新世紀エヴァンゲリオン―逆襲のシンジー

2009/11/22 21:47 登録: えっちな名無しさん

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 13:37:56.74 ID:RL02zruK0
「状況は、どうなってる?」
シンジの落ち着いた声が司令塔に静かに響き渡る。

「エヴァシリーズ、以前数機のガンダムと交戦中。
ジャブローは、まだ制圧できていません」
オペレーターのマヤが、迅速に答える。

シンジはサングラスを指でスッっと持ち上げる。
「さすがはガンダム・・あの量産機を相手にこれだけ持ちこたえられるとはね・・」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 13:45:38.92 ID:RL02zruK0
シンジは見慣れた制服姿ではない。故・碇ゲンドウが
きていた司令服をおさがりで身にまとっている。

「戦闘が始まって約8時間・・S2機関を搭載しているエヴァシリーズは
 永久に活動し続けるが、ガンダム共のパイロットは生身の人間・・」

「果たしてどこまで持ちこたえられるかな・・・?」
シンジの顔に、にやり、と笑みが浮かんだ。それは、以前の彼を
知る人間には、想像だにできない表情だった。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 13:50:02.53 ID:RL02zruK0
モニターの中には、もくもくと上がる白煙が映し出されている。
と、そこへ
キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
甲高い雄たけびを上げながら、エヴァシリーズの一機が、一機のガンダムに肉迫する。

「こいつ・・・しつこいんだよっ!」
そのガンダム―他のガンダムよりはやや小型で、型には「F91」の刻印が
記されてある―は敵が振り下ろした大剣をかわし、すり抜けざまに相手の胴体を
ビームサーベルでなぎ払った。

しかし、そのガンダム、F91のパイロットであるシーブック・アノーには
“やった”という手ごたえが感じられなかった。
そして案の条、そいつは胴体を切られながらもこちらを追撃してくる。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 13:54:05.72 ID:RL02zruK0
「くっ・・」
――追いつかれる――
と思ったその瞬間、シーブックはビームライフルの光が敵に向かって発射
されるのが分かった。
不意打ちを受けた追撃者は、バリヤーのようなものでビームを受け止めるも、
バランスを崩して森へと墜落していく。

「大丈夫か、シーブック?」
聞きなれた先輩の声が、シーブックを安堵させる。
F91のモニターには、一機のガンダムの姿が映し出されている。
雄々しくもあり、そしてまた美しさをも湛えるその機体、νガンダム。
そして伝説的なニュータイプ、アムロ・レイ。

「また、アムロさんに借りを作っちゃいましたね」

「気にするな。それよりエヴァシリーズが全機「再生」状態に入った。
 今のうちに俺たちも休むぞ」

二機のガンダムはバーニアを吹かせると、彼らの母艦へと向かった。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 13:57:37.59 ID:RL02zruK0
「あ、おかえりなさい。アムロさん。シーブックさん」
ガンダムパイロットの中では最年少であるウッソ・エヴィン
がデッキから降りてきた二人に声をかける。
「これ、パイロット用です」
ウッソは二人に昼食を手渡す。

「君がこんなことまでしているのか?」とアムロ。

「ええ、僕はあんまり出撃しないし、少しでも皆さんのお役に
 立ちたいんです」

「そうか・・」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:02:58.06 ID:RL02zruK0
「どうして彼を戦闘に出さないんです?彼は優秀なパイロットじゃないですか」
シーブックがアムロに問いかける。

「彼はまだ少年だ。戦いなんてしなくてもいい。それに、もし
 万が一俺達が敗れた時、彼が最後の希望になってくれる」

ブリッジに入ったアムロは、ホワイトベース以来の戦友であるブライト・ノア
に声をかける。

「どうだ、エヴァシリーズの様子は?」

「予想通りだ。いくらS2機関の動力が無尽蔵ではあっても、一定の
 ダメージを受けると修復には時間がかかるらしい」

「ま、ATフィールドなんて反則もんのバリヤーもあるんじゃ、その
 程度の弱点がなきゃやってらんないでしょ」
ムードメーカーのジュドー・アーシタが口を挟む。

「しかし・・このままじゃジャブローは守りきれませんよ」
Zガンダムのパイロット、カミ―ユ・ビダンは深刻な顔である。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:09:20.41 ID:RL02zruK0
「そうだな・・せめてこちらの戦力がもう少し整えば、
 第三新東京市に攻め入る事ができるんだが・・」
ブライトの表情も浮かない。

「せめて・・こんな時に“あの人”がいてくれれば・・」
カミ―ユが呟く。

「カミ―ユ・・あの男は死んだ・・そうだろう?」
「アムロさん・・すみません」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:16:02.19 ID:RL02zruK0
「!!艦長、大変です!」
「どうした!?」

「エヴァシリーズが・・活動を再開しました!」
「ばかな、早すぎるぞ!!」

だが、モニターでは不気味にむくむくと起き上がるエヴァシリーズを
写し出している。

「くそっ!ブライト、全期出撃だ!ウッソ君、すまないが
 今回は君も力を貸してくれ!」
「分かりました、アムロさん!V2で出ます!」



そして・・・崖の上からそのエヴァシリーズを見つめる一人の男がいた。


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:26:46.82 ID:RL02zruK0
活動を再開したエヴァシリーズは、まるで活力を得たように
ガンダム各機に襲いかかる。

「なんとぉ・・!」
ウッソが毒づく。V2のメガビームライフルを持ってしてもATフィールドを
破る事はできない。
「ならっ!」
ウッソは機体の出力を上げ、“光の翼”を展開した。直径数キロに及ぶ
ビームの筋がエヴァシリーズの三体を包み込む。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:34:42.90 ID:RL02zruK0
「やったの・・!?」
それぞれ腹、胸、腕を切り裂かれながら落下していく三体。
ウッソは止めを刺そうとメガビームライフルの照準をその内の一体に
合わせる。
「今なら・・!これでぇっ!」

と、次の瞬間


照準を合わせていた目標が突然落下をやめ、こちらに向き直った。
その顔は、ニタリ、と悪意に満ちた笑顔が浮かんでいる。

一瞬、ウッソの背筋にぞくり、という感覚が走った。
そしてそれが、メガビームライフルの引き金を引くのを一瞬遅らせる。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:36:54.19 ID:RL02zruK0
アスカはもうちょい後

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:45:36.52 ID:RL02zruK0
「・・・!?外した・・!」
ビームをひらりとかわした敵は、バサッと翼を翻しV2に迫る。

咄嗟に回避運動をするウッソ。しかし、何故か機体が動かない・・!
「なんで!?・・そんな!?」
V2ガンダムは、いつの間にか背後に回り込まれていたエヴァシリーズに、
はがい絞めにされていた。

目前には、大剣を振り上げた敵が・・・・・・・!

(――――――――やられちゃうの!?)

ウッソが覚悟したその時・・・・血しぶきが、後方から上がった。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:57:40.60 ID:RL02zruK0
「ヒィィィィィィットォォォ・・エンドォ!!!!」
という叫びと共に、V2をはがい絞めにしていたエヴァシリーズの
頭が爆砕する。

そして、爆煙の中から現れた機体を見て、ウッソは驚愕した。

「ゴッド・・・・ガンダム・・・!?」

デビルガンダム事件以来、消息不明となっていた伝説のモビルファイターが、
目の前にいた。

「あれは・・!?」
「うそだろ・・・おい!」
アムロ達も、突然現れたその姿に、驚きを隠せない。


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 14:58:35.66 ID:RL02zruK0
「まずいな・・・」
ネルフ本部で戦況を眺めていたシンジが呟く・・・

(予想外のガンダムも加わった今、量産機ではあいつらを押させるのは難しいか・・)

シンジが冬月を呼び出す。

「セカンドを弐号機に乗せて空輸用意」
「・・・分かった」

(やはり、毒は毒を持って制するべきだな・・)


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 15:17:29.76 ID:RL02zruK0
数時間後・・ジャブローの大地には完膚無きまでに破壊されたエヴァシリーズ
が焼け野原に横たわっていた。

ゴッドガンダム、そしていつの間にか加勢に来てくれたGP-01やアレックス、
陸戦用ガンダムの活躍があってのことだ。

エヴァシリーズの再生には、今度こそ時間がかかる。
パイロット達は、しばしの休息を取っていた。


・・・と、静まりかえった艦内に、突然警報が鳴り響く。

「輸送機接近!パイロットは、MSにて待機!」

「おいおい勘弁してくれよ・・少しは寝かせろってゆーの」
「ぼやいてる暇ありませんよ、ジュドーさん。ほら!」
カミ―ユはジュドーを追い越し、Zガンダムに乗り込む。

「ブライト、輸送機は何機だ!?」

「レーダーに引っ掛かってるのは一機だけだ。・・どう思う?」

「この状況では・・俺がとりあえず様子を見る。他のMSは待機させろ」

カタパルトデッキが開く。

「νガンダム、アムロ・レイ、出る!」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 15:33:23.05 ID:RL02zruK0
風のない月夜。静まり返った夜に、突如大地から地響きが起こる。

眠りを邪魔された鳥が、ぎゃあぎゃあと喚きながら飛び去る。
そして、暗闇の中から四つの輝く目が浮かび上がる。

「とりあえず着陸は成功・・っと」
大地から起き上がる巨人。
明るい満月に照らされたその機体の色は、血のような赤。

その巨人、エヴァ弐号機のパイロット、惣流・アスカ・ラングレーは
満面の笑みを浮かべながら呟いた

「ふ〜ん、月夜の戦いってのも、なんかロマンチックじゃない」

突如、弐号機に振動が起こる。
上空に目を凝らすアスカ。その視線がかなりのスピードで動くガンダムを捉えた。
その頭部からは、牽制のつもりだろう、バルカンがこちらに向けて
発射されている。

「バァカじゃないの〜!?そんなもんがアタシの弐号機に、効くわけないでしょ!?」

アスカの声と同時に、弐号機はガンダムに向けて腕をブンッ!と振った


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 15:40:22.81 ID:RL02zruK0
「な・・・・っ!?」
ニュータイプとしての直感が、アムロに逃げろと伝えていた。

「くっ・・!?間に合うか!?」
咄嗟に脱出機構を作動させる。その瞬間、アムロは空中高くに投げ出され、
爆散する愛機を視界の隅に捉えた。

アムロの名誉の為に言っておくが、決して彼が弱い訳ではない。
脱出できただけでも、奇跡なのだ。ニュータイプとしての感性が、彼の命を救った。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 15:50:59.33 ID:RL02zruK0
「なんだ!?一体何が起こった!?」
ブライトが叫ぶ。
「わ、分かりません。ただ、腕を振ったようにしか・・・」
トーレスがしどろもどろになりながら答える。

「あの人・・ATフィールドを・・飛ばしたの・・!?」
V2のコックピットで待機しているウッソの声が、ブリッジに響く。

「本来なら防御のためのATフィ―ルドを使って攻撃したってのか!?」

「そういう考え方ができるパイロットなんですよ・・!」
ウッソのふるえる声が、再度ブリッジに響く。

「ブライト艦長、全機出撃しましょう。このままでは・・」
「カミ―ユ・・そうだな。よし、ガンダム全機発進!ウラキ少尉はアムロの回収を頼む!」


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 15:55:38.17 ID:RL02zruK0
・・・その時・・カミ―ユは何かの気配を感じた・・・・・・・・・・
何か・・・途方もない力を持った何かが・・・・未来からやってくる・・・
そんな気配を、最高のニュータイプであるカミ―ユの感性が捉えていた・・・

 第壱話 終


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 15:58:01.26 ID:RL02zruK0
続きは一時間後くらい?
読んでくれた人ありがとう

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 16:26:33.78 ID:RL02zruK0
保守してくれた人ありがとう
ちなみにミサトやレイは終盤少し登場予定です

・・え?ジェリド・・・?

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 16:43:49.83 ID:RL02zruK0
かつてのガンダム達の鬼神のごとき強さを知っている人たちは、
目の前の光景を到底信じられないだろう。

たった一機のロボット、しかも14才の少女が操るロボットに、
ほんの少しのダメージさえ与える事ができないのだから・・・

「・・・っこうなったら・・!」
カミ―ユはZガンダムをウェイブライダーに変形させ、エヴァ弐号機に向かって突撃した。

「あれは・・!」
「シロッコを倒した・・!」
「よぉ〜し、カミ―ユさんを援護する!来い、ウッソ!」
「了解です、ジュドーさん!」


「あら、なあに?特攻ってワケ?」
アスカは突っ込んでくるカミ―ユに対して仁王立ちになる
「フィールド展開・・・・!」
弐号機の前に、巨大なATフィールドが発生する・・・!



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 16:44:51.39 ID:RL02zruK0
「ここからいなくなれええええええええええええええええええ!!!」
カミ―ユの絶叫がこだました瞬間、ウェイブライダーはATフィールドに突っ込み、
月夜の空を一瞬の閃光が覆った。

ズオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・ゴゴゴゴゴゴゴ・・!!!!

「けっこう・・・・やるわねぇぇ・・!!でもぉっ!!!!」
「ATフィールドぉぉぉぉ・・最大出力ぅ!!!!」

その瞬間、先ほどよりもまばゆい光がジャブローを包む・・!


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 16:56:46.82 ID:RL02zruK0
凄まじい衝撃が起こり、一瞬センサーも無効になる。
さらに土煙が起こり、肉眼でも状況を確認できない。

「カミ―ユさん・・!?やったぜ!!」
視界が利かないZZの中でジュドーが思わず叫ぶ。
すると、シーブックがF91が機体を接触させ、“お肌の触れ合い回線”を開く。

「ジュドーさん、やったんですか・・?」
「ああ、カミ―ユさんのアレを喰らって無事なやつはいねえさ」

そこへ

「あ・・・あ・・・」
というウッソの通信が入る。

「回線が復活した!?おい、ウッソ、大丈夫か?」

「あ・・あ・・そんな・・おかしいですよ・・」


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:03:43.11 ID:RL02zruK0
「おい、どうした!?おい!?」
そして、ZZの前の土煙が徐々に晴れ、ジュドーはカミ―ユが突撃した
地点に立っている物体があるのを発見した。

「そんな・・カミ―ユさん・・」


それは、無残にも弐号機の右腕によって胴体を貫かれているZガンダムの
かわり果てた姿だった・・・!


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:08:23.45 ID:RL02zruK0
「なぁ〜んだ、最強のニュータイプって言ってもこんなもんかあ」
外部スピーカーを通して、勝気な少女の声があたりに響く。

「アムロ・レイも大した事なかったし、つっまんないの〜」


と、そこへ弐号機の死角にいつの間にか回りこんでいた
ゴッドガンダムが、奥義の構えをとり、

「はあああああああああああああああああ・・!」
と力を貯めている・・・!


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:10:34.71 ID:RL02zruK0
「!よせ、ドモンさん!その位置から撃てばカミ―ユさんも・・!」
「このバケモノを倒すためだ・・!仕方あるまい・・!」

「石破ぁ〜〜!!天驚けぇぇぇぇぇん!!!!!」

「打つなぁああああああああああああああああああ!!」

ドモンとジュドーの叫びは虚空に吸い込まれ、

そして、

「・・・来る・・・・・・」

蝶の羽根が、現れた。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:16:25.08 ID:RL02zruK0
「うっ・・何だったんだ・・今の光は・・」
コックピットの中で、銀髪の少年が呟く。

「これは・・!?僕はギンガナムと闘っていたはずなのに・・!?」
周り見知らぬ土地、さらに見覚えのない機械人形もたくさんいる・・・

「・・・!?月光蝶が・・!!??」


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:23:05.35 ID:RL02zruK0

「なんだあ・・?一体何が起こったんだ・・!?」
突然謎のモビルスーツがゴッドガンダムとエヴァ弐号機の間に割って入り、
そのモビルスーツの背中から発する色とりどりの蝶の羽根ような模様が輝いた。
そして、まるでドモンが放った技がその蝶の羽根のようなものに吸いこまれていった・・

少なくとも、ジュドーにはそう見えた


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:30:13.08 ID:RL02zruK0
「そんな・・あれは・・・まさか・・・」
シンジは立ち上がり、わなわなと震えだした・・

モニターに映し出された謎のモビルスーツ
その顔にはヒゲのような装飾があり、額にはAを逆さにしたような記号が
記されていた。

「まさか・・あれは死海文書に記されていた・・ターンエー・・」
「存在・・していたのか・・・!?」

「司令、どうしました?」
オペレーターの一人、青葉シゲルがシンジの異変に気づく


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:34:03.86 ID:RL02zruK0
逃げちゃだめだ・・逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ・・・!
シンジは震える体を押さえながら、ぶつぶつと呟く。

逃げちゃだめなんだ・・・僕は・・父さんの意思を継ぐって・・
決めたんだ・・・!たとえ、史上最悪のガンダム、∀が相手でも・・!

「アスカ、聞こえる?」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:43:10.79 ID:RL02zruK0
「聞こえてるわよ〜。バカシンジ。いきなり現れたこのダサいのは何?」
「うっとおしいから、やっちゃうわよ」

「待って!アスカ!・・・ここは・・一度引いて・・!」
「それは、地球上の文明を滅ぼすと言われている、禁忌のモビルスーツなんだ」
「うかつに刺激しないで・・一度本部に戻って・・!勝つために・・」

弐号機は腕からZガンダムを引き抜き、地面に放りだした。
「カミ―ユさん・・!」
とっさにジュドーが駆け寄る。

「じゃあね〜雑魚ロボットさんたち。また機会があったら遊んであげるわ」
そう言い残すと、弐号機は月に向かって跳ね、森の向こうへと消えていった。

後には、謎のモビルスーツと、傷ついたガンダム達が残された・・・・・・


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:53:55.53 ID:RL02zruK0
「では、君は、そのギンガナムという男と闘っている最中に、
 謎の光に包まれ、気がついたらここにいた・・そういうことかね?」

謎のモビルスーツに乗っていた銀髪の少年は、ロランと名乗った。
ちなみに彼の機体は“ホワイトドール”と呼ばれているらしい。

「はい、それで気がついたらホワイトドールが月光蝶を使っていたんで、
 あわてて・・」

「その月光蝶とは?」
ブライトが続けて質問する。

「僕もよくはわからないんですけれど・・・使ってはいけないものだそうです。
 文明を滅ぼしたとか・・・データでしか、知りませんけど・・」

「そうか・・ありがとうロラン君。ゆっくり休んでくれたまえ」


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 17:58:26.39 ID:RL02zruK0
「あ、それと・・」

「何だね?」

「皆さんが乗っている機械人形って、“ガンダム”っていうんですよね?」

「そうだが?」

「いえ、僕のいた世界では、ホワイトドールの事を“ガンダム”って
 呼ぶ人がいたものですから・・奇遇だなって思って・・」
「僕のホワイトドールは、ヒゲがついてますから、あんまりみなさんのガンダム
 とは似てないですけど・・・それでは、失礼します」


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:05:40.33 ID:RL02zruK0
「アムロ、どう思う?」

窓際に立っていたアムロが、ゆっくりとブライトの方を向く。

「彼はうそは言ってない。それはブライトにも分かってるはずだ」
「私が聞きたいのは、彼がニュータイプかどうかという事だ」

「彼はニュータイプではないが、ある意味では既にニュータイプを
 超えたところにいる人間かもしれないな」

「どういう意味だ?」

「そのままの意味さ。彼は自分を捨てて戦う事ができる。他人の為にね
 そういう少年だよ」


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:08:33.03 ID:RL02zruK0
「だが、俺たちはああいう少年の手まで借りて戦わなくちゃいけない」
「そうだな・・月光蝶・・危険すぎるとは思うが・・」

「だが、あれがあれば・・」
「ああ、ネルフ本部に侵攻し、あるいはセントラルドグマまで辿り
 つけるかもしれない・・・あのEVA初号機を倒してな」


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:13:07.98 ID:RL02zruK0
――――――セントラルドグマ―――――

LCLの中に浮かぶレイに、ゆっくりと近づくシンジ

「いかり・・・くん・・」
レイがゆっくりと口を開く。

「やあ・・綾波」
「もうすぐ、連中がここに来る・・でも安心してよ・・僕が綾波を守るから」

レイ、ゆっくりと頷く。


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:19:48.11 ID:RL02zruK0
セントラル・ドグマに

ドーン、ドーン・・という遠い響きが伝わる・・


「もう来たみたいだ・・じゃあ・・僕はいくよ綾波・・」
「いって・・らっしゃい・・」

プシューッ

ドグマを出るシンジ、そしてドアの外にいたアスカとはち合わせる。

「なによ、ただLCLに浮かんでるファーストにはあんな言葉かけて、
 第一線で戦ってる私には何の励ましもないワケ!?」

「アスカ・・君には感謝してるよ」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:26:38.41 ID:RL02zruK0
「ウソよ!アンタは結局ファーストが一番大事なんでしょ!?
 私は、ただの戦闘に勝つためのコマ・・!!」

「アスカ・・・!」
「私なんてどうせ戦う為だけの人形・・!」
「・・!!」

・・気がつけば、アスカは抱きしめられていた。
自分がさっきまで罵倒し、見下していた相手に。

「そんなこと・・思ってないよアスカ・・」

・・天井からは、ドーン・・ドーン・・と爆撃の音が続いている・・


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:32:27.13 ID:RL02zruK0
「だから・・そんなこと言わないで」
「・・・!わ、分かったわよもう!」

シンジを突き放し、くるりと背を向ける。

「行くわ、私。別にネルフの為でもあんたの為でもない。 私自身の為に。」

・・・シンジは、こちらに背を向けて走っていくアスカを見ながら、つぶやく・・・

「ごめん・・・アスカ・・・・」


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:39:33.49 ID:RL02zruK0
・・・・・一方、ネルフ本部上空では、エゥーゴの部隊が執拗な攻撃を繰り返していた

ドゴオッッッ!!!!ズオオオオォォォッ!!!
ズガシャーーーーーーーーーーーン!!!!


「いいか!?あと五分でエゥーゴの支援砲撃が止む!
 そしてMS隊は同時にネルフ本部へと降下!
 エヴァシリーズを完全に破壊する!!いいな!?
 ・・・・・・おい!左舷弾幕薄いよ!何やってんの!?」

ブライトの檄にも熱が入る。
無理もない、これから世界の行く末を決める戦いが始まろうとしているのだから・・

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:46:42.84 ID:RL02zruK0
「アムロ、機体の調整は間に合ったか?」
「ああ、このHi-νガンダムなら、やってみせる・・!」

「カミ―ユ、どうだ、リ・ガズィは?」
「Zの量産型なんでしょ・・?相性は良さそうですよ。いけます!」

「よし、後は・・」
「ロラン君も、いけるな?」

「はい、ブライト艦長。僕とホワイトドールが戦争を終わらせる力になるなら・・」

・・・そして・・エゥーゴの砲撃が止む・・・・!!!!


「よし、ガンダム全機出撃・・・!ガンダム降下後、アーガマは後退する・・!」



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 18:56:51.64 ID:RL02zruK0
―――――!

降下していくガンダムの中で、アムロは嫌な気配を感じとった。
「これは・・」

「みんな、油断するな!奴ら、すでにいるぞ!」

アムロの警告と共に地中から現れたのは、量産型のエヴァシリーズ・・
アムロ達がもううんざりしている相手だ

「みんな、散開しろ・・!一機ずつ囲むぞ!」


こうして、最後の戦いは火ぶたを切った


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:05:27.99 ID:RL02zruK0
・・・・・・・EVA初号機の格納庫・・・・・・・
初号機は特殊ベークライトで固められていて、乗り込むことは不可能にみえる
シンジは初号機を見上げ、
「来たよ、母さん・・・」

と呟く。すると・・・

ドゴオオオオオオオオッ・・

ベークライトを内側から破った初号機が現れる。
そして、シンジを導くように手を差し出した。

「僕の父さんを殺した憎むべきエヴァ・・でも、僕は・・・」

その時、シンジの耳に足音が聞こえてくる。

「!?誰?」
「本当に、行くの?シンジ君」
「!?ミサト・・・さん!?」


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:16:35.75 ID:RL02zruK0
「ミサトさん・・どうしてあなたが・・今更出てくるんです!?」
「裏切り者・・・僕の気持ちを裏切ったくせに・・!」

「そうね・・確かに私はあなたが新しい司令になるのに反対した」
「でも・・今でも自分の判断は間違っていなかっと確信しているわ」

「何を・・・!」
懐から拳銃を取り出すシンジ
「あなたがいけないんだ・・!あなたが・・裏切るから!!」
だが、銃身は小刻みに震えている


「シンジ君・・今更あなたを止める気はないわ。闘って、あなたが
 進んで来た道は本当に正しかったのか、それを確かめるといいわ」
「あなたが今までネルフ本部司令として歩いてきた道のりに・・
 ケリをつけなさい」


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:24:22.06 ID:RL02zruK0
「言われなくったって・・!行きますよ!」
初号機のエントリープラグを手動で開け、中に乗り込む。
LCLの感触が、何故かシンジには懐かしく感じた。

自力でカタパルトデッキまで初号機を移動させる。
進路クリア。オールグリーン。

「よし、エヴァンゲリオン初号機、発進準備完了・・」
「マヤさん、外の様子はどうなってます?まだガンダムが
 何機か抵抗しているんですか?」

「そ、それが・・・」
マヤの声が動揺している。まるでMAGIを使徒に乗っ取られた時のように。

「なんです?はっきり言ってください」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:31:22.43 ID:RL02zruK0
「の、残り一体・・・です。量産機が・・・」

「!?何だって!?・・・バカな、アスカは何をやってるんだ!?」

「そ、それが、アムロ・レイが乗る新型のガンダムに苦戦しているみたいで・・」
ちっ・・と唇を噛む。使えない連中だ・・・

「F装備を用意して下さい・・!マグロクEソードを!」

「しかし・・委員会の承諾なしでは・・!」

「かまわない・・!承諾なんて勝った後で取ればいい!」
「・・・それとアスカに伝えて下さい。一機でもいいから必ず落とせとね」


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:42:06.37 ID:RL02zruK0
ズオオオオオオオオオオオオ・・・・

「この・・!ウナギなんかにっ―――!!」
最後の一体となった量産機を相手に、ウッソが吠える。
だが攻撃は全てATフィールドにはじかれている。

「このV2アサルトバスターなら・・!やれるはずなんだ・・!」

(・・ウッソ!・・)

「・・・!?この感じ・・シーブックさん!?」

(連携で追い込むぞ・・!いいな!?)

「はいっ!シーブックさん!」


その刹那、F91が上空から降下し、一気に間合いを詰める・・・!
そのフェイスカバーは外れ、機体の周りには光の残像が浮かびあがっている

「質量を持った残像・・!?すごいや!」
(決めるぞ・・ウッソ・・!同じポイントを狙え・・!)


「メガビームライフルで・・!」
「なんとぉーーーー!」

F91のヴェスバーと、V2ABのメガビームライフルが、量産機のATフィールドを貫く・・・・!

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:53:34.01 ID:RL02zruK0
「はぁ・・はぁ・・」

「やったな、ウッソ」

「ええ・・なんとか・・」

「後は・・あの赤いのか・・」

・・・・・・ズザザザザザ・・!!!
「んもぉ〜!なんで今回はこんなにしつこいのよ〜〜!!!!」
弐号機はATフィールドをHi-νガンダムに向けて投げるが、
さっきから一度も当たらない。

「Hi-νガンダムは・・・伊達じゃない!」
大気圏内ではファンネルが使えないHi-νにとっては、
地球上ではその性能をフルには活かす事はできない・・・だが・


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:00:28.23 ID:RL02zruK0
「消耗戦になれば・・こちらの方が有利・・!」
いくら相手が強力なロボットに乗っているとはいえ、パイロットは
たかが中学生。

幾多の戦場をくぐってきたアムロとは、比べ物にならない。
(我ながら・・せこい作戦だとは思うがな・・)
(シャア・・お前ならこういう時はどうする・・?)

またも、アスカの攻撃をかいくぐりながら、アムロは
ハイパーバズーカを弐号機に叩きこむ・・・!

ドガァァァァァァァッ・・・・!!!

・・・期待を込めた眼差しで爆煙を見つめるアムロ・・・だが
何事もなかったかのようにのっそりと煙から出てきた弐号機
を見て、顔をしかめる。


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:07:44.70 ID:RL02zruK0
と、そこへ、鈍い衝撃が背中からHi-νガンダムにはしる。
「なんだ・・!?」
それは、頭部をビームサーベルによって貫かれ、胴体に
ぽっかりと穴が開きながらも、なおもガンダムに掴みかかってきた
エヴァシリーズ量産機だった。

「こいつ・・沈め・・!」
アムロは、まとわりついてきたそれを振り切り、バズーカを打ち込んだ。
ほとんどATフィールドが消滅していたそれは、あっけなく爆散した

・・・だが・・・


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:13:22.00 ID:RL02zruK0
「隙ありよぉ・・ニュータイプ・・・!」

アスカへの注意が一瞬削がれたアムロ・・・
そしてその隙を見逃さなかったアスカ・・・!!

「こぉれで・・・終わりよーー!!」

「!」

その瞬間・・・!
ズゴォォォォォォォォォォォ・・・!!
どこからか放たれた巨大なビームが弐号機を直撃した・・・!

「・・?これは・・!?」
「・・危なかったな・・アムロ・・」


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:18:38.08 ID:RL02zruK0
アムロがその機体をモニターで視認した時、
リ・ガズィに乗っていたカミ―ユもそのモビルスーツを望遠映像で確認していた

見間違える事がありえない、そのあまりに派手な色。
そして無線から聞こえるこの「声」・・

「シャアか・・?」

「・・今の私はクワトロ・バジーナだ・・だからこそこうして加勢にきた」


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:24:17.05 ID:RL02zruK0
「あなたは・・今まで何をしていたんですか!?」
カミ―ユが会話に割り込む。

「カミ―ユ・・この戦いが終わったらいくらでも私を修正するがいい」
「だが・・今はあれを叩く事が先決だろう・・?」

その時・・ジオフロントから巨大な光の柱が立ち上る。
それは先端で左右に分かれ、十字架の形をした柱となった・・

そしてその柱から浮かびあがってくる一体の巨人・・
紫色をベースにしたその巨人の顔は、まるで・・悪魔・・

「エヴァン・・ゲリオン・・初号機・・」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:31:16.73 ID:RL02zruK0
ゴォォォォォォォォォォォ・・
まるで、エヴァ初号機を中心にして、台風が発生しているように
風が荒れ狂っている。

そして・・・

ウオォォォォォォォォォォォン・・・

と、初号機が吼える。野獣のように。
背中からは六枚の光の羽根が生え、目は猛々しい光が渦巻いている。

「な・・・なんだよ、これ・・」
アーガマのクルーの一人が呟く。
「これが・・ロボット・・?」
「まるで悪魔じゃねえか・・!」
ブリッジがざわつく。

「落ち着け!対空砲座、照準!いつでも撃てるようにしておけよ!」


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:35:35.12 ID:RL02zruK0
クルーに檄を飛ばすブライトだったが、声でも出さないと
自分もあの悪魔に取り込まれてしまう気がしたのだ・・

一年戦争や、グリプス戦役も生き抜いたこの自分が・・
あの悪魔を前にしてまるで赤子のように震えている・・・

(アムロ・・・!頼んだぞ・・・!)


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:41:01.27 ID:RL02zruK0
「・・・アスカ」
シンジは、倒れたまま動かない弐号機を見下ろす。
全くの不意打ち、しかもATフィールドを投げようとして、
無防備なところへ打ち込まれた攻撃だ・・もう戦闘は無理だろう・・

「いいよ・・そこで見ててよ、アスカ・・ミサトさんも・・
 どこかで見てるんでしょ・・?」
「僕が正しいって事を・・証明して見せるよ・・こいつらを倒して・・」

「いくよ、ガンダム・・・!」


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:49:14.39 ID:RL02zruK0
「・・・!きた・・!」

・・・・ピカッ!!!!!!!
初号機の口から放たれた光線は、カツが操縦するネモを貫き、山の一部を消し飛ばした。

「だからあれほど・・!モビルスーツには乗るなと・・!」
カミ―ユがコックピットの中で毒づく。
幸い脱出装置が作動したようで、カツは無事だろう。

「ロラン君、聞こえるか!?」
「はい、アムロさん!」

「すまないが、君のホワイトドールの力を貸してくれ・・!」
「やつのATフィールドは、恐らく俺達の武器では貫通できない・・!」

「・・・!わかりました・・やれるだけやってみます」
「・・・人が、安心して眠る為には・・!」

ホワイトドールが、初号機の交戦をかいくぐり肉薄する・・・!


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:57:13.48 ID:RL02zruK0
「月光蝶なんて・・使いたくはないけど・・!」
「人を武力で征服しようとする人を、僕は許しません!」

ホワイトドールの目が赤く輝き、蒼く光る蝶の羽根が背中から広がる・・・!

「きたんだね・・∀ガンダム・・!」
シンジはマグロクEソードを鞘から抜く・・

ビームサーベルを抜いたホワイトドールが、初号機のATフィールドに
突っ込む・・・・!

そしてビームサーベルとマグロクEソードがぶつかり合う・・・!
と、同時に、

ホワイトドールの月光蝶が初号機のATフィールドを無効化する・・・!



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:03:51.84 ID:RL02zruK0
「今です!みなさん!」
月光蝶をまとったホワイトドールは、一時的なパワーダウンを起こして
墜落する・・・!

その刹那――そう、まさ0.01秒のような、一瞬の瞬間に、
全てのガンダムから放たれた攻撃が、初号機に降り注いだ・・・!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!」

そしてシンジは――


115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:09:51.21 ID:RL02zruK0
(シンジ・・・シンジ・・・・)

なんだろう・・・声が・・聞こえる・・
父さんと、母さんが呼ぶ声・・・・・
・・・ここは・・・・・・・・・・・

(カンカンカンカンカンカンカン)

ここは・・よく夢で見た・・電車の中・・
!?・・綾波?

「碇君、あなたは何が欲しかったの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「何が、気に入らないの?」
・・・・・僕自身だよ・・・・・・・
カオル君を殺してしまった弱い僕・・・・
でも、そのことをいつまでもひきずって・・・!
ウジウジしている自分が・・・嫌いだった・・!


116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:13:44.39 ID:RL02zruK0
だから僕は強くなろうとした・・
そう・・世界一って言えるくらいに・・
世界が僕より弱いなら・・・・・
僕はもう世界に傷つくことはない・・
そうだろ・・・・?
だから、僕はエヴァシリーズを使って世界を支配しようとした・・

それでいいはずなんだ・・なのに・・・
ミサトさんは・・・・・・・・・・・


118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:19:04.83 ID:RL02zruK0
「拒絶していたのは、あなたの方でしょう?」
(ミサトの声が響く)

・・・・・・・・・・違う!

「弱い自分が、世界に受けいられないと思いこんだ」

・・違う!違う違う違う!!!

「でもね、シンジ君・・目を開けてごらんなさい・・  
 世界はね・・そんなに悪いところじゃぁないわよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うそだ・・!

(シ・・ジ・・!シン・・ジ・・!シンジ・・・!)

・・・・誰だ・・・誰がぼくを・・・・・・・・・




     


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:29:43.68 ID:RL02zruK0
 「バカシンジ!いい加減起きなさい!」

・・・・・・・・・・!?
・・・・・・・・・・・・・・・アスカ・・・!?それに・・・

光が差し込んでいる・・・エントリープラグ・・誰か開けたのか・・・

(そしてシンジはアムロに誰かに抱きかかえられる・・)

アムロ 「よかったな、ロラン。彼はちゃんと生きてるぞ」
ロラン 「よかったあぁ・・それにしても、ドモンさんがいて助かりましたね」
ジュドー「確かになあ。あの火傷しそうなハッチを素手で開けられるのはこの人くら  
     いだぜ」
ドモン 「これしきの事、どうという事はない。それより、シンジといったか
     これだけの戦力に一人で立ち向かうとは、なかなか見込みがあるぞ
     よかったら俺に弟子入りしてガンダムファイターに・・」
ウッソ 「ドモンさん、まだシンジさんは目覚めたばっかりなんですから・・」
カミ―ユ「ああ、まずは彼が生きている事を喜ぼう」

・・・・・なんだ・・この人たちは・・・・僕は・・・
こんな人たちと・・・たたかって・・・たのか・・・・・

そうか・・・そう・・だったんだ・・


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:34:19.31 ID:RL02zruK0
アスカ「バカシンジ!助かったんだから、もっと嬉しそうな顔しなさいよ!」

そうだね・・・アスカ・・・・ありがとう
僕は・・もう少し・・世界に向き合ってみるよ・・・


エヴァに、ありがとう
ガンダムシリーズに、ありがとう

そしてこの物語を見届けてくれたすべての人へ


「ありがとう」






127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:38:02.33 ID:RL02zruK0
以上、
なんか途中微妙な所があったり、誤字脱字が多くてすみませんでした。

コメントしてくれた人、ROMってた人、みんなありがとうございました。

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:39:49.75 ID:Kqi0qqB5O
ゲンドウ「おめでとう」ユイ「おめでとう」

アムロ「おめでとう」
カミーユ「おめでとう」
カツ「うわあああーっ!」チュドォーン
ジュドー「おめでとう」
ウッソ「おめでとう」


>>1おつ

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:41:12.55 ID:92nCat5gO
小室哲哉の曲がずっと頭の中で流れながら読んでた


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/22(日) 21:46:06.68 ID:TicVep/00
アスカが生き残った それだけでありがとう



出典:新世紀エヴァンゲリオン―逆襲のシンジー
リンク:http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1258864676/

(・∀・): 137 | (・A・): 165

TOP