートの所有権を持つ者であれば」

月「なっ……」

鷹野「ごめんなさいねぇ……私は鷹野三四……あなたは?」

月「……! 朝日……陽……」

鷹野「陽くんかぁ、よろしくね」

 な、なんなんだこの女!?

※注
 鷹野三四は”ひぐらしのなく頃に”の登場人物ですが、ここではその中の設定は関係ありません。
 偽名のほうが有名で頭が良い人、と考えた結果、この人物になりました。

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:04:29.17 ID:/Z0N4KIW0

 会って早々デスノートだと!? 念のため偽名を名乗っておいたが……。
何にしても、こいつがミサに手紙を送った相手に違いない。しかし……。

鷹野「驚かせちゃったかしら? でもね、それは私も同じよ。
    だって現キラは弥海砂だと思っていたのに、まさか違ったとはね」

月「……お前は、何者だ?」

鷹野「私? そうねぇ、デスノートの所有者、くらいしか言うことはないわねぇ」

月「……。証拠はあるのか……? ただノートを見せられただけでは信じないぞ……」

 最も、所有権などということばを口にした時点で……。

鷹野「そうねぇ、一応ノートは持っているけど……。今ここにいる誰かを殺してもいいけど、
    あたしは死神の目を持っていないからねぇ。
    あ……でもその死神さんと取引すればいいのかしら? ……しないけどねぇ、くすくす」

リューク「俺が見えているのか?」

鷹野「ええ、だから陽くんが所有者だって分かったのよ」

 リュークと会話が出来ている……なぜだ!?

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:07:39.24 ID:/Z0N4KIW0
-----

鷹野「くすくす、驚いているようね……私にその死神が見えること」

 なぜリュークが見える……? こいつの知っている情報から、少なくともデスノートの存在を知っていて、
触れていることは間違いない。だが、それはリュークが見えることには繋がらない。
 まさか僕やニアの持つノートの切れ端に偶然触って……? いや、それではノートに関する知識があるのはおかしい。

月「なぜ……見える……?」

鷹野「あらあら、答えが見つからなかった? しょうがないわねぇ、じゃあヒント」

 鷹野は持っていたカバンから、黒いノートを取り出す。デスノートだろう。

月「それは……!」



79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:10:23.11 ID:/Z0N4KIW0

 そのノートはまぎれもなく、僕が魅上に送ったものだった。間違うはずがない。

月「なぜお前がそれを……!」

鷹野「ふふ……気づいたみたいね。そう、これは魅上照が持っていたノート。だからその死神が私にも見える」

月「質問に答えろ!」

鷹野「くすくす、熱くなっちゃって。そうねぇ……ちょっとしたことを手伝ったら、手にする機会があったの」

 ……。

鷹野「でもねぇ、私その手伝ってた相手に嫌気が差しちゃって……でもその人の名前が分からないのよねぇ。
    基本的に通信で指示されてただけだから、目を持っていたとしても意味がなかっただろうし」

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:14:13.65 ID:/Z0N4KIW0

月「……つまりそいつを殺すことを僕に手伝えと?」

鷹野「さっすがキラ様ぁ、話が早いわぁ」

 キラ様……これを認めていいのか……? いや、もはやそんなことは関係ない……。
こんな危ないやつはすぐに殺したいところだが……ノートの存在を知っていて、本名を名乗るはずがない。
ならば、こいつの名前も調べなくては……。くそ、ミサのときより厄介だ。

鷹野「ねぇ、やるの、やらないの?」

 ここで断るのは……無謀だ……何をされるか分かったものではない。
一応偽名で名乗ってはいる……が、鷹野もそんなことは分かっているだろう。

月「分かった……」

鷹野「うふふ……そうよね、そうするしかないわよね」

 こいつ……。

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:19:05.17 ID:/Z0N4KIW0

月「で、鷹野さん、具体t」

鷹野「あら他人行儀ねぇ……三四でいいわよ……陽くん。ちなみに具体的な行動も、あなたが考えてね。
    もう気づいているんでしょう、私が殺したい相手は誰なのか、ってこと」

 ……。

鷹野「ねぇ陽くん……あなたの知っていることはどれくらいあるの?」

月「……奴の名前はニア……顔は一度見たが名前は知らない……」

鷹野「あら……あまり知らないのね」

 ……。

月「だが、名前を知る者なら知っている……魅上だ」

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:21:54.64 ID:/Z0N4KIW0

鷹野「やっぱりそうだったのね……でも、そうしたらバッドニュースを伝えないといけないわ」

月「?」

鷹野「これを見て……」

”Stephen Loud 心臓麻痺
        自分の居場所を×××へ送り、その後死亡”

 Stephen Loud……確かジェバンニとか呼ばれていた男……。
ニアならともかく、他の者の名前を調べるくらいはさほど難しいことではない……が、
こいつ……SPKのメンバーを殺した……だと……。

 それがどういう意味か分かっているのか!

鷹野「送られてきた場所を確認したけど、結局そこには誰もいなかった……はずれね。
    なんとかして魅上の居場所を知ろうとしたのだけど……」

月「お前はバカか三四!? なぜこんなタイミングでSPKのメンバーを殺す!?
   そんなことすれば、ますます僕は疑われるじゃないか!」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:26:30.56 ID:/Z0N4KIW0

鷹野「また熱くなってぇ……でもあなたは、結局ニアに疑われる……それは変わらない」

 確かにこんなことがあろうとなかろうと僕はニアに疑われたままだっただろう……だが……。

月「だとしてもだ! くそ……だいたい操るにしたって、殺すのを23日後に設定することだって出来たはずだ!
   それならば移動したとしても、その移動先の場所も送らせることだって出来る!!」

鷹野「……そうねぇ。でもまぁいいじゃない、どっちにしてもこの事実は変わらない……」

 ……くそ……ならばもう、ここはプラス思考にいくしかない……。

月「……分かった。なら、お前も協力しろ。それで五分にしてやる」

鷹野「ええ、もともとそのつもりよぉ……」

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:30:41.40 ID:/Z0N4KIW0

月「ところで気になっていたんだが……ジェバンニの後に殺している奴らはなんだ?」

鷹野「ああ、これ? ジェバンニと同じ出身校の人とか、
    彼が前に勤めていた会社の人とかを適当に選んで殺したのよ。
    あまり意味はないかもしれないけど……」

 一応、ジェバンニを殺したことの隠ぺい……だが三四の言うとおり、まったく意味がない……。
ジェバンニはニア達のすぐそばにいるのだから、ニア達は他の死者よりも先に、ジェバンニの死に気づくからだ……。

 だが待てよ……そこで死んだ奴らは全て心臓麻痺……となればそれはキラの仕業……
だがキラは犯罪者しか裁かない……。

 ……。

月「1つ考えがある」

鷹野「もう浮かんだのぉ……さすがね」

月「お前が、新たな第2のキラになる、ということだ」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:34:51.31 ID:/Z0N4KIW0

-数時間後・日本捜査本部-(月)

 結局三四を新たな第2のキラとして、その存在を探すためにニアと捜査することで、
ニアに探りを入れるという策にしたが……少し不本意な部分がある。
 いくら注意をそちらに向けないといけないからといって、犯罪者ではない人間を殺すなど……。
だが、犯罪者では第2ではないキラの裁きとなってしまい、ニアは注目しない……。仕方のないことだが……。

リューク「で、いつニアのところに行くんだ?」

月「そうだな……とりあえず今から20日は三四が動くのを見るだけだ。僕は犯罪者を裁かないといけないしね」

 僕がニアと共に捜査するようになれば、この日本捜査部に三四を置こう……ここはSPKには割れていないから、
三四も拒まないはず……そして僕はこの場所に三四がいることが分かる。つまり、三四の居場所が常に分かるということだ。

 さて、ニア達はどう出てくるか……。

90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:38:01.92 ID:/Z0N4KIW0

-同じく数時間後・鷹野自宅-(鷹野)

鷹野「ふふふ……朝日陽くん……ねぇ……。正反対の偽名……」

 夜神月……意外と男前ねぇ……殺すのが勿体なくなっちゃうくらいに……。
 夜神月は気づかなかったでしょう……私が弥海砂に手紙を出したのは夜神月を誘き出すため……。
もともと私の狙いは夜神月……でも、彼の居場所は分からなかった……。

 夜神月ならば私が自分の本名を知っていることくらい気づくかもしれないけど……それに気づくことはなんの意味もないこと。
デスノートは私の手の中にあるんだから……。

鷹野「私はこの世界で、神になる!」

 そのためには、邪魔者のニア……そして夜神月を消す……。でも、夜神月にニアを消させるのがあたしにとって一番都合がいい……。
そのためにわざとジェバンニを殺し、それによってまた二人の対戦を促進させた……。

鷹野「さぁて、お手並み拝見といこうかしら、夜神月……いえ、陽くん……」

 もし使えないようだったら、殺すだけだけどねぇ……くすくす……。

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:42:46.57 ID:/Z0N4KIW0


時間軸が戻ります。
-新第2のキラ出現から21日後(月とニアの通信の翌日)・ニアの捜査室-(ニア)

 夜神月は私の読みどおりの行動を取っている……まさかこちらがそれを読んでいると気づいていないのか……?
 いや、それはない。YB倉庫でもそうだったが、奴はこちらの策を読んだ上でそれに乗り、それを破ろうとしているはず。

 となればこちらもそれなりの準備をしなくてはならないが……実際の所、こちらはあまり動くことができない……。
新たなキラが出現し、これは捜査せざるをえないが、結局、大元である夜神月に辿り着けるのかどうか……。

ニア「……」

 今私に出来ることは、奴の動きを読むこと、奴がこちらに来たら、レスターやMの監視の報告を受け、
そこから得られるものを探ることくらいか……。
 どうせその程度のことしかできないのならば、夜神月が何か動くまで放っておいて、第2のキラを探したほうがいいか……。
もっとも、これが夜神月が行っている自作自演である可能性もなくはない……が、それならば一緒に捜査はしなはず……
そうなれば殺しは行えない。

 ……まぁ、それは捜査が始まれば分かることか……。

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:39:42.86 ID:yfTUlHvn0
陽ってなんて読めばいいのか

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:45:53.81 ID:/Z0N4KIW0
>>91 よう です

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-同じ日・レスターの捜査室-(レスター)

 私に出来るのか……夜神月の監視が……?
 彼はキラ……そして私の本名、顔も知っている。下手に刺激するようなことをすれば……。……考えるのはよそう……。

レスター「……」

 どちらにしても、今私が生きていられるのは、ニアが存在しているから……もうニアに従うしかない……。
いや……私は望んでニアに従っているんだ。そして、キラを捕まえる……!

-同じ日・リドナーの捜査室-(リドナー)

 ニア……夜神月……。……メロ。
 私はどうしたらいいのだろうか……。今はニアによって生かされているとはいえ、
もしかしたらニアは……。そして夜神月がキラではなかったら、私は……。

リドナー「……」

 でも、今私に出来ることははっきりしている。少なくとも、あの2人とは関係のない、
第2のキラが出現している……それを見つけることだ。

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:50:09.87 ID:/Z0N4KIW0
-----

-同じ日・○×レストラン-(月)

鷹野「初めて会った日から、一週間ごとに会って、今日で4回目……もう付き合っちゃう?」

月「バカを言うな」

鷹野「あら、恐いわぁ」

 あれから連絡を取るために、一週間ごとにこうして三四と会っているが……
実際こうして出歩くのは危険なこと……だが、仕方ない。特に今日は、SPKの所へ行く前、最後の連絡日……。

鷹野「で、向こうに行ったらどうするか考えたのかしらぁ?」

月「策……それはまず、三四の行動が必要になる」

鷹野「あら、他人任せなのね」

月「……。三四にやって欲しいのは、リドナーがいる場所を探し当てる、ということだ」

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:53:11.69 ID:/Z0N4KIW0

鷹野「それはどういうことかしら?」

月「僕の考えでは、奴らはすでに、一箇所で捜査を行ってはいないだろう。少なくとも、ニアだけは違う場所にいるはずだ。
   そうしないと、もし僕が死神の目を持った場合、ニアの名前が分かってしまうからだ」

鷹野「なるほど……でもなんでリドナーの居場所を? 仲間にでも取り込むつもりかしらぁ?」

月「それに近い策を考えている」

鷹野「じゃあなんでリドナーなの? もしかして一目惚れでもしたのかしら」

月「バカを言うな」

鷹野「さっきも言ったわよ、そのセリフ」

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:54:47.58 ID:7R9ikbvR0
>月「バカを言うな」

なんかかっこいい

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:56:58.16 ID:IEoGCrXa0
>>97
バカを言うな

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 19:57:14.43 ID:/Z0N4KIW0

月「高田清美が、メロによってさらわれたのを知っているだろ? あのとき清美の一番近くにいたのはリドナー……
   そしてリドナーは、清美をさらったバイクの運転手を一度見て、うなずくようにしてから清美をたくしたらしい。
   そしてその運転手はメロ……。これは、同じように近くにいた高田の護衛から得た情報だ」

鷹野「それはつまり……リドナーはニアよりも、メロを信用していたと、いうことかしらぁ?」

月「僕はそう考える。勿論、それによってニアよりも僕を信用するということにはならないが……僕がそうして見せる」

鷹野「大した自信ねぇ……」

月「僕は器用だからね」

 そうだ、女なんて簡単だ……。リドナーにしろ、お前にしろ……な。

リューク「どうせ決めゼリフは”運命”なんだろうな」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:01:00.71 ID:/Z0N4KIW0

鷹野「でも待って、それならデスノートで操って、居場所を伝えさせる方がよくないかしら?」

月「いや、ダメだ。SPKメンバーの数は少ない……。誰かが殺してしまったからなおさらな。
   ならば、少しでも人数は残しておくべきだ。それに、デスノートは一度書いてしまったらもう書き直しはできない。
   後から良い策が浮かんでも、それを実行させることができなければ意味がない」

 リドナーの場所が分かれば、少なくとも1度はリドナーに会わないといけなくなる。だが間違いなく、僕を監視する者がいるだろう。
 向こうに行くようになっても連絡のために三四とは会うが、これは三四の存在を知らない向こうの奴らからすれば、
三四を第2のキラの可能性があると考えることになる。

 しかし、監視がいることくらい、僕が読んでいることは向こうも分かっているだろうから、
そんな堂々と会うのは、ニアにとって考えられない。

 だがリドナーは違う。そこで必要になってくるのは、その日に監視者を操ることだ。このとき最低、その監視者1人は殺さなければならない。
もしリドナーも操れば、計2人死ぬことになり、SPKのメンバーがニアだけになってしまう。それはまずい。

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:05:32.72 ID:/Z0N4KIW0

鷹野「でも、リドナーは見つかるのかしらぁ?」

月「それは三四の力量次第だ。僕が向こうに行ったら、日本捜査本部は三四に託す。
   あそこならそれなりの捜査が可能だ。場所は僕がSPKへ行く日に連絡する」

鷹野「……」

月「それに、ニアを探すならばともかく、リドナーだ。ニアは絶対に外には出ないだろうが、
   今までのSPKの捜査法を見れば、リドナーが外に出る可能性は十分にある。それを利用すればいい」

鷹野「……分かったわ。それで、今後も今みたいにここで会うの?」

月「そうだな……まず最初の1ヶ月程度は会わないほうがいいな……まずは奴らを信用させる。
   少なくともニア以外のメンバーから、少しでも疑念を晴らしてからだ。そして会うときは、三四が僕にメールをする。
   これは当然ニア達もチェックするだろうから……”久しぶりに会いたい”というメールをしてくれ」

鷹野「結局恋人になるんじゃない」

月「まぁ、そっちのほうが目立たない」

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:07:56.24 ID:/Z0N4KIW0

月「そしてそのとき、リドナーの居場所についての話、次に会う時期などを決める。
   僕の予想では尾行者、盗聴器まではあっても、カメラなどでの随時監視はない……いや、無理だ。
   つまり、筆談はできるということだ」

リューク「お前は筆談が好きだな」

鷹野「分かったわぁ……とりあえず私は、陽くんがSPKに行ったらリドナー探索……1ヵ月後にメールすればいいわけね」

月「ああ、そうだ。それと、僕は裁きが行えなくなる。第2のキラとしての働き以外に、キラの裁きも行ってくれ」

 ……さて、こちらの準備はだいたい整った……これが成功すれば、ニアの名前、そして三四の名前も掴める……。
つまり、邪魔者は全て消え、僕は新世界の神として、君臨することになる!

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:10:30.26 ID:/Z0N4KIW0

-四日後・日本捜査本部-(月)

ニア『L、ニアです』

月「Lです」

ニア『時間をかけてしまい申し訳ありません。ようやく準備が整いました』

月「いえ、こちらこそ私と捜査することに同意していただき感謝しています」

ニア『では日時ですが……今すぐ、というのは可能でしょうか?』

 今すぐ……やはりあれから23日たった今、すぐにでも僕の動きを見たいということ……。

月「大丈夫です。いつでもいいように準備していました」

 この準備という意味……お前なら分かるだろう……。

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:12:43.19 ID:/Z0N4KIW0

ニア『……ありがとうございます。それで、なんですが、実はこちらから2、3取り決めがあります』

月「なんでしょうか。こちらからは特にありません」

ニア『私はあなたをキラだと疑っています。よって、捜査する場所をこちらで決めさせて欲しい』

月「分かりました」

 こちらとしても、そっちのほうが都合がいい……僕を監視した所で何もでやしないのだから。
ニア本人が僕をキラではないと証明することになる。

ニア『もう1つ……そちらにあるノートを、こちらに持ってきていただきたい。そしてそれを、私達で管理させて欲しい』

 それを言ってくることも承知の上……さらに身体検査をされることも考え、すでに腕時計のデスノートははずしてある。
 そして持っていくノート……それはもう作ってある偽物だ。ニア達はそれを危惧しているだろうが、
それでもあいつのことだ、それを確かめることはしないだろう。

 もし確かめられたとしても、僕がいつの間にかすり変えられていた、と言うだけでいい。なぜなら、第2のキラの発生……ノートの流出が起こっているからだ。
ニアだけはそれでは納得しないだろうが……そもそも前者である可能性の方が高い、問題ない。

 また、死神が見えない、ということで追求してくる可能性もあるが、それは魅上の前例がある。この点に関しても問題ないだろう。

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:15:27.02 ID:/Z0N4KIW0

ニア『……では、今指定した時間、場所におねがいします』

月「分かりました。では、後ほど」

 ……さて、あとやることと言えば、三四にこの捜査本部の場所を知らせること、
本物のデスノートをここ以外の場所に隠すことくらいか……。

 ニア……お前は恐らく、僕を監視する程度のことしかできないだろう。

 そして僕がキラである証拠を見つけるために考える。ニア、もっと考えろ、そして悩め……悩み続けていろ……。

 もうすぐ楽にしてやる。

-----

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:41:30.32 ID:/Z0N4KIW0

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-数時間後・レスター捜査室-(月)

月「初めまして……というのも変ですが、よろしくおねがいします、レスターさん」

レスター「……よろしく。……Lと呼べばいいのか月くんと呼べばいいか困るところだな……」

 やはりSPKはそれぞれ別の場所で捜査を行っていた……。そして僕の監視者はこのレスターというわけか。
見た目はそれなりだが……声が震えているな……。
 こいつは僕がキラだと確信していて、殺されるのを恐れているということか……。

レスター「ニア、Lが到着した」

ニア『ようこそ、L。通信で言うことではないかもしれませんが。こんな形になってしまい申し訳ありません』

月「いえ、私をキラだと疑うあなたからしたら当然の処置です」

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:44:18.91 ID:/Z0N4KIW0

月「それではニア、まずは共に捜査するにあたり、互いに今まで得た情報を交換しませんか?」

ニア『はい、私もそのつもりでした。まずはお聞きしたい……L……あなたは、第2、のキラの見当は付いていますか?』

 わざと第2、というのを強調してきた……まぁ、だからどうといったことはない。

月「そうですね……これまでと違い、犯罪者以外を主に殺し……しかもそれに一貫性がない……。とてもじゃないが見当が付きません」

ニア『私も同意見です。……では、今回のキラの、始点はどこかお分かりですか?』

月「私の考えでは、20日ほど前の、□□大学や××会社の関係者が殺されたこと、です」

 ジェバンニの出身校や元の勤め先……三四が殺した奴らだ。

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:47:41.37 ID:/Z0N4KIW0

ニア『では、これはご存知でしょうか?」

 ジェバンニのことだな……。

ニア『それらの場所は、共にジェバンニに関係があり、同じようにその2つの場所に関係していて殺されたのは、
    ジェバンニ以外に2人しかいません。そして、ジェバンニも死んだ……』

 ……三四……もう少し殺す相手を選べ……。だが、これは想定の範囲内。

月「つまり……ジェバンニを殺したのを隠すために、他の者も殺した……」

ニア『私はそう考えます。そしてそうなると、この魅上が拘束されたタイミングで殺したことになり……内部犯の可能性が出てきます』

 ……なるほど、自分でそれを言ってしまうことで、こちらからの追求を逃れたということか……。
内部犯だとすれば、可能性があるのはニアだけだ。

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:50:15.88 ID:/Z0N4KIW0

月「となれば……第2のキラ……いや、少なくともジェバンニを殺したのは、私や日本捜査部の者、
   そしてSPK関係者になりますね」

 日本捜査部の者はもういない……ニアもそれは分かっているだろうが、これは建前として必要だ。

ニア『はい。そうなります』

レスター「勿論、それはあくまで可能性だ」

 レスター……そんなことを言ってどうする……。
 もう誰もが分かっているはずだ、間違いなく関係者の中に、ジェバンニ殺し……第2のキラがいることを。






118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:53:34.64 ID:/Z0N4KIW0

ニア『ところでL、1人あなたに紹介しなければならない人物がいます』

月「紹介……? それはもしかして、SPKのメンバーはあなたがた3人だけではなかった、ということですか?」

ニア『……そうです、申し訳ありません。少し前まで私しか知らなかった、もう1人がいたんです』

月「……まぁいいでしょう……それで、その人物というのは?」

M『はい、Mと申します』

 また通信……M……。

月「M……Lです。よろしくおねがいします」

M『こちらこそおねがいします』

ニア『ではL……また後ほど連絡をします』

 ひとまず状況は整った。
 まずは、懸命に捜査する振りをして、僕が少なくとも、第2のキラ本人、
またはそれと関係しているなどと思わせないようにしなくてはならない。
 当面はニア達も大きな動きは見せないだろう。ならば僕に出来ることは……レスターに対することだ。

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 20:58:44.24 ID:/Z0N4KIW0

月「レスターさん」

レスター「……な、なんだ……? L……」

月「ははっ、そんな緊張しないでくださいよ」

リューク「何その明るいキャラ」

 黙ってろリューク! レスターにお前の声が聞こえなくとも僕には聞こえるんだ、気が散る!

月「レスターさんはMって人のこと、どれくらいご存知なんですか?」

 ここは下手に回りくどい言い方をするのはよくない……ストレートだ。

レスター「Mは……さっきニアも言っていたが、つい先日まで私達は知らなかった存在……。
      私が知っているのは、Mは、私達を尾行していた、ということくらい……」

 どうやら嘘を付いている様子はない……いや、僕を恐れているから付けないんだろう……好都合だ。

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:03:12.87 ID:/Z0N4KIW0

月「それはあなた達がニアに、キラではないと疑われていたということですか?」

 これはまずないだろう……しかし、これを聞いたことで、”もしかしたらそうなのかもしれない”という疑念が生まれることもある……。
いずれニアをキラに仕立て上げるのだから、伏線は張っておかねば……。

レスター「いや……ノートで操られて不振な動きがないか監視されていたようだ……」

 まぁ、そうだろうな。
 ニアも、そのくらいのことは僕なら想像が付くと考えた上でMを紹介し、レスター達に尾行のことを話したのだろう。
しかし、この様子なら案外簡単にSPKの者を信用させることができるかもしれないな……。

 やはり、初代Lもそうであったように、本人以外は皆ぬるい……。……退屈させてくれるなよ、ニア……。

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:07:27.27 ID:/Z0N4KIW0

-20日後・レスター捜査室-(月)

月「ニア、何か掴んだとは本当ですか!?」

ニア『掴んだかどうかは分かりませんが……少し第2のキラの法則性が見えてきました』

 ……それは当然だニア、僕が三四にそう指示していたのだから。そしてこうすることで、内部犯ではなく、
全く別の人間が第2のキラ、という可能性を含ませることになる……。勿論それが有効なのはニア以外に対してだが……
今の段階ではニアは関係ない。

レスター「こちらも頑張らねばならないな、月くん」

月「そうですね、レスターさん」

 気づけばレスターは僕を名前で呼ぶようになった……これは僕を信用してきた証拠だ……。
今まで僕が、全く別の人間が第2のキラ、ということを一番吹き込んできた人物……それによって僕を疑えなくなってきたのだろう。

 何より、常に自分の目の前に僕がいるのに、犯罪者裁き、第2のキラの殺しは起こっているのだ。
頭で僕がキラだと思い込ませようにも、感情的な面ではそれが出来なくなっているはずだ。僕がそうなるように行動していたんだ、当然だ。

 勿論、この部屋には盗聴器などがしかけられ、ニアは常に僕とレスターの会話を聞いているだろうが……
盗聴器はただ聞くための道具にすぎない。そして、一緒に捜査すると言った以上、通信という公な場所で僕を疑うような言動はしない。

 ニア……やはりお前はLに到底及ばない存在だ……。

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:10:54.45 ID:/Z0N4KIW0

-----

-10日後-

prrrrrrrr

レスター「メールのようだな。すまないがまた見させてもらうぞ」

月「はい、どうぞ」

レスター「差出人”鷹野三四”……内容は、”久しぶりに会いたい”……か……。彼女か、月くん?」

月「まぁ、そんなところです。……こっちに来てから一度も連絡を取ってなかったですからね……」

レスター「そうか……」

月「本当は会ってやりたいのですが……ニアが許してくれるとは思えません……」

レスター「……私からもかけあって見る、当然監視することになるだろうが……彼女と会うことに変わりはない」

月「ありがとうございます、レスターさん!」

リューク「ククク……計画どおりって分けか」

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:14:52.48 ID:/Z0N4KIW0

-30分後-

ニア『ではL、さきほど言ったように監視者を付けさせてもらいます。また、盗聴器などは付けません。
    カメラなどでずっと見ているのは不可能ですので、筆談されたら意味がありません。
    あなたは過去にやっていたようですし……』

月「過去のことは関係ありません。それより彼女に会うことを承諾していただきありがとうございます」

ニア『いえ。……ではこれで』

 さて、これからどうするか……三四がリドナーの居場所を見つけているのが一番良いが……。
だが実際、これまでの捜査の中で、リドナーが外に出る必要があったことは一度もない。
これでは見つけることは難しいだろう。

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:19:26.34 ID:/Z0N4KIW0

 ……何にしても、これから僕が動き、ニアの名前を知ったときに、一番注意すること。
それは、僕がニアの名前を知った、ということを三四に知られないことだ。

 もし三四がそれを知れば、当然ニアをすぐに殺せと言い出すだろう。そしてニアが死ねば、僕は三四に殺される。
僕の考えでは、三四は僕の本名を知っているはずだ。
 つまり、僕はニアの名前を知ることと、三四の名前を知ることを両立しないといけないということだ。

 ……だが、しばらくはニアの方に集中すべきだ。三四はニアと違って隠れていない。その気になれば、どうとでもなる。
 ならば今やるべきこと……それは、いずれ殺すことになる監視者が誰か知ることだ。僕の予想ではレスターだろう。
彼は僕とずっといるわけだし、逆に僕がいなくなればいくらでも動ける。かまをかけてみるか……。

月「監視者……やっぱりレスターさんがやるんですか?」

レスター「まさか。私はここにいて捜査をしなければならない。月くんは私と共に、前にも外に出たことがあるだろう? 
      そういうとき、私すらも監視する者がいなくてはならない」

 ……! レスターに言われて気づくのも気に障るが……僕の監視者はMという奴だ……それはレスターをも監視する、ということばから明かだ。
 これならば……策を変更して、早めることができる!

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:23:39.69 ID:/Z0N4KIW0

-1時間後・○×レストラン-(月)

鷹野「久しぶりぃ……会いたかったわぁ……くすくす」

月「僕はそうは思わないが……。で? リドナーの居場所は?」

鷹野「久しぶりに会った恋人同士っていう設定なのに連れないわねぇ……。……結論から言えば、皆目見当が付かないわ」

月「だろうな……そう思って、計画を変更した」

鷹野「へぇ……どんなのかしら?」

月「リドナーを操る」

鷹野「SPKのメンバーは取っておきたいんじゃなかったのぉ?」

 それは監視者が判明した時点で解決した。

月「そうだが……もうすでに書いた」

”Halle Bullook
 今から23日間のどこかで可能な限り早く、□□□に自分の居場所を記した手紙を送る。
 そして23日後○時△分、錯乱して自分を撃つ。”

鷹野「あら……まぁいいわ、計画が早くなったってことね? ……でも、あなたに従うような下りをいれなくてよかったの?」

月「いや、問題ない」

鷹野「大した自信ね……」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:26:24.22 ID:/Z0N4KIW0

鷹野「そこまで自信満々な陽くんの、完璧な作戦をそろそろ聞きましょうか」

月「簡単だ。ニアの所へ、キラとしての僕に忠誠を誓う者達を突入させ、殺す」

鷹野「……? じゃあリドナーは意味がないんじゃないのかしらぁ?」

月「リドナーは、ニアの居場所を聞きだすために必要だ」

鷹野「ならそれをデスノートに書けば……」

月「”ニアの居場所を書き……”というのはできない。ニアは通称だし、そもそもデスノートは名前が出たら心臓麻痺になるだけだ」

鷹野「……それがあなたの作戦ね。……分かったわ、私は高みの見物とさせてもらうわねぇ」

月「ああ、それでいい」

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:29:15.94 ID:/Z0N4KIW0

 三四……お前には考えられるだろうか……。この策の果てには、お前の死も含まれていることも……。

鷹野「で、作戦実行はいつ?」

月「そうだな……三四に会ってすぐじゃあ、あまりに早すぎる。となれば……半月後……よりSPKの奴らを信用させてからだ」

鷹野「ふふ、楽しみね……じゃあそのときは通信をオンにして、ニアの断末魔を聞かなきゃね……」

月「趣味が悪いな、三四」

鷹野「いいじゃない……」

 断末魔……それはお前もあげることになるんだ!

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:31:58.10 ID:/Z0N4KIW0

-23日後・レスター捜査室-(月)

レスター「捜査はどうだ? 月くん」

月「なんともいえないところです……」

 レスター……最初の1週間こそ僕を疑いの目で見続けていたが……最近は信用とはいかないまでも、
疑念は大分薄れているようだ……。これならば、僕の策は実行可能になる!

レスター「ニアにもどんな具合か聞いてみるか?」

月「そうしましょうか」

 ……今だ……!

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:35:29.60 ID:/Z0N4KIW0

レスター「ニア、捜s……」

キラ信者A『出てこいー!』
キラ信者B『ドアをぶち壊せー!』

レスター「!? な、何事だ!? どうしたニア!!」

キラ信者リーダー『キラを支援する同士諸君! じわじわと彼らを確実に追い詰め、
          カメラの前へさらけ出し、キラ様へ捧げるのです!』

月「これは……まずいですよレスターさん!」

レスター「ああ……くそ……どうしたら……!」

月「レスターさん! ニアがどこにいるか知らないんですか!? このままではニアが……!」

レスター「……」

月「レスターさん!!」

キラ信者リーダー『第1陣はドアを破って中へ!!』

レスター「く……分かった! 付いて来い!!」

月「はい!」

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 21:58:12.28 ID:/Z0N4KIW0

-----

-数分後・ニア捜査室付近-(月)

レスター「リドナー!」

リドナー「……」

月「早く行かないとニアが……!」

レスター「……月くん……いや、L、今から私達は突入するが、君はここで待機だ。
      ニアが無事だったとしたら、君に顔を再び見られることになる。
      ニアはそれだけは避けたいと言っていた……」

月「そんな……!」

リドナー「……この通信機を渡します……これで音声だけですが中の様子が分かるでしょう……」

月「く……! 皆さん、おねがいします!」

レスター「行ってくる……!」

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:00:25.25 ID:/Z0N4KIW0
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 リドナーに渡された通信器から、彼らの声が聞き取れる。

レスター『どういうことだ……ドアが破られた様子はおろか、人が出入りした気配すらない……』

リドナー『とにかく一度、中に入ってみましょう』

 ……。

レスター『ニア!』

リドナー『ニア! 大丈夫でしたか!?』

ニア『大丈夫……おかしなことを聞きますね、リドナー』

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:04:45.49 ID:/Z0N4KIW0

リドナー『……』

レスター『ここはキラ信者によって襲撃を受けたのでは……?』

ニア『……何のことですか? ここには、あなた達以外入ったことはありませんが……』

レスター『な……に……?』

ニア『皆さん……誰かにイタズラでもされたのでは……?』

月「くくく……ふふ……あーっはっは! そうだ、それは僕がやったことだ! 
   そしてお前は、今度はイタズラなどではない真の兵によって、
   僕に殺されことになるんだ!」

 こんなところで言っても、奴には聞こえないだろうがな……!

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:11:11.30 ID:/Z0N4KIW0

-5日前・○×レストラン-(月)

月「お待ちしてました、リドナーさん」

リドナー「……夜神月……L……」

月「今は月と呼んでください」

 僕は、数日前にリドナーから自分の居場所についての手紙を得て、そこに会いたいという旨と、
時間、場所などを書いて送った。それは無論、三四も言ったようにリドナーを取り込むためだ。

リドナー「それで、私に会いたいとは……なぜ……」

月「リドナーさん、なぜあなたはニアに従うのですか?」

 ここはまず間髪を入れずに、相手に悩ませることが重要だ。
そうすれば考えがまとまらなくなり、結局自分でもよく分からない結論にたどりつく。それでいい。

リドナー「私は……キラを捕まえたい一身で……」

月「そうですよね。……ならば、ニアがキラだと思っている僕を、今ここで捕まえますか?」

リドナー「それは……。確かにニアはあなたをキラだと言っていますが……結局完全な証拠は今まで一度も……」

 やはりな……。こいつは僕をキラだとは思っていない。疑っているレベル……いや、もしかしたら……。

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:15:41.66 ID:/Z0N4KIW0

月「そうですか……それならばよかった。実は、今から僕の考えをあなたに聞いて欲しかったんです。
   でも、仮にそれで納得して、僕の考えるキラを捕まえようなどという暴挙に出られては困る。
   これはあくまで僕の推測……ニアが僕をキラと考えているのと、何も変わらないものなのですから」

リドナー「あなたは第2のキラの正体が分かった……と……?」

月「推測です」

 ここは下手に推すべきではない……すでにリドナーは混乱している……。
口車に乗せるのは簡単だ。リドナーも結局、女だしな……。

リドナー「分かりました……聞かせてください……。勿論それで、そのあなたの言うキラを捕まえようなどとは考えません……」

月「ありがとうございます。……結論から言うと、僕の考える第2のキラは……ニアです」

リドナー「!」

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:20:30.32 ID:/Z0N4KIW0

 ……その反応……驚きも感じるが……。

リドナー「な……なぜニアだと?」

月「まず、僕がニアを疑うきっかけになったのは、他でもないYB倉庫の一件です。
   あれがなかったら、僕はニアを疑うことすらなかったでしょう。
   だがあれだけでは、ニアをはめるために、魅上や、他の者が仕組んだとも考えられる。
   実際、誰も死なず、ノートは偽者だったのだから」

リドナー「はい……私も同じことを考えました……」

 それを言うということは……そのあとリドナーは、ニアを疑っていた可能性がある……! 
やはりリドナーを選んだのは正しかった!

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:23:59.38 ID:/Z0N4KIW0

月「本当ですか? ならば、僕の推理を話した後、リドナーさんの話も聞きたいです」

 まぁ、その必要はないがな……。

月「だが、僕がニアを疑う決定的な事態……それがジェバンニの死だ。ニア自身も言っていましたが、
   ジェバンニが死ぬことで考えられるのは内部犯ということになる……。僕は第2のキラの動向から、
   外部犯だということを推してきましたが……それは僕がニアを怪しんでいると分からせないためだ」

リドナー「なるほど……」

月「そして僕の言っているキラとは……第2のキラ、だけではありません」

リドナー「どういうことですか!?」

月「僕の中では、第2のキラ……そして犯罪者を裁くキラ……どちらもニアです」

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:28:28.59 ID:/Z0N4KIW0

リドナー「そんな……まさか……」

月「ですが、そう考えると、全ての辻褄があってしまうんです! 
   例えば……今回、ニアは別々の場所で捜査することにした……どうしてだと思いますか?」

リドナー「それは……あなたが死神の目を持った場合を考慮して……」

月「違います。騙されています。ニアは1人になることで……キラとしての行動を起こしやすくしたんです! 
   今までは犯罪者を裁くだけでよかった……しかし、今回は第2のキラとしての動きも必要だった。
   そこで1人になり、それを可能にした」

 推測とは言ったが……こうして言い聞かせるようにすることで、リドナーは必ず、よりニアに疑念を抱き……
そしてリドナーの中で、ニアはキラとなる!

月「考えてみてください……あなたがSPKとして動く中で、ニアがキラだった……そう仮定した場合を……」

リドナー「確かに……そうなればニアはSPKの動きを全て知っていたことになるのですし……自分の推理も当然当たる……」

月「そうです。ニアは推理していたように見せかけ、ただ自分のこれからの行動を言っていただけなんです」

 よし……もう少しだ……。

166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:34:13.64 ID:/Z0N4KIW0

リドナー「ですが……それではおかしな点が……。ニアはYB倉庫であなたに会うまで、
      あなたの顔を知らなかった……だから邪魔となるあなたを殺せなかった……
      それはいいとします。でもその後……なぜあなたを殺さないのでしょうか?」

月「それは恐らく……僕が眼中にないのか……よほど自信があるのか……。
   ……ですが、僕の考えでは、ニアは一度、僕を殺そうと僕の名前をデスノートに書いたはずです」

 いくらリドナーといえど、その点には気づいたか……。だが、それもすでに1つのパターンとして考えてある……。

リドナー「……ではなぜ……あなたは……」

月「……ハル・リドナー、いい名前だ。夜神月……これはどうです? 変わった名前だと思いませんか?」

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:39:27.42 ID:/Z0N4KIW0

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リドナー「それは……確かに……ムーンと書いてライト……変わっていますが……」

月「それもありますが……僕は、ただでさえ名字が闇を彷彿させる。それにこの名前では、まるで死神のようだ」

リューク「ククク」

月「実はこれ……後で改名された名前なんです」

 こんな滅茶苦茶な話……いくらこいつといえど、今までなら絶対に信じなかっただろう。
だが、僕がこの話をするということは、リドナーが、ニアがなぜ僕を殺さないのか、という質問をした場合のみだった。
そして実際にその質問が来た……その質問をするには、ニアをキラだと疑い始めないとできない。

 つまりこの段階で、リドナーはニアよりも僕を信用したことになる!

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:43:25.16 ID:/Z0N4KIW0

月「僕の本当の名前は……夜神光……読み方は同じです。
   ですが、日本には画数で人の人生を占うという妙な風習がありまして……それにひっかかったようです。
   しかもそれは、僕の戸籍を提出した後だった。何を考えているんでしょうね、僕の親は」

リドナー「……」

月「占って初めて、よくないことに気づいた。
   そこで親は改名……ライト、という響きは捨てたくなかったようで、結局今の名前に……。
   ですが、僕の戸籍では、夜神光となっているんです」

リドナー「名前が違ったから、殺されなかった……」

月「はい。だいたい、おかしいと思いませんでしたか? 
   僕の名前は、学校などに少なからず残っている……それなのにキラ捜査……それは、これがあったからです」

リドナー「それは理解できます……」

 もういいだろう……。

月「リドナーさん……僕があなたを呼んだ本当の訳……それは、あなたに頼みたいことがあったんです」

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:46:45.78 ID:/Z0N4KIW0

リドナー「頼み……ですか?」

月「はい……。……僕の名前は改名されたものとはいえ、ニアはほぼ僕の本名を知っているといえる。
   つまり、僕はニアに殺される直前……そしてそれは、リドナーさん達も同じです……」

リドナー「……」

月「ならば少なくとも、ニアの名前だけは知っておきたい……そうすれば僕とニアは対等になるのだから……」

リドナー「ニアの名前を……? まさか……死神の目……?」

月「はい、それをあなたに持っていただきたい」

リドナー「!? 私……が……?」

月「はい……まずは、この紙に触れてください」

リドナー「……? ……! な……あ……死神……!!」

リューク「ククク、リュークだ」

月「彼と取引することで、死神の目を得ることができます。
   ただその対価として……自分の残りの寿命、その半分が必要になります……」

リドナー「寿命の半分……!?」

月「あなたしかいないんです……!」

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:50:22.64 ID:/Z0N4KIW0
リドナー「……月さん……あなた自身が、その取引というのを行えば良いのでは?」

月「はい、僕も本当はそうしたい……だが……できないんです。ノートには、所有権というものがあります。
   所有権というのは、そのノートの持ち主を指します。
   そしてその取引は、初めてノートの所有権を持ったときにしかできないんです」

 無論、そんなものは嘘だが……。

月「そして出来たとしても、ニアは僕の前よりも、あなたの前ならば姿を現す可能性が高い。
   いや、僕の前に来ることはないでしょう」

リドナー「……」

月「おねがいします。これは当然、ニアを殺すためのものではありません。
   勿論、最終手段としては考えられますが……
   あくまでニアをキラとして追い詰めるのに必要な武器なんです!」

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:53:10.17 ID:/Z0N4KIW0

リドナー「……」

月「すぐに答えは出ないでしょうね……。……このカバンの中にノートが入っています。デスノートです。
   もしあなたに覚悟があるのならば……その所有権を得て、取引をしてください。
   そして取引をするしないに関わらず……そのノートはこの紙に記された場所に戻しておいてください。
   またこの紙に、あなたが取引をしたのか、しなかったのかを書いておいてください……。
   なお、同様の紙に、今後の指示も書いてあります」

リドナー「……はい」

 ……。

月「あなたの考え、今の会話の中でいろいろと分かりました……それは僕に考えに近いものだった。
   そんな僕とリドナーさんがこうして会えたのは何かの運命だ!
   僕とあなたで、キラを捕まえましょう!」

リューク「ククク……運命……」

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 22:56:46.49 ID:/Z0N4KIW0

 あそこまで追い詰めれば、必ずリドナーは取引する……。そうでなければノートを置いてくるなんて危険な真似、
できるはずがない。
 リドナーは、なぜニアに預けたはずのノートがここにあるのか、ということを追求できないほどだったしな……。
 そして僕がノートを置いてきたのは、取引をした場合、僕の名前が見え、さっき言った改名の話が嘘だとバレる……それはまずい。
こういう口車に乗せるときは、1つでも嘘だと気づかれてはいけないんだ。

月「リューク」

リューク「所有権だな」

 とりあえず僕は、ひとまず所有権を放棄しなければならない。
だが、僕の手の平に、リドナーにノートを戻すように指示した場所を書き、”必ず行け”をも書いておいた。
 記憶がなくなった僕は何のことか分からないだろうが……絶対に行く。そしてノートに触れ、記憶を戻す。
後は以前のようにノートをコルセットで身につければいい……。

月「5日後が楽しみだよ……ニア……」

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:00:19.03 ID:/Z0N4KIW0

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-時系列戻る・ニア捜査室付近-(月)

 全ては僕の策……リドナーにニアの顔を見せるための! 
 リドナーに、通信器を渡せと言ったのも僕、しぶるようなら、皆をうながせと言ったのも僕だ!
そしてリドナーは今日死ぬ……それを行ったのも僕……。
 通信器ならば、たとえ三四がどこかで今の事態を聞いていようとも、
リドナーが通信器に言ったことまでは聞き取れないだろう。
 
 あの襲撃されたかのような音声……あれはいつか出目側指揮の下、SPKを襲撃したときの音声を録音したものだ。
あのときカメラが回っていた、それを作ることなど造作もない。

 僕は、2ヶ月の間に、SPKのシステムに介入できるほどになっていた。そしてあの録音した音声を流し、ニアの下へ終結させた。
僕の読みどおり、レスターはニアの場所を知っていた。リドナーに対しては、あれが作戦開始の合図だと、あらかじめ知らせておいた。

 そもそも、僕や三四でさえたどり着けなかったニアの居場所だ、ただの信者ごときに見つかるはずがない。
僕が誰とも通信していないこの状況ではな!

 ニア……お前の最大のミスは、三四と僕の繋がりに気づけなかったことだ。
 尾行者はM……それが分かった時点で僕の計画は早まった……三四がM……そんなこと、すぐに気づけたからな!

月「さぁリドナー! 早くニアの顔を見るんだ! そしてその名前を通信器に向かって叫べ!!」

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:03:38.66 ID:/Z0N4KIW0

リドナー『ニア、なぜさきほどから私達に背を向けているのです……?』

 背を……? 何か見ているのか……?

レスター『何にしても、ニアが無事でよかった』

リドナー『それはそうですが……気になります』

ニア『私も気になります……あなたはなぜ私が背を向けているのを気にするのか。そんなに顔が見たいんですか?』

レスター『ニア……リドナー……?』

リドナー『か……顔を見ればその人が無事かどうかすぐに分かるということです……』

ニア『なるほど、一理ありますね……では……』


186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:06:36.82 ID:/Z0N4KIW0

 リドナー! 早くニアの名前を言うんだ!! すでにお前はニアに不審がられている……!

レスター『ニア……!』

リドナー『え……Lの、お面……?』

月「お面!?」

 な、面……? 顔を隠して……!? いったいどういうことだ!?

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/20(木) 23:11:19.81 ID:/Z0N4KIW0

ニア『夜神月……L……あなたは今、これを聞いていますね? ……リドナーの口から、私の本名を聞き出すために……』

月「な……なぜそれを……!」

 ぐ……向こうからの声は聞こえても、こちらからの音声は送れないようにしてある……。

ニア『リドナー……あなたは、少しは私を疑っていても、最後は私を信じてくれると思っていました。
    ですがこれでは……』

 ま、まだだ……リドナーは銃を持っている、それで殺せば……!

リドナー『あ……ぅ……す……すいません……にあぁ……。あ、ああああああ!!』

 直後、リドナーの叫び、叫び。同時に鳴った銃声と思われるものをかき消すほどの。

 自殺……デスノートの効果……! リドナーにニアの名前を言わせてからの予定が……!!

191 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/20(木) 23:15:16.59 ID:/Z0N4KIW0

レスター「動くな!」

 !!

月「な……!」

 気づけば、レスターが銃をこちらに向け、立っていた。いつの間に……!

ニア『キラ、逃がしません』

 くそ……くそ……!!

レスター「こっちへ来い!」

月「……」

 なんてことだ……僕の策が失敗……そしてこのザマ……だが、なぜ気づかれた!?

-----

203 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/20(木) 23:43:57.63 ID:/Z0N4KIW0

-ニア捜査室内-(月)

ニア「夜神月……キラ……これが決定的な証拠とは言いがたいですが、
    こんなことをするのはキラ以外にいない……お前がキラで決まりです」

月「……」

 決定的な証拠ではなくても、ニアがここで僕にするのは少なくとも監禁……どうしようもないのか!?

月「ま、待ってくれ! 僕は脅されていたんだ……。
   それよりも、なんでリドナーが死神の目を持っていると分かったんだ?」

 なんて言い訳だ……だが、少しでもニアと話し、逃げる糸口を掴まなくては……。
こんなことなら、未だ銃を向けているレスターも、リドナーと同じように、
あらかじめノートに書いておくべきだった……。

ニア「盗聴器、ですよ」

月「盗聴器……!?」

 盗聴器だと……? ニアは確か、僕には盗聴器などつけず、監視者をつけるだけだと言っていた。
そして勿論、僕自身も調べてみたが、やはりそんなものはなかった。
 だが……現にこうして、ニアは僕の策に気づき、対策をしている……。

 どこにそんなものが……。

205 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/20(木) 23:47:36.91 ID:/Z0N4KIW0

ニア「はい。リドナーは……以前から私を、キラだと疑っていました。勿論、それは疑念程度でしょうが、
    私は危惧した……リドナーの裏切りを。ゆえに私は、今までのように一緒に捜査するのは止め、
    別々の場所で捜査する、そう決めたときから、リドナーに盗聴器を仕込みました。
    リドナーの捜査室は勿論、服や持ち物など、様々なものにです。
    もしかしたら彼女は気づいていたかもしれませんが……結果それが、お前を捕まえるきっかけになった」

 リドナーに盗聴器……!

 なぜ僕はそれに気づかなかった……? こんな単純なトリックに!
三四とニア……その二人に気をつけ、気を張りすぎた結果がこれか……。

ニア「お前はバカだ。確かに頭は回るが……少し考えれば分かるような簡単なことに気づけない」

 なんだと……!

レスター「ニア!」

ニア「……どうしましたレスター?」

 突如レスターが叫ぶと、二人は監視カメラの画面を見ていた。

207 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/20(木) 23:51:25.46 ID:/Z0N4KIW0

レスター「魅上がいない!!」

ニア「……」

 魅上がいない……?
 画面には、ベッドと簡易トイレが起かれただけの部屋が移り、そこには誰もいない。
そこに魅上がいたということなのだろうか。

 まさかこれは……!

ニア「テープを巻き戻してください」

レスター「分かった! ……こいつは!?」

 画面に映るは、鍵と思われるものをいくつもぶらさげた女……三四が、魅上を逃がす所。

レスター「何者だこいつは!!」

ニア「……」

 これだ、これを利用するんだ!

208 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/20(木) 23:55:28.09 ID:/Z0N4KIW0

月「こ、こいつだ!! ニア、さっきも言ったが僕は脅されてリドナーさんにあんなことをした!
   そしてその張本人は、このカメラに写ってる女……鷹野三四だ!!」

 さっき口から出たでまかせだが……これを使うしかない!

ニア「……脅された、ですか」

レスター「今はそんな話をしている場合じゃないだろう! ……!
      そうだ、確か魅上は、Mが管理していたはず、Mは無事なのか!?」

 Mが管理……だと……!? じゃあ三四は最初から……!

ニア「……無事でしょうね。今カメラに写っていましたから」

レスター「……!?」

ニア「Mがいた場所には、万が一のために武器もありますし、こちらに異常事態が伝わるように、非常ブザーもあります。
    それが作用しなかった……そしてさきほどカメラに映った女は、魅上がいた部屋の鍵全てを持っていました。
    レスターも知っているでしょう、あの部屋は7個の鍵がかけられ、それらは全て別の場所で保管されていました」

レスター「それを持っているということは、あの女がM……」

ニア「そういうことでしょうね」

211 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:00:09.97 ID:XYE167fn0

ニア「彼女を信じきっていた私のミスです。
    ……今思えば、鍵は皆で分担して持とうと言ったのを彼女が拒んだのは、おかしなことでしたね。
    それは、いつか魅上を逃がす、その証明です。
    Mとはあなたより前からの知り合い……前にも言いましたが、ワイミーズハウスの出身者でしたので……
    本当に面目ないです」

月「じゃあそいつがキラで決まりじゃないか!
   SPKの情報を知りえる立場にあり、そして魅上を逃がした……。
   さらに、僕をデスノートで脅してきた……間違いない!!」

ニア「デスノートで……ですか。その脅しというのは、どういうものだったんですか?」

 乗ってきた……いや、聞かずにはいれなかったはず。

月「僕を突然呼びつけた彼女が、お前の顔と名前を知っているから言うとおりにしろ、と、
   ノートをチラつかせながら言ったんだ。そしてリドナーさんのことも……。
   本当はすぐにでもニアに伝えたかったが、鷹野の話を聞くと、どう考えてもSPK関係者だった。
   そんな状態でそのことを伝えるなんて、自殺行為だったんだ……」

ニア「……」

 今はどうせ信じていないだろう……だが、これで僕を監禁するのは難しくなったはず。
自分で”決定的な証拠ではない”と言ったんだ、それをさらに切り崩されるかたちとなっては、
できるはずがない、してはいけないんだ!

213 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:04:27.68 ID:XYE167fn0

-ニア捜査室-(ニア)

 まさかミヨが裏切るとは……だがこのタイミング……そして脅し……夜神月とミヨは繋がっていたということ……。
……リドナーと夜神月が会っていたということを、盗聴器があるとはいえミヨは私に伝えなかった……
その時点で気づくべきだったか……。

 ただ、脅し……それは本当なのだろうか。仮にそうだとすれば、夜神月は被害者でしかないが……そんなはずはない。
夜神月は黒、それは間違いない。そうなると、二人は組んで私の名前を知ろうと……?

 名前……? 魅上……。

ニア「魅上は私の名前を知っているはず……なぜ私は死んでいないのでしょうか」

 そのためにミヨは魅上を解放したはず。

月「分からない……。魅上が忘れている……?」

 忘れる? バカな。殺したいと願った私の名前、忘れるなど絶対にありえない。
だが、私は死んでいない……夜神月はミヨがノートを持っていると言ったが、嘘か?

216 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:08:52.79 ID:XYE167fn0

 ……考えてみれば、このタイミングでのミヨの動き……これは夜神月の策ではないな……。
リドナーという、こちらの仲間を使うかなり危険な策……この後に魅上、ありえない。
混乱を作るためだとしても、他にも方法はある……リドナーを使うくらいならば、さっさと魅上を解放するだろう。

 となると……今回はミヨの独断……そして脅し……広い意味で考えればこれも嘘ではないのかもしれない。
一応協力関係にありつつも、ミヨは一方的に夜神月の顔と名前を知っていた……鷹野三四というのはどうせ偽名だ。

 ここからは、ミヨも探っていくことになるが……どうしたものか。
単純にレスターを接触させても、まず証拠などでないだろう。

 そして夜神月……ここまで証拠らしいものが現れても、どれも核心を突くことができない……。
今回の件、普通ならば夜神月を監禁したいところだが……ミヨ、この存在がある限り、意味がないことに……。
 ならばいっそ、夜神月を利用して、ミヨも捕まえるしかない……!

 危険だ……それもことごとく私の読みを超える動きをしてくる……。
 しかし……もはやそんなことを言っていられるレベルではない。今まで私は、いくつも危険な賭けに出た。
ここに来て、それを尻込みする必要などない。

 私が未だ死んでいないのはやはり気になるが、今はミヨを捕まえるしかない。

218 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:12:47.27 ID:XYE167fn0

-30分前・M捜査室-(鷹野)

魅上「……誰だ、お前は……」

鷹野「誰とはご挨拶ねぇ……私はいつもあなたを見ていたのに」

魅上「……M……というやつか」

鷹野「ふふ……」

魅上「なぜ私を解放した? お前は敵のはず」

鷹野「もともと私はニアの仲間じゃないわぁ。あなたの力が必要なの……」

 夜神月……いえ、ゴミが失策した今、最後の策……魅上を使うしかない。
 今までは、この策をとると私がニアに疑われる……いえ、キラに加担したと断定される……。
それだけは避けたかった。魅上がすぐにニアの名前を教えてくれるという保障があればよかったけど……その可能性は……。

222 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:16:17.49 ID:XYE167fn0

魅上「……」

鷹野「……」

魅上「……私は長きに渡り監禁されていた。少し頭が混乱しているようだ……」

 さっきの私のことばで、私が魅上に欲するは死神の目、それくらいは察したはず。
そこでこの言動……やはり私に教えることはできないということ……。
 これだからこの策は取りたくなかったのだけど……仕方ない。
 月がデスノートを持っている時にやったとしたら、私の本名とニアの本名を、月に知られるだけだし……。

鷹野「分かったわ、私の所にいらっしゃい」

 魅上ならすでに、私がノートに関係していることは読めたでしょう。
そしてニアを殺そうとしていることも……。

 もしニアの名前を伝えれば自分は用済みになるかもしれない。
自分はノートを持っていないのだから、いくら私の名前が見えていても殺せない……。
その可能性に気づく……逆に魅上を調べていた私にすれば、これくらいの想像はできる。

 でも必ず、私を信用させてみせる……夜神月……まだあなたにも利用価値はあるということね。

223 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:20:09.68 ID:XYE167fn0

-1時間後・元日本捜査部-(魅上)

魅上「神の救出……」

鷹野「そうよ。私と月は協力関係にあった。でも月は捕まってしまった……」

魅上「……協力する」

 この鷹野……いや、田無という女……本当に神と繋がっているのか?
 神はそんなこと一言も……いや、私が捕まった後にということも考えられるが、
こいつは死神の目を持っていない……所有権が私にあるからそのノートではできないとも思えるが、
神のノートを使えばできたはず……。

 神は私に死神の目を持たせた……つまり、神の協力者は死神の目を持ってこそ……。
そうなっていないということは……信用するべきではない。

 神の救出の手助けはするが、今はNateRiverのことは言わないほうがいい……。
言ってしまえば、もし神とこの女が協力関係になく、一方的に神が脅しなどをかけられている場合、
確実に神と私は殺される……。
 こいつが今ここで鷹野という偽名を名乗った以上、神にもそう名乗っているはず……そして鷹野は鷹野で、
神の本名を知っている……。これが脅しの可能性を促進させている……。

 今はまだ、機を待つしかないな。

226 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:25:07.94 ID:XYE167fn0

-同じ頃・SPK本部-(月)

ニア「……では、鷹野三四を探る方向で」

 ……魅上が解放……それも三四によるもの……。三四は自分が魅上を管理しているなど、一言も言わなかった……。
最初からその手を使えば僕はこんなことにならなかったはずだが……。

 僕は、ニアに監禁、拘束などはされないものの、持ち物は全て没収され、
衣服ですらもレスターが用意したものを着用させられることになった。
 当然デスノートも奪われたが、所有権があったリドナーは死んだ……身に付けていなくても、
記憶が失われることはない。ニアにもリュークが見えることになるが、それはもはや問題ではない。

 僕やニアが死んでいないのは、恐らく魅上の機転で、ニアの本名を三四に伝えなかったからだろう。
魅上なら、それをすると僕や自分が死ぬことくらい分かるはずだ。

月「それは僕も捜査していいということか?」

ニア「そうなりますね」

227 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:30:10.65 ID:XYE167fn0

 なるほど……ニアはもはや、僕を利用することを考えているということか……。
そしてその過程で、僕がキラとしての、絶対的な証拠が見つかるかもしれない……そう考えているのだろう。
デスノートを身に着けていることなど、今更なんの意味もない。
 いや、三四を捕まえることで、三四から僕のキラだという証拠を聞き出そうとしているのかもしれない。

 僕は三四に脅されていると言った……事実少なからず僕はそう感じているんだ、間違いではない。
そうなると、もし三四が捕まれば、三四が僕を道連れにする……その可能性は高い。

 さらにいえばニアは、覚悟を決めたともいえる……死の覚悟……。
そうでなければ僕を使おうなどと思えない。少なくとも軟禁程度はするだろう。

 だがそのおかげで、僕にはまだチャンスが残されているといえる。

月「ニア、僕から提案がある」

ニア「……何でしょう?」

 僕からの提案……少し前までのニアなら絶対に乗らないものだっただろう。
しかし、今ならば……。

231 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:36:02.98 ID:XYE167fn0

月「僕は鷹野に脅されていた……そうなると、僕が鷹野と会うのは何の問題もないことだ。
    だから、僕が直接鷹野を探る。
    脅されたときにノートをちかつかせていたから、デスノートを持っているのは間違いない。
    だが、今やノートは少なくとも三冊……まだあるかもしれないと考えると、
    ノートを持っているくらいでは、確実にキラだとはいえない。しかし、そのノートを利用できれば……」

 実際にあるノートは変わらず二冊……一冊はさきほどニアに奪われた僕のノート。
もう一冊はニアが魅上が持っていたものをすりかえ、さらにそれを三四がすりかえていたもの。
 ニアはその偽物に気づいていないのだから、ニアからすればノートは三冊となる。

ニア「……そうですね、私もそう考えていました」

レスター「ニア!」

232 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:39:57.08 ID:XYE167fn0

月「レスターさんの心配は分かります。
   ……ニア、僕が鷹野に会うとき、レスターさんを付けてはどうだろうか。
   僕はキラじゃないが、それを証明する術がない。だから、レスターさんに僕を監視させる。
   鷹野には、新たな協力者、と言えばいいだろう」

 どうせニアもそのつもりだったはず、ならばこちらから言ってしまったほうがいい。

ニア「キラじゃない……ですか。ですがレスター、頼めますか?」

レスター「……それはいいが……」

 やはり……。

 なんとかしてこの状況を打開し……そしてニア、三四を殺す!

234 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:45:41.48 ID:XYE167fn0

-1週間後・車内-(レスター)

月「レスターさん、そんなに緊張していては鷹野に感付かれますよ」

レスター「……ああ、すまない」

 私はニアに言われたとおり、今から夜神月の協力者として鷹野三四に会いにいく……。
本当にそんなことをして大丈夫なのか……? ニアは何を考えているんだ……。

 私がニアに頼まれたこと。それは、鷹野三四のノートを探し、それをすりかえることだ。
以前も同じ策をとったからと、夜神月にはそのことは今のところ伝えていない。
まさか同じ策でくるとは思えないだろうから、そこに隙が生まれるかもしれないからなのだろう。

 しかし、鷹野はM……つまり私達の捜査状況を知っていた人間……。
ノートをすりかえることに気づいていないはずがないと思うが……それすらも逆手にとるということか?

月「レスターさん、何か書くものはありませんか?」

レスター「ん……ああ、あるが……どうするんだ?」

237 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:50:09.69 ID:XYE167fn0


月「まず確認ですが、鷹野のところに行けば、僕はニアを殺すための行動をします。
   勿論、鷹野に協力しているふりをする、という意味です」

レスター「……それは分かっている」

月「紙には、そのための策をあげていこうかと。
   口頭でもいいのですが、こうして後に証拠になりそうなことをしておくことで、
   鷹野の信用を買えるかもしれません。
   自分も捕まれば、この証拠から夜神月も捕まる。そう考えるかもしれない、ということです」

レスター「……分かった。だが、今は運転中……。
      ニアに、もしそういうことがあれば内容をチェックしろと言われている。紙は後で渡す」

月「分かりました」

 確かに利にかなっていると思うが……夜神月に紙を渡し、何か書かせる……もしそこに私の名前が書かれたら……。
……? 何を考えているんだ私は。紙もペンも、こちらが用意するもの……デスノートなどでは断じてない。
いかん……ノートというものを意識しすぎて、ただ物を書くという行為にすら、過剰に反応してしまう……。

240 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 00:54:40.34 ID:XYE167fn0

-同じ頃・二人の会話を盗聴中-(ニア)

ニア「……」

 紙……夜神月にそれを持たせると、どうにも嫌な気分になる……まぁ、デスノートでなければ問題ないことだが。
だが何をする気だ夜神月……お前はもともとミヨと協力関係、または主従関係のようなものにあったはず。
今更証拠として残す……それに何の意味があるというんだ。

ニア「メッセージ……暗号……」

 それしか考えられない。レスターではそこまで考えが及んでいないだろうが……後で連絡する必要があるな。

 しかし夜神月……お前は本当によく動く。確かに私には、お前をキラだとする確信はあっても、確証はない……。
だが、これ以上動けば本当に自分がキラだという証拠が出てしまう……そう考えないのだろうか。
 私を殺し……そしてまた犯罪者殺しを始める……お前の考えなど私には分からないが。


243 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 01:01:24.52 ID:XYE167fn0


 夜神月はデスノートを持っていたが、今更それは証拠にはならない。
 以前は日本捜査部にあったわけだし、今はデスノートが何冊出てきても、私は驚かない。
それはつまり、キラでなくてもノートを持っているかもしれない、ということだ。
ゆえに、ノートがあるからという理由で、キラと断定することはできない。

 だがノートを使えば……それはキラだ。

 となれば、やはり私やレスターの名前を書かせること……キラの敵である私達を。
同じ策をとるのは考え物だが、これしかない……。

ニア「魅上照……鷹野三四……。……夜神月」

 この三人……一人が捕まれば他の二人を捕まえるのは容易……。
夜神月は恐らく難しいだろう……となると、やはりミヨ……こいつを落とすしかない。

 ノートのすりかえ……Mであるミヨにとっては想像できることだろうが、
ミヨは、私がミヨはそのような想像が出来ている、と考えることができるはずだ。
 つまり、そんな安易な策はうってこない……そう想定するはず。

 非常に危険だが……もはや私は……。

245 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 01:10:51.18 ID:XYE167fn0

-数時間後・元日本捜査部前-(レスター)

 夜神月の案内でここまで来たが……えらく遠回りをさせられたようだ。当然といえば当然だが……。

月「レスターさん」

レスター「ああ。書いたら私に見せてくれ」

月「分かりました」

レスター「……」

月「……こんなかんじですかね」

”僕の策をここに記す。
  1つの策として以下のようなものが考えられる。
  とりあえずいえるのは、
  隙を作るということだ。
  リドナーの時のように、SPKの誰かを取り込むのがいいかもしれない。だが以前は、
  かろうじて成功しただけだ。偶然に過ぎない。
  Lの息にかかった者……ニアを敵にしている以上、
  注意しなくてはならない。

  もう1つ考えられるのは――”

256 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 01:32:31.30 ID:XYE167fn0

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レスター「……」

 別に変わったところはない……か? 1つ気になることがあるとすれば……。

レスター「文章を書いたのか。箇条書きにでもするのかと思っていたが」

月「はい、この文章は一応こちらに置いておくものですので、後で読み返したとき、こちらの方が分かりやすいと思って。
   鷹野の仲間になったと想定したら、そういう結論になりました」

レスター「なるほど……」

 これは後で写真を撮り、ニアに送るだけでよさそうだが……何かあるとも思えないな。

レスター「さて、行くか」

月「決してニアの手の者だと悟られないようにおねがいします」

レスター「ああ」

306 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:14:33.65 ID:XYE167fn0
-----

-捜査部内-(鷹野)

月「三四」

鷹野「あら……陽くんじゃない」

 あらあら……これは意外な展開ね……。
 魅上を信用させるには、まずは月の解放が必要だった……でも、それがそちらから転がりこんでくるとは……。

レスター「……失礼する」

鷹野「……そちらは?」

月「カーターさんだ。僕がニアに捕まりかけたのを助けてくれた。これから協力してもらうことになる」

 ああ、なるほど……そういうことねぇ。
 あのニアがそう簡単に月を見過ごすはずがない……いえ、魅上の時のことを考えれば、軟禁または監禁は必ずする……。
それをしてこないとなると、ニアは月がキラだという確たる証拠がなく、また、私という新たな邪魔者も排除する必要がある……。

 そこで月を利用した……。

 そうなると、そのカーターというのはSPK……ニアが出てくるはずはないから、レスターね。
魅上がこちらにいることを知っているのでしょうから、そのカーターというのは本名……。
偽名を使うことに意味はないから、いっそのこと、ということね。

309 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:18:08.73 ID:XYE167fn0

 ……となると、ニアの取る策は……他愛のないこと……。
 でもその策は利用できる……私はニアの顔を覚えていないから、少なくとも一度はニアに会わなくてはならない……。
あれだけワイミーズハウス時代に追ったニアなのに覚えていないなんて、本当に無様だわ……。
 私が追ったのはニアという存在だった、からなのかしら……。

月「まずはすまない三四、失敗してしまって」

鷹野「次の策はある……大丈夫よ」

 恐らく魅上も、カーターがSPK関係者だというのはすぐに気づく……そうなると、ニアの本名はまだ聞けない……。
ならばしばらくは、この茶番に付き合うしかないようね。

魅上「かm……失礼、夜神月さんでしたか?」

月「ああ……確かYB倉庫にいた……」

魅上「魅上照です」

 魅上は月のことを神を言いかけた……やはり今は、明らかに月側についている……。

311 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:22:21.85 ID:XYE167fn0

月「しかし三四、お前も新しい協力者を得たんだな」

鷹野「ええ。やはり仲間が多い方がいいからね」

 月……あくまで魅上のことは知らないというので通すつもりね。
自分が死神の目を持たせ、ノートを与えた者。ニアから見た、厄介な敵……そのどちらでもなく。
たしかに、今の月の立場からすれば、そのどちらをとっても、一方はニアに対して、一方は私に対して不利になる……。

月「これからどうする、三四」

鷹野「……陽くんの意見を聞こうかしらぁ?」

 私の考え……まずは魅上を取り込むということは、分かっているはず……。
そして月は、魅上からニアや私の名前を聞き出すことを目的にしている……。
でもそんなことをさせる隙は与えないし、そもそも月は、ノート本体はおろか、切れ端すら持っていないはず……。

月「そうだな、まずはこれを見て欲しい」

鷹野「……?」

312 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:26:40.28 ID:XYE167fn0

鷹野「これは……」

月「ある程度僕の考えをまとめておいた。もっとも、分かりきったことかもしれないけど……」

 本当に分かりきったことばかり……。こんな紙になんの意味が……。
……! これは……。

鷹野「だいたい把握したわ」

 夜神月……私をバカにしているの? ニアの取ってくる策……私が想定できないとでも思ったのかしら!?
まぁいいわ……これで月は、完全にニアの監視下にあり、動けないことの証明になった……。

 つまり私が考えるのは、やはりニアのことだけということね……。

月「魅上さんも見てください」

 ……そうなると、やはり早く、魅上を……!

314 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:33:25.40 ID:XYE167fn0

-同じ頃・会話を盗聴中-(ニア)

ニア「……」

 さきほどレスターから送られてきた、夜神月が書いた紙の写真……。
 一見は、確かに普通の文章……だが、一応暗号らしいものが隠されていた。

 最初の1行以外、なぜか1文字分ずらして書かれていたのが気になり、よく見てみると、
その部分に、縦読みの文章が現れる。1行目は2文字目、他の行は1文字目だ。

 のーとすりかえ。

 ひとまとまりの最後の行に”注意”とあるが、たぶんこれは、ノートすりかえ注意、ということなのだろう。

ニア「こんなことを伝えるためにわざわざ……?」

 だが、あまりに幼稚すぎる。私がこのことに気づかないとでも思ったのか?
そしてミヨが、私の策を想定できないとでも考えたのだろうか。

316 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:39:53.24 ID:XYE167fn0

 だがこれではっきりした。
 夜神月はもう自分からは動けず、ミヨの行動を待つしかないということが。

 そうでなければ、わざわざこんなメッセージは残さない。

 ならば私のすることは、レスターにそのことを伝え、ミヨをより観察することだ。

ニア「ミヨの尻尾を掴むことができれば……」

 とはいえ、やはり容易ではない。
 実際ノートすりかえの策しか私には残されていないし、それは夜神月にバレ、ミヨに伝えれらた。
 しかし……このことで、かえって逆手をとり易くなった……そう考えることにしよう。







317 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:49:37.35 ID:XYE167fn0

-1週間後・盗聴中-(ニア)

鷹野『そうね、それがいいわね』

月『じゃあそういうことで――』

 夜神月とレスターがミヨのところへ行くのは、今日で三回目……。しかし、未だ進展はない。
盗聴した感じと、レスターの報告では、今のところミヨはノートを見せることはおろか、
自分が所有している、という言動はおこしていない。

 それにしても、夜神月もそうだが、ミヨは、”ニアを殺す”、ということを何度も口にしている。
私が盗聴していること、レスターがSPKだということは気づいていると思うが……。

 少し前ならば、ミヨを捕まえただろう……しかし……今はそれはできない。
確かに今はミヨを捕まえることを目的としているとはいえ、やはり本来の目的はキラ……夜神月の確保……。

 キラ信者というものは、今や世界中に溢れている……以前SPKのことを夜神月に頼み、
ニュースとして取り上げられたことから、私の存在は彼らに知られているだろう。
 つまり、私を殺そうなどという会話は、キラだけがするものではないということ。
 よって、この程度のことでミヨを捕まえることはできない……。

320 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 12:57:18.50 ID:XYE167fn0

 そうなると、後はプライドだ。
 ミヨ、そして夜神月の策を読み、そして上を行く。
 これが達成したとき、彼らを追い詰めることができる。そうなれば……私の勝ちだ。

 キラ逮捕。

ニア「……」

 だが……やはり何度考えても、今回の策は脆い。ノートをすりかえ、偽物のノートに私の名前を書かせる……。
以前と同じ手だ。これまでは、同じ手は使ってこない、というのを逆手をとるという理由で、
なんとか自分を納得させていたが……。

ニア「私にやれること……」

 何か、他に策はないのか……。

321 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 13:05:39.65 ID:XYE167fn0

-同じ頃・元日本捜査部-(鷹野)

鷹野「陽くん、それよりもこっちのほうが」

月「……カーターさんと魅上さんはどう思います?」

 ……中身のない会話。ニアを殺す算段とはいえ、どうせニアは盗聴しているのでしょう。
そうなれば、本当の策は話せない。筆談や、場所を変えてしようにもカーターの存在がある……。

 勿論私だけで動ければいいのだけど、まだ月の存在は必要……魅上を取り込むために。
魅上がニアの名前を言いさえすれば私の勝ちなんだから……。

レスター「私はなんとも……」

魅上「私は、三四さんを支持しよう」

月「……!?」

 ……!

322 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 13:13:09.74 ID:XYE167fn0

 魅上が月よりも私を支持した……。
 この一週間、魅上と生活する中で、私の考えを刷り込んできた……。
 魅上は犯罪者裁きをするキラを崇拝している……そうなれば、私も同じことをすると言った上で、
さらに理想郷みたいな話をすれば、こちらに転ぶと思ったけど……そろそろといったかんじね。
勿論早まるつもりもない……まだ時期尚早。

 でも私の勝ちが近づいているのも確か……ならば、やはり本当の意味で、ニアに勝たなくては。

 それは、ニアの策を読み、そして上を行く。
 これが私にとって、本当の勝ち。

 ワイミーズハウスでは一度も勝てなかった私が、ニアの上に立つ時がくる。

 そして私は……神になる!

325 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 13:22:32.20 ID:XYE167fn0

-捜査部-(月)

 魅上が三四の意見の賛成した……これは、そろそろということか……。

 現状、どう考えても僕が一番不利だ。
 僕がキラとしての証拠は、ほぼニアに握られているといえる。それでも僕がこうしているのは、
癪な話だが、三四が存在しているからだ。
 そしてその三四は、デスノートを持ち、僕の顔と名前を知っている。さらに、魅上を傍に置き、
ニアの名前を知ろうとしている……。

月「じゃあ三四の意見を採用ということで……」

鷹野「あら、どうも」

 だが三四、そしてニア。僕はお前達の策を読み、そして上を行く。
そうなったとき、僕は全ての邪魔者を排除し、新世界の神として、君臨することになるんだ。

326 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 13:31:17.00 ID:XYE167fn0

-1ヶ月後・元日本捜査部-(鷹野)

鷹野「さて、時間はかかったけど、だいたいどうするかは決まったわねぇ」

 1ヵ月……本当に無駄な時間だった。
 私や魅上、そして夜神月やニアの手下……話し合いとして集まるなんて……。
 でもこの行動は絶対に必要……私は月よりも照の信用を得るため、月は照からニアの名前を聞き出すため、
ニアは私と月を捕まえるため……。

魅上「三四、それで実行はいつにする?」

 そして魅上は、私を信用している……。今や、月に意見を求めることなどほとんどない。
そろそろ、ニアの名前を聞き出してもいいころね。

月「ちょっと待て、やっぱりその策は安直すぎないか?」

 それにしても月……本当にうるさいわね。時間を稼ぎ、魅上の信用を取り戻したいのは分かるけど、
それじゃあ逆効果……。そもそもこの話し合いは無意味……それは誰しも分かっていることなのだから、
策について必要以上に話す意味はないのに。

 もう魅上の信用はある……ならば、もう月は消してもいいのかしら……?

327 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 13:41:04.95 ID:XYE167fn0

-3日後・ニア捜査室-(ニア)

ニア「ノートを……?」

レスター「ああ、ノートをデスクにしまうのが見えた。あれをなんとかすりかえられれば……」

 ここにきてノート……ミヨが油断を見せたということか?
 いや、それにしても……そのノートが偽物という可能性……。そしてノートを私達がすりかえたのを見て、
私を殺す……。いや、それではノートをすりかえるすりかえないに関係なく、私を殺せばいいだけのことだ。

 ……。

ニア「……ミヨは、いつも私を超そうとしていました。その熱意は、メロにも劣りません」

レスター「……?」

ニア「ミヨはこちらの策を読み、さらにそれを覆す……つまり、裏を書いてくるでしょう」

レスター「どういうことだ……?」

ニア「つまりミヨは、私に勝つ、そのつもりで策をうってきます」

329 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 13:50:10.14 ID:XYE167fn0

レスター「それはニアを殺すということか?」

ニア「最終的にはそうでしょうね。ですが、それだけではない。
    ……恐らく、ミヨは私達が、ノートをすりかえるという策に出ると、読んでいることでしょう」

レスター「……それじゃあ」

ニア「そして単純に私を殺すのではなく、私に、お前の負けだ、と突きつけてから殺す……。
    ミヨならばそうすると思います」

レスター「……何か策はあるのか?」

ニア「あります。以前と同じ策、です」

レスター「!? やはり逆手にとるということか……!?」

 私はLの意思を継がなくてはならない……ならば、この策しかない。

332 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 14:00:09.46 ID:XYE167fn0

-同じ頃・元日本捜査部-(鷹野)

魅上「三四、話がある」

鷹野「あら、何かしら、あらたまって」

魅上「……私が三四に解放してもらってから1ヵ月以上が経ち、ようやく落ち着いてきた。
    それで……」

 ……!

鷹野「ニアの名前……思い出したというわけね?」

 ついにきた、魅上が完全に私を信用したこの時が!

333 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 14:11:29.49 ID:XYE167fn0

 これ以外の準備は整えていた……あとやるべきことは2つだった……。
その2つのうち難しいと思っていたほうが、ようやく実現する。

 こうなると、あとは待つだけ……。もう1つの方……カーターが私のノートをすりかえるのを。

 前にデスノートを、一瞬だけカーターにも見えるように机にしまった……
これでノートの在り処が分かるでしょう。勿論月には気づかれていない。

 ニア……月が幼稚なメッセージでその策をバラしたけど、あえてその策をとることで、
裏をかくつもりだったんでしょうね。
 でも、結局ニアは、その策しかとれない……ここまでくれば、私や月がキラだという証拠は、
自白やノートを使うことしかないのだから……。

 そして私はその策に乗ることで、ニアに会うことが可能になる。
ニアは、私が偽物のノートに自分の名前を書くのを、意気揚々と見にくることでしょう。
 そしてその策を超えることで……私の勝ちになる。

335 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 14:21:28.94 ID:XYE167fn0

-1週間後・ニア捜査室-(ニア)

レスター「なんとかすりかえは成功した……が……ジェバンニのように精度が高いものは……」

ニア「いえ、いいです」

 ……これは予定調和……ミヨがすりかえに早く気づいたほうが、今後の展開が早くなるからいい……。
この策は、私がすんなりと、ミヨの前に現れる口実に過ぎない。

 恐らくレスターは、すりかえを行わせるために殺さなかったのだろう。
そうでなければ、何かと行動の邪魔になるレスターを生かしておく意味がない。
いや……私が妙な動きをしたときのために、とっておいたのかもしれないが……。

ニア「そろそろ、ミヨから呼ばれるでしょうね」

レスター「……ニアが、か?」

ニア「はい」

 すりかえたノート……このノートは本物であった。
 今まで一度もためしたことがなかったが、今回はそうも言っていられない。さきほど死刑になる人物を探し、
そいつの名前を書いたのだ。
 すりかえたものは偽物であると踏んでいたが……。

 さて……ミヨ……決着をつけよう。

337 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 14:31:32.61 ID:XYE167fn0

-3日後・ニア捜査室-(ニア)

鷹野『そろそろ実行のときね』

月『あまり気が進まないが……』

 やはり来たか……ミヨ……。お前はレスターがノートをすりかえるのを待ち、
自分が動くタイミングを探していた……。

鷹野『じゃあ月、後は頼んだわよ。あなたはニアに監視されているのでしょうから、
    ニアを呼び出すのは可能なはず……。
    もっとも、ニアがそう簡単に動くとは思えないけど……』

 堂々と言ってくれる……これは夜神月に言ったというよりも、私に言ったのだろう。

月『……ああ、なんとかしてみる。場所はYB倉庫でいいんだな?』

 YB倉庫……因縁だな。またあの場所に行くことになるとは……。

339 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 14:42:52.82 ID:XYE167fn0

-数時間後・ニア捜査室-(ニア)

月「ニアも聞いていたと思うが、三四は僕がニアと共にいることに気づいていた……。
   こうなると、レスターさんも気づかれているはず……僕やレスターさんは殺されるのでは……」

レスター「……」

ニア「……いえ、それはないでしょう。あなた達を殺すのは、私の名前が分かってからです」

 ……ミヨは私の名前が分かったのだろうか? 魅上が教えた……いや、それならば今でなくてもいいはず。
魅上を解放した直後にそれはできる。
 ……今思えば、まさかミヨは、私の顔を覚えていないのではないか?
私はどちらかといえば内向的……皆が居ないところで、一人でいることも多かった……が……。

 どちらにしても、名前が分からないなら魅上が、顔だけ分からないならミヨが、私の顔を見ることで、
ミヨの策は実行されるだろう。

 念のためまたLの面を付ける……が……これはほとんど意味がないことだ。
もしYB倉庫に行った時、しばらくして夜神月とレスターだけが死ぬようなことがあれば、
ミヨを逮捕できるのだが……。

340 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 14:50:58.68 ID:XYE167fn0

月「ニアから何か条件を提示するか?」

ニア「そうですね……今回YB倉庫に行くのは、以前とは理由が違います……が、やはり通信器などはタブーにしましょう。
    もう私の顔は割れたので、この条件はミヨに有利なだけですが、これがなければこないかもしれない」

月「来たとしても、音声が他のところに転送されるのを警戒して、核心を突けないということか」

ニア「はい」

 それは夜神月……お前もだ。
 しかし夜神月……お前はあの幼稚な暗号以降、目立った動きを見せていない……
本当にSPKの捜査員になったかのようだ。こちらを油断させるということか?

 ……。

 夜神月の勝ちは、私とミヨを消すこと……そんなことが、今の状態ではまず不可能だが……。

400 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 22:34:14.38 ID:XYE167fn0

-10日後・YB倉庫-(鷹野)

ニア「来ましたね……ミヨ……第2のキラ」

鷹野「あら、早いのね、ニア」

 そうやって揺さぶりをかけようとしても無駄よ……ニア……今日あなたは死ぬ。

月「……」

ニア「それで、今日は私に何の用でしょうか」

 建前はそれでいい……ニアは何も盗聴していない。
 でも、このメンバーの中でそんなものが必要なのかしら。

鷹野「その前に……そのお面は何?」

 それはLのお面……かしら……。

403 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 22:38:04.05 ID:XYE167fn0

ニア「……念のためです」

 でも……あなたがそうするのは当然……。
 もしこの場でしばらくして、月とカーターだけ死ぬようなことがあれば私を捕まることが可能になる。
ここでそんなことが起これば、誰の目からも、それは私は魅上がやったことになるから……。

 だけど、それは私も分かっていたこと……だから、まだ誰の名前も書いていない……。
どうせニアの顔だけ分からないから、ここで書かないといけない……後はついでに書けばいいのだから。

 そしてニアもそのことは分かっているはず……自分がお面を取らなければ、事態は何も進まない……。

鷹野「まあいいわ。そのうちはずしてくれるんでしょう」

 ……ニアが建前でくるのならば、こちらも時間稼ぎのために、建前で行きましょうか……。

鷹野「それで、今日ここに呼んだのは他でもない、キラ事件についてよ」

406 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 22:43:12.17 ID:XYE167fn0

ニア「……」

鷹野「私はニアについていきキラを追っていたけど、それだけではダメだと思った。
    だから照を解放し、何か手がかりを掴めないかと思ったけど……」

ニア「私はあなたを盗聴していました。その中で、キラ捜査をしていたようには思えませんでしたが」

 あら……盗聴のこと、意外とすんなりと言ってしまうのね。

鷹野「あなたが盗聴していたのは、月達がいるときだけでしょう?
    私は私の考えをあまり知られたくなかった……だから、あえてあんな話を……ゴメンなさいね」

ニア「……」

407 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 22:47:21.08 ID:XYE167fn0

鷹野「それで、このノートを見て……私と照の考えが書かれているわ……」

 これはただのノート……ニアがすりかえたものでなければ、
ましてデスノートでもない。
でも、こうやってノートがあるのが不自然でない状況にすることで、
他のノートを出しやすくなる……。

 ニアがすりかえたのは、本物のデスノート……もし本物か調べられたら困るから……。

 でも私は、デスノートの1ページを持っている……あらかじめ用意したノートの切れ端。
これで、ニアが本物のノートを持っていようとも関係ない。ここにニアの名前を書く!

408 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 22:52:12.11 ID:XYE167fn0

-30分後-(鷹野)

鷹野「ねぇニア……そろそろ顔を見たいわぁ……」

 そろそろいいでしょう……ニアも、ここまで時間がたてば、警戒を解くはず……。
そして私に、偽物のノートを使わせようとする。

 でもダメよニア。私が使うのは偽物じゃない……本物のデスノート!

 だけど、すぐに名前を書くのはよくない。こうなることを予想して、さっき出したノートには、
いろいろなキラ事件に関することが書かれている。
まだその話を続け……何かノートに書くことが必要な話題が来たら……ニア達の終わり。

ニア「……分かりました」

レスター「ニア……」

410 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 22:58:07.20 ID:XYE167fn0

ニア「……」

鷹野「……お久しぶりね……ニア」

ニア「……はい……ミヨ」

 そうか……これがニア……。確かに記憶の片隅に、こんな人物が存在していた……。
以前はとても大きな存在のはずだったのに……今は小さい。

 私の勝ち。

 それが目前に迫っているからかしら……?
 何にしても、これでニアの顔は分かった……名前はすでに照から聞いている……。
後は話題を誘導すれば……。

413 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:04:47.72 ID:XYE167fn0

魅上「……そろそろ相関図を書かないか?」

 ……! さすが照ね。

鷹野「そうしましょうか。……じゃあ私はここからここを書くから、照はそっちを」

魅上「分かった」

ニア「……」

レスター「……」

 ようやく、ようやくこのときが……落ち着いて……もしここで止められでもしたら終わり……。
ニアも月もこちらを見ていない……今がチャンス……!

414 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:08:32.37 ID:XYE167fn0

 たった3人の名前を書くだけなのに、恐ろしく時間が長く感じられた……でも、終わった……。
あと40秒……あと40秒で私の勝ちになる……。

 勝利宣言はいつしようかしら……もし下手なタイミングで言って、レスターに撃たれたら……
それこそお笑い者だわ。……いえ……35秒。35秒で勝ちを宣言しましょう。

ニア「……」

魅上「夜神さんとニアの関係はこうなるわけだな」

 照……あなたが私を信用してくれたから、私の勝ちは実現した……。
あなたはずっと、私の側近として働く……私は神になり、あなたはその従者……。
 あなたにはその資格がある……。

 あと10秒……ということは、あと5秒で勝ち宣言ね……。

425 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:15:29.05 ID:XYE167fn0

 5秒たった……ニアが死ぬまであと5秒……!

鷹野「……ニア、私の勝ちよ」

ニア「……!」

 3、2、1……! 

 さよなら、ニア。私はあなたを超えたわ。

ニア「……」

月「……」

 ……。

鷹野「……?」

ニア「……?」

 ……ニア? なぜあなたはそこに座り続けているの……こちらを見据えて!

432 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:20:55.72 ID:XYE167fn0

ニア「”私の勝ち”……そう言いましたか、ミヨ」

鷹野「……!」

 待って、何が起こっているの、これは!!

鷹野「これは……いったい……」

月「残念だったな、三四」

鷹野「……!?」

ニア「……!」

月「本物はこっちだ」

 何……何を言っているの、月は!?
 私が手にしているこのノートの切れ端は、間違いなく本物のデスノートのはず……。
今まで私がずっと、肌身離さずもっていた……。

 でも、実際誰も死んでいない……まさか、本当に……!?

437 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:24:02.81 ID:XYE167fn0

鷹野「く……それを渡しなさい!」

 夜神月! 私が隠していたノートの切れ端をすりかえたのは見事……でも、
ここに本物を持ってきたのは大きな間違い!

月「三四、待て! うわ!?」

 バカね、頭ばかり使いすぎて身体のほうが鈍ったのかしら!?
これにもう一度ニアの名前を書けば!!

レスター「何をしている!」

ニア「……待ってください、レスター。
    L……そのミヨが持っていたノート、貸してもらえますか?」

月「ああ、分かった」

439 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:29:20.07 ID:XYE167fn0

鷹野「書いた、書いたわぁ! あなた達は、今度こそ全員死ぬのよ!!」

ニア「……ミヨ……鷹野三四。お前はここに書いたのと同じことを、またそのノートに書いたのか?」

鷹野「……? 当然じゃない!」

 何を言っているの、ニアは。死を目前にして頭がおかしくなったんじゃない?

ニア「それなら、私達は死にませんよ。名前が間違っていますから」

鷹野「……」

 名前が違う……? 私は魅上に聞いたとおりの名前をちゃんと……。まさか間違えた……!?
でも、月が持っていたノートの切れ端に今書いたのも、私の記憶どおりのもの……。

”Nate Siver
 夜神光
 Banthony Carter”

443 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:33:35.98 ID:XYE167fn0

-YB倉庫-(ニア)

 鷹野が名前を間違えてた……? いや、それならば、魅上が覚え間違えをした、というのが妥当だ。
だが、これは……夜神光……だと……。

魅上「無様だな田無美代子。いや、見苦しい。名前が美しい代物なのに、名前負けだな」

鷹野「照……!?」

 タナシ……ミヨコ……! 魅上……!!

ニア「……L……夜神月……キラ……やってくれましたね」

月「何のことだ、ニア」

 やはり40秒たつまではとぼけるつもりか……。

449 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:37:42.03 ID:XYE167fn0

鷹野「何、どういうこと!?」

ニア「私は、あなたが動かないのをずっと疑問に思っていました……が、どうやらそうではなかった。
    動く必要がなかった……ということですね」

月「……」

レスター「ニア……? ……!? ぐああああ!?」

 レスター……!? 先にレスターの名前を書きましたか、夜神月……。
銃を持っているのは彼だけ……。

 ということは、私やミヨが死ぬのは、少し後にしたということ……自分の勝ちを宣言するために!

451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 23:39:05.28 ID:/Un2In8J0
ほんと勝ち宣言好きだなww

457 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:42:25.05 ID:XYE167fn0

-YB倉庫-(月)

月「くくく……あーっはっはっは!」

鷹野「……!?」

ニア「……」

月「さすがと言っておこう、ニア。僕の策に、今さらといえど気づいたこと。
   そしてノートに名前を書かれたことに気づいても、その落ち着きよう」

 ニアはすでに死の覚悟をしていたはずだ……ならば当然ともいえるが。

鷹野「どういう……ことなの……?」

月「まずはこれを見るといい。さっきお前が捨てた、お前が最初に持っていたノートの切れ端だ。
   ……このノートは本物。ニアに渡す前に、端をちぎった」

”Aanthony Carter
 多梨美代子 多無美代子 田梨美代子 田無美代子
 NateRiver”
 
鷹野「……!?」

461 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:47:23.45 ID:XYE167fn0

月「三四。そろそろ時間だ。お前の……負けだ!」

鷹野「な……何で私の名前を!? いつ、いつどこで誰に!?
    そのノートは本物……!? 私はニア達の名前を書いても死ななかったのに!」

 そうか、4つ書いたうちの1つは当たり……。
 正直賭けだったが、僕は賭けに勝ったようだ。

月「ニアが言っただろう。名前が間違っていたと。
   それと、僕の名前は夜神月……光じゃなく、月だ」

鷹野「そう……そういうこと……照……あなたは……。
    ……!? うぐ……あ……夜神月……だったのね……ならばどちらにしても……」

 ……。
 所詮お前はその程度の女だ、三四……。

467 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:52:05.32 ID:XYE167fn0

月「さてニア。お前もあと僅かの命だ。じっくりと負けの味を噛み締めろ」

ニア「……。私はミヨに殺されるとばかり思っていましたが、正直意外ですね」

月「……冷静だな」

ニア「……初代Lが死ぬときは、どうでしたか……?」

 ……。

月「……僕の勝ちだ、ニア」

ニア「……やはり……私は……間違って……いなかった……が……ま……」

479 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:56:39.35 ID:XYE167fn0

 ……。

月「魅上……よくやってくれた」

魅上「いえ……私は神の仰せのとおりにしたまでです。それよりも、数々の非礼をお許しください」

月「いや、もともと僕が指示したことだ。謝罪なんて必要ない」

 ニア……三四……お前達は気づかなかっただろう。僕が魅上に指示を出していたことを。
あの幼稚なメッセージが全ての鍵……あれでお前達は、僕を見下したことだろう。

 だが!

 それこそが僕の狙い、僕のしかけた罠だったんだ!

485 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/21(金) 23:59:29.51 ID:XYE167fn0

 あのメッセージを書いたとき、僕はレスターに見られていた。だが、手元を覗き込むのではなく、
対面から僕の様子を伺っていただけ……つまり、書いている途中では、何が書かれているのか分からない。

 人は、手元が見えない状態で文章などの長いものを書かれると、実際にどれくらい書いているのか、
よく分からなくなる。だからこそ、僕は文章を書いたんだ。

 そしてそのとき……僕は自分の手にも、文字を書いた。
 見ている相手がニアや三四ならば無理だっただろう……が、レスターならば、なんとかなった。

 逆にニアや三四からすれば、そんなことはすぐに気づけることで、僕がそれをしてくるなどとは、
考えられない。

 たったそれだけのことで、僕は今を迎えた。単純なトリック……いや、トリックですらない。

 そしてそれを、魅上に見せた。
 このときのために、僕はあの無駄な、長いメッセージを書いたんだ。

488 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:03:34.31 ID:1coP8Y5n0

 あのメッセージは、縦読みで”ノートすりかえ注意”とするように書いた。
 ニアや三四はすぐ気づいただろう、そして、自分達をバカにしていると感じたはず。

 そしてニアは、”夜神月は鷹野三四が動かないと何もできない”と感じ、
三四は、”夜神月はニアに監視され、身動きがとれない”と思ったはずだ。

 これこそ、僕の狙いだったんだ。

 そうすることで確実に隙が生まれ、その後に、あのメッセージを魅上に見せると同時に、
手に書いた、本当のメッセージを見せた。

 人は人をバカにすると必ずおごる。一瞬でも、必ずだ。その瞬間に、僕は魅上に指示を出した。

492 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:06:28.46 ID:XYE167fn0

-----

月「それにしても魅上……お前は本当によくやった。あの短いメッセージでここまで……。
   さっきの三四の名前の件もそうだ。三四は後で殺す手もあったが、あそこで殺したほうが都合がいい」

魅上「いえ……ありがとうございます」

 僕が魅上に指示したこと。それはたったの三点。

・ミヨをしんようするふり
・ニア、カーターのなまえ一文字目をずらしてミヨに言え
・夜神光

 自分の手に書く、しかもレスターの監視下で行うことになり、詳細は書けなかった。
しかし、魅上はそれを実行した……。
 やはり使える……!

497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 00:08:41.35 ID:uIukZ3nF0
こっちの魅上優秀すぎるだろww

502 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:10:29.45 ID:1coP8Y5n0

 この指示があったから、僕、三四、魅上、レスターでの、無駄な話合いが続く中で、魅上は僕ではなく、
三四を支持していた。そうすれば三四は、魅上が自分を信用したと思い込む。
 そうすると三四は、魅上を信用してしまうことになる。三四自身気づかないうちに……。

 そうなれば後は簡単だ。頃合を見て魅上が、ニアとレスターは、名前の一文字目をずらしたもの、
また、僕の名前は本当は夜神光だった、といえば、三四は勝手に動く。
 僕の名前を方を信じるかは微妙なところだったが、リドナーのときに盗聴していたのならば、
より信ぴょう性が増しただろう。

 そしてニアはニアで、僕に注目していないから、三四を罠にはめようとする。
ノートすりかえ……結局その策でくるとは、やはりたいしたことはないな……ニア……。

511 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:15:40.80 ID:1coP8Y5n0

 また、三四がニアのノートすりかえを読み、デスノートの切れ端を隠しておくことは、容易に想像できた。
ニアは僕に、ノートすりかえの策のこと、そしてそれが実行されたことを言わなかったが、
YB倉庫へ行くことを了承した時点で、その策を取るということの証明になった。

 ここまで分かっていれば、勝利への筋道を立てることは簡単だ。

 まず三四に、自分の持つ本物のデスノートへ、間違った名前を書かせる。だがニア達は死なず、
そこで僕は、用意しておいた、ただの紙切れを見せる。
 三四は、ニア達が死なないことで、その紙切れを本物のデスノートだと思うだろう。

 そして自分が持っていた本物のデスノートを捨て、僕に飛び掛る。
僕はわざと紙切れを渡し、三四が捨てたデスノートを拾い……名前の1文字目をずらして書く。

 ニアは最初にNと名乗っていたからファミリーネームの方を変え、レスターはカーターというふうに紹介済みだったから、
ファーストネームの方を、魅上は変えたのだろう。実際それらをずらすと、ニア達は死んだ。

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※補足

一文字ずらすというのは、アルファベッドを一文字後のものにする、ということです。
A→B R→S という具合に。
月は、それを逆にずらす……つまり、BをAに変え、SをRに変えました。

517 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:19:09.75 ID:1coP8Y5n0
-----

魅上「神……これからどうしますか?」

月「邪魔者は全て死んだ……また犯罪者裁き……そして新世界の創世だ」

 そう……邪魔者は消えた……。
 L……ニア……メロ……三四……。

 お前達は新世界の神に抗った罪で、殺されることになった! 本当に愚かな者達だ。

リューク「なぁ月、そういえば弥海砂はどうするんだ?」

 このタイミングで……。

月「……殺してもいいが……まぁどうせデスノートの記憶もない。
   結婚でもなんででもしてやるさ」

リューク「うほっ」

524 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:25:03.80 ID:1coP8Y5n0

月「そろそろ行くか。ここにいつまでもいるのはまずい」

魅上「鷹野三四が準備していた逃走方法があります。それを使いましょう」

月「分かった」

 三四……最後だけ役に立ったな……。

?「そこまでです。夜神月、魅上照」

月「!?」

ニア『あなたの負けです』

 な……ニアの声……!? そんな、まさか……!

543 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:30:53.54 ID:1coP8Y5n0

魅上「誰だ!」

ロジャー「ロジャーという者です……ワイミーズハウスの管理をしています」

 ロジャー……ワイミーズハウス……ニア……!
 ロジャーと名乗る老人の後ろには、銃を構える警察……いや、FBIか……?

 なぜこんなことに……! それとさっきの声は……?

ニア『今そこにいるのは、夜神月でしょうか、鷹野三四でしょうか。鷹野三四の可能性が高いです……が、
    夜神月……お前は何をするか分からない……こちらの可能性も十分あるでしょう』

ロジャー「これは、ニアが数日前に私に渡した音声データです……」

 音声データ……!

560 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:37:28.78 ID:1coP8Y5n0
-----

-5日前・ワイミーズハウス-(ニア)

ロジャー「……! ニア……今なんと……?」

ニア「私は、自分の死を持って、鷹野三四、夜神月、魅上照がキラだと、証明します。
    もうこれしか、残された方法はありません」

ロジャー「本当に……またやるつもりなのか……?」

ニア「はい」

 私はLを継ぐ者……Lには劣るのは分かっている……が、それでもLの真似事だけはできる。
Lは、自分の死を以って、史上最悪の殺人兵器の存在……デスノートの存在を明かした。

 ならば私は……それによって、キラを明かす……。

 この策は……一度目のYB倉庫のときもとっていた。
万が一、あそこで私が死ぬようなことがあれば、これと同じ策を取るつもりだったが……
キラが捕まるわけでもなく、私が死ぬわけでもなく、こんな形になるとは……。

 自分が死ぬことで解決、なんてバカげているのは分かっている……が、
むげに死ぬくらいならば……。

564 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:40:14.89 ID:1coP8Y5n0

-時間軸戻る・YB倉庫-(月)

ニア『鷹野三四……お前が、私の策……ノートすりかえを読んでいることは分かっていました。
    そして本物のノートが私の手元にあるということは……お前は切れ端か何かを持っているのでしょう』

 ニアは自分の命を捨て……どちらか残った方……僕か三四に対して負けを突きつけるため、
こんな音声を残したということ……なんてことだ……。

ニア『私はわざとその策に乗った……。そうすれば、私がお前の前に現れるのは不自然でない。
    自分の策は成功し、鷹野三四を捕まえられる……そう私は考えていると、お前は思うでしょう。
    だが違う……私は、実際のところ負けなのかもしれない……殺されていますから。
    ですが、本当の意味では私の勝ちです』

魅上「……」

月「……」

569 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:44:44.17 ID:1coP8Y5n0

ニア『夜神月……お前は、あのメッセージ……縦読みというくだらない暗号を残した後、何も動きを見せない……。
    お前は、いつも積極的に動いていた……その意味では、私は不気味でしょうがなかった。
    だが、もし策があり、今そこにいるのならば……私はお前を読みきれなかった。その点では私の負けですね。
    ですが……今お前のいる立場を考えてみれば、そうも言っていられないでしょう』

月「ぐ……!」

ニア『鷹野三四……夜神月……魅上照……。お前達がキラだ!』

魅上「……! 神、奴らの名前をそこに!」

月「分かった!」

ロジャー「動くな!」

月・魅上「……!!」

ロジャー「あなた方は、自分の置かれた状況を分かっていない」

 分かっている……分かっているからこそ……。

581 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:49:35.57 ID:1coP8Y5n0

ロジャー「まずデスノートそこに置いてください。それ以外の行動を取れば撃ちます」

月「……」

リューク「くくく、どうするんだぁ、月ぉ」

 どうするもこうするもない……いかにデスノートをいえど、何十人という人間から銃を向けられたら、
成す術がない……。

 ……だが。

 僕はLやニアといった、僕には劣るが、それなりに優れた人間を相手にし、そして打ち勝ってきた。
ならば、それに遠く及ばない連中が何人いようとも、僕の敵ではない。

 どうせ、奴らは僕や魅上は殺すつもりはないのだろう。ならば……付け入る隙はあるはずだ。

585 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 00:52:40.57 ID:1coP8Y5n0

魅上「神……」

月「……大丈夫だ……が、今はあいつらに従うしかない」

リューク「本当に大丈夫なのかぁ? このままお前が牢獄行きなんてなったら、
      俺がずっと退屈じゃないか……だったら……」

月「待て! 僕は新世界の神だ。こんなことで負けるわけがない」

リューク「ふーん」

 そうだ……僕は新世界の神……。
 新世界の意味も分からぬこんなバカどもに負けてたまるか。
 そして僕は……。

 ……!?

601 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:01:18.94 ID:1coP8Y5n0

 な……何だ、急に胸が……!?

月「ぐあ……」

魅上「神……!?」

ロジャー「?」

 まさか……まさか……心臓麻痺……!?

月「りゅーっ……くっ!」

リューク「おい何だよ、俺は何もしてないぞ」

 確かに……リュークはさっきから何も……。
まさか魅上が!? いや、ここに来てそれはありえない……。
 ニア……それこそありえない……。

607 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:04:07.20 ID:1coP8Y5n0

 ……! 鷹野……三四……!
 あいつは死に際、なんと言った!?

”そう……そういうこと……照……あなたは……。
  ……!? うぐ……あ……夜神月……だったのね……ならばどちらにしても……”

 ”どちらにしても”……まさか、これは……。

 すでに”夜神月”はデスノートに書いたから、どちらにしても死ぬ。

 そういう意味だったのか……!

616 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:06:53.23 ID:1coP8Y5n0

-23日前( >>326 の後)-(鷹野)

 そうね……やはり月を消しておくべき。
 それは、魅上がニアの名前を私に教えるまでするべきじゃないけど……あと1週間もすれば、
魅上は完全に私の物……。

 でも……もし夜神月、というのが本名じゃなかったら?
 今さらだけど、この可能性はないとは言い切れない。

 月はデスノート最初の所有者……そしてそれゆえに、顔と名前、それらの重要性はよく分かっているはず。
ならば、デスノートを使おうと思った時点で、偽名を使うことも同時に考えたのでは……?

 ありえない話じゃない。実際、リドナーを仲間に引き込むとき、夜神光が本名とも言っていた……。
それを聞いたときは、でまかせかとも思ったんだけど……。

 いえ、だとしても同じこと。大事をとって、殺すのは23日後にしておきましょう。
そしてその23日後に、YB倉庫でニア達と対峙するようにすればいいわね。
月の本名は、後で魅上から聞けばいい……今の魅上なら、それくらい答えてくれるはず……。

”夜神月 心臓麻痺 23日後死亡”

618 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:10:09.96 ID:1coP8Y5n0


-時間軸戻る-(月)

 ……そうか……僕は、三四、そしてニアに勝った……。
デスノートを使って奴らを殺し……物理的には僕の勝ちなんだ……!

魅上「きゃ……神ぃ!」

 しかし……僕は結局、ニアには策で負け、そして三四に殺される……。
自分の命を賭けたニア……そしてデスノートを持っていることで、常に優位に立っていた三四……。

 僕は負けたのか……二人に……。

 死……。

 死……?

625 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:13:19.16 ID:1coP8Y5n0

月「リューク……僕は死ぬのか……!?」

リューク「さぁな。俺の目にはお前の本来の寿命が映ってるから分からないな。
      だがデスノートに書かれたのならば……お前は死ぬ」

 僕の負け……死ぬ!?

月「な、なんとかしろ、何か手はあるんだろ……!?」

リューク「その答えは、お前が一番よく知っているはずだ」

月「ぐあ……死にたくない……逝きたくない……死にたく……」

 ……。

ニア『……全て終わったんです……夜神月……L……』


        -完-

627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:14:29.13 ID:OAFuRxwPO
面白かった!
おつかれ

630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:14:45.26 ID:Hnk36I2KO
魅上はすごく有能だったのに…


631 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:14:55.48 ID:KYa97mkk0
全員死亡で綺麗に纏めたか…乙

637 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:16:09.11 ID:1coP8Y5n0

 これで終わりです、皆様、本当にありがとうございました!

 ここからは、補足とか質問とかしてくかんじにしたいですが、
需要あるんでしょうか。


 とりあえず補足しとく点として、>>619 >>621

619 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:10:21.44 ID:KYa97mkk0
>>616
先にノートに書いちゃうと、次に書いた名前は無効になるよ?
ミヨはただルールを把握してなかっただけ?

621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:12:04.40 ID:qa/74c5H0
>>619
Mだったんだから把握してない筈が無い
そこは、スルーしてやれ


 そのケースは映画であったように、同じ人物に対し、正確な名前が書かれた場合です。
 今回は一度目は夜神月、二回目は夜神光なので、片方しかあっていません。
よって、そのケースは適用されません。

642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:16:35.73 ID:Ydrs8DqEO


ついに月が神になれるのかとおもったらそんな事無かった

649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:17:29.33 ID:KYa97mkk0
皆で集まった時に相関図書き始めたが何でそんな流れになるのか説明して
全く理解できない

659 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:23:14.09 ID:1coP8Y5n0

>>649
 そこはだいたい書いてあるとおりですが、
まず鷹野はキラ事件に関することをまとめたノートを持ってきました。
これは後でデスノートを自然に出すためであり、また、何かものを書く、
という動作を不自然にしないためです。
 そして、その際より不自然でなくするために、その場の全員がものを書く状況、
それを作りたかったんです。

 別にそれは相関図でなくていいし、例えば死んだ人間の名前をあげるとか、
そんなかんじで、とにかく”ものを書く行動が自然”という状況にしたかった、ということです。

>>649
 書き忘れたのでもう一つ。
 ニアも月も、鷹野の策は読んでいたので、むしろそれを実行させたかった。
ゆえに、その流れに不自然さを感じたとしても、止めることはしません。

650 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:17:34.24 ID:36tP+Sh40
なんで三四は先に月殺しておかなかったの?

662 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:25:24.21 ID:1coP8Y5n0

>>650
 鷹野が23日後に設定したのは、まだ魅上からニアの名前を聞いておらず、
盤石とはいえない状態でした。
 仮に先に月が死に、魅上がそれを不自然に思うと、ニアの名前を聞けない可能性があります。

 また、鷹野のこの話の中の性格として、勝ち宣言をしたい、ということがあげられます。
 ゆえに、ニアと月の前で勝ち宣言をし、自分の目の前で彼らが死ぬのを見たかった、ということです。

660 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:23:54.01 ID:APG74hrA0
三四って死神の目持ってなかったっけ…?
初めて会ったとき月の本名見破ってたし

666 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:28:35.25 ID:1coP8Y5n0

>>660 魅上もどっかで言ってましたが、目は持っていません。
    持っているのならば、魅上に頼らず、自分でニアの名前を見ます。
    後、鷹野はMで、SPK関係者です。SPK関係者は夜神月、
    という名前を知っているので、鷹野もそれに溢れません。

663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:26:18.52 ID:KYa97mkk0
互いが互いの手の内を知り尽くしてたからスルーしたって解釈でいい?

本編でも理解不能な箇所多くて
天才同士だから、で片付けるの辞めて欲しかったなぁ

667 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:31:43.88 ID:1coP8Y5n0

>>663 その解釈でいいと思います。

    大分はぶいたのは、申し訳ありません。
    一回一回書くと、本当に膨大な量になりますので、
    1000程度では収まる気がしませんでした。
    ……ぶっちゃけそんなに書くのはめんどかった。

    今回のやつは、一度メモ帳に書いたんですが、110Kバイトでした。
    今まで書いたのの2倍ですw

668 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:32:46.27 ID:lFYaDDs+O
>>1乙!
これでゆっくり眠れるww

678 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:38:37.11 ID:BXdx/6KuO
勿体無い
確かに途中までは面白かった
しかし、ラストが頂けない
結局ニアはライトの行動は読めないまま無策(後出しはしたけど)鷹野は初めからライトの名前を書いてたからってだけだろ?
策と策がぶつかり合って相手の上を行くのがデスノの面白さだと思う
死んでキラを証明とか別の漫画で十分だ
第一、後出しでキラを捕まえるなんて方法はLを信奉するニアに取って選択肢には上がらない筈
相手の上を行き、そしてキラを捕まえる
それがLの後継者としての正しい行動じゃね?

683 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:43:22.41 ID:1coP8Y5n0

>>678
 いや……言われてみれば確かにそのとおりです。
 策のぶつかりあいは、修正前のものでやって、大コケしたので、
 今回は避けたんですが……ニアの策は確かにいただけないですね。

 後だし……確かにそう言えなくはない。
 これはニアの策じゃありませんね。

 ありがとうございます。

695 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 01:54:32.94 ID:qlPmZfJXO
ミヨがレスターの顔とか知らなげだったのはなんで?
Mなら普通に知ってるでしょ

697 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 01:59:20.47 ID:1coP8Y5n0
>>695
 レスターの顔は知っていました。そうでなくては尾行ができません。
 ニアは、ワイミーズハウスでは会っていますが、能力以外空気だったため
鷹野は顔を覚えておらず、捜査時は通信以外していませんでした。
 こんなかんじですね。

699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:04:18.37 ID:9rSOS65v0
>>697
でもニアが目標であって、ライバル意識燃やしていたんじゃ?

いや、でも面白かった!乙!!

700 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:05:35.20 ID:qlPmZfJXO
>>697
名前間違えてたのは?
知らない訳がないでしょう

703 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 02:14:28.65 ID:1coP8Y5n0
>>700
 レスターの本名はアンソニー・カーターですが、
 SPK内ではアンソニー・レスターです。
 三四は後者なら知っているはずですが、それが偽名だとも知っています。
キラ捜査に望む以上、名前の管理は徹底されているはずです。

 また、中でレスターはカーターと名乗っていますが、普通偽名を使うならば、
ファミリーネームもファーストネームも変えると思うと、思います。
ゆえに、アンソニーが本名だとも思えなかった、ということです。

701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:05:38.33 ID:quAYp3aV0
これはひどい
ニアがキラだったらノートが偽物になっているのはおかしい
だれがすり替えたんだよって話

>>701
 ニアがキラだったケースを考えると、まずニアは月の顔を知らねばなりません。
そこで、まずはYB倉庫で偽物を用いて茶を濁し、後で月を殺す……という策もあるかもしれません。
 ……すいません今考えました。
 中では、そこを付かれないように月がしています。

705 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:20:06.70 ID:qlPmZfJXO
>>703
なるほど
わざわざ解説ありがとう
おもしろかったよ!

次回作楽しみにしてますノシ

710 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:27:32.74 ID:quAYp3aV0
>>703
いや意味分からんし
>ニアは月の顔を知らなければなりません
ニアがキラなら魅上はニアの仲間だろ
ニアがわざわざ月を殺さなくても魅上がその場で殺せばいい

711 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 02:35:50.36 ID:1coP8Y5n0
>>710
 そのとおりですね。
 ですが実際問題、ニアはキラではないので、それは起こりえません。
 この中では、あくまで「月がニアをキラにしたてあげる」ことが目的でした。

 実際リドナー以外はそう思っていませんし、ニア自身あまり重要視しなかったため、
言わなかった……こんなかんじで。

712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:47:16.27 ID:p7Nw5QtBO
面白かった
>>1乙
次回もまたデスノ読みたい

713 :ひろし ◆A4fdWKvZAk :2009/08/22(土) 02:48:23.77 ID:1coP8Y5n0

 では、人の流れが落ち着いてきたようですので、ここらで締めさせていただきます。

 2日間にわたる長い道のりでしたが、皆様本当にありがとうございました。
 昨日は寝てしまったり、今日はバイトがあったりと、本当に迷惑をおかけしました。
 ですが、皆様のおかげで終わることができます。

 これを見ている方は少ないでしょうが、本当にありがとうございました。

714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/22(土) 02:49:54.99 ID:oyKO/8VWO
>>713
本当に乙!次回作期待してるぜ!



出典:天才
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