「体育会」

2010/02/08 17:12 登録: 巻き寿司小町

 俺の友達は都内の某大学の応援団にいました。
 この時代、応援団ってのは人少なくなってるし、「時代錯誤の奇異集団」なんて言って嫌う人もいます。

-そんな応援団にいた友達が経験した話です。友達の名を仮に秋月としときましょう。

 当時大学に入ったばかりだった秋月は、サークルや部活をまだ決めかねていました。そんな時に、応援団の人から声をかけられたそうです。
 どうやら応援団は平日の昼休みだけ練習していればいいとのこと。さらに、夏休みと冬休み〜春休みはオフとのこと。元々大声を出すのが好きだった彼は、「ほどほどにやれるなら」と入ったそうです。先輩も良さそうな人だったみたいで、その時は。
 練習が昼休みだけなど真っ赤なウソ。土曜もありましたし、後期は放課後にも練習が。おまけにオフと言われていた時期に合宿があったそうです。
 
 ?しかし入った翌日の夜、他の運動部との飲み会で彼は、団の先輩から「ピンサロ愛好会を作ってるんだ。入らないか?」と迫られました。
 彼は真面目というわけではありませんが、そういうお店に行くのには抵抗のある人です。それに、行くお金もない、病気は嫌だ、などなど・・・拒否するのに十分すぎるほど理由がありました。
 彼は、「入らない」と言いましたが、それ以降も何度かピンサロを勧められることがあったそうです。

 ?数日後、彼は初めて応援団のルール・言葉遣いを知りました。挨拶の際、「押忍。失礼します。失礼します。前失礼します」を周りに誰がいようが大声で言うそうです。その上、「自分は〜であります」が基本的な口調みたいで。のちに彼は私に、「恥さらしだ。周りから見て奇異なことを、平気でやろうだなんてアホらしい…。あれを知ってたら入ってなかった。ちゃんと入る前に慎重にリサーチしとけば…」と言っています。

 ?彼はお酒を飲みません。弱いだけでなく、胃も悪いですし、目上の人間との飲みとなると警戒心が強くなる男ですから。そんな彼は入ってからしばらくは飲み会があっても飲まずに済みました。乾杯の際、飲むフリをするだけで後は、専用の容器にポイで良かったのです。
 しかし、ある時、運動部合同の飲み会の際、団長に強要されたそうです。それで彼はもめて、後日そのことで話し合いになり、その際団長は、
「飲まないのは無礼」
「他大に対する部のメンツに関わる」
「飲むものなの。飲むのは伝統なの」などと言ったそうです。
「上下関係利用して飲ませるのはアルハラ」と彼が主張すると、
「俺は礼儀がどうのこうのとか言ってないじゃないか」と言いだし、
「さっき飲まないのは無礼って言ったではありませんか」と言い返すと、
「…そうだな。でも、酒は『誰でも』何度も飲めば慣れるからちゃんと飲めるようにしろよ」
んなワケないんですよね。何度飲んでも全く受け付けられない体質の人もいます。そんなこともマトモに知らないで、いい加減なことを言うのです。危ないですね。

 ?この出来事に加え、ピンサロ大好きの先輩にも「飲めるようにしろよ!」と言われたとのこと…。
 
 ?その数ヵ月後、彼は心電図検査に引っ掛かり、精密検査をすることに。不整脈だったそうです。結果次第では部を辞めなければならない状況に。検査中練習を控えていた彼の下に、ある日OBがやってきました。
 「一年はお前一人だけなんだから、途絶えさせるなよ。俺の先輩だって続けたんだから」
 辞めなければならない身体であるかもしれないのに、検査中というデリケートな時期にそう言われた彼は、強い圧力やプレッシャーを感じたそうです。

 ?悪い結果が出て、辞めなければならないことに。普通に生活していれば良いが、激しい運動は控えるようにと。あと、酒もダメと。そんな彼に飲み会でOBは数人がかりで止めようとします。
「運動はしなくていいから残って。無理させないって君の親にも誓うから」
 しかし、彼は以前「『大学がうるさいから』酒を飲ませないようにしよう」というOBの言動を耳にしているため、OBのことを信用できません。
「こいつらは自分と組織の保身さえはかれれば、俺が酒飲んでどんな状況になっても構わないんだな。当然責任を取るつもりもないだろう」と彼は思っていました。
 ピンサロ先輩も「院に進学してお前を手伝うから(零細企業にしか内定をもらえなかったため、証券アナリストになるからなどと言って進学を決意)」と言っていましたが、
「俺は実は応援団が嫌いなんだ」
「俺が院に行って団を支えれば名誉団員になれるかな」などの言動が先輩にあったことに加え、先輩が練習にもめったに来ず、当然練習の様子も把握しようとした様子もなかった人だったということもあり、
「OBやチアリーダーに対していい格好がしたいだけだろ。そのために俺を利用したいだけなんだな」という不信感を彼は募らせたそうです。
 団長にも引きとめられました。当然、「コイツ俺があの時酒飲まされて心臓疾患で倒れてたらどうしてくれたのかな。死んだら責任とれたのか?コイツも信じられない」と思ったそうです。
 そして飲み会が終わった後、彼はOBの一人に、「こんなかわいいチアリーダーもいるのに、応援団辞めようなんて」と小言を言われ、「俺は女目的で入ったんじゃねぇよこの野郎」と彼は思ったとのこと。
 その時点で彼は爆発してしまいそうな状況にまで置かれていました。しかしそれをこらえ、後日団長とサシで話し合い、来年度の新歓を手伝った後に、辞めるという結論に至ったとか。

 ?しかし、ピンサロ先輩がその後、他の部の先輩も使って説得。更に、現役の団関係者全員が彼の退部を把握している中、新年会で勝手に「秋月は籍だけ団に残し続ける」と勝手に話を作り、主張したそうです。

 彼は、完全に苛立ち、つい最近「先輩に話そうって言われた。もうキレるしかないね…」と言っていました。
 彼は現在も組織と立ち向かわなければならない状況です。俺は「いい加減逃げろよ」と言いますが、
「この部通して世話になった人に迷惑かかるから新歓までは残らなきゃ。それに、OBや先輩に全てぶちまけなきゃ終われない」と言って聞きません。
 あきれつつも、心配でたまらない今日この頃です…。

出典:ないです
リンク:ないです

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