キャバ嬢を愛して6
2009/11/07 11:49 登録: えっちな名無しさん
「昨日の客は最低だった」
伊豆半島を目指して走る車の助手席で、ぼーっと景色を眺めていた千佳が、口を尖らせていいました。
千佳が店の愚痴を言うのは珍しいことです。
「団体客に着いたんだけど、そろいも揃っておっぱい星人ばっかしでさ。
私みたいなのは生きてる資格ないらしいよ、女性として」
「あはは。そこまで徹底的に言われたか!」
もっと乱暴な客を想像していたため、俺は思わず吹き出しだしまいました。
「笑い事じゃないっすよ。
あれだけ人数いたら、ひとりぐらい貧乳派がいてもよさそうなもんなのに。
……世の中、巨乳好きばっかりだと、『春菜』さんとしては死活問題ですよ」
「俺は好きだけどなあ、千佳の胸」
「それは知ってる(笑)。だから千佳的には問題ないけどさぁ。
……最近、『春菜』さん的にはいろいろ限界感じるね」
「ふーん。そうなんだ?」
「年上みんな辞めて店じゃ一番年長になっちゃったし、新人は若くて巨乳の子ばっかりだし。最近は指名も増えないしね」
「増えるのはブラに詰めるパットの枚数ばっかし、ですか?」
「そうなのよ……って、おい」
見事なノリツッコミです。
「じゃあ、選択肢はふたつだな」
意地悪く笑い、千佳に向かって指を2本立てて見せます。
「ふたつ?」
「そう。素直に店を辞めるか、それとも整形でおっぱい大きくするか」
「うーん、まだ店辞められないし……豊胸するかなぁ」
「貧乳好きとしては最悪の選択だな、それ」
「でも、アレだよ、大きくなったらパイズリとかしてあげられるよ?」
「む? それは……」
「……なんだかんだいって、ふっくんもおっぱい星人ですか?」
「そーいうわけじゃないけど。千佳のパイズリ想像したらちょっと勃った」
「この、裏切り者が!」
そういって、ぺちっと股間をはたかれました。
思わず車がヨレます。
「おっとっと」
「ひゃ〜」
「運転中にそーいうのやめれ。危ないし」
「はーい。……でもさー、世の中には運転中にフェラさせる人とかもいるらしいよ?」
「いるらしいな。危ないと思うけどなぁ」
「……試してみる?」
小悪魔のような笑顔で、千佳はジーパンの上に手を這わせてきます。
思わず生ツバを飲み込むと、千佳は大笑いしながら手をどけます。
「あはは。冗談、冗談。安全運転お願いします!」
千佳にとっては軽い冗談でも、俺は完全にスイッチが入ってしまいました。
道路脇に、材木置き場か何かの、ちょうどいい広場を見つけると、そこに車を突っ込みます。
車を駐めると、間髪おかずに千佳に襲いかかりました。
「あ、こら……」とわめく唇を塞ぐと、服の上から胸を揉みます。
そこそこの盛り上がりで服を押し上げていた胸に柔らかさはありません。
硬いブラと厚いパットの感触。
「偽乳すぎるな、これ」
「死ねっっ!」
陽が傾き始めた頃、奥伊豆の温泉旅館に到着しました。
俺は左側頭部にできたたんこぶをさすりながら車を降りましたが、千佳はまだ怒っているようで、助手席で腕組みをしたままです。
「あの、千佳さん。到着しましたが……」
「……」
車に気が付いた仲居さんたちがやってきて、荷物を受け取ります。
ようやく千佳も車を降り、玄関へと向かいましたが、仏頂面はそのままです。
「ごめんなさいっ、調子に乗りすぎました」
「ったく、もう。……頭、平気?」
先ほど、グーで思いっきり小突かれた側頭部はまだズキズキしていましたが、「大丈夫」と応えておきました。
ここの旅館のウリである景色のいい露天風呂。
当然、混浴ではありませんが、森林のなかでの入浴は運転の疲れを解きほぐしてくれました。
風呂から上がり、部屋に帰ると、浴衣姿の千佳が部屋の隅にあったマッサージ・チェアでうとうとしていました。
あえて声を掛けず、そそくさとお茶を入れていると、
「……ねえ、キャバ嬢の賞味期限て、何歳ぐらいまでかな?」
ぼーっと天上を見上げたまま千佳が言いました。
実に応えにくい質問です。
「うーん。ぶっちゃけ人によるし、どんなキャラで営業するかにもよるかな。
アゲアゲなノリでいけるのって限界あると思うけど、キャバってそれを求めて来る人ばかりじゃないし……。
個人的には若いだけの娘に興味ない。
味が出てくる25歳以上の娘としっぽり話して癒される、ってのも重要だと思うよ。
千佳は……というか『春菜』はしっとり系だし、年齢より若く見えるし。『エンジェル』って店限定で考えると、客層、女の子の質を考えて、あと3年ぐらいかな」
「……模範解答、ありがとう。そうね、あと3年か」
「どうしたんだ? 千佳が『春菜』的な悩み事漏らすの珍しいじゃん?」
「うん。……ちょっとね」
「胸のことなんかより嫌なことあってようだね?」
「……昨日、あの店で働き始めてすぐ指名もらった常連のお客さんに指名切られちゃってさ」
目を伏せ、マッサージ・チェアの律動に身を任せたまま、弱々しい声でいいました。
「そうなんだ。てことは3年来のお客さんか」
千佳が『春菜』になって3年、そう聞かされていました。
夜の仕事は『エンジェル』が最初だそうですから、最初の指名客だったのかもしれません。
「うん。毎週欠かさず来てくれてた人でね。……昨日も来て……新人の巨乳ちゃんにとられちゃった」
「ふーん……」
なんとも複雑な気分です。
『春菜』のこととはいえ、男を盗られてどうの、なんていう話は、あまり聞きたくありません。
「あ。色恋とかまったく抜きの話だよ。
キャバの話にするとけっこう生々しいけど、入社してすぐ、営業にいった会社で気に入られて受注取ったんだけど、3年目にしてふっと顔を出した他社の営業に乗り換えられちゃった、って感じ」
そういいながら、千佳はマッサージ・チェアを降りて、隣に座りました。
「なるほどなぁ。上手くごまかされてる気もするけど、わかりやすいわ」
「ごまかしてないよ。その人は大切なお客さん。でも、それだけ。
……それだけなんだけど、『春菜』としてはそれなりに大切にしてきたつもりなんだけどなあ……」
「大切か。相手に下心があれば完全に逆効果だね」
「そっか。……そうだよね」
「男なんてそんなもんだ、って覚えとけ。下心なかった客でも、心を込めて接客しつづけていけば、どこかで勘違いする可能性はアップしまくるんだよ」
「なるほどね」
「まあ、仕方ない、としか言えないね……俺としては」
「ごめん、変な話で」
「いいってことよ(笑)。そんなわけだから、胸が大きくたってつなぎ止められるってもんじゃないぜ?」
「……胸の話はもういいから」
「よくない」
そういって、千佳を押し倒すと、浴衣の襟を割って手を入れ、さらにブラを押し上げて生乳を揉みます。
「ん……」
「この胸、大好き」
そういって、あいかわらず慎ましやかな乳首を舌先で愛撫します。
「わかんない奴は残念だな。こんな敏感で素敵なのに」
「あ……はぁ……。ありがと。ふっくん専用の胸だよ」
快感で潤んだ瞳でそう言った千佳は、本当に可愛い。
俺は胸から唇を離すと、長くてまっすぐな髪をなでながら、キスしました。
「胸だけじゃないだろ。全部、俺専用だ」
「……うん」
乱れた裾に手を入れると、すでに下着はぐしょぐしょでした。
「本当によく濡れるな……」
「余計なことはいわないでいいのっ」
千佳は恥ずかしそうに顔を背けます。
首筋から鎖骨、そして胸へと舌を這わせていると、千佳の手がいきり勃ったモノへと伸びてきました。
「運転中はしてあげられなかったから……」
そういって、トランクスの中に潜り込んだ指が、絶妙の刺激を与えてきます。
そして、股間に顔を埋めると、舌を伸ばして優しく舐めあげてきます。
長い髪をかき上げながら、先端にキスして、それから……。
そんな姿を見ているだけで、早くも暴発しそうです。
「う……千佳、もうやばい」
「出していいよ」
そういって、千佳はストロークを早めます。
「はあっ……っでる!」
口の中に、思いっきり白濁を注ぎこむと、千佳は喉を鳴らしてそれを飲み込んでくれました。
ほんの1分にも満たないフェラで、俺はあっさりといってしまったのです。
千佳は口元をぬぐい、顔を上げると、満面の笑顔で言いました。
「粗チンすぎるな、これ(笑)」
……このタイミングで仕返しですか。
思わず、ぐったりとその場に倒れ込んでしまいました。
目が覚めると、となりで千佳が低い寝息を立てていました。
俺は、その長い髪を指先で弄びながら、なんともいえない幸福感を味わっていました。
しばらくぼーっと寝顔を眺めていると、千佳が目を覚ましました。
「なに見てるのよ」
「ん。かわいい寝顔」
「……馬鹿」
そういって、布団の中に潜ってしまいます。
追うように俺も布団に潜り込み、なかで丸まっていた千佳を背中から抱きました。
お互い、浴衣どころかなにひとつ身につけていない状態でしたから、千佳のすべやかな肌が密着して、とてもきもちいい……。
暑くなって布団から顔を出すと、千佳もぴょこっと顔を出します。
「あーあ。毎日、千佳とこうやって寝られたらいいのになあ」
「んー。そんな毎日だとすぐに飽きちゃうかもよ?」
「んなことないよ」
「あはは、私が飽きるかも」
「……飽きられないよう、頑張ります」
収まりつつあった朝勃ちに張りが戻ってきました。
それをお尻に押しつけつつ、手は大好きな胸を捉えます。
「朝っぱらから……こら!」
千佳はばたばたと藻掻いて、俯せになりました。それならば、と舌を伸ばし、広がる長い髪をかき分けるように、背筋に沿って、尻の方向へと舐めていきます。
「んん……」
身悶える千佳。俺はさらに舌を進め、ほっそりした太ももの間に割り込むと、秘部にむしゃぶりつきます。
「ああ……ん、駄目だって……ば……朝からなんて」
「俺さ、朝するのけっこう好きなの」
「あはぁ……ん、そう……なんだ」
ふっと抵抗感がなくなりました。上半身は突っ伏したまま、腰を上げさせようとすると、協力的です。言外に”好きにしていいよ”と言っているかのようです。
俺は遠慮無く、掲げた尻に顔を埋めていきます。
「ひっ……あ……ん」
溢れる愛液をすすり、舌を差し込み、執拗な愛撫を続けます。
「ああ……欲しくなっちゃったよ」
俺も我慢の限界です。後ろから荒々しく千佳へと突き入れました。
「あああ……はあっ……」
小さく、それでいて途切れることなく漏れる千佳の嬌声。
本当に、こんな日が続けばいいのに。
一泊旅行を終え、日常に戻ると、待っていたのは転属の辞令でした。
これは予期していなかったことで、引き継ぎと残務処理で多忙な日々を送ることになりました。
入社以来慣れ親しんだ企画部を離れ、4月からは宣伝営業部へ。
役職も2階級上がる栄転です。
これまで何度となく連携して仕事をしていた部署だけに、やりやすいところとは言えますが、なにしろ、その責任者としての配属です。
転属まで残された日は少なく、自分の部署の引き継ぎ、宣伝営業部の前任者とのミーティング、引き継ぎの挨拶回りの日々……。
あまりに忙しく、10日以上、千佳とも逢えずにいました。
ようやく千佳に逢えたのは、田上さんが企画してくれた転属祝いの飲み会のあと、ふたりで訪れた『エンジェル』でのことでした。
「いやあ、こいついきなり出世しやがってさ。俺と横並びになっちゃったよ」
大声ではしゃぎながら、京香さんと『春菜』に、俺の転属を報告しています。
「『春菜』ちゃん、こいつ捕まえといた方がいいかもよ? 専務に上手く取り入った出世上手だし、将来性あるぜ?」
俺の転属が決まってから、田上さんはずっとこんな調子です。
「いいすぎじゃない? 出世はEさんの努力の賜でしょ?」
田上さんの暴言を京香さんがいさめます。
「ったく、一緒に企画部大きくしたかったのになあ……」
ぽろっと漏らした田上さんの本音。とてもありがたい言葉です。
棘のある言い方も、態度も、全部そこに起因しているとわかっているから、悪い気はしません。
「まあ、辞令だし仕方ねえか。人材いねえからなあ、ウチ。」
「……ですね。俺の同期も、ひとつ上も、すでに全員辞めちゃってますからね」
「ふぅん、人手不足なんですね」
と、『春菜』が笑う。
「私も雇ってくださいよ。バリバリやりますよ?」
「あー。いいね、『春菜』ちゃん。俺の秘書やってよ、エロい秘書!」
「こら、たーちゃん、誘う相手が違いませんか?」
京香さんがふくれっ面をつくります。
「京香は愛人でいいよ、愛人で。会社でまで怒られまくってたら身がもたねえって」
「なによ、それ!」
久しぶりのキャバ呑みらしい雰囲気に、ふわっと、気持ちが弛緩していくのを感じます。
きゃーきゃー騒ぐ田上さんと京香さんを横目で見ていた『春菜』が、ふと、千佳の瞳を俺に向けました。
「がんばって、ね」
「うん」
短いやり取りの中に、千佳との絆を確認できた気がしました。
出典:萌えちゃんねる
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